日産の最近のTVCMには、鈴木亮平(日本人男性俳優)がアクセルをグーッと踏むシーンがあります。へえ、今時こんな時代感覚の欠落したCMも珍しいな、と思わせてくれました。これをアメリカで放送したら、間違いなく大炎上するでしょうね。日本人はココロが広いようです。日産車にはアクセルをべた踏みして初めて味わえる感覚があるようです。ちなみに、同じべた踏みなら、ポルシェだと、ブレーキを踏むとよーくわかります。ちょっとした異次元の感覚。傑出した安定感・・・

最近日産のCEOが交代したそうです。名前はIvan Espinosa、ほとんど何も知られていません、というか、wikiを探したのですが見つかりませんでした。先日のTVニュースで、英語で話していたあの人。40歳代でしょうね。

復習しておくと、カルロス・ゴーンの時には Nissan Revival Planと呼ぶ再生計画がありました。ダサい名前。彼の時は、6千億円という気の遠くなるような赤字を、1年後決算では3千億円の黒字にしました。別の言い方をすると、これだけの回復を日産の「実力」で1年でやるのは不可能と思われますので、前の経営陣が厳しいリストラ、事業などの取捨選択に踏み出せないでいたときに、ゴーンがクビ切り、工場閉鎖を断行したら、1年で回復できる程度だっただけの話です。彼の場合にはintegrityに問題があったことは後日外部に知られることになりました。株式公開会社ながら自浄作用はありませんでした。

私が驚いたニュース2つ。日産が中国で発売するBEVに関する2つのニュースへのリンクを以下に。衝撃的な内容です。なぜこんな良さげな商品を日本でも発売しないのかわかりませんねえ:

日産がもの凄いEVを中国で展開し反転攻勢! ライバルを凌駕するN7の中身|  Yahoo News

日産、中国で新型EV約240万円から 1年内に輸出も| 日経

日本でも、やっちゃえば、にっさん?


さて、英語の方はこれです。約10分ありますが、あまり退屈しませんが、内容的には光るものなし:
Watch CNBC's full interview with Nissan CEO Ivan Espinosa  |  YouTube


Re:Nissanはそのまま読むようです。メールで使われる用語 re: というのはラテン語ですが、これはそうではなくで、reboot Nissanかそれに近い意味を曖昧にして持たせたもののようです。

彼は受け口のようですね。ちょっとtariffの発音が不明瞭になるところが何カ所かありますが、より意識して発音すれば、ちゃんと発音できる、ということですね。スペイン語訛りがあっても当然でしょうが、そう感じさせるものはなかったと私は思います。

特に新しい情報がここにあるわけではありません。彼は40歳代でしょうから、大学あるいは院を出て日産のメキシコに入社したはず。MBAのコースを履修したとはどこにも書かれていませんでした。さほど時間をかけずに現地のトップになったようですが、もしそうならば、大変な努力家なのでしょう。

native speakerのような英語を理想にする必要はないだろうということを感じさせてくれます。これだとnon-native speakerでも十分に日本にいる社員に通じるはずです。むしろ、国際的な会社にはこの方がずっと良いのかも知れません。このインタビューの途中で日産の株価のトレンドが何度か画面に登場します。これを見ると、UK/EUの人々は「日産やばくね?」と心配になるはずなので、彼は一言何か言うべきでしたね。もしそれが日産の広報部の人々の手落ちであれば、鈍感過ぎますね。普通、ゲストスピーカーは、グラフを示したり、bullet-pointで書いたりは許されませんので、少し工夫が必要です。もう少し知恵を出すスタッフが側にいるべきで、CNBCと交渉しても良かったのでは?あるには、日産側から「こんな質問だと視聴者が喜ぶのでは?」という提案を出すのもアリだったでしょう。