字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2024年11月

私は政治の話はあまり得意ではありませんし、学校で専攻したこともありません。そんな老人から見える、今のアメリカの政治について。

アメリカの政治においてかつて伝統的不文律があり、そのひとつは、大統領職は2期まで、というもの。もう1期と、周囲に勧められても、全員固辞したそうですが、例外が。20世紀前半、FDRという大統領がいました。彼は4回選挙で大統領に選ばれました。それは世界大戦中という非常事態であったから、というのが彼の理由でした。彼が在職中に死んだ後、2期まで、ということが憲法に明記されました(憲法が改正されました)。彼は民主党を代表する政治家で、戦後長い間アメリカは民主党優位の時代が続きました。一言で言えば、それは庶民のための政治で、リベラルな気風の時代でした。ただ黒人の差別については、公民権運動の時代までほぼ何も変わらずでしたが・・・ 私の意見では、ベイビーブーマーが成人したから戦後長く民主党優位の時代となったのだと思います。

その後1980年代に入り、ロン・レーガン Ron Reagan という、アイリッシュ系アメリカンが大統領になりましたが、彼は俳優労組の出身でしたが、共和党で、2期務めました。私の意見では彼は、それまで大したことのなかった共和党をみごとに復活させた大統領でした。さしたる学歴もなく、ブレーンも少し怪しい人たちが多かったのですが、それでもとにかくソ連を黙らせ、アメリカこそが世界のリーダーであるということをアピールしました。その最大の成果は強いドルと彼の後に起きたソ連崩壊でしょう。彼の在任中、ドル円はほとんど240、250円辺りにありました。おそらくトランプの頭の中にはレーガン時代のことが色濃く残っているはずです。

共和党はかつては「富裕層」の政党でした。ここでいう富裕層とはForbesに出るような人々のことではなくて、言わば「小金持ち」という意味です。このため貧乏人向けの政策には冷淡でした。薬物中毒患者、アルコール依存症患者は普通、勤労することはありませんが、もし彼らにも公的医療保険が拡大されたら、納税せずに、医療支出は膨大な金額になる、自分たちにも請求書が回ってくるのは止めてくれ、という考えです。逆に、民主党は昔から若者に支持されて来ました。どちからというと、大学卒、専門職で、リベラルですが、若いので大した資産を持っていません。このため、同じ人物が、若い時は民主党支持派、リタイヤしてから共和党支持派というようなイメージが今までずっと共有されていました。

ここに新しい楔(くさび)を打ち込んだのがDon Trump (Republican)です。彼はラストベルトの人々にアピールすべく、移民を悪役にし、公害、大量に炭素を排出する製造業を守ると約束しました。アメリカに潜り込もうとする移民達は、労働して賃金を稼ぎたいと思っている人々なのです。犯罪を犯すのは一部の人達です。ですので、彼らに対する締め付けとしては、不法就労者を雇用する側の刑法の罰則を厳しくすれば十分なのです。これだと一銭もかけることなくアメリカで働いている不法移民を一掃することができます。「こんなに厳しくなったのなら、アメリカに入国する意味はないな」と思わせればそれで不法移民は事実上、止まるだろうと私は思います。しかし本当にそれをやると非熟練労働市場が相当逼迫して、労働力不足によるインフレが起こる可能性が高いでしょう。しかも、分析によると、今回トランプを支持した人々の中にプエルトリコ系などの非白人、Latinoが相当含まれているとのことでした。彼らは移民であり、非白人であり、多くは非熟練労働なのですが、インフレに対する抗議の意味があったのでしょう。その一方で、もし本当にトランプが中国製品に10%以上の関税を上乗せするのであれば、それは単純に価格転嫁され、輸入品は値上がりするでしょう。つまり、それ自体がインフレ要因です。上記の楔とは共和党がこの経済の底辺層を、民主党から引きはがして、共和党側に引き込んだことを指します。つまり単なる「富裕」層中心の党から、富裕層から底辺層をへと脱皮させました。これが彼がswing state各州で勝利した理由です。

民主党が、きれい事、理想論ばかりを並べて、国内の庶民を犠牲にしているように見えますので、このセンティメントを私は理解できます。民主党は生まれ変わりを真剣に模索しないと、これからのしばらくは共和党の時代が続くように私には見えます。しかも、このトランプの選挙手法は、次の大統領候補、例えば、それはJD Vanceでは更に変化し、進化し、激化するかも知れません。その結果起こることは、アメリカ国内の分断だけではなく、西側世界の分断、解体がありうると私は見ます。

欧米人社会では自分で考えた意見を言うことは非常に大事ですよ。あなた自身の意見を持ちましょう。

紙の本が段々と廃れていきます。先日、読んだ記事で、文庫本でなぜ一辺がギザギザになったものがあるのか、という話がありました。このブログ風に解説しましょう。

このブログのシンボルは、中世ヨーロッパのscribeが書写をしている様子を彫った象牙です。写字生の肩に小鳥が乗っています。中世のヨーロッパでは、僧院でscribeが、いち文字毎に手書きしていました。中世の教会では共通語はラテン語でしたので、基本的にはラテン語のテクストを書き写していましたが、一部には現地manuの言葉のものを書くこともあったようです。手書きの時代が長く続きました。その間に、美しい写本manuscript が作られました。(余計な話。これをhandmanuscriptと呼ぶASがいますが、そもそもmanucriptの下線部は「手」という意味だったことを思い出しましょう・・・)

掲載のものはすぐに検索して見つかったもののひとつです。絵文字があり、飾り字があり、数色のインクが使われました。読んで楽しい、というよりは、見て楽しい、という観点から作成されたものでしょうね。素材は羊皮紙、紙でした。ちなみに、羊皮紙には大きく2つのグレードがあり、普通はparchmentですが、子羊からつくったものには vellum という名前があります。vallumがより上質とされました。書き間違いがあっても、ナイフで丁寧に削ると書き換える事ができましたので、羊皮紙の書類は信用度が低いとされていたことも知っておくと面白いでしょう。

一方で、聖書の写本も作られましたが、それらには別の呼称 codex が与えられました。最も有名なものは Codex Sinaiticus と呼ばれます。英語では Sinai Bible シナイ写本 とも呼ばれます。ただ、呼称に反してそれは元々の言語であったギリシャ語で、ギリシャ文字で書かれています。こちらには、厳格な要件があり、かなり本格的な事業として写本制作がなされました。一般にはmanuscriptとだけ呼ばれ、それは書写する価値のある本が作られました。現代の言葉でcodexというと「標準規格」のような意味ですが、これは別の言葉 Codex Alimentarius という、19世紀にたしかオーストリアで使われ始めた言葉です。それ以降codexが聖書と関係なく濫用されるようになりました・・・

manuscriptの話に戻ると、欧米ではこの時のmanuscriptの時代が非常に長く続き、いきなり活版印刷に進化しますが、活版印刷のライバルのmanucriptに対抗するために、図版を入れたり、多色刷りにしたり、という具合で、活版印刷は常に手書きの写本に負けないよう競合することになります。印刷がいきなり勝利したわけではなく、写字生が印刷業者の下請けで、文字に彩色したり、手書きで図版を入れる時代が続きましたが、やがて印刷に取って代わられました。

uncutやがて印刷業で、複数のページを一度に印刷し後でそれをカットして製本する、ということが行われるようになります。私もこれをまねしたことがありますが、相当に複雑です。1枚の紙を四つ折りにすると8ページを一度に刷ることができます。これを2度曲げると8ページになりますが、2つの辺で折り目がありますので、本にする時には、そこをカットする必要があります。片側にはp1, p4, p5, p8があり、p1/p8は天地(上下)同じですが、p4/p5は天地が逆になりますね。裏側はどうなるでしょう?もっと効率化させると16ページ同時印刷になるのでしょうか。ボンクラ頭の私にはよくわかりません。

昔パリの古本屋に入ると、時々見かけたのが、ページの端が折り曲げただけで、カットされていないもの。読み進むためには、ペーパーナイフでいちいち切り開いて行きました。これが本来のペーパーナイフの用途です。18,19世紀のフランスでは、紙の簡素な装丁の印刷された本が売られていました。ページの端をカットしながら読み進み、読み終えます。読み終えた後、手元に置きたいと思う本だけが製本屋に回され、立派な紙、布、あるいは革の表紙が付けられ、背文字を入れて、となりました。

その名残のようなものが今の日本の文庫本に残っています。天(本のトップ)の紙束の端がカットされていないのは、そのフランス式のアンカット(uncut)の本の名残なのです。コスト削減の意味も、勿論あります。辞書のようなものでは、すべての面でカットされていたはずです。パリの古本屋の話に戻ると、アンカットの本があったということは、持ち主は途中までしか読まなかったということです。(全ページアンカットもありえます。)ちなみに、英語ではuncutですが、フランス語では livre non rognéと呼ばれます。rogné<ronger=clipですが、英語でclipとはcutの意味です。

では、なぜ岩波書店などが文庫本を出す時にてっぺんがギザギザを選んだのか、ですが、ここは想像するのみですが、私の節は、羊皮紙などの古いscribeが書いていた時代の本のムードを出したかったから、ではないでしょうか。上に掲載した図の辺(edges)は見えませんが、みなギザギザしています。きれいに切り揃えられたものはないはず。古いのでそうなるのかどうかは知りませんが、おそらく中世の人々は本はそんなもんだ、という見方をしていたのだろうと想像します。

今日私は恥知らずにも画像を剽窃いたしました。関係者様、感謝いたします。

MECEという言葉をお聞きになったことはありますでしょうか。発音は/míːsiː/、/míːs/の2通りあるようです。ChatGTPは前者を採りますが、これを発明した女性のことを書いたMcKinseyのサイトで本人は後者だと言っていますので、ややこしい・・・ まあ、両方に免役を付けておくことにしましょう。ただ前者の方が通りが良さそうです。これはacronymで、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveのことです。初めて見る人にはややこしい言葉ですが、解ってしまえば簡単なことです。

Barbara Minto: “MECE: I invented it, so I get to say how to pronounce it” McKinsey

ちょっと脱線しますが、彼女の言葉 I get to say how to...の意味は「私には~の権利がある」です。I can have a holidayだと少しぼやけた感じですが、I get to take a holidayだと「私、休めますよね」。

彼女Barbra Mintoは大変聡明な女性だったのだと思います。ボンクラ頭の私の言葉使いでは、"No Overlap, Complete Coverage"となるでしょうね。これだとNOCCですね。acronymとしても一通りの発音の仕方があるのみ。NOCCから想像できるように、意味は「重複なしで漏れなし」ということです。

これを図示した中でベストのものは以下のものです:
mece

https://media.shouin.io/what-is-mece


色々探しましたが、ダントツでこれがベストですね。100の単語を連ねるよりもこの図4枚で意味がすぐに伝わるはず。実は英語で書かれたかなり本格的なMBA用のサイトに良い絵があったのですが、それよりもこの図の方がずっとシンプルです。

上掲のMcKinseyのサイトで彼女が言うのは、驚くことに Aristotle がこれを最初に概念化したのだそうです。特にどのbookにおいて、ということではないようですので、彼の著作全体に染みわたった基礎的技能なのかも知れません。彼女がそれを現代に再生させたのでしょう。

本日は英語を離れて書かせていただきます。先日イスラエルで現政権に対する反対デモがあり、主催者発表数は50万人の参加だったとか。最大規模だったようです。私はIsrael watcherではありませんが、おそらく昔はもう少しマシな意思表示だったろうと想像します。そのデモで、参加者から、人質解放交渉を進めろとの意見があったそう。テロリストと交渉をしない、というのは現代の鉄則のはず。10月7日にハマースは何百人も殺し、レイプし、誘拐しました。こんな卑劣な奴らと交渉をすることは相手を認めて最低限のリスペクトをする、ということですが、それこそイスラエルという国家に対する裏切りでしょう。今回の事件の最大の原因は、イスラエルの油断あるいはリソースの欠落でした。イスラエルはどうやれば良かったのか。イスラエルの諜報機関はパレスチナ人社会でターゲットを絞り、彼らを脅して、イスラエルの望む情報を提供させます。場合によっては賄賂、ハニートラップ、盗聴どんな手段でも使いますが、この世界で最も効果的なことは、相手の弱みを握りそれを脅してイスラエルの思い通りに操縦するのが鉄則です。それを怠ったために、あるいは必要だと解っていたが効果的に実行できなかったためのあの事件が起こったというわけです。その後はハマースが優勢に進めています。パレスチナ人に犠牲者が出ているということを世界中に訴えるだけで、ハマースは世界中で反イスラエル感情をあおることができます。ハマースはパレスチナ人にどれほどの犠牲者が出ようが気にしませんし、する積もりもまるでないでしょう。イスラエル人から見るとハマースのやり方は昔から恐怖政治だそうです。

さて、そんなイスラエルを改めて見つめ直すことにしましょう。ユダヤ人たちは19世紀の末から徐々に世界各地から今のパレスチナ地区に集まり始めました。当時はオスマントルコの支配下でした。食うや食わずの生活をしながら、徐々に最低ランクの農地を取得し、農業を始め、ワインなどの生産物をヨーロッパ、アメリカのユダヤ人たちに売りました。彼らは喜んで高値でそれを買い、同胞をサポートしました。やがて、戦後、国連決議でパレスチナ国家とイスラエル国家が成立したとき、イスラエルは自然に民主主義国家を形成しました。そんな手間暇のかかることをせずに独裁政治にすれば効率的だったはずですが、そうはせずに、それは民意を反映させる民主主義国家だったのです。この民族は現代史の中で静かに輝く宝石だと私は思います。

対するパレスチナは?ただの遊牧民の土地。未だに国家の体をなしていませんね。憲法は?法律は?統治形態は?テロリスト達が入れ替わりやりたい放題をしているだけ。イスラエルは一枚岩なのか。違います。イスラエル国内には3つの階層があります。一番上はセファルディムと呼ばれる、西ヨーロッパ系ユダヤ人。セファルディムの本来の意味はスペインにいる、いたユダヤ人の呼称ですが、それが転じて、オランダ、イングランド、フランスなどのユダヤ人も含めて使われるのが今日的なやりかたです。顔つきはかなり西洋人に近いです。国のエリート層です。2番目はアシュケナージムと呼ばれる、東欧系のユダヤ人。ポーランド、ロシア、ドイツからバルカン諸国にかけてのエリアが中心でしょう。ある程度の混血は進んでいますが、ユダヤ系の顔つきが主流。3番目はそれ以外。パレスチナ系、トルコ系、アジア系、その他の系統です。その下に友好的平和的パレスチナ人とそれ以外の外国人がいます。議会の主流派はアシュケナージムですが、ここがそもそもいくつかのユダヤ教宗派に分かれていますし、それぞれのグループの人口の伸びが違います。これが政党をつくって連立して政権運営をしています。ここで注目すべきは、民主主義だということです。そして国家の安全保障上軍隊は圧倒的な強さを持つ必要がありますが、軍人が軍事力を背景に政権を握ったことはありません。そんなつもりもないようです。

私はこの、民主主義的である、という点を高く評価したいです。他に中近東でそんな「馬鹿な」国はありません。トルコはある程度自由投票のようですが、言論の自由はありませんね。エルドアンを批判することは弾圧につながります。今これに近いのがハンガリーです。オルバーン・ヴィクトル政権の元で言論の自由があるのか。ないでしょうね。オルバーンのやりたい放題です。バルカン諸国はどうなんでしょう?ハンガリーはソ連の衛星国のひとつでした。ソ連崩壊の後、共産党独裁に懲りてハンガリー人は自由で民主主義的な国家を作ったのではなかったのでしょうか。ハンガリーの歴史は知りませんが、ひとりの独裁主義者が登場しただけでそちらに流れるというのはその程度の民主主義であったということでしょう。

ヤハウェと呼ばれるユダヤ教の神は民に「約束の地」を与えることになっています。その約束の地とは、中東のどこかにあるのではなく、USAこそが約束の地なのだ、という解釈がなされることがあります。アーミッシュと呼ばれる人々は、クリスチャンです。独立こそはしていませんが、独自の世界を形成しています。アメリカのユダヤ教徒はアーミッシュほど孤立志向ではなく、ちゃんと社会に溶け込んでいて、自分たちの選挙活動をし、宗教活動をしています。極端に走ることをしなくても、自分たちの生存、活動が脅かされることはない、と知っているからでしょう。ユダヤ人がここまで自由を満喫するのはディアスポラ以来初めてのことでしょう。

イスラエル人は完璧ではありません。日本人も人間であり、完璧からほど遠いです。でもイスラエルの民主主義を私は高く評価したいと思います。

今日の話題は酒です。日本人のおおよそ半数は、酒を飲む時、「普通に」代謝できる体質ですが、残りの半分では、トラブルが起こります。このトラブル体質を持つのは、モンゴロイドだけです。コーカソイド、ネグロイドは全員普通に代謝できます。酒の代謝には2つの酵素が関与しており、いずれか、あるいは両方が欠けているとトラブルが起こります。

この、酒に弱いモンゴロイドは、全種類のモンゴロイドに見られるのではなくて、揚子江地域のモンゴロイドです。酒に弱い体質は、中国の揚子江流域で発生したと考えられています。稲作と深い関係があるようです。では、なぜヒトは酒に強いのでしょうか。その学説、解説記事を読んだことはありませんが、おそらく自然界で起こる自然なアルコール発酵と霊長類の果物食とが関係しているのではないでしょうか。野生の果物が成熟し、果皮が破れた時、空気中の酵母が付着し、そこでアルコール発酵が始まることは日常的に発生してきたはず。アルコール発酵で生じる芳香がさらに多くの捕食者を誘因するはずですので、これは果物にとっても好都合でしょう。ということは、アルコールに弱い霊長類は果物のうち、成熟し、発酵が始まったものを食べる恩恵に浴することができいということに。これでは競争上不利ですね。発酵開始前の果実も、発酵開始後の果実も採食可能な動物が有利となります。

欧米では、昔はかなりアルコールに寛容でした。色々な理由を付けて飲んでました。よく見かけたのは、social drinkingといって、カクテルなどを飲みながら話に花を咲かせる、というか、socializeします。その後で、食前酒を楽しみ、食中酒と共に食事をし、最後は強い食後酒で締める、という具合です。飛行機のファーストクラスでは、乗客が席に座ると即座にシャンペンが提供されるそうです。ビジネスクラスでもドライ・マルティーニなどのカクテルが出される場合があります。いずれも、take-offの前のちょっとした時間に。take-offの時はグラスは全部回収されます。昔はこんな感じで酒にあふれた生活をする欧米人は本当に多かったです。

しかし最近はだいぶ様子が変わってきて、高学歴、高所得の人々の間では、飲まない人々が昔よりもずっと多いです。ただ、ビールをアルコールに入れるか入れないかは異なります。ビールを含めて一切の酒類を飲まない人々のことを英語ではteetotaler と呼ぶのはご存知でしょう。最初の"tee"は2番目の"t"を強調するために入れた言葉だとされています。つまり、それはT-totalerなのです。これの語幹の単語totalを「飲まない」という意味に使うことはないと思います。よく出てくるのは損害保険での「全損」のことですね。動詞でもあるので、「お釈迦にする」ことを言います。

別の単語 abstainer という単語もあります。 teetotaler のような厳格さがないような感じですね。ただ、teetotaler、abstainerも若干庶民離れしたところがありますので、普通の会話ではただの dry が最も良く使われます。

酒はおいしいですよね。私は大好きです。ただ、害毒の視点から見ると、酒が原因となる疾病は相当な数になりそうですが、代表選手は、癌(特に肝臓癌、食道癌)、肝臓障害でしょう。日本の厚労省はかなりおっとりしていますが、欧米ではこの2,30年で、アルコールが「毒」である、という認識が広がっています。以下でリンクさせる文書はアメリカのNIHが出したものです。平易な文章で書かれていますので何も解説は要らないと思いますが、標題の binge drinking は、「深酒」のことです。英辞郎には一気飲みという訳がありましたが、ちょっと違うのでは?ただ、この種の事柄には定義、呼称に振れ幅があるのが普通ですので、あまり固定的に考えることは止めた方がよいでしょうね。NIHは独自の定義を持っていますが、別の国の健康行政でも同様に使われているかは別です。2時間で5ドリンク以上が既にbinge drinkingで健康被害があると知って驚く読者は少なくないはず。もしあなたがそのような飲酒習慣をお持ちであれば、そろそろ考え直す時かも知れません。英米でいうone drinkとは概ねビール1缶のアルコールのことです。17/18ml pure alcoholです。ウイスキーなどの普通の濃度の蒸留酒だと30mlで計算します。

Understanding Binge Drinking What Is Binge Drinking? NIH

‘I had no idea being a social drinker would damage my liver by 31’ BBC

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