本日の話題は、英語というよりは、広く諸言語に関係するかも、という話題です。

昔ブラジル人サッカープレーヤーで「カカ」と呼ばれる人がいました。本名ではありません。なぜ彼が「カカ」と呼ばれるようになったのか、については、あちこちに説があります。英語での綴りは、Kakaですが、ブラポル語ではKakáになるようです。音の違いについてはまったくわかりません。英語圏で先ず騒がれたのは、この名前をテレビで叫んで良いのか、ということです。なぜでしょうか。それは、kaka=shitだから。

"caca"という単語について、M-Wは非常に簡潔な表現をしています。たった一言、excrementです。その下にある文字列をそのままコピペします:
in Arabic, Russian, Spanish, Romanian, Hungarian, Hebrew and Albanian, 'kaka/caca' straight up means sh*t.  これは『スポーツイラストレイテッド』という、アメリカで最高ランクのスポーツ誌の記事から、とクレジットされています。straight upは日本語でいえば「マジで」という意味です。

さて、これを分かった上で、本来の話題に。チョコレートの原料はカカオなのか、ココアなのか。これはずっと昔から私が抱いてきた疑問です。結論をいうと、英語では両方生きています。スペイン語ではcaca。フランス語ではcacaだけのようです。イタリア語ではcacca。語源は、スペインが侵略した、ナワ族(Nahuatle)のcacahuatlらしい、とのことです。マヤ族など近隣の部族でもcacaに近い単語だったとのことです。

今回確かめることができませんでしたが、cacaと聞いたスペインの人達は、それがpoop(=shit)を意味するので、似た別の単語にしたかった、ということです。当時スペインはその新しい食べ物を他の国に輸出しようとしていたからです。結論としてはその思惑は失敗した、ということになります。

で、英語には、cacaが入ってきたとき、人々は cocoa と言い換えようとしたのだとか。理由は coco だと「茶色」を意味するので、受け入れやすい、ということだったようです。おそらく、これが英語でcacao cocoa 両方が並立している理由だと思います。Coco Chanel はフランス人だったのでしょうか。彼女のファーストネイムは、おそらく髪か瞳の色に由来するのではないでしょうか。cocoとは茶色のことです。

散々調べてもなかなか核心的な答えに到達しませんでした。cacao beansとは言いますが、cocoa beans とは言わないかも知れません。どちらかといえば、cacaoは原料に近い方だろう、という説も今回見ました。ただ、その種の writer がどこまで caca という言葉の cross-language な背景を知っているのかわかりません。今回調べた中でそのことに触れた英語の説明は一つもありませんでした。