字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2024年01月

先日のMVP授賞式での彼の英語での短いスピーチを取り上げて彼の英語を格付けします。そのその前に、このBBWAAとは何でしょうか。それはBaseball Writers’ Association of Americaの略なのですね。MLBの2つのリーグともに、BBWAAの投票で年間MVPが決まるのですね。

このサイトを見ると、彼の事は、Shohei Ohtani is currently the only player to unanimously win the award twice. というキャプションが見えます。一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
https://en.wikipedia.org/wiki/Major_League_Baseball_Most_Valuable_Player_Award

この中の登録記者の名簿を見ると、Angels担当の記者は65名のうち、3名のみ。これでは特に圧力をかけたということはなさそうです。それにしても、上記の、満場一致を2回というのはすごいと思います。野球記事でメシを食う以上、大谷翔平の圧倒的業績を無視するわけにはいかない、ということです。それを大谷氏は、アメリカ的な文化である、腕力で掴み取ったというよりは、画面で普段見せる力、圧倒的到達度、人懐っこい性格でシッカリものにした、ということでしょうね。本当にたいしたものです。彼が日ハムから巣立った時、これを予想した人はどれくらいいたでしょうか。


さて、彼の答礼のスピーチですが、結論を先に言うと、欠点が目立ちますね。ところどころで、何を言っているかわかりません。字幕で見てもやはり、機械が聞き取れていない箇所が目立ちます。ちょっと残念です。聞いているはずの記者たちは聞き取れたのでしょうか。私はなぜこんなことを言うのか----それはアメリカではほぼすべての事柄がローカルだからです。大谷翔平といえども、カリフォルニア州の人以外はほとんど知らないと思った方が良いのです。つまり、彼はこれから all US で更に知られて行くのです。

彼のスピーチの中には、日本人共通の欠点のようなものがありそうです。ひとつだけ上げると、それはスピード。苦手な英語を話す時、早く話す必要はまったくありません。ゆっくりと話しましょう。そのためには適切なところで区切ることですが、私の意見ではこれこそが難しい。ちゃんとしたところで区切ることができるということはそれ自体がある程度の英語力を持っている、ということです。スピーチの原稿に / slashを入れるだけ。これの名手がかつての大統領 Ronald Reaganです。彼は俳優出身ですが、たしか union のリーダーをしていて、その後CA州知事に、次いで大統領になりました。ゆっくりと話すことで発音を向上させる余裕が生まれます。
(なお、このブログで、この「間」について既に扱っております。気になる方は以下をチェックしてみてください:
https://sttl.livedoor.blog/archives/34046569.html )

もし私がアドバイスするとすれば、言葉を補うのは視覚効果です。自分が少年だった頃、こんな席に立つなんて想像もできなかった…と言いながら、子供の時の写真、動画をその場で再生してもらえば、あるいは自分で持参したタブレットでその場で見せれば、オーディエンスを一気に鷲掴みにできたはず。こんな天才がこんな普通の子供だったなんて… もちろん彼が普通の子供であったはずはまったくありません。ですが、子供を見て Cute! と思う心理は万人共通です。それが、野球を目指して、となればこの会場にいた人々のすべてを、改めて一気に彼のファンにすることが可能だったはず-----私はそう想像し、そうアドバイス申し上げたく。彼ほどの高みに上った人にアドバイスをする、というのは余程のことでしょうから、普通は誰もそんなことを引き受けませんよね。そんな人にも、自分の欠点をちゃんと指摘してくれる人は本当に大事ですよ。

トヨタグループでまた不正のあったことが報道されました。これだけトヨタを囲む姉妹会社あるいは親子会社の中でトヨタ本体だけで不正が報告されていない…こんなことがありうるものなのでしょうか。私の勘ぐりでは、おそらく本体でも「不正」はあるはず。でも本体では締め付けがあまりにも恐怖に満ちていて、社員、関係者はとても言い出せないだけなのでは?そう思えば私は納得できます。もし、仮にその通りだとすると日本のマスコミは徹底的にトヨタを叩くでしょうか。私はそんなことはないだろうと思いますね。トヨタは現在日本最大の広告発注者です。ですが、それに近いのが昔の東京電力です。福島での事故の後は徹底的に叩かれましたが、トヨタはあの会社ほどにはひどくはなさそうですけどね。すべて私の想像、妄想でございます。

さて本日は軽いお話です。ナポレオン・ボナパルトが最初に島流しにあったのはエルバ島です。彼の故郷であるコルシカ島そのものではなくその東側にある、更に小さな島です。(なお、「コルシカ」はイタリア語ですが、この島はイタリア政府がフランス政府に売却しましたので今はフランス領です。英語圏でもCorsicaという、イタリア語で呼びます。フランス語では Corse です。この島エルバの由来はここに住んでいた古代の人々の名前で、元々は Ilvates (読みやすいようすべて大文字で書くとILVATES)という、PIE語族の人々でした。長い間の転訛 corruption のためにIlvatesは「イタリア語」でElbaとなりました。)なお、注意深く調べると、この ilvates が語源となった鉱物があり ilvaite と呼ばれます。以下のその説明などがあります:
https://www.merriam-webster.com/dictionary/ilvaites

なお、このIlvatesという人々は、より大きな括りではLigurian tribeのひとつとされています。この周辺の海は英語ではLigurian Seaと言います。一番奥の最大の町がGenovaです。スイスのGenevaと似ていますがまったく別の町です。イタリア半島の反対側(東側)にはアドリア海があります。アドリア海の名前はAdrian ではなくて、Adriatic Sea ですね。Adrianは英語圏の人名です。

このエルバ島で最大の町は Portoferraio ですが、一見して推測できるように、Porto ferraioという2つの単語でできていて、後者は ferrum/ferrus つまり、「鉄」のことですね。実際、その通り、鉄を積みだす港でした。正確には「鉄」というよりは、鉄鉱石です。このように地名に「鉄」が含まれる町は結構あります。

おそらく最も有名なものはFerrarra でしょう。ミケランジェロのダビデ像の原石はこの町で採掘されました。ミケランジェロが切り出しに立ち会ったと言われています。大理石と鉄ferrumがどのように関係しているのか、地理学上あるいは鉱物学上どのような説明がなされているのか私はよく知りません。ChatGTPに聞いてもわからないようです。なお、イタリア語でのSmithにあたる氏名がFerrariです。例の、プレミアムカーの会社です。オーナーの名前です。つまり創業者は貴族ではなくて、職業姓を持つ、庶民の出だということですね。意外な感じがします。別の言い方をすると、馬に乗る貴族たちに、乗るべき新しい、内燃機関の「馬」を提供するとも言えますよね。そのせいかロゴは馬です。

話はアジアに。司馬遼太郎によると、朝鮮半島が相対的に貧しかった理由は、鉄製品の普及度が近代でも極めて低かったから、だそうです。鉄製の農機具の普及度が20世紀に入っても極めて低かったそうです。理由は、朝鮮半島で「たたら」製鉄をすると、つまり、木炭で砂鉄から鋼を取り出すと、一度に数ヘクタールの森林を必要とするそうです。そのために、朝鮮半島の山々は禿山になりました。一方日本では降雨量が多いために、森林は1世代で再生されます。このために古代には朝鮮から、日本の中国地方に移住する鉄関係の人々が大変多かったそうです。

窪田蔵郎氏によると、「鉄」を冠した地名があちこちにあります。例とされる中で一番私の関心を惹いたのは、釜山の郊外の海岸の地名で、「多大浦」という場所があります。漢字で検索すれば簡単に見つかります。もしかすると、この地名が日本の「たたら」製鉄のオリジンかも知れませんね。


最近こんなpostがありました:
「。」に威圧感や怒りの感情を読み取る若者 背景にタイパ重視世代の“気遣いと正義”

そのpostが言おうとしていることは私はわかりました。(では現代の若者の句読点の使い方の法則、言わば「文法」を引き出し、記述せよ、と言われてらたぶんあまり出来ないと思います。私の頭が悪いからでしょうね。大事なポイントの理解はできたはずですけど…)ではこのような若者を呼ぶ適切な呼称は何か?punctuation+phobiaですので、あとはどうやってそれを一語にまとめるか。

実は今日我々の知るpunctuationは古典ラテン語の時代には存在していません。カエサルの時代にはラテン・アルファベットは大文字しか存在していなかったのは、このブログで何度も書いております。つまり、ラテン文字の小文字、ピリオド、カマ(カンマ)というようなpunctuation marksも中世に造られました。(例えば、文字Jは16世紀に使われ始めたと言われています。突然出現したのではなく、手書き文字だけの当時、I Y は同じ音を意味する文字でしたが、フランス語ではYをギリシャ語の「I」、つまり "i-grek" と呼ぶことにし、普通のIとは違う、少し尖った音をあてがいました。このためIの、飾り付き文字Jにも出番が回ってきて、フランス語では別の音(音価)を与えることにしました。そんなことに関係のないドイツ語ではIとJの音は同じです。しかもドイツ語では本来的に不要なYの需要はありません。Yで始まる単語はいくつかはありますが、すべては英語などの外国語からの借用語です。----こんな説明をしたのは、これから書くことは、いわゆる 正統的(古典的)なラテン語の外側に属するからです。)

punctuationはほぼそのままラテン語由来に見えますが、実はラテン語では interpunctum と呼びます。辞書によると別の語 interpunctio もあります。その後に続く単語phobiaとのつながり具合の良さそうな方interpunctio をここでは取りましょう。これにphobia を付けて、interpunctiophobia とすれば、目的とする単語をクリエイトできましたね。おそらくinterpunctum interpunctio にはよりよい使い分けがあるはずですが、私のセンスではこれで十分ですね。

ただ、ではこれで十分か、と言えば、英語での言葉punctuationが連想で出てきませんよね。であれば、無理やりラテン語を使うのではなくて、やはりここでは英語をそのまま使い punctuationphobia とすべきでしょう。これだとほぼすべての読み手が予想できるはず。

最後にこの単語をググって使われているかどうかを調べます。なんと、googleは1つのサイトを教えてくれます。キャッシュを見ると中国語も登場するサイトのようです。そんなサイトでvirusに感染するのはバカバカしいので、「使用されているようだが、頻繁に使用されているわけではない」ということがわかった、というを確認できました。この-phobia -philleを使った単語は本当に山のようにありますので、新たに私が創造しても誰も注目しないと思います。

なお、このブログで「句読点」を扱った、一番古いpostは以下のものです。気になる方はチェックしてみてください:
https://sttl.livedoor.blog/archives/18466140.html 

最後に、punctuation marksについてChatGPTに教えてもらったことを以下にコピペします。ここにも Aldine Press (a.k.a Aldus Manutius)の事が登場しますがそれについては以下のこのブログで既に取り上げてあります:

Quoting ChatGPT:
The use of punctuation marks, including the full stop (period), has evolved over time, and its history is quite fascinating. In the context of Latin and the medieval ages, it's important to note that classical Latin, as used by ancient Roman writers, did not have a system of punctuation as we know it today.

The concept of punctuating texts to indicate pauses or divisions in written language became more prominent in medieval manuscripts. During the early medieval period, scribes used various marks, such as dots, slashes, or lines, to separate phrases or clauses. These marks were not standardized, and their usage varied across different regions and manuscripts.

The full stop, as we recognize it today, started to emerge in the medieval period as a means to indicate a complete pause or the end of a sentence. It was part of a broader effort to make written texts more readable and to guide readers in understanding the structure of sentences.

In Latin manuscripts from the medieval period, a range of punctuation marks was used, including the punctus (a dot or point), virgula (a comma-like mark), and punctus elevatus (a high point or colon). These marks were employed to convey different levels of pause or separation within the text. While the specific usage varied, the idea was to help readers navigate the text more easily.

However, it's important to note that the punctuation system in medieval Latin manuscripts was not as standardized as modern punctuation. Different scribes and regions had their own conventions, and the same mark could be used for different purposes. Also, the spacing between words was not consistently applied, further adding to the complexity of reading medieval manuscripts.

The transition from medieval to modern punctuation occurred gradually over several centuries, with the development of printing technology playing a crucial role. Printers like Aldus Manutius in the 15th century began to standardize punctuation marks, including the full stop, in their printed editions. This standardization contributed significantly to the establishment of the punctuation rules we follow today.

In summary, while classical Latin did not have a formal system of punctuation, medieval Latin manuscripts did employ various marks to indicate pauses or divisions. The full stop, as part of this evolving punctuation system, began to emerge during the medieval period, but its usage was not as standardized as it is in modern times. The development of printing technology played a pivotal role in solidifying punctuation rules and making them more consistent across texts.

136 words/phrases 一部に私の能力を超えた語句があります。

smithy=blacksmith
if not smithies per se: per se 厳密な意味ではなくても(本来のラテン語の意味とは違う)
metallurgic 冶金の
straitened 困窮した(注 これらの言葉遣いが、少し後のthe capacity for abstract thoughtというフレーズへの前説となっている)
Suits me それでいいよ
I'm votin' for yours truly. yours truly: 拙者(おどけ)
m' son=my son (eye dialectのひとつ)
gainful (ここでは)まともな給料の出る仕事
fraught 問題だらけの
startlement= startle?
vouchsafe 与うる
fall 収まる
impedimenta=obstacle
flapjack=pancake
acme of sth ~の極み
tight spot 窮地
nigh=almost
bounty 報奨金
yellow-bellied 腰抜けの
R-U-N-N-O-F-T: run offのことか?
clump snatcher 泥棒集団
oddity 変わり者
coiffure=hair style
voiture=car
congregation 集会
Piggly Wiggly スーパーマーケットチェーンの名前
hard-nosed 押しの強い
cross to bear 負うべき十字架
imp 小鬼
hisself 訛り<himself
bifurcated 二股の
Tishomingo, OK
if'n=if and when
accomp= accompanist
get enough of<can’t get enough of sth 目がない
silly with it 意味???
farina??? bread?
parish or precinct 教区
press the flesh 選挙候補が握手をする
politick 政治を行う
dimwitted=foolish
sumbitch=son of a bitch
court (vt) 機嫌を取る
electorate 有権者
maitre d'=maitre d'hotel 支配人
in a jiffy=in a moment
foreclose 買い戻す(直後で言い換えされる)
son of a gun 野郎
purty nigh hopeless=pretty almost hopless
nary=not any
skedaddle=run away
light out 立ち去る
know-it-all 知ったかぶりの奴
obtuse 鈍い
George Nelson 有名な強盗
flat-footed 偏平足の動きの間抜けな
lame-brained 間抜けな
soft-ass 臆病な
ordnance 武器
auto voiture=car
slanderizin’ ???
jack up=rob
meekness おとなしさ
the next (minute)
sap=fool
yonder can? (Yonderという名前の缶飲料?)
skedaddle 逃げる
go age 興奮する
hell's bells なんてこった
get the itch to do ~したくてムズムズする
shenanigans (pl)いかさま
horny toad ツノガエル
fornicate 姦通する
rusticated 田舎風の
pressed for time
tout court  単に(フランス語)
gab おしゃべり
plumb=perfectly
Revelations ヨハネの黙示録
woe and want 悩みと貧困?
tongue-tied 口下手の
languishing 沈滞の
in a walk 楽々と
fricassee 料理名
mite puckish 少々怒りっぽい
hiatus 中断
gustation=meal ここでは
astute 鋭い
show card 出し物の貼り紙
whelp 子供
by-and-by すぐに
squished 押しつぶされる-->「なる」の意味か
smellum 香水
rascalism 犯罪
admonish 戒める
for the asking お望みであれば
beau=boy friend
bona fide 善良な(ラテン語、法律用語)
paterfamilias 家長
succubus 悪魔
no-account どうってことのない
fiendish 悪の
bushwhack 未開の森
slump-shouldered 前かがみの
Johnny-come-lately 新参者
au courant 最新型の
skedaddle 逃げる
truss 絞首刑にする
beat up ボコボコにする
bust out 脱獄する
hallowed 神聖な
darky 黒人
papist カトリック教徒
egghead インテリ野郎
enticement 誘惑
blandishments お世辞
travesty 茶番
mulatto 白黒混血
miscegenation 異人種間結婚
moral fiber 道徳心
rectitude 潔白
amor fidelis? loyal love?
Holy moley おったまげた
miscegenated???
miscreant 異端の
trample 踏みつける
venerate 崇拝する
desecrate 冒涜する
fiery<fire
remand 送り返す
rambunctiousness 乱暴さ
candidacy 立候補
round up かき集める
mixaphorically??? metaphoricallyのことか?
roll-top 木製シャッター付きの戸棚のこと?
Roman candle 小型筒花火(candleではない)

有名なコーエン兄弟が制作したドタバタコメディです。英語圏ではなぜか評判が良かったようです。言葉遊びがあちこちにあります。

驚いたことに、コーエン兄弟は、Homerの Odyssey を元にこれを制作したのだとか。そうと解釈できるシーンも少しあります。英語ではOh broは「ったく、勘弁しろよ」という意味。Where Art Thou?とは南部訛りで、Where are you?と言えば標準英語になります。英語に自信のある方はぜひチャレンジしてみては?

★ ★ ★ ★ ★

映画: 『オー・ブラザー!』(原題: O Brother, Where Art Thou?

公開: 2000年

ジャンル: コメディ

時間: 107分 

脚本: Coen Brothers (Joel Coen, Ethan Coen)
 
原作: -

監督: Joel Coen

配役: George Clooney as Everett

あらすじ: 大恐慌時代のアメリカ南部で、3人の囚人が脱獄します。埋めたお金がダムの底に沈む前に回収するため。途中で色々なことが起こります。

聞き所: 見つけられませんでした。

訛り: 南部、下層

私の評価:
エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ☆☆☆ 少ない
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
------------------------------------------------------
合計           6★(満点15★)

台本総語数:9.2k 平均より1割少ないが南部訛りなので少しきつい

スピード:    9.2k/107/2=171 wpm 

難解語割合: 136/9.2k=1.5%

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)




コメント: Coen Broと言えば有名な Fargo も既に取り上げてあります:https://sttl.livedoor.blog/archives/16678358.html

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