先日、広い歩道で、幼児が大きな犬を見てギャン泣きしているのを見かけました。その時に思いついたことを本日の話題にします。

普通、幼児は何事であってもあまり恐怖心を持たないと思うのですが、その子の様子からすると、過去にやや大きめな犬と何か嫌な経験があったのでしょう。

英語では「~恐怖症」という言葉が山のようにあります。基本的に、それらは -phobiaという言葉と、別のラテン語あるいはギリシャ語で造語されていますので、英語というよりは、そのままヨーロッパの言語には、ということになりますが。この時の大型犬は人間と散歩中のゴールデンリトリーバー(GR)でした。人間に反抗的なゴールデンリトリーバーを私は見たことがありません。この犬種は、イングランドで、鳥撃ちの時に、仕留めた獲物を回収するために育種されましたので、とりわけ従順ですし、犬種にそう命名されました。その犬の方が縮こまっていました。もしかするとその犬は幼児が好きなのかも知れません。さて、その幼児の病的傾向を指す言葉はcynophobiaというのは読者諸氏は既にご存知でしょう。canophobiaという言葉もあり、同じ意味です。語源的にはcano-の方が、ラテン語の犬canisに近いので、納得しやすいでしょうが、cyno-の方が使われます。なお、星座で「大きな犬」「小さな犬」、つまり大犬座、子犬座という名前のものがありますが、英語では Canis Major、Canis Minorと言います。

で、同じ構図をこの犬の視点から見ると、ギャーギャー泣く幼児に対して、この犬が持つであろう感情、つまり(ギャン泣き)幼児に対する忌避感、恐怖があったと仮定して、どのような名称が考えられるか、ですが、これは結構簡単です。「幼児性愛者」のことをpedophiliaと呼びます。pedo-とはギリシャ語由来の「幼児」を意味する言葉です。ですので、簡単に pedophobia ということになるでしょう。

ついでに、この、ASのphobia-word好きの傾向を指す言葉として、phobophiliaという言葉を造語することが可能なはず。一方、日本人である私からすると、この英語などでのphobia-wordに対して、ウンザリした気持ちを持つことはあり得ますが、それを何と呼ぶべきか。つまり-phobiaを恐れるphobiaです。普通にneologizeすれば、それはphobophobiaということになります。

隙あらばneologismしてやろうと思っているので簡単にできました。