字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2025年05月

ドン・トランプの思いつきが、既存のあらゆるものを揺り動かしています。違法移民が嫌い?その気持ち分からないではないですが、アメリカの最近の---直近30年の富を築いてきた人々の多くは移民かその子孫です。というか、アメリカで移民ではない出自の人はnative Americanのみです。彼らが海外からの一流大学への移民学生を積極的に雇い、アメリカ国内での、専門家、エンジニアの不足を補ってきました。つまり、アメリカは自国だけで一流の仕事を続けることはできないのです。それを快く思わないのは、支持母体である、poor whiteです。彼らのは多くは高卒か中退、せいぜいが、地元のstate university卒業/中退程度。「なぜ白人の自分よりも有色人種の移民の奴らが一流の大学で最高の教育を受けて、初年度から自分の何倍もの給料を稼ぐのか」彼らがしなかった勉強を一生懸命やり、リスクをとり、自分の専門性を高めて自分を売り込むから。マリワナ、コカインのような薬物とは無縁だから。彼らはトランプ1.0の時にはQAnonのような陰謀説を大っぴらに信じていました。彼らの知性とその荒唐無稽さはバランスしていたようです。ほぼ小学生並みですね。それがSNSのchamber effectであることに気づかずに。

さて、CNNに最近登場したある記事を今日は話題にします。

Why Apple doesn’t make iPhones in America – and probably won’t  |  CNN
https://edition.cnn.com/2025/05/28/tech/apple-iphone-trump-america-china

着眼点は良いのですが、深掘りが出来ていませんが、表面的な事柄が書かれており、一応「それなり」の内容でしょう。結論は、ほぼ誰もが予想する通りの事柄でしょう。もはや、アメリカで作れないか、作れるにしても数倍の価格になる、ということです。iPhoneにそれほど多様、重要な技術が濃縮されているものなのでしょうかねぇ。

このレベルのことになると、弁護士資格を持っている程度の知能、知識、経営能力ではやや能力不足でしょうね。つまり、トランプ政権は今回のtarifficationでは相当程度の実務の知識を持たないことのリスクを承知の上で着手したのでしょう。外部の専門家の意見を十分聞く必要があるでしょう。ですが、トランプの横暴振りから見て、正しいことを彼にさとすこと自体が大きなリスクになるでしょうから、そんなリスクを取ろうと考える変人はいないでしょうね。

英語的には、たいして難しい言葉、表現が使われているわけではありません。finger-worn という言葉が記事の中の「指輪」で登場しますが、その意味は「指に装着するタイプの」です。まるでその製品のことを知らない私が解説するのは少し気が引けますけど・・・ 1174 wordsですので、7,8minで読みたいですね。CNNは5-min readと言っています。

今ユーゴスラビアから来訪している、 Milojko Spajić ミロイコ・スパイッチ。彼の国は「モンテネグロ」だと日本のメディアは言っています。彼らはそれに何かの違和感のようなものは感じないのでしょうかねぇ。単なる無知なのか、単に鈍感なだけなのか。ドン・トランプに見るように無知と鈍感はしばしば同居します。それはそれとしても、スパイッチ?ちょっと違和感のあるラスト・ネイムですが、そこにはとらわれずに、我々は何を学べるのか、学ぶべきなのかを考える機会にしましょう。結論を先に言うと、小さな国の悲哀に溢れています。

まず、私のような老人にはこの「国」はむかしは「ユーゴスラビア」と呼ばれた国の一部です。Yugoslavia?一体それは何語でしょうか?まあ、あまり細かい事にはこだわらずに先へ進むことにしましょう。私の記憶ではyugo-とはどこかの国の言葉で「南」を意味するのだとか。まあ、バルカンにある小さな国々のひとつ。調べるとそれはVenet(ベネチア語)なのだそう。道理で分かりやすいですね。彼の国は今はMonenegroと呼ばれるようです。当然これはexonymでしょう。(exonymとは「日本」をJapanと呼ぶようなことです。)demonymは Crna Gora だそうです。ChatGTPによるとその意味もblack mountainだそう。つまり、ヨーロッパには珍しく、「濃い森」の地方、国という意味になるのでしょう。地理的にはアドリア海の東側にある国のようです。MontenegroをadjectivizeするとMontenegrin になりますが、これはラテン語の語尾変化のひとつのタイプですね。我々に馴染みのあるもので言えば、-ine で形容詞を作るようなものです。つまりMontenegro/Montenegrinそのものが相当にラテン語の影響を受けている、ということになります。モンテネグロの今の首都の名前はポドゴリーツァPodgoricaですが、昔はTitogradという名前でした。歴史的には中世からずっとPodgoricaでしたが、戦後共産党独裁が始まり、Titoという名前の人物がトップとなり、彼の名前を冠した都市名にrenameされました。そして、独立したCrna Goraは首都をPodgoricaに戻した、という歴史です。

このエリアは地理的に細かく分裂していてわかりにくです。ですが、それ以上に、歴史的、文化的にも分断されてきました。影響は、対岸のローマ帝国、次いでByzantine、Venetian、Ottoman、Slavic...という具合です。おそらくSerbiaの文化圏として認識して大きな間違いはなさそうです。地理、歴史、言語、宗教で分断され、分化し、異なる支配を受け、大国から忘れ去られて・・・という歴史です。ソ連という抑えが崩壊してからこの地域も分裂し、抗争し、不安定化しました。私にはそれを語る資格はありません。旧ユーゴ内では、NATOの空爆もありました。そして今日の平和があります。

このような小国の人々は、大体数カ国語を話すのが普通です。多くの場合、別にうまくはないと思います。ただ、相手に合わせて器用に多くの言語を操ります。「モンテネグロ」首相のミロイコ・スパイッチもwikiを見ると数カ国語を話すようで、そのうちの日本語は相当得意なはず。彼の名前は英語圏のMichaelあるいはMilesと似ているかをChattieに尋ねるとNOとのことです。現地の言葉でlittle boyを意味する言葉だそうです。

さて彼の話す言語、今日は英語を取り上げてみます:

Montenegro’s Path to Economic & Social Transformation | H.E. Milojko Spajić

英語の方はなかなか流暢ですが、中身がありません。ここでは中身を論じるよりも、彼の英語に注目することになりますが、そうすると fair to googの評価でしょうか。しかし、言葉だけが一人歩きすることはありません。彼のように国民の上に立つ立場の人は、外国人をも想定において聴衆に対して、ヴィジョンなりを示す必要があります。中身も大事です。さもないとまるで心に記憶に残りません。(余計な話ですが、これを英語で Takeawaysと言いますよね。)

蛇足。exonymについて。日本/Japan以外で有名なexonymを挙げよ、ということであれば、それはオーストリアでしょう。Austria。国営の航空会社もそう名乗っています。ですが、自分の国をドイツ語(オーストリアの言語)で言うとそれはÖsterreichですね。意味はeast+countryです。日本人は、せめてMontenegroがexonymなのかdemonymなのかぐらいには気を遣う程度の知能は持ちたいですね。

イングランド人はかなり変わった人々です。自分たちでも時々困っているようです。最近の例では、Brexitです。2016年当時毎晩、毎日テレビでは討論会が行われていて「UKは〇〇ポンドの金をEUに垂れ流している」「政治をブラッセルズの官僚たちからロンドンに取り戻せ」というコールがあちこちで。国民投票後に分かったのは、あの時ボリス・ジョンスンが言っていた話は要するにfake newsだったのですが、まったく検証しないまま、投票に・・・その結果がアレ・・・やれやれ。

こんなBritsたちは、常日頃、どうやってBritらしさを示すか知恵をめぐらせています。例えば、会食。自分が手を伸ばせば塩を取れるのに、わざわざ近くの人に頼むアレ。「俺はお前の給仕じゃねえよ」とココロで思いながら、笑顔で渡してあげましょう。他の国では料理には味がついていますが、ロンドンでは付いていません。味覚音痴で有名なLondonersの好みを押しつけませんよ、という優しさに溢れています。このためかの国ではテーブルの塩は必需品です。なぜLondonersはテーブルで人に塩を取らせる?それは知らない人同士でも会話を促進する効果があると彼らは信じています。それだったら、自分で塩をとり、振る前か後に、「あなたもこれ使いますか?」とすれば、異なる文化の人にも違和感なしでは?と私は思います。でもそこは世界標準時の都のヒトビトですので、イングランド流で。

私はサンドイッチが大好きなので世界中で食べてきましたが、唯一未だに出会っていないものがあります。それは toast sandwich と呼ばれるもの。それはある有名な本に登場します:

Mrs. Beeton's Book of Household Management  |  wiki

これはヴィクトリア時代の本です。かなり風変わりな事が書かれています。例えば、乾燥パスタのゆで時間として1時間45分推奨・・・ ほとんど糊になっているはず。typoかも知れません。toast sandwichのレシピはその中に書かれているそう(上記wikiにハイパーリンクあります)。それだけでしたら、Britsあるあるで終わっていたはずなのですが、2011年に化学学会がそれをとりあげ、褒めました。信じられませんが、広い心で受入れましょう。

これはEnglish dry humorか?と自問したくなりますが、それはこらえて、Britになった気持ちで、「そう来たか。じゃあ俺はこう行く」というものを考えねばなりません。あなたも一緒に考えてください。

私の答は「ご飯サンドイッチ」です。東洋のstaple foodと西洋のstaple foodが出会い、お互いを皿の上で高め合う。レシピは簡単。炊いたご飯を冷やすか、冷凍して、それをトーストしていないパンで挟みます。UKの伝統に反して、塩を振ることを特別に許可します。飲み物はぜひ冷えたミルクティーで。好みによっては、ミルク、タマゴ、バターを一切使わないパンで作れば、完全なvegan foodになります。MuslimにもOK。優雅な名前を考えねばなりません。Victoria's secret sandwichはいかがでしょう?ChatGTPのひらめきでは、GreenwichならぬGrainwich sandwichでした・・・

昨日の続きです。

別の角度から見ます。アメリカの独立のことを英語では American Revolutionと言います。他にもいい方がありますが、revolutionという言葉が入ることに、英語のできない日本人は気づきません。つまり、国が真っ逆さまになったということです。昨日まで「上」だと思っていたものは、「下」になりました。徐々にそんな変化が押し寄せるのではなくて、たいていは軍事力のような暴力をつかって国を真っ逆さまにすることです。その200年後のことをアメリカではbicentennialと呼びお祭り騒ぎでした。狭義では1976年のことですが、前年から商店街などではbicentennialの旗をつくって徐々に祝賀ムードでした。アメリカにtricentennialはやって来ますが、その時、USAはどうなっているでしょうか。私の直感では、連邦が分解している可能性が3、4割でしょうか。連邦制維持の可能性は7,6割です。ただし、連邦制が崩壊していても、軍事同盟としては機能し続けるでしょう。今のUnionが崩壊している可能性がある、ということですが、今の憲法では十分に想定されていない事態です。私の意見では離脱候補ナンバーワンはやはりMA州です。ボストン周辺の人々は強烈なrepublicanです。野球(MLB)でも、バスケットボール(NBA)でも、ホッケー(NHL)、アメフト(NFL)でもどれもものすごく熱いサポーターたちのお陰でアメリカ屈指の強さです・・・関係ないかも知れませんけどね・・・ 他に、NE13州のいずれか、あるいは全部まとめて。更に、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州。WA州はおそらく隣のBC州(カナダ)と連邦を構成する可能性があるでしょう。連邦側の議会が離脱を承認する必要がありますが、それは手続き上の話。当の自分たちが「離脱」を決めればそれでfinalという意見は十分合理的だと私は思いますね。なお、USAに残る側の連邦議会が、その決議は過半数で良いのか、重要議案なので2/3以上の賛成が必要かを論じることになるでしょうが、離脱州自信のmatterではありませんね。

なぜ離脱か?ひとつにはHouse of Trumpの初代Donaldのtyrannyが許容限度を超えているから。 経済格差が拡大し続けて、リッチな州が、貧乏州を助けるのを嫌がるから。あるいは共和党の優勢な州と、民主党の優勢な州の分離かも知れません。swing stateと呼ばれる州はどうなりますやら。unlikelyなのは、バイブルベルトとそれ以外のエリアという色分けによる分離でしょう。

アメリカが分離してアメリカの存在感が薄まる?その可能性はたぶん逆かも知れません。国連にカリフォルニア共和国が加盟申請したとします。認めない理由がありませんね。他の州と加わり、アングロサクソン圏の力が一気に増大するでしょう。中国、ロシアなどの諜報活動は格段に難しくなるでしょうね。安保理事会の常任理事国は今のままで良いのか、という話になるかも知れません。中国は入っているが、インドはいない。UKはいるが、カリフォルニア共和国はいない、それで良いのか、と。

半分は冗談ですが、残り半分はかなり本気で私は猶予しております。今後の共和党のtyrannyぶりで方向が徐々に形成されていき、何かがfinal strawになる、というシナリオかも知れません。

ドン・トランプが暴君となってHarvard Univを締め上げようとしています。(何も知らない方は以下の動画を。それを見なくてもこのpostを問題なく読み進むことができます。)
https://edition.cnn.com/2025/05/23/Tv/video/sitroom-blitzer-lawrence-summers-harvard-trump-foreign-students-economy

ハーバード大のニックネームはいくつかあります。ひとつはThe Crimsonというもの。これは「えんじ色」のことです。それはハーバード大学生新聞の名前でもあります。私が好きなのは、Hahvahd というもの。本来の綴りとは少し違っていて、この種の誇張を込めた書き方を eye dialect と呼びますので、まだの方は覚えておくと便利です。これはボストン訛りで発音されるHarvardをeye dialectizeしたものです。

ドン・トランプがHahvahdをいじめています。どんなにいじめても彼の支持層の人々とは無縁なはずですので、誰も「もう止めてやれ」と言わないと思います。経済統計上はナンセンスですが、アメリカの有名大学は輸出産業でもあると私は思っております。観光産業の場合は、外国人旅行者の消費は、「輸出」と見なされますので、私の「一流大学=輸出産業説」は根拠のないハナシではありません。Hahvahdの場合、1/3が留学生とのことですので、Hahvahdが生み出す利益の1/3は輸出で稼いでいる、と言えます。ですが、トランプはそれは見ないことにして、自分の支持層のpoor whiteのクビを切る立場になるであろうCantab(Hahvahd在学生、卒業生)への潜在的反感だけを念頭に置いているかのようです。これを見ていると、何年か前、アメリカの新聞で使われた言葉Amerexitと言う言葉が俄然生き返ってきます。これは、USAがNATOを離脱することを検討するときに使われた言葉です。Massachusettsanは、新しい意味のAmerexitを検討しても良いのでは?

ここで脱線。United States と呼びますが、全ての州がstateという呼称を採用しているわけではありません。4州が自分たちはCommonwealthであるしています。Mass、Kentucky、Pennsylvania、Virginia の4つ。他に、オーストラリアの正式名称も Commonwealth of Australia なのはご存知でしょう。Britannicaでのcommonwealthの説明を見ても、アメリカの事は書かれていないようです。アメリカでは、伝統的に、おそらく、republicと似たような意味だろうと私は思います。別にUKの国王の下に統治されたいという気持ちではないでしょう。

普通、Amerexit と言えば、それは「USAが何かを、普通はNATOから離脱すること」を指しますが、私の用法は、「〇〇州がUSAを離脱すること」を指します。MA州のregistration plate mottoは spirit of Americaです。別名はPuritan State。普通だとpuritanと言えば、すこしおちょくる感じがあるものですが、Massachusettsanの場合は誇りを持ってそう主張しています。とすれば、MA州が離脱することはspirit of Americaが離脱することですので、それ位言ってもさほど不自然はない、と私は考えます。

ちょっと前置きが長くなりすぎたので続きは明日に。

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