昨日の続きです。
3)加速
この静かな、シオニズム(新イスラエル建国運動)は、1894年のドレフュス事件で転機を迎え加速したと言われています。なぜか?それはフランスという国は比較的ユダヤ人に対して穏健な扱いをしている国というのがユダヤ人社会の一般的な認識だったのですが、そのフランスでさえ、反ユダヤ主義に傾いていると認識されるようになったからです。ここにロシアでの、農奴制への不満をそらすための国家ぐるみのユダヤ人弾圧が加わり、ロシア、ポーランド、スペイン、ドイツ、トルコなどからユダヤ人がイスラエル地区に戻り始めます。(あるいはアメリカに移住。)ここは当時はオスマン・トルコ領でした。次の転機は、ホロコーストと終戦です。第2次大戦終了後はさらに多くのユダヤ人がイスラエル地区に戻り始めました。その間約50年。この間に、あれほど恐れられたロシア帝国は瓦解し、共産党独裁ロシアおよびソ連圏(ロシア+衛星国家)が成立し、ナチス・ドイツが倒れました。そして次の50年ではソ連も倒れました。
戦後の動きで私にとっては印象深い話を。ユダヤ系の人々が荒れ地を買い、地元のアラブ人を日雇いで雇い、共に働き農場をつくる動きがあちこちで起きました。アラブ人はトルコ系の農場の払う日当よりもユダヤ系の農場の方が高かったのでそちらに流れました。フランスのロスチャイルド家(ユダヤ系資本)はワイン醸造所(1社)を投資、建設し、周辺の農家にブドウを生産するよう促しました。当初はユダヤ系が少数派だったので、いろいろ迫害があったようです。それから数十年。今はユダヤ系の方が多数派となりアラブ系の人々の農場にプレッシャーをかけているようです。
4)政治、経済
パレスチナ人の意思を代表するといえる組織は何かとなると内部抗争があるためはっきりとしません。ガザ地区ではHamasと呼ばれる一派が優勢と言われています。その主な理由は、Hamasが汚職をしないから、だそうです。アラブ人の世界が腐敗と無縁でいることは難しいようです。有能かどうかよりも汚職度の方が決定的ということでしょうか。(後述の理由で私はHamasが清廉だとは思いません。)
ガザ地区の場合、GDP per capitaはUS$2,900とあるサイトにありましたが、おそらくこれには外国からの支援が相当含まれているはずであり、しかもまだ相当部分が捕捉されていないと思います。私の理解では、大体年間1000ドル位、プラス援助が最低1000ドルです。いずれにせよ、最貧国になります。まずこれを脱すべきですが、HamasあるいはPLOにその意思、能力はあるでしょうか。対してイスラエルでのGDP per capitaはUS$43kで、日本とほぼ同じです。普段ガザ地区の人々はほとんど生産活動をせずに、おそらく海外からの経済援助、武器援助に頼って生活していると私は想像します。自立する気はあるか?ないと思います。初代のPLO議長アラファトはエジプトの将軍養成学校卒です。その後、生涯軍人のような生活をしました。一度も生産活動をしたことはありません。戦争、テロは大いなる費消行為で、別の誰かが行う生産活動の裏付けがあって初めて可能です。仮にPLOが戦争国債を発行したとしても引き受ける人はあまりいないでしょう。ということは戦争国債以外の財源で運営されているのでしょうか。そもそもPLOとは一体何なのか?政治家の集団?軍人であれ、それ以外であれ、一度も生産活動にかかわったことのない人々と言って良いと思います。PLOには収税の組織があるのでしょうか。パレスチナ人には納税の意識はあるのでしょうか。そもそも広義の「イスラエル」と呼ばれる地区で、公職選挙の投票、入植地の登記、所有権、法律、徴税権、警察権、裁判権、治安維持、行政を担うのはどこの統治組織なのでしょう?イスラエル以外にまともな統治機構は存在するのでしょうか。かつてはオスマン・トルコがそれを担っていましたが、今は?アラブ人にその気力、能力、組織、資金的裏付けはあるのでしょうか。
テロに対して空爆などの報復があるのは過去の例から明らかであるにもかかわらずHamasが無差別ロケット弾攻撃をイスラエルにくわえ、イスラエルは報復として無差別空爆を行います。空爆を抑止する最善のものは自前の空軍ですが、Hamasは持っていないと思います。その結果が直近のニュースで見る、ガザ地区の瓦礫の山です。この破壊で自分で稼ぐGDPは更に減るでしょう。Hamasの攻撃は本当に「国民」の意思なのでしょうか。私が想像しますに、おそらく海外からの武器「援助」には、たとえばイスラエルに対してロケット攻撃をいついつまでに実行する、ということが条件に入っているのではないでしょうか。その見返り条件(金品)があり、それが欲しいためにHamasは実行に移すのではないかと思っています。資金源はムスリムだろうと想像します。別の言い方をすると、裕福なイスラムの国が自分の手を血で汚すのではなく、カネでHamasに実行させているだけでは、と想像します。もしそうならば、このタカリの構造をなくさねばなりません。ただし、私は証拠を持っているわけではありません。想像しているだけです。ですが、この想像は色々な事柄をよく説明できますよね。ガザの人々の人権のためには、私は国連の平和維持軍がガザ地区で活動すべきだと思います。ガザ地区で消費される軍事物資はおそらく100%エジプト経由の地下トンネルで運び込まれます。それは正しい武器取引なのでしょうか。一部のエジプト人は、小麦粉、バターから重兵器、医薬品までの各種取引で相当な利益を得ている(売り手独占)はずで、エジプトの警察、軍隊はそれを見ても見ぬふりをして賄賂を得ているはずです。
今ヨーロッパで売られている農産物(野菜、果物)の少なからぬ部分がイスラエル産です。GAPと呼ばれる、先進的仕組みを農業に導入している一方で、価格競争力が非常に強いためです。今日本でも普及している、潅水(かんすい=水やり)システムはイスラエルの特許を使用したものが結構多いです。貴重な資源である真水を最大限効率的に農産物に与える灌漑(かんがい irrigation)の最も省資源的なシステムで、灌漑につきものの塩害が極めて起こりにくいシステムなのだそうです。
イスラエル国内で生活をするアラブ系の人々。彼らの多くはいわゆるパレスチナ人でしょう。過激思想を持っているわけではなさそうですが、あらゆるところに少数派の悲哀があるようです。彼らの圧倒的多数の人々は耐え忍んでいるわけです。反イスラエル的なアラブ人からすると裏切り者、売国奴と言われるそうです。しかし生産活動に参画、平たく言えば、就労しないと生活が成り立ちません。生涯不労の「愛国者」、生産活動をする「裏切り者」、どちらが人間としてまともでしょうか。
アメリカのキリスト教「福音派」evengelistと呼ばれる人々は、過去からユダヤ人に同調的です。evangelはgospelと同義語です。ややこしいのは、英語では evangelistとは、熱心な人、という意味でも使われます。この人々とユダヤ系アメリカ人は、アメリカ国内の選挙のときにかなりの力を発揮します。ゴシップなどで対立候補の落選に非常に熱心に動きます。これに直接的なユダヤ系候補への投票が加わり、ユダヤ系の人々は上下院議員選挙と大統領選挙では結構な力を発揮するそうです。
少しは参考になりましたでしょうか。
3)加速
この静かな、シオニズム(新イスラエル建国運動)は、1894年のドレフュス事件で転機を迎え加速したと言われています。なぜか?それはフランスという国は比較的ユダヤ人に対して穏健な扱いをしている国というのがユダヤ人社会の一般的な認識だったのですが、そのフランスでさえ、反ユダヤ主義に傾いていると認識されるようになったからです。ここにロシアでの、農奴制への不満をそらすための国家ぐるみのユダヤ人弾圧が加わり、ロシア、ポーランド、スペイン、ドイツ、トルコなどからユダヤ人がイスラエル地区に戻り始めます。(あるいはアメリカに移住。)ここは当時はオスマン・トルコ領でした。次の転機は、ホロコーストと終戦です。第2次大戦終了後はさらに多くのユダヤ人がイスラエル地区に戻り始めました。その間約50年。この間に、あれほど恐れられたロシア帝国は瓦解し、共産党独裁ロシアおよびソ連圏(ロシア+衛星国家)が成立し、ナチス・ドイツが倒れました。そして次の50年ではソ連も倒れました。
戦後の動きで私にとっては印象深い話を。ユダヤ系の人々が荒れ地を買い、地元のアラブ人を日雇いで雇い、共に働き農場をつくる動きがあちこちで起きました。アラブ人はトルコ系の農場の払う日当よりもユダヤ系の農場の方が高かったのでそちらに流れました。フランスのロスチャイルド家(ユダヤ系資本)はワイン醸造所(1社)を投資、建設し、周辺の農家にブドウを生産するよう促しました。当初はユダヤ系が少数派だったので、いろいろ迫害があったようです。それから数十年。今はユダヤ系の方が多数派となりアラブ系の人々の農場にプレッシャーをかけているようです。
4)政治、経済
パレスチナ人の意思を代表するといえる組織は何かとなると内部抗争があるためはっきりとしません。ガザ地区ではHamasと呼ばれる一派が優勢と言われています。その主な理由は、Hamasが汚職をしないから、だそうです。アラブ人の世界が腐敗と無縁でいることは難しいようです。有能かどうかよりも汚職度の方が決定的ということでしょうか。(後述の理由で私はHamasが清廉だとは思いません。)
ガザ地区の場合、GDP per capitaはUS$2,900とあるサイトにありましたが、おそらくこれには外国からの支援が相当含まれているはずであり、しかもまだ相当部分が捕捉されていないと思います。私の理解では、大体年間1000ドル位、プラス援助が最低1000ドルです。いずれにせよ、最貧国になります。まずこれを脱すべきですが、HamasあるいはPLOにその意思、能力はあるでしょうか。対してイスラエルでのGDP per capitaはUS$43kで、日本とほぼ同じです。普段ガザ地区の人々はほとんど生産活動をせずに、おそらく海外からの経済援助、武器援助に頼って生活していると私は想像します。自立する気はあるか?ないと思います。初代のPLO議長アラファトはエジプトの将軍養成学校卒です。その後、生涯軍人のような生活をしました。一度も生産活動をしたことはありません。戦争、テロは大いなる費消行為で、別の誰かが行う生産活動の裏付けがあって初めて可能です。仮にPLOが戦争国債を発行したとしても引き受ける人はあまりいないでしょう。ということは戦争国債以外の財源で運営されているのでしょうか。そもそもPLOとは一体何なのか?政治家の集団?軍人であれ、それ以外であれ、一度も生産活動にかかわったことのない人々と言って良いと思います。PLOには収税の組織があるのでしょうか。パレスチナ人には納税の意識はあるのでしょうか。そもそも広義の「イスラエル」と呼ばれる地区で、公職選挙の投票、入植地の登記、所有権、法律、徴税権、警察権、裁判権、治安維持、行政を担うのはどこの統治組織なのでしょう?イスラエル以外にまともな統治機構は存在するのでしょうか。かつてはオスマン・トルコがそれを担っていましたが、今は?アラブ人にその気力、能力、組織、資金的裏付けはあるのでしょうか。
テロに対して空爆などの報復があるのは過去の例から明らかであるにもかかわらずHamasが無差別ロケット弾攻撃をイスラエルにくわえ、イスラエルは報復として無差別空爆を行います。空爆を抑止する最善のものは自前の空軍ですが、Hamasは持っていないと思います。その結果が直近のニュースで見る、ガザ地区の瓦礫の山です。この破壊で自分で稼ぐGDPは更に減るでしょう。Hamasの攻撃は本当に「国民」の意思なのでしょうか。私が想像しますに、おそらく海外からの武器「援助」には、たとえばイスラエルに対してロケット攻撃をいついつまでに実行する、ということが条件に入っているのではないでしょうか。その見返り条件(金品)があり、それが欲しいためにHamasは実行に移すのではないかと思っています。資金源はムスリムだろうと想像します。別の言い方をすると、裕福なイスラムの国が自分の手を血で汚すのではなく、カネでHamasに実行させているだけでは、と想像します。もしそうならば、このタカリの構造をなくさねばなりません。ただし、私は証拠を持っているわけではありません。想像しているだけです。ですが、この想像は色々な事柄をよく説明できますよね。ガザの人々の人権のためには、私は国連の平和維持軍がガザ地区で活動すべきだと思います。ガザ地区で消費される軍事物資はおそらく100%エジプト経由の地下トンネルで運び込まれます。それは正しい武器取引なのでしょうか。一部のエジプト人は、小麦粉、バターから重兵器、医薬品までの各種取引で相当な利益を得ている(売り手独占)はずで、エジプトの警察、軍隊はそれを見ても見ぬふりをして賄賂を得ているはずです。
今ヨーロッパで売られている農産物(野菜、果物)の少なからぬ部分がイスラエル産です。GAPと呼ばれる、先進的仕組みを農業に導入している一方で、価格競争力が非常に強いためです。今日本でも普及している、潅水(かんすい=水やり)システムはイスラエルの特許を使用したものが結構多いです。貴重な資源である真水を最大限効率的に農産物に与える灌漑(かんがい irrigation)の最も省資源的なシステムで、灌漑につきものの塩害が極めて起こりにくいシステムなのだそうです。
イスラエル国内で生活をするアラブ系の人々。彼らの多くはいわゆるパレスチナ人でしょう。過激思想を持っているわけではなさそうですが、あらゆるところに少数派の悲哀があるようです。彼らの圧倒的多数の人々は耐え忍んでいるわけです。反イスラエル的なアラブ人からすると裏切り者、売国奴と言われるそうです。しかし生産活動に参画、平たく言えば、就労しないと生活が成り立ちません。生涯不労の「愛国者」、生産活動をする「裏切り者」、どちらが人間としてまともでしょうか。
アメリカのキリスト教「福音派」evengelistと呼ばれる人々は、過去からユダヤ人に同調的です。evangelはgospelと同義語です。ややこしいのは、英語では evangelistとは、熱心な人、という意味でも使われます。この人々とユダヤ系アメリカ人は、アメリカ国内の選挙のときにかなりの力を発揮します。ゴシップなどで対立候補の落選に非常に熱心に動きます。これに直接的なユダヤ系候補への投票が加わり、ユダヤ系の人々は上下院議員選挙と大統領選挙では結構な力を発揮するそうです。
少しは参考になりましたでしょうか。
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