今日は色々な話題を込めて。NHKの『ブラタモリ』が復活しましたね。というかなぜ一旦終了になったのかが私には不明。タモリは、今は芸能界の大御所のようですが、昔は駆け出しの、独特の芸風を持った、ユニークなタレントでした。たぶんNHKには出禁だったはず。今回検索していて、初期の彼の傑作持ちネタのひとつ『四カ国語麻雀』を見つけましたので、それへのリンクを以下に。少しでも麻雀を知っていると笑えるネタです(本日の話題のためにはこれを見る必要はありません。):
彼はおそらく子供の頃、ラジオから聞こえてくる海外放送を聞いて、その特徴をデフォルメして芸にしたのでしょう。福岡だと大陸からのラジオ放送を聞くには良いロケーションだったはず。当時は、この種の「ラジオ芸」をする人は何人かいました。私もラジオから聞こえてくるコーリアン、中国語などの言葉を真似していました。もしかすると、これは言語学習において有力な耳の訓練法かも知れません。特に難しかったのが、中国語の、喉だけで出す摩擦音のような音。真似しようとゴホゴホしているうちに中学で英語の授業が始まりましたので、次第にそんな馬鹿なことをする余裕がなくなりました。
なぜそんな話を?次のYouTube動画を見て、この人が故竹村健一氏の長男だと知って。このTEDスピーカーの名前は竹村新一氏です。竹村健一氏は個性豊かな人で、タモリが良く彼のものまねをしていました。新一氏はTEDで話しているのですが、残念ながら日本語なのですね。(本日の話題のためにはこれを見る必要はありません。)
すごい回り道ですが、本日の話題は「人新世」です。読みは「じんしんせい」。何のことかわかりませんが、英語というかヨーロッパの言葉ではAnthropocene /ænˈθrɒ.pəˌsɪːn/です。anthropo- + -ceneに分解できます。後者はPleistocene のような用語で使われるパーツです。地学では、-cene は「新しい」を意味する言葉ですがヒネリがあってあまり素直ではないのでここでは省略します。anthropo-はandrewの仲間の言葉で、「人間」を意味します。従って、Anthropoceneとは「人間の新時代」という意味になります。いつも思いますが、この日本語「人新世」は不要ではないでしょうか。Anthropoceneがちんぷんかんぷんの人には人新世も同様のはず。
Anthropocene | etymonline
先日NHKのある番組でこの話題を扱った回を再放送していました。再放送の再放送はないようなので、紹介するのは避けます。一言でいえばAnthropoceneとは、今までのgeological time divisionにおいて最新の時代区分は Holocene だったのですが、これでは今起こりつつある、激変を十分に取り込んでいるとは言えないのではないか、という問題意識があるのだそうです。たしかに1950年頃を境に、色々な指標で人類が原因となって地球環境に大きな負荷を与えているのは正しい見識でしょう。そのために新しい時代区分が必要とされているようです。その名前がAnthropoceneという訳です。なお、halocaust の holo-と上記のholo-とは同じ意味です。つまり「全部」を燃やすことがholocaustです。caustの方は、苛性ソーダなどで使うcaustic sodaのcausticと同じ。意味は「燃えるような」ですが、caustは「燃やす」ことになります。ということは、holocaustはヘブライ語由来ではないのですね。つまりヨーロッパ人が作った言葉だということがわかります。
我々の関心は、地学的な時代区分そのものではなくて、言葉の側からの分析ですので、地学にあまり立ち入ることは今回は避けましょう。
彼はおそらく子供の頃、ラジオから聞こえてくる海外放送を聞いて、その特徴をデフォルメして芸にしたのでしょう。福岡だと大陸からのラジオ放送を聞くには良いロケーションだったはず。当時は、この種の「ラジオ芸」をする人は何人かいました。私もラジオから聞こえてくるコーリアン、中国語などの言葉を真似していました。もしかすると、これは言語学習において有力な耳の訓練法かも知れません。特に難しかったのが、中国語の、喉だけで出す摩擦音のような音。真似しようとゴホゴホしているうちに中学で英語の授業が始まりましたので、次第にそんな馬鹿なことをする余裕がなくなりました。
なぜそんな話を?次のYouTube動画を見て、この人が故竹村健一氏の長男だと知って。このTEDスピーカーの名前は竹村新一氏です。竹村健一氏は個性豊かな人で、タモリが良く彼のものまねをしていました。新一氏はTEDで話しているのですが、残念ながら日本語なのですね。(本日の話題のためにはこれを見る必要はありません。)
すごい回り道ですが、本日の話題は「人新世」です。読みは「じんしんせい」。何のことかわかりませんが、英語というかヨーロッパの言葉ではAnthropocene /ænˈθrɒ.pəˌsɪːn/です。anthropo- + -ceneに分解できます。後者はPleistocene のような用語で使われるパーツです。地学では、-cene は「新しい」を意味する言葉ですがヒネリがあってあまり素直ではないのでここでは省略します。anthropo-はandrewの仲間の言葉で、「人間」を意味します。従って、Anthropoceneとは「人間の新時代」という意味になります。いつも思いますが、この日本語「人新世」は不要ではないでしょうか。Anthropoceneがちんぷんかんぷんの人には人新世も同様のはず。
Anthropocene | etymonline
先日NHKのある番組でこの話題を扱った回を再放送していました。再放送の再放送はないようなので、紹介するのは避けます。一言でいえばAnthropoceneとは、今までのgeological time divisionにおいて最新の時代区分は Holocene だったのですが、これでは今起こりつつある、激変を十分に取り込んでいるとは言えないのではないか、という問題意識があるのだそうです。たしかに1950年頃を境に、色々な指標で人類が原因となって地球環境に大きな負荷を与えているのは正しい見識でしょう。そのために新しい時代区分が必要とされているようです。その名前がAnthropoceneという訳です。なお、halocaust の holo-と上記のholo-とは同じ意味です。つまり「全部」を燃やすことがholocaustです。caustの方は、苛性ソーダなどで使うcaustic sodaのcausticと同じ。意味は「燃えるような」ですが、caustは「燃やす」ことになります。ということは、holocaustはヘブライ語由来ではないのですね。つまりヨーロッパ人が作った言葉だということがわかります。
我々の関心は、地学的な時代区分そのものではなくて、言葉の側からの分析ですので、地学にあまり立ち入ることは今回は避けましょう。
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