字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2025年03月

本題の前に。先日テレビの報道番組を見ていたら、沖縄県人が自衛隊などの基地がどこかの島(たぶん慶良間島)に置かれることに反対していました。理由は大東亜戦争の時の沖縄戦において、アメリカ軍が先ず集中的に攻撃したのは、慶良間島にあった挺身隊(?)の基地だったからだそうです。つまり、彼と他の多くの沖縄県人は、自軍の基地があると敵から攻撃されると思い込んでいるようです。そのため沖縄県人は沖縄に基地を造って欲しくないのだそう。この理論は間違いとまでは言いませんが、根本的に勘違いしています。基地がなければ敵は攻撃しないとでも?そんなことはありません。敵の優先順位に従って攻撃したいところを攻撃するだけの話。それを防ぐためには、どこそこを攻撃しても得失比較において自軍が損をする、ということを強く知らせておく必要があります。そのためには基地あるいはそれに変わる軍事施設が必要ですね。今次の戦争ではウクライナはまるで防衛能力がなかったので、ロシア軍にいいように侵入されました。沖縄でよく聞くこの種の話、自衛隊はちゃんと説得する必要がありますね。

さて、今日はTEDからこんなvideoをピックアップしてみました。(このブログでは話題を特定の分野に限定せずなるべく広い分野で、と心掛けています・・・)スピードは145 wpm です。普通かやや速めのスピードです。speakerは登場せずにアニメと音声で説明されます。必要な方にはtranscriptが用意されています。親しみのなさそうな用語については私なりの解説を以下に:

Malachy McHugh 
TED-Ed
March 2023
 
最初に登場する tear という単語の意味はおそらく「断裂」で良いと思います。これは筋繊維の一部を損傷することです。もっと大きなダメージが筋断裂 rupture と言います。
viscoelastic 日本語でも見ない単語ですよねえ。辞書では「粘弾性」となっています。粘性と弾性を併せ持つ性質のことです。viscosity単独では「粘性」という意味です。
tendon とは「腱」のことでしょうね。この動画からわかります。
elastin はそのまま「エラスチン」です。タンパク質の一種。
sarcomereは筋肉の最小構造を指すようです。
skeletal <skelton ;  skeletal muscle 骨格筋

ストレッチは筋温を上げてからする方がストレッチの効果がより明確に現れると言われています。つまり、ウォームアップの前にストレッチするよりはウォームアップの後にする方が良い、と言われます。しかも、運動の前にはstatic stretchingよりは、dynamic stretchingの方が推奨されます。dynamic stretchingとは、動きのあるストレッチです。静的にハムストリングを数十秒伸ばす、というやり方の代わりに、例えば、脚を前後に大きく振り、ハムストリングと反対側のクワッド(大腿四頭筋)を交互に伸ばす方が良い、と言われます。また、運動の最初にストレッチすると、本番でのパフォーマンスを下げる、という研究もあります。ただ、このビデオで説明されていることは、大方の研究者は原則的には賛成するでしょう。

最近関東まで飛んでくる「黄砂」という言葉があるかどうかをさぐります。これは、あまり英語圏のメディアに登場する話題ではないので、「黄砂」という現象を指す言葉がかなり振れている印象。yellow sand, yellow dust, Asian dustなどの用語があります。でもそれは実は英語だけの話ではなくて、東アジアでも同様。「風成塵」という言葉がありますが、これだと中央アジア圏の砂漠から、ということを指しているのかいないのか、私にはよくわかりませんね。ChatGTPに聞きましたが、Aeolian dustという、まるで馴染みのない用語を教えてくれました。これが最もscientificだろうということで。Aeolisってのは今のトルコにある地名です。でも私には違和感だらけです。

似たような風がイタリア語など地中海圏にあります。イタリア語ではsciroccoと言います。英語の辞書にある綴りはsiroccoです。主に夏に地中海のアフリカ側から北に向けて吹く、台風のような強い風で、dustを運びます。これの語源は、イタリア語ではなく、アラビア語からだそうです。以下の説明があります:
sirocco etymonline

これはVWの車の名前に採用されました。綴りは英語版ではなくイタリア語版の方を採用。これは単なる風だけではなく、湿気を含んでいて雨にもなりますが、含まれている赤いdustのために、赤い色の雨をなることがあるようです。それともそれは迷信でしょうか?なんで、VWはそんな名前を採用?不思議です。いずれにせよ、ドイツにまでは到達しませんので、どちらかというと文学的な匂いを与えるために選ばれたのでは?ゲーテはイタリア旅行で大きく成長したそうです。ご参考に。

こうしてSciroccoを見て来ると、それはかなり今回の黄砂の現象に似ていますね。であれば、我々もneologizeするべきでしょう。
候補1:Gobian wind, Gobian sand wind   GobianというのはGobiから私が今造語したものですが、実は一部で既に使われているようです。さほど普及しているとは思わないのでリンクを貼るほどのことは必要なさそうですが、人は似たようなことを考える、ということでしょうね。
候補2:Gobi+vent=Gobivent  英語ventilateの語源はラテン語ventus (wind)ですので、それをここで借用してつくりました。GobiをGoboにしてGoboventとすると意味がわかりにくくなりますので、Gobiのままに。

ここでは黄砂の生まれ故郷はゴビ砂漠であるという見方を採用しておりますが、それは妥当かどうかは私にはわかりません。ただし、この「黄砂」が厄介なのは、それに中国で雑菌が付着して日本に届く、ということにもありますが、その語感は盛り込んでおりません。そこまで盛り込まなくても良いような気がします。pm2.5とはparticulates matter 2.5μm or subのことですが、この particulateという言葉には既に「厄介者」という語感があります。これが、particlesだとそのような語感はありません。知恵者はこの辺りをうまく処理できそうですが、私にはちょっとムリでしょう。

なお「黄土」を指す言葉が地学にあります。それは英語だとloessと綴りますが、それはドイツ語のLössに由来します。ドイツ語のöは英訳では常にoeに、機械的に変換されます(ö=oe)。これを使っても良さそうですが、これだと専門家しかわからないだろうと私は想像しますので没にします。

これらの中から、私は Gobivent を採用したく。まあ、私がneologizeしてもNYT、WPが採用するわけではありませんので、あくまでも、閑人の遊びということでご容赦ください。

先日CNNのニュースを読んでいたら、日本の温泉の記事がありました。源泉の枯渇に向かっているといういのです。その記事の一部分は、読む人によっては少しユーモラスですが、そんなことよりも、しばしば我々が直面するであろう、翻訳という作業がどうあるべきなのか、どうあってはならないのか、ということのひとつの例を示していると私は思います。その元の記事へのハイパーリンクを以下に置き、ハイライト部分をその下に示します。加えて、地元のメディアが報じる、嬉野温泉枯渇説の裏側の報道へのハイパーリンクも最下段に。

先ずこの英文記事を読んでみてください:
(1) Japan’s natural hot springs are running low. Overtourism is to blame

こんな文があります:
Japanese hot springs—better known as onsens—are prized for their zen experience, with travelers coming from around the world to lounge in natural pools and bliss out.

The country is home to 27,000 natural hot spring sources, but a surge in tourism has left some onsen towns running low on water; leaving local officials feeling anything but zen.

少し「軽い」感じの文章ですね。それはともかく、これはどう和訳されているのかを見ると、CNNの日本語版サイトでは、少し違う訳になっています:

日本全国に2万7000カ所ある温泉だが、観光客の急増で一部の温泉町は源泉水位の低下に悩まされている。(全文は以下に:日本の天然温泉で源泉水位低下、オーバーツーリズムに原因か

zen experienceはどこに?「源泉水位の低下」は英文版のどこに? run low とは「少なくなる」の意味です。少なくなるとは源泉水位の低下なのか?そもそも「水位の低下」とは井戸の話ではないのでしょうか。温泉は普通は自噴するものです。例外もあるのでしょうけど。そもそも、和文は本当に英文記事を翻訳したと言えるのか疑問。私は「水位の低下」のようなtechnical termsを知らないのですが、かなり英文と和文とは乖離しているように思いますがあなたは?

(2)さらに、こんな記事もありますので、引用します。これを読むと、この英文記事の中身に関してCNNは十分に精査しているかも疑問です。のんきにzen experienceを論じている場合ではないように思います。
 嬉野温泉、源泉枯渇危機の原因は「観光客増加」ではない~「嬉野八十八」の大誤算と、JR九州への過剰忖度~ NETIB-NEWS

一体CNNの取材とはどんなものなのか。それをおちゃらけた文章にする、そこまでは良いとしても、その和訳版はこんな訳で良いのか。原文のどこにそんな情報があるというのか。(2)のようなメディアの一端のpostには十分説得性があるがCNNにはその程度の取材力すらもないのか。たまたま今回の英文記事は和訳もされていたので比較可能ですが、CNNってこんなものだったのでしょうか。やれやれと思いましたね。

1970年代に、joggingが流行し始めました。それまでは、ここでは1960年代と呼ぶことにして、アメリカで、若者の多くはヒッピー・ムーブメント、ハードロックなどに逃避するか、ベトナムで戦争に従事していました。1969年にWoodstock, NYで、有名なロックコンサートが何日にも渡って開かれました。ステージで大麻を吸うミュージシャンがたくさんいたと言われています。(余計な話でWoodstockはありふれた地名ですが日本語で言えば「木場」のような由来でしょうかね・・・)

これが分水嶺のようになり、これ以降新しいタイプの若者が登場し始めました。学生運動に興味なし、大麻なんぞは吸わず、ヒッピーにも感心を持たず、髪の長さは長短様々・・・ 彼らの多くは学校でちゃんと勉強をするという当時としてはちょっと変わった若者たち。しかもその一部は、通りをゆっくりと走るという変わった習性を持っていました。普通は、競技場のトラックをトレーニングに使うという普通のことはせずに、通りに出て、車道を走るのではなく、歩道を、ゆっくりと走る。中には話しながら走るということも。これはjoggingと呼ばれました。

一時的なはやりすたりだろうと思われていたのですが、あれよあれよという間にアメリカの東部から西海岸まで広がり、そのうち、エアロビク・ダンシングという変なものが流行り出しました。冷ややかな目で見ていたヨーロッパ人も、少しずつ、ワインを減らし始めました。毎食飲んで居た人は、週2,3回に。代わりに水を飲むように。そのうちタバコ、葉巻を止めるヨーロッパ人も。そのうち、退勤後には、ジムで汗を流すように・・・ 昔はヨーロッパ人は昼間から酒を飲むことを生活の一部だと思っていましたし、食事にワインは付きものなので、飲み過ぎなければ、ワインを飲んで車を運転することは普通でした。今そんなことをする人はほとんどいないと思います。

こんな時代に流行りだしたもののひとつは、treadmillです。日本人は「ランニングマシーン」と呼ぶ人がいます。私は永年なぜそれがtreadmillと呼ばれるのか不思議に思っていました。通りを走ることは、しばしば犯罪に合うリスクを高めます。そのため、例えば、ホテルなどでは、treadmillを備えている、swimming poolを備えている、という設備の競争を始めたので、ほぼどんなホテルに泊まっても、そのホテルのグレードに合わせたジムand/orプールが付いているのが当たり前になりました。なぜそれは treadmillなのか。私は初めて答に出会いました。

長い前置きですみません。以下のvideoはTEDの動画のひとつです。その答があります:

The treadmill's dark and twisted past

ちょっとした驚きですね。語句の解説は不要でしょうね。

最近日本で森林火災が数カ所で発生しております。不思議なことに、メディアは原因を推定しないのですね。昔は、野焼き、タバコの火の不始末、ハイカーなどの火の不始末が原因と報道されていました。数十年前の話です。今回の火災で私は野焼き犯人説をとりたいのですが妥当かは自信なし。次に不思議なのは、消防は、樹木の伐採をしないのですね。樹木を伐採して、空き地をつくることで延焼を食い止めることができます。消防はボーッと火を見ているだけ。防火帯と呼ばれる、樹木を生やさないゾーン、あるいは伐採、除去したゾーンを設けることで同じ目的を達成できます(破壊消火といいます)。どうもこれはどこの現場にもなさそうです。また田舎では消防は組合方式です。一部の人を安全な場所に残して、水道水を屋根から掛けるのは予防になるのであれば実行しては?今回政府の発表では、大船渡市での森林火災に政府の予算を充てて、樹木の再植までしてくれるそう。針葉樹だけを植えると森林火災が広がりやすくなります。これは地主の選択でしょう。そのリスクは針葉樹という樹脂を多く含む木が燃えやすいということ。その結果に政府がセーフティーネットを出すのは、税金の無駄遣いです。針葉樹とは火災により競合関係にある樹木を駆逐して、針葉樹を優位に導こうとする戦略的植物です。

さて、今日は英語を離れて書きます。先日老人たちと世間話をしていた時のこと。世界で一番変な民族はどこか?という話になりました。私の答は、日本人ですね、ダントツで。他のすべての民族を圧倒しています。他の人は少し引いてましたね。他の人々は中国人とかコーリアンという期待があったようです。でも中国人はいたってまともです。独裁国家なのでそれを反映して、我々とは違う生き物ですが、生物として見た場合、きわめてわかりやすい民族です。別に彼らは他の民族からどう見られているか、で自分たちの生き方を変えようとは思わないでしょうね。

対して日本人。いつも他の民族からどう思われているかを気にしていますが、自分たちの生き方を変えようとはまるで思いませんね。こんなに欠点だらけなのに。他の民族から見てどちらが理解しやすいかと言えば、圧倒的に中国人でしょうね。

例えば、雇用慣習。高校、学部、院の新卒者を企業は欲しがります。自社の、言語化不能な文化を吸収してもらいたいので、他の文化に染まった可能性のある人物を排除したい?気持ちはわかりますが、そんな企業文化であれば、壊した方が建設的では?こんな新卒者信奉のある国は地球上に存在しないでしょう。合理性があれば別ですが、特にあるとも見えませんねぇ。普通の国では、新卒者を受入れる企業も勿論ありますが、半数以上、おそらく3分の2以上は新卒者を受入れないでしょうね。ちゃんと技倆のはっきりとしているヒトを採用します。新卒者受入れ企業での給料はたいてい安いです。新卒者はいつまでもその企業で働くよりは、技倆、経験を積んで、サッサと他の、ちゃんとした給料を払う会社に転職します。転「職」というのも変ですが・・・  

新卒者の場合、技倆、経験という尺度は適用できなので、どうしても学歴にたよりがちになります。学歴主義を悪者にするヒトがテレビなどでコメントしていますが、私の意見では日本でのいわゆる「学歴」主義は、他の国でも似たようなものだと思います。なにかを数値化して、度合いの高低を比較すれば日本が最悪なのかが序列化できるでしょうが、あまり意味はないと思います。強いて日本の傾向だろうと私が思う点を挙げると、学歴以外の要素をほとんど考慮しないようだ、ということでしょうか。この点では日本は相当に近視眼的だと思います。例えば、東大新卒者の日本人とマレーシア人がいるとき、どちらを採るかとなったとき、マレーシア人は不利になるでしょう。でも私の考えでは、狭い視野の日本人東大卒よりも、価値観の違う東南アジアからの人の方がずっと魅力的ですけどね。将来、日本は今以上に東南アジアの国々と付き合う必要があるでしょうが、その時に大きな力になってくれそうです。漠然として設定で漠然とした答となり説得性は薄いでしょうけど。

新卒者の給料が月収ベースで50万円程度になるところもあるのだとか。これって、もしかすると、同じ職に同じ給料という原則を適用しやすくなってきている、ということでしょう。テレビなどでは、中堅世代が冷遇されている、という見解に飛びついていますが、そのようなプラスの面もあるはず。というか、世界中はそうなっているので、日本も遅ればせでそう成らざるを得ないでしょう。

日本で遅れた職場として、私がすぐイメージできるのは、人事と経理ですね。特に人事部はひどいと思います。たいしてスキルがない割にはものすごく大きな権限を持っていますね。経営陣が人事部に期待するのは、新卒者の充足率・・・というような愚かな基準を適用する限り、人事部の人々のスキルは上がりませんよね。

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