字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2023年12月

このブログでは銘記するに足るgood quoteを、つまり言葉を、たまに引用します。写真はしばしば言葉よりも強く、雄弁です。今日はそんな気持ちで選んだものです。Time誌の選んだ「100枚の写真」のひとつです。

ベトナム戦争は、最初はインドシナ戦争と呼ばれ、フランスの植民地であった、今のベトナム、当時フランスは、イングランドに対する見栄のために、Indochine (英語ではIndo-China)という地理的呼称を選んでいましたが、北部から攻め入る共産主義者の軍隊との戦闘を長引かせていました。端的に言えば、フランス軍は劣勢でした。北部からのベトナム人は、組織化され、強く宗主国フランスを憎み、粗衣粗食に耐えて、民間人を味方につけながらゲリラ戦を戦っていたと言われています。そこに、ベトナムの共産化を防ぐ(他に東南アジアでの共産政権ドミノ現象を未然に防ぐ)といPhucう大義名分を持ったアメリカ軍が軍事顧問団を送り込み始めました。俺たちが戦争のやり方を教えてやる、という気持ちだったのでしょう。ですが、状況はまったく改善せず悪化の一途。そのためアメリカは軍事顧問団ではなく、軍隊そのものを送り込み始めました。これがいつかは特定は難しいのですが、おそらく大方の人は「トンキン湾事件」と呼ばれる、アメリカ軍の、自作自演の1964年の被害報告をもって、アメリカの介入開始と見るはず。まるで日本陸軍の関東軍による柳条湖事件1931のような話です。当時はアメリカ軍が北の軍隊から攻撃された、との主張でした。

アメリカはものすごい数の戦争犯罪をベトナムで犯しました。この写真もそのひとつです。この全裸の子供は少女で Thi Kim Phuc という名前だとされています。この子供たちは、自分たちの村がアメリカ軍のナパーム弾で攻撃を受けたために、着の身着のままで国道を逃げてきたところを写真に撮られました。Thi Kim Phuc のどれが苗字でどれが名か私は知りません。9歳だったそうです。当時はサイゴンと呼ばれた首都の北25マイルの村での撮影だったようです。当然そこは南ベトナムですが、民間人、ゲリラ、北ベトナム軍人の区別が難しかったために、アメリカ軍は面倒くさいこの村を丸ごとナパーム弾で攻撃したのでしょう。ナパーム弾は、ゲル状になった、火の付いた燃料が四方八方に飛び散り、建物、人間、動物、樹木に付着し、燃えます。着弾直後に爆発し着火したゲルが四方八方に飛散します。大抵はその瞬間に一帯は酸欠になり動物は動けなくなります。ゲルが燃え尽きる前に人間などはやけど、この少女は衣服に着火したゲルがついたために衣服をはいで裸になりました。見えませんが全身におおやけどを負っています。非人道的兵器としてしばしばランクされます。

この村への攻撃はアメリカ軍の間違いだったそうですが、何が正当で、何が過誤であったかは当時のアメリカ軍にはどうでも良いことでした。将軍ウィリアム・ウェストモーランド(白人)がベトナム戦争中ずっとその種のコメントを残しています。その後、戦争がアメリカの希望するようには進まないので、アメリカはたしか1965年頃から、いわゆる「北爆」と呼ばれることを始めます。これはハノイ市を当時最新鋭の大型爆撃機で、無差別爆撃することです。何度出撃したか知りませんが、おそらく100回を優に超えていたはず。なぜそんな気になったのか、ですが、東京など日本各地を1945年に爆撃したことと同じで、そこに軍事施設があるという口実の下に民間人を含めて丸ごと焼き殺すことが公然とと行われましたが、そのメンタリティーをそのままベトナムで繰り返したわけです。原爆を使うという検討もされたようですが、さすがにそれは実行されませんでした。ベトナムは、どうでも良い、有色人種の国だったので、アメリカは迷うことなく北爆などの戦争犯罪を行いました。今、アメリカ軍部の幹部はイスラエルにパレスチナ民間人の被害を少なくしろ、と言っておりますが、どの顔をして言えるのでしょうか。そして自国が9.11のテロ攻撃をされるとパニックになり、イラクで報復に燃えました。アメリカの、世界最高の武器を持つご都合主義は本当にひどいです。

この写真そのものの解説は以下に:
https://web.archive.org/web/20210709050953/http://100photos.time.com/photos/nick-ut-terror-war

さて、本日のbest quoteに相当するメッセージ、それは戦争は悲惨なものである、ということに尽きます。戦争の正義を語ることは無意味です。常に民間人が犠牲になり、悲劇があります。今次のGaza Stripでの戦争を我々は後日振り返る時が来るでしょうが、それとは無関係に、戦争(hot war)は本当に悲惨です。

そして、この少女にこの後どんなことが起こったのかをぜひwikiでご覧ください。彼女は今ベトナムではなく亡命して別の国に住んでいます:
https://en.wikipedia.org/wiki/Phan_Thi_Kim_Phuc

66 words/phrases

macabre=horrific
whist カードゲーム
parlous 危うい
give in 降伏する
fat tweedy???
chasten 懲らしめる
badger アナグマ
lye 灰汁(あく)
gout 痛風
Cheever boy: Cheever 名前
rue 後悔する
ramification 悪影響
sue for peace 和平を乞う
soothe 鎮める(直後に言い換え)
scullery 皿洗い
I will crush your tiny heart to liver 腹にパンチするの意か?
cornichon ピクルス
canvass 歩き回る?
make a case 述べる
vajuju=vagina?
Farthing 価値
Our last farthing to protect England if we must.義務にせよイングランドを守るには何の価値もない
run amok 逆上する
have a thing=hate
make a killer of you=make you kill
abyss どん底
sue for peace 和平を求める
venison puffs=venison pie?
How very sad=verysad
under the guise of civility 礼節を装って
Am I to understand you are smart? ~して良いかしら
cunt-struck セックス漬けの
scabrous みだらな
blindsided 不意打ちにあった
ladyship 奥様
wren 鳥の種類
ride roughshod over 勝手に振舞う
halfhearted 無関心で
jape いたずら
hemorrhoid 痔
flagstone 敷石
posthaste 大急ぎで
Leave me be=leave me alone
shot badger=badger?
book of poetry from the Dryden fellow: おそらくJohn Dryden(詩人)のことか
leach leechではないことに注意
behest 指示を待つ?
sounds just the ticket: ticket ありがたいこと
malformation 奇形
lustrous 艶やかな
take a shine 気に入る
walking into God knows what 神のみぞ知ることに迷い込む
at the ready 準備万端で
sovereigns=gold coin
gainful有給の
expiate 償う
fight off 撃退する
thousand pardons 許しを乞う古風な言い方
outflank 包囲する
broker a peace 和平協定をする
there's that=it’s very true (idiom)
newborn 新生児
broach 話題にする
quandary 苦境
preposterous 本末転倒の
privy 秘密の

比較的最近の映画です。映画としては最上の出来です。ただ我々日本人には少し馴染みの薄い英語が所々で使われます。Olivia Colmanはこの映画でアカデミー賞主演女優をつかみました。素晴らしい演技です。

★ ★ ★ ★ ★

映画: 『女王陛下のお気に入り』(原題 The Favourite)

公開: 2018年

ジャンル: コメディ、歴史もの

時間: 120分 

脚本: Deborah Davis

原作: -

監督: Yorgos Lanthimos

配役: Olivia Colman, Emma Stone

あらすじ: 女王アンと取り巻きの女性の間の葛藤

聞き所: なし

訛り: 上流階級のBE (聞きなれない and/or 気取った表現が随所に) 
Emma Stoneの発音は私には聞きやすいがもう少しBE風の方が良い

私の評価: 撮影場所、衣装が素晴らしい(聴き取りには無関係…)

エンタメ度   つまらない★★★ 面白い
文化理解要求度 高い   ★☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★☆☆ 少ない
早口度     早い   ★★☆ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
------------------------------------------------------
合計           7★(満点15★)

台本総語数:9.0k 平均より1割少ない

スピード:    9.0k/120/2=150 wpm 

難解語割合:66/9.0k=0.7%  少ない

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)




コメント: ちょっと邦題にひと工夫欲しかったです。

最近、私にとっては面白い映画DVDを見ました。『THE INFORMER 三秒間の死角』2019年の作品。FBIの職員がワルとなる映画です。犯罪サスペンスです。このブログで取り上げることはしません。理由はtranscriptが入手できないため。現代の犯罪物なのでセリフはかなり単純です。ですが、おそらく原作があり、そちらはかなりよくできたストーリーなのだろうと想像できます。小説ではどんなことでも書けるのでしょうが、映画化するには単純化が必要です。言葉、ロケ場所などからアメリカ映画だろうと思っていたら、UK製作の映画でした。言葉はAEです。興味のある方はチェックしてみる価値があるかも知れません。個人的にはなぜアメリカ映画ではFBIは無条件で「良い子」なのかいつも疑問に思っていました。それをひっくり返す映画です。

さて、アメリカと中国との戦争は近い将来あり得るのか-----おそらく中国共産党の幹部だけがその可能性を知っているでしょう。もしかすると、それは習近平(Xi Jinping)ひとりだけかも知れませんが。先日、JBPressのpostで、習近平のベトナム訪問の背景について言及しているものがありました。(リンクは下に。)おそらく、彼は以前は自信満々で戦争をやり、力づくで台湾を併合するつもりでいたでしょうが、今年に入ってから、そして中国の不動産バブル崩壊がもたらしつつあるネガティブなインパクトの強さから、think twiceしているのでしょう。

ユーは何しにベトナムへ?ハノイで笑顔振りまく習近平から滲み出る焦りの正体

少し古いですが、今年の初めにNewsweekが伝えたpostを以下に掲示しますのでお読みください:
BY ANDREW STANTON ON 1/30/23 AT 5:38 PM EST

この人 Jack Keane は、軍事力を数で表現していますが、それは十分正しいでしょうか。私は懐疑的です。ロシアのウクライナにおける事例を見ると、「数 X 実動係数」で初めて実力が出ます。つまり、作動しない武器、稼働しない輸送車両、着弾しても爆破しない砲弾を除いて実際に有効なものとして見るためには、上限1.0の実働係数で見る必要があります。中国の軍隊の場合、異民族弾圧など一方的な軍事力の差のあるところでは有効かも知れませんが、陸海空すべてを統合して戦う現代の戦争ではどこまで有効かはまるで未知数だと私は思います。中国自身も正確には把握できていないはず。

また、先日、屋久島沖で墜落したオスプレイの事故に関して、日本の陸自元将校がテレビでコメントして、オスプレイの事故率は他の機体よりも低い、という発言をしていて、私を大いに驚かせました。日本の軍隊の上層部の知的能力はこの発言に現れていますよね。この人物はテレビでときどき本当に頓珍漢なことを述べています。防衛大学校の昔の入学者のレベルは本当に低かったです。最底辺の国立大学並みかそれ以下でした。昔は本当に自衛隊が不人気でした。昨今の不人気のレベルではありません。敵が予告して攻撃してくることはありませんので、軍用機の場合は、いつでも飛び立てるように乗員などを常時訓練しています。オスプレイの場合、命令があってから、たとえば3分で所定の乗員全員を載せて離陸、ということが実行可能かどうかは運任せ----こんな軍用機は役に立ちませんね。役に立たない軍用機を購入し、パイロットを訓練し、整備スタッフを育成、訓練し、パーツを在庫しておくというのは大いなる無駄です。しかも、今回の屋久島沖での事故では、基地と連絡を取る余裕も時間もなく遭難しています。これが軍事行動中であれば同情すべきですが、そうではありません。こんな信頼度の低い機体のためにリソースを割くこと自体が大いなる機会損失です。しかも、軍幹部は遺族から無能呼ばわりされるでしょう。

さて、上記のNewsweekの記事が出てからほぼ1年ですが、事態としては変わったところもあるし、変わってないところもある、という程度で、本質的な変化はない、と私は見ます。強いて言えば、習近平が持つ自信レベルが上がったのか、それとも下がったのか、ですが、私は下がったと見ます。理由は、中国のバブル崩壊の出口が見えないことです。彼はおそらく独裁者としてふるまうことに快感を覚えるタイプなのでしょう。自分がひとたびボタンを押せば台湾を占拠するための軍隊が瞬時稼働開始する…軍事演習通りに事が進む、というようなことを子供のように喜ぶことのできる人物。でももしそんなことをしたら、少し体力の弱った中国経済が、西側諸国の経済制裁のために寝込むことになり、中国自身が耐えられるかどうかは不明だと思っているでしょう。おそらく1年前には、習近平はそこまでは感じていなかったはず。それゆえ自信満々だったはず。ですが、この1年で彼も事態の深刻さに気付いたはず。とはいえ、最近のニュースは中国が、核兵器の整備に再度邁進するよう習が命令したということ。本当にこの人の真意を測るのは難しいですね。相当知能が低いのでしょう。中国経済はそんな政府の散財に付き合い切れるのでしょうか。

なお、このブログは年末年始も平常通り営業しますので毎日チェックしてくださいね。

イスラエルの広報を見ていると、彼らは広報活動にはあまりに無頓着ですね。軍部の広報活動をまるで軽視しているように見えます。今次のbattleがある程度収束した段階でイスラエル政府はどうすべきだったのかを真剣にreviewすべきです。なぜ広報軽視なのか。それはイスラエルは力で周囲をねじ伏せてきたから。広報活動をする必要がなかったから。アメリカという財布兼武器庫が後ろ盾にいるから。ひるがえって、ロシアを見ると、ロシアは広報を軽視してはいませんね。非常に巧妙に嘘をつき、国内世論と国際世論の一部を誘導しています。あんな国でさえ軍事行動と広報をうまく組み合わせています。ただ、大人は、ほら吹きの話を割り引いてしか聞きませんので我々は洗脳されることはないというだけの話。

今回の戦闘で、欧米の一部の若者はパレスチナに同情的なのだそうです。映像を見るとそれが自然かも知れません。ただ、私からするとそれは無知に由来しているかと。まず、ハマースのmissionは何か。それはパレスチナの自治を行うことではありません。イスラエルを地上から抹殺することをmissionにしているテロ組織です。実はハマースには英語のウェブサイトがあるのですが、どんなウィルスに汚染されるかのリスクを考えると接続しないことを私は選びます。なお、ハマースの軍事組織は、故人の宗教指導者の名前をとって al-Qassam Brigades と呼ばれます。イスラエルという、国際的に承認された、ちゃんとした国家が、自分たちを抹殺することを目的とするテロリストと停戦の交渉をする?私がイスラエル人であれば、一切交渉しませんね。ハマースが自主的に人質の大多数を自主的に解放すればその余地はあるでしょう。病院などの地下に活動拠点あるいはトンネルが敷設されているのですから、地上軍投入の前に徹底的に空爆あるいは砲撃するのは普通の戦闘行為です。爆撃を予告しても民間人が退避しないのは問題ですが、イスラエル人人質救出という時間的制約下の行為ですので、退避しないのはパレスチナ人の選択としか言いようがありません。イスラエル軍あるいは政府の広報官はこれを大声で言うべきです。それはパレスチナの民間人が軍事行動に自分のリスク判断で関与しているだけです。作戦遂行が優先されるべきです。しかも先日の報道では、爆撃跡をイスラエル軍がトンネル攻撃用にブルドーザーでならそうとしていてパレスチナ人が場所を開けないので一部が轢かれたのだそうです。どっちもどっちですが、これが本当に民間人の行為なのか。ただ軍服を着ていないだけで、実態としては軍人と扱うべきでしょうね。

そして、欧米の若者が知るべき事柄、それはなぜ、エジプトは国境を開放して、難民を受け入れないのか。エジプトの経済力からするとそれはものすごく大きな経済的負担になるでしょうが、各国、国連から経済的援助があるはずなので、ここではエジプトの負担はゼロである、と仮定しましょう。ではなぜ開放しないのか?それは過去の歴史にあります。パレスチナ人を難民として受け入れた国で彼らがやったことは、受け入れ国の政府転覆をはかり、なおかつ親パレスチナのテロリストを養成し、テロを実行したことがあったからです。それは1970年代、80年代のヨルダンとレバノンなどでの出来事です。1970年にヨルダン政府軍が激しい戦闘の末PLOを国外に追放しました。このため拠点をレバノンに移したPLOは今度はレバノンからイスラエル攻撃を開始しました。1982年イスラエルはレバノンからの攻撃がひどいために対応措置としてレバノンに侵攻しました。他に、エジプト国内でヨルダン首相を暗殺したり、スーダン国内でのサウジアラビア主催のパーティで各国外交官を殺害など、パレスチナの、あるいはPLOの活動は極めて暴力的、破壊的、好戦的です。こんな厄介のタネを国内に難民として受け入れるという奇矯な国はないでしょう。これが今のガザを取り巻く状況なのです。そしてこれがガザの人々を余計に窮地に陥れています。ではパレスチナ人に変わり者が現れて、イスラエルとの共存を目指して活動を開始しようとするとどうなるでしょうか。間違いなくイランが裏で糸を引いて、対立と流血に逆戻りさせるでしょうね。昔からイスラエルの周囲が不安定であることがイランの利益だと彼らは考えるからです。イランのことはさておいても、イスラエルはこのようなパレスチナ人の歴史を広報活動に使うべきだろうと私は思います。

パレスチナ人とユダヤ人は過去3千年の間ずっと同じ場所でいさかいを繰り返してきたのです。20世紀の初めまではパレスチナ人が多数派で優位に立っていました。第2次世界大戦後はイスラエルが優位に。バカバカしさに双方が気が付いて心から平和を望まない限り両者の諍いを収めることはできないだろうと私は考えます。

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