字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2024年10月

英語で「人口」はpopulationです。populationとほぼ同じ意味の他の語を探しても私のword powerでは出てきません。citizenryという言葉がありますが、これはordinary peopleという意味です。しかしpopulationを学問にするときは別の語 demographics を使います。なぜでしょうかねえ?日本語にすると「人口」「人口動態統計」ですので両方に「人口」が含まれます。しかし西ヨーロッパの言語ではpopulationに相当する単語とdemographicsは使い分けられます。

日本語では「合計特殊出生率」というかなり面妖な言葉が使われますが、英語ではそれは単に total fertility rate というplainな言葉です。なぜ「合計特殊出生率」という訳語が使われるのでしょうか。私は知りません。人口の増減については別にbirth rateという言葉もあります。どうも異なる目的でそれらが使い分けられるようです。色々な記事を読むと、おそらく、集合全体の増減を見る場合にはbirth rateを使い、ひとりの女性に注目して生む子供の数を見る場合にはfertility rateが使われれそうだな、という程度の予測はできそうです。

現在の人口を維持するために必要なTFRは約2.1です。これは数学的に導き出すことができます。これを上下させるのは、平均寿命、男女比などです。中国は今後も存在感を増大し続けることができるのか?demographistsの答えはほぼ一色に見えます。No。理由は、こんな低いfertility rateの国は急激に没落して行くのみ、ということです。

本日はこの話題に関して2つのpostsを紹介します:
(1)ひとつは、ブルガリアという東欧の国の人口のBBCのpost。急激に落ち込んでいるために国を維持するのはもはや不可能というレベルにあります。(Bulgarizationという言葉がありますが、これはこのことを指す言葉ではありません。)人口が急激に細ることがどのようなことなのかが実際にそれが起きているブルガリアを取材してのpost。
Why is Bulgaria's population falling off a cliff?

(2)中国のTFRが今後も現状のままで継続し、平均寿命が現状のまま、移民はゼロとして仮定したときの予想を含むpost。これからのone generationで人口が2割強減少との予想。2割と言ってもピンときませんが、それは3億人です。巨大過ぎてこれを補う移民政策は考えることすら不可能でしょう。
China’s population shrinks again and could more than halve – here’s what that means
この団体 the conversation はダサい名前ですが、真面目な記事を掲げます。

TFRの高い国では6という数字があります。アフリカなどです。多産多死ですね。日本も戦前はそうでした。兄弟5,6人が平均的な印象。日本の現在のTFRはたしか1.4前後だったかと。急激に縮んでいます。

List of countries by total fertility rate (wiki)

今週、VW (Volkswagen /vɔ́lkswæɡən (in English)/)の経営陣が労組に工場閉鎖、人員削減について提案しました。シンプルな予測では2あるいは3工場の閉鎖だそうです。VWがそんな苦境にあるとは私は知りませんでした。

我々はアメリカ流の経営に関する報道にある程度慣れていますが、別にそれはglobal standardではありません。日本には日本独自の慣行があり、同様に、ドイツにもドイツ流のやり方があります。今回引用する記事は、かなり底の浅いものです。(この種の、底の浅い、中身のない記事はNHKの得意とするところですが、CNNもやるとは・・・)VW、ドイツ企業の経営環境について先ず簡単に説明します。その後で、下記のCNNの記事をチェックしてみましょう。

先ず、VWの主要株主ですが、それはPorsche/Piëch家という2つの創業家個人株主が議決権の50%強を支配しています。これがトヨタと全く違うところですね。Porscheの先祖はフランス人でしたが、フランスでの宗教弾圧を逃れるためにドイツ(あるいはボヘミア地方)に移住したと言われています。姻戚関係のためにピエヒ一族も株主に加わりました。

その他の主要株主はニーダーザクセン (Niedersachsen)州政府とカタール政府です。ニーダーザクセン州のことを英語ではLower Saxonyと呼びます。この下線部が示すのは、Nederlandsのnederの意味がlow、ということです。Wolfsburgは ニーダーザクセン州にあります。後の方の「ザクセン」とはAnglo-Saxonの語の一部となっています。つまり、ブリテン人の祖先の一つということです。意外ですがVW労組は大株主ではないのですね。しかし、ドイツには有名な労働者保護法があって、それはCo-determination Act (or Mitbestimmungsgesetz in German)と呼ばれます。2000人以上の規模の企業では、経営にあたっては、労働側の株数の多寡に関係なく、労働側の意見をadvisory boardの半数の意見として反映させることが経営陣の法的義務となっています。これら大株主以外の株は市場で自由に取引されています。ということは、経営陣は株主の議決権数に基づくだけではない経営手法を求められるし、簡単に従業員の解雇をできない、ということです。これを知った上で以下の記事を読むと少し解りやすくなるはず。

ウクライナの戦争、期待していた安価なロシア産天然ガスの供給停止からドイツは日本よりは大きなダメージを受けていますので、仕方ない面もありそうです。もしかするとこのVWの工場閉鎖、解雇は解決までにかなり長い期間を要する事柄かも知れません。

Historic moment for Volkswagen: Automaker plans to close ‘at least’ 3 German plants and cut thousands of jobs

あなたがアメリカの大学院を卒業したとして、就職先を考える場合に、別にアメリカ企業ばかりを念頭に置く必要はないと思います。VWの、たとえばマーケティング、各種コンピューター・プログラミング関係、エクステリア・デザインを行う部署では英語で働くことはできるでしょうが、ドイツで暮らすとなるとやはりドイツ語の習得は必須でしょう。その場合、英語(とラテン語絡みの「教養」)はあまり関係なくなりそうです。一方EUで働くと、年間の有給休暇は、国によりますがだいたい3から5週間くらいありますので、これは大きな魅力ですよね。

この標題はNHKの『フロンティア』という名前の番組で数か月前に放送された回のタイトルです。私はそれを見なかったのですが、最近それをお笑い番組風にリメイクしたものを見て、これを書くことを決めました。おそらく読者の多くにも関心があるはず。

次に進む前に一言だけ毒を。NHKのドキュメンタリーなどの番組は、動画偏重の傾向がありますね。そのために返って内容がわかりづらくなっていることがあります。他の国の英語のドキュメンタリーを見ていて、私は同じ印象を持ったことは記憶の限りではありません。つまり、ドキュメンタリーでは、画像が主なのか、言語的メッセージが主なのか・・・私の答えは後者ですね。それを強く補足するのが画像です。画像、動画ではそのチカラが強い。もしそうならば、オーディエンスに強烈なメッセージを遺そうとする場合、できるだけ言語的メッセージをシンプルにして、画像の影響だけが強く残るようにすると、オーディエンス操作のコマンドを上げることができるはず。ナチズムがやったのはこれですね。

それがラジオのような音声メッセージだけでは少し刺激が足りないと思います。

さて、上記の回のタイトルは『あなたの中に眠る天才脳』です。その要約が以下にありますので、先へ読み進むためにはこの要約を先に読んでみてください。というか、今日の話題の中心はそのpostの中身そのものです。注目したいのは一番最後、言語能力と他の能力の関係です:

前の方にある「サヴァン」に関することは一般人にある程度は知られている事柄だろうと思います。ただ、意外に思われるのは、人類は、言語能力を獲得して、それと引き換えに何か別の能力を失ったかも知れないということです。それは人類が生まれる前から持っている運命で、全員にほぼ共通のトレードオフなのか、それとも個々人のレベルで起きように大きな差があることなのか。それは第2言語を習得するときには、追加のトレードオフを引き起こすのか、それとも第1言語でトレードオフはある程度完了しているのか。あるいは、ここからは想像になりますが、第1言語が日本語である場合には、第2言語以降の獲得を邪魔することがあるのか(もしそうならば、それが日本語話者が英語下手の理由か?)興味は尽きませんね。今日はこの放送の紹介だけになります。

石破茂氏が総理大臣になってから、永田町の動きはこの老人には理解不能なところが多々あります。ひとつが、なぜ衆議院選挙を急いだのかがこの老人には理解不能。やればコテンパンに負けることが誰にでも予測できたのになぜ?今の衆議院議員の任期満了にはあと1年あります。今が最悪とすれば、今後の彼らの努力では多少挽回できたはずなのに。であれば、今選挙をするよりは先へ延ばした方が自民党には良かったはずなのに。わかりませんね。もうひとつ。今回の比例区での政党名略称には2つの「民主党」がありました。立憲民主党と、国民民主党が両方とも「民主党」。これを届け出者の裁量に任せることは混乱を招くだけなのでは?立会人に質問をしたら「省略しない政党名を書けば按分されません」。これほど総務省公務員とは無能なのかと驚きました。もうひとつは、公認もれの自民党候補ひとりに2000万円の資金提供。自民党というか小泉進次郎氏(自民選対委員長)は勢いだけで頭が悪いので有名なのだそうですが、ここまであから様に無神経で庶民的常識のない人だとは・・・

さて、"Talk the talk, walk the walk" という決まり文句が英語にあります。変な言い回しですが、慣用句ですのであなたが知らない場合、そのまま覚えるしかありません。talk the talkだけで同じ意味を持たせることもあります。意味は「言うべきことを言い、やるべきことをやる」ということになります。M-Wにもあります:

さて、英語にはこれと形が少しだけ似てはいるが、言語学的にはまったく異なるカテゴリーがあります。それはdelexical verbsというもの。字面だけで見ると、delexical ですので、lexicalの反対語?で意味は?

最初に答え合わせをすると、lexical で「言葉の」ということですので、de-を付けて否定形、反対形を示すはず。ですが、日本語では「無意味」とでもなるのでしょうか。英和辞書に掲載されていないようですので、私の想像です。(後述)

では英文法でdelexical verbsとは何か?例えば、have a breakと言うフレーズでは、haveは要りませんね。ですが、英語ではbreakという(ここでは)名詞に「休憩」という意味がありますので、haveがなくても成立します。このときhave a break はdelexical verbである、といいます。ということは、和訳するとすれば、無駄動詞あるいは冗長動詞というのはどうでしょうか。私個人のアイディアに過ぎませんけど・・・

delexical verbsの特徴は、形容詞が入って修飾されることが多い、ということ。例えば、上の例では have a nice break、have a long break などなど。

have以外に、take、make、giveなどの動詞は非常に多くのdelexical verbsの一部となります。いくらでも例はありますので、ご自分で考えてみてください。

ここでこれが他の言語にあるかを見ると、先ず、日本語には無限にあります。「勉強する」別に「する」はなくても十分意味は通じますが、わざわざ「する」を付加して使います。フランス語でfaire attention(仏 ふぇーるあたんしょん)の意味はbe carefulという意味ですが、フランス語でもfaireはなくても意味は通じるのでこの場合のfaireはdelexical な verb であると言うわけです。(ここのfaireとは英語ではなくて、フランス語の動詞で、意味はmakeです。)つまり、英語以外の言語にもこのような無駄な動詞がたくさん使われている、あまりにたくさん使われているので、文法的な事柄を意識することはほとんどない、という特徴がありそうですね。

このブログではあなたのためになりそうもない無駄な言葉をも紹介することを喜びの一つにしている、という変わったところがあります。しかし、本日の話題から何かを得るとすると、常に反対語を意識することは語学学習では非常に大事である、ということです。またこうすることによって初めて知る単語でも、より印象的になり覚えやすくなります。今日の例ではdelexical vs lexical です。これらを自由自在に使えるようになるとき、あなたの英語は一段ステップアップしているでしょうね。あなたのさり気ない教養の深さは、同じように深い教養を湛える(たたえる)人にかならずや解るもの。vice versa。それはあなたへの信頼、尊敬をより深く、強くします。これからも一緒に楽しみながら勉強を続けましょう。

本日は投票日です。期日前投票しなかった人は今日必ず投票しましょう。明治以降の選挙制度の変遷において、普通選挙がどれほどの流血であがなわれたものかを改めて想起するとき、投票権を放棄することは先人への冒涜です。(最高裁判事の審判は選挙ではありませんが、あなたは判事たちが憲法を守って仕事をしているとお考えですか?私はまったくそう考えませんね。ただ自分の栄達のために右顧左眄して最高裁という狭い世界の大勢に従っているだけですね。そもそもこんなに裁判に時間がかかることだけでも判事達はまともな仕事をしていない証拠です。袴田事件、他の再審請求に対する正義感の欠如・・・袴田事件で自分の罪を懺悔した判事(故人)がいましたがこんなまともな人間は例外中の例外です。裁判官を永年やると人間性を失うようです。)

さて、少し大風呂敷なpostが続きましたので、本日は軽めに。私は夏の高校野球は即刻中止すべきだと常々思っております。プレイする方も地獄、見る方も地獄。体を張ってやっています。何かの意味はあるのでしょうが、この灼熱地獄の真夏の日向(ひなた)で野球をするという不健全な商魂を捨てるところに日本文化の進化があると常に思っております。

さて、夏の高校野球の優勝旗にはラテン語の有名なフレーズが刻まれています。県大会での優勝旗には漢字だけですが、知恵ものがいて、夏の甲子園での優勝校に渡る優勝旗には、あvicる有名なラテン語のフレーズが刻まれています。"Victoribus Palmae"と読めます。

ここでは単語の意味も大事ですが、その「格(case)」も大事です。意味と格のセットで何を意味しているかを読み解くことができます。victoribusの方はvictoryの変化形(dative 与格)だと想像できます。次のpalmaeは、plamaという辞書に出ている形(nominative)の複数形を示しています。nominativeは主語を表しますが、ここでは詩的に変化させていると解釈すべきなので、nominativeの意味はありません。ラテン語palmaの意味として、あるオンライン辞書にある訳語は以下の通り:

 1. palma award for victory
2. palma glory
3. palma palm
4. palma prize
5. palma salvation
(https://www.translate-latin.com/en/dictionary-latin-english)

英語のpalmそれ自体に、実はgloryという意味があります。元々は月桂樹の葉のような、勝利者のシンボルとして古代にはpalmの葉が使われていました。古代ギリシャでは勝利の印は月桂樹の葉の王冠でした。古代ローマではそれはpalmの葉でした。ローマ人はギリシャの風俗をまねることを好みましたので、やがて両方ともローマで見られるようになりました。より正確には、平和裡に(つまり大きな犠牲を起こさずに)勝利した軍人トップに対する栄誉の象徴として授与されたのがpalmです。なお、英語ではleaf、frondは両方とも「葉」を指しますが使い分けます。frondとはpalmの葉のような細い形状のものを指します。

victoribusはdativeで、これは"to"を示すために語形変化させるもの。元のラテン語の形は、ラテン語、英語ともにvictorです。

ということは、Victoribus Palmae で、「勝者に栄光を」「栄光を勝者に」という意味になります。

さて、ではなぜ夏の甲子園の優勝旗だけにこのラテン語のフレーズがあるのでしょうか。それは夏だけは参加全校が試合をして、夏の大会の優勝校はその頂点に立つから。つまり、この優勝校は一度も負けずに頂点に立つからです。春と秋の大会は選抜方式ですので、このフレーズだと少し異議が出そうですよね。いつも体育会系の馬鹿丸出しの高野連ですが、知恵者が提案したこのラテン語のフレーズで、私は not guiltyとpleadしたくなりました。私のこの軽薄さが馬鹿丸出しですけどね・・・ ただ、難癖をつけるとすれば、それはこの優勝旗の図柄。鳩が出ているということは、その足下にあるのは月桂樹だろうと考えられます。えっ?それってpalm frondsじゃなかったのぉ?ここで妄想をたくましくすると、このラテン語フレーズを知っていた人は図柄には関与しなかったのでは?つまり、この優勝旗の裏には、ラテン語遣いとは別の図案係もいたということでしょうか。やはり高野連、お里が知れますね。

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