字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2024年07月

このブログは知っていても何の役にも立たないことに少し熱意を込めることがあります・・・

フランス語に、やや特殊な言葉 verlan があります。これは現代の若者たちが、普通の会話を隠語化するために、単語の綴りをひっくり返して発音することを言います。辞書を見ると日本語は「倒語」。

いくつかのやり方があるので、本来の綴りをそのまま裏返しに、つまり右から左へ読むやり方もあれば、音節の順番を変えて発音するやり方もあります。これをやられると現代フランス語の学習者には荷が重いでしょうが、現実として受け入れるしかありません。ちょうどアメリカで黒人のslangがかっこいいと評価され、upper-middleの白人の若者がまねるのと似ていると私は思います。verlanと言う言葉は英語の辞書には載っていないと思います。調べた限りではありませんでした。ChatGPTに英語にverlanに相当する現象があるかを尋ねたら、ない、との返答でした。

では日本語には?実はあります。あるいは、かつてありました。それは「ズージャ語」と呼ばれました。ズージャとはジャズのことです。verlanしていることを示すためでしょうか、「ー」(長音)化させますが、これの例はあまり多くないと思います。森田和義という名前はverlanされてタモリとなりました。

verlanismの真骨頂は金額にあると思います。数字をCDEF・・・の音階に変えてドイツ語風に読みます。知りたい方は「ズージャ語」のwikiサイトをご覧ください:
「ズージャ語」のwiki

我々が英語でverlanという言葉を使うことはなさそうですが、万が一必要になった時、私のアイディアは verlanize という新語で対応する、というものです。これだと相手はverlanという言葉が元になったのだな、という程度の推測ができますので、最低限親切なやり方だろうと思います。

最近「カゴン族」と言う言葉が主にネットで使われているそうです。本当?色々調べてわかったのは、それはコーリアンのスラングなのだそう。道理で、英語で調べただけでは何もわからなかったわけです。これはスタバに1日中居座って自分のワークプレイス化させていることを指す言葉だそう。英語にはまだ入っていないでしょうね。多分永遠に。

そのような人々をかつては Starbucks nomad と呼んだことがありましたが、今では使われませんね。なんと呼ぶべきかをChatGPTに訊くとcoffee shop campers, cafe dwellers, regularsという言葉があるよ、ということでした。彼らをregulars と呼ぶと、店にとって迷惑な客というニュアンスがありません。ならば造るしかありません。まず、上記のような占有行為をstarbucking と呼ぶことが第一歩でしょう。これでstarbuckという動詞を造りましたので、そこから簡単に starbucker/s ということになります。ところが、これだと通常の顧客との区別がつかなくなりますので、私は long という言葉を同時に使うことにします。スタバはshort だとか tall だとかという、背丈を嘲笑うかのような呼称を頻用しますので、それに対する当てこすりを含むのはなんとか伝わるはず。ということは、彼らは long-starbucker ということになります。もう少し知性を加えるには?

魚や鳥だと、移動をするタイプと、定住するタイプがあります。スタバに関していうと、前者は毎朝お決まりのラテを買うためにショップに立ち寄る鳥、失礼、人々。目的物をゲットすると本来の自分のテリトリーを目指して移動。後者は自分のスペースに陣取り、くちばし(beak)をぶつけたり、羽を広げて羽ばたいてテリトリーを侵すものを威嚇する人々。渡りのために羽を休めたいと思っても、相手は怖い態度で追い払おうとします。ということは定住型はsedentary、回遊型はmigratoryということになります。

そもそもstarbuckって何でしょう?buckというのはmale deerのことです。starは花形の、ということでしょうから、親分の鹿ということでしょうか。辞書によるとラテン語ではmale deer=caperということです。capersedentary?あまり良くないので、元に戻してsedentarian ということにしてはいかがでしょうか。caféを付けても付けなくても良いでしょう。私は付けない方を。Chattieにできはどう、と聞いたら、お世辞をいっぱい並べてくれました・・・いい奴です。いつの間にか、心にもないことをいう能力も身につけているようです。

子供の頃から不思議な言葉のひとつが、私の場合、「ホチキス」でした。まるで原語(英語?)の言葉を想像できず。その後、英語ではそれは stapler と呼ばれると知り、すべてはそのままに。その後私が知的成長を遂げたかどうかはわかりませんが、「ホチキス」に関しては子供の頃と変わらず。で、「ホチキス」って何?

ホチキス、それはなんと人名なのです。というか普通はそれ位は想像できるはず。あちらこちらを探ると、最も一般的な綴りは Hotchkiss だそう。もちろん、綴りには揺れがあるものです。あるサイトに曰く Hotchkis was a baptismal name which is a pet form of Roger as in the "son of little Hodge"だそうです。そして、その名前はNorman Conquest とともにイングランドにやってきたそうです。つまりRogerとHotchkissは仲間だったというわけです。The first record of the name was William Hockeykys who was listed in Shropshire in 1470. (ShropshireはWalesに接するcountyの名前)たしかに、フランス人に Roger という名前は多いですね。つまりこれは英語系の名前ではなくて、フランス系の姓だったというわけです。
Hotchkiss History, Family Crest & Coats of Arms

Eli Hubbell Hotchkiss というアメリカ人が紙をとじる機械の会社を1897年に興しました。商品名はNo.1 staplerでした。日本にも輸出されましたが、なぜかstaplerではなく、会社の名前Hotchkissが日本で商品名として認知されたようです。このため日本ではHotchkissがstaplerを意味するようになったのです。Listerinはマウスウォッシュの名前ですが、これは Joseph Lister という創業者の名前に由来します。それと少しだけ似た話ですね。ちなみに、staplerは日本ではHotchikisuと呼ばれるという解説が英語のサイトの複数の場所に書かれていました。アメリカでも有名なようですね。フェラーリといえばスポーツカーの代表ですが、本来的には創業者の姓ですよね。「ピカソ」と言えば、訳のわからない絵画の「代名詞」。

これで思い出したのが、出雲市長です。昔、岩國哲人(てつんど)という人がいて、出雲市長に、選挙で選出される前はアメリカのメリルリンチ系のNYの証券会社本社でトップ・マナージメントをしていました。岩國哲人氏が出雲市長になってから、出雲市役所職員は初めて残業というものをするようになったそうです。それまで誰もしなかったのに。そのため職員の間でできた言葉が「哲人する」という動詞。意味はovertimeする。人名は動詞にもなる、という例ですね。地方では公務員は勝ち組です。特に近畿圏の公務員を見ると彼らには特権階級の意識があるのがよくわかります。私が子供の頃に「役人の子はにぎにぎをよく覚え」という「カルタ」がありました。五七五ではありませんが、これはこれで何かの形式というか韻を踏んでいると思いますが、詳細は忘れました。江戸時代のカルタにあったそうです。江戸時代にも「役人」という言葉があったのでしょうか。「にぎにぎ」とは手でやる賄賂のサインです。おそらく欲しい側が出す方に手で合図を送ったのでしょう。

45 words/phrases

it'll be business as usual'business as usual 通常通りで
life blood 生命線
plain bloody-minded'plainly 徹底的に
bloody-minded 流血を厭わない
Sun's not quite over the yardarm: yardarmとは船のマストの一部で太陽の高さを測るためのもの。午後には勤務中の船員でも飲酒を許された時代があったことに由来するidiom (ここでは否定形で)
Bugger it めちゃくちゃにしろ
halibut 魚の名前
you mark my words 決まり文句「大事なこと」「忘れないで」
to his core 芯まで
make economies 節約する
he's my man 仲間だ、親友だ
carnage=massacre
root out 根絶する
smoothie 弁の立つ人
eyelash…make a wish 抜けた睫毛に願をかけることがある
safe seat 勝つことが確実な選挙区 (一度seatにいくつかの政治的な意味があるのを整理することを勧める)
Yishai love you so much-->Yeshi, I love youが正しい綴りだろう
for that matter 更に言えば
imp 小鬼
You never really got golf ゴルフをわかっていない
madhouse 普通は「雑踏」を意味する。Theが付いているのでおそらくここでは綴り通りの意味か?
doth=does
Hear, hear. イングランド議会特有の表現「そうだ!」
mutiny 反乱
insufferable  耐えられない
persecute 苦しめる
blas? つまらない
filly メスの子馬
hunky dory 完璧な
dub ニックネームを付ける
Lurpak バターのブランド
call it a day お仕舞いにする
with all due respect お言葉ですが
pincer 挟撃
appeasement 妥協案
we cannot bury our heads in the sand 目を背ける
give in 降参する
manifestly 明らかに
slacker 怠け者
ferociously 恐ろしく(n. ferocity)
last-ditch attempt 最後の抵抗
lily-livered 臆病な
pinko アカ <pink, red

Margaret Thatcherという、UKを代表するPMとなった女性の伝記です。彼女が庶民の出であることが随所で示されます。同時期にUSの大統領であったRon Reagonは、その後のアメリカの政治に非常に大きな影響を残しました。伝記映画として見ると完成度は少し疑問に思います。AE専門の方にも問題なく入り込めるでしょう。

映画: 『鉄の女の涙』(原題 The Iron Lady)

公開: 2011年

ジャンル: 伝記の映画化

時間: 105分 

脚本: Abi Morgan
 
原作: -

監督: Phyllida Lloyd

配役: Meryl Streep as Margaret Thatcher (another acress for young Margaret)

あらすじ: groceryの一家に生まれた女性が保守党の党首、UK首相になるまでの波瀾万丈とその後の生活。
聞き所: (1)Francisco of Assisiの引用、(2)医者との対話

訛り: BE(かなりアメリカ人にも聞き取りやすいようにmodifyされている)

私の評価:
エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★★ 少ない
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ★★★ 多い 
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合計           12★(満点15★)

台本総語数:8.8k 平均より1割少ない

スピード:    8.8k/105/2= 169wpm 

難解語割合: 45/8.8k=0.51%
予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)


メリル・ストリープという女優が熱演します。本物のように見えます。声も本物のようですし、入れ歯の発音のようなBE特有の発音も再現しています。見事です。

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