アメリカ映画で軍隊もの、戦争ものはものすごく大きなジャンルです。アメリカは「建国」以来2世紀半経ちますが、その間の90%の期間は常に戦争に従事していたという、信じられない位に好戦的な国です。アメリカは大きな内戦を1度だけ経験し、それは4年間です。それ以外は常に外国と、ということになります。ちなみに、アメリカの南北戦争 Civil War は、北部の州と南部の州の戦いですが、世界で初めて工業力の差が軍隊の強さの差につながった戦いと位置づけられています。つまり、工業化の進んだ北部は鉄鋼業も発達していたし、鉄道網も発達していました。南部はそれに対して、イングランドへの綿花供給という農業国に甘んじていましたので、工業を発達させる必要性はあまりないという状況でした。南部は独立して別の国となるつもりでしたが、北部はそれを許さず、力で押さえつけたわけです。
ひるがえって、大東亜戦争を始めた時の日本は、この工業力の差をどう思っていたのでしょうか。GDPは1940年でアメリカ943、UK316、日本192 (bln dollars)ということですので、仮想敵2国合わせて日本の6倍ですね。アメリカはヨーロッパと太平洋で戦いましたし、日本はヨーロッパでは戦わなかったので、実際のところは6倍よりは多少割り引くにしても、ちょっと勝つ見込みは薄いでしょうね。しかし、日本の職業軍人はこれを精神力で補えば互角に戦えるとどうも本気で考えていたようです。これが戦前から戦中に精神力に過度にたよる文化を国民に押し付けていた理由です。まあ、バカにつける薬はありませんね。コテンパンにやられたのには理由がある、ということです。加えて、軍人と外務省の国辱ものの外交音痴。ソ連に停戦の仲介を本気でお願いしていました。これではバカを治す薬がないどころではなく、自分で自分の首をしめるバカです。ちなみに、アメリカは日本の電信の暗号を全文解読していましたので、日本の対ソ連の動きをすべて知っていました。これが原爆を急いだ理由のひとつです。ちなみに、日本の軍部は英語を敵性語という、私にはよくわからない造語をして、日常生活から英語などを駆逐し、研究もさせないようにしておりました。本当に軍人はバカですねえ。ちなみにそれは適正語ではありませんよ。もしかすると、東條英樹は子供のとき英語のクラスのせいで英語嫌いになったのかも。一方アメリカ軍は戦争中も日本語、日本文化の研究を継続し、それは戦後のGHQ統治で生かされました。歴史的名著『菊と刀』を書いたRuth Benedict (1887-1948)は一度も日本を訪れたことはありません。戦後しばらく自衛隊関係者は不遇ですが、その気持ちは日本人の記憶に当時新しかった、このことの裏返しでしょうね。軍人をトップに据えて良いことはなにもありません。
さてさて、アメリカの戦争もの映画で、階級としてcolonelがあります。「大佐」でしょうか。将校 officerの階級です。でもこれ映画で聞くと、kernel /kə́ːrnəl/と発音されていますよね。しかもほぼすべてで最後のLはvocalizeされています。(その発音記号は/ɫ/という記号です。これには簡単な呼称があってdark L と呼ばれます。専門的なものもあります。以下のアーカイブ等に少し詳しく出ていますよ):https://sttl.livedoor.blog/archives/25948057.html
私の場合、耳から入りましたので、最初はかなり真剣に悩みました。しかもインターネットもない時代。なぜそれはkernelに聞こえるのか?もしかすると、それはColonel Kernelという地位と固有名詞がセットだからなのか?などと。多分英語の辞書も見たはずですが… その後、ある機会に辞書でcolonel という見出し語の発音が/kə́ːrnəl/となっているのを偶然知って(あるいは2度目に知って)、救われました。また、逆に言えば、なぜ日本人の間でこのことを指摘する人がいないのだろうとも。おそらく日本人で発音にエネルギーを割く人はほんの少数派だったのでしょうね。
さて、このcolonelと書いてkernelとなった理由ですが、あちこちに書かれています。dissimilationと英語で言います。まあ、要するに音が省略されたり、置換されたりする現象です。それがために綴り字と発音に乖離が生まれたのです。その理由をM-Wは説明しておりますが、全然良い説明ではありません。wikiをご覧ください:
https://en.wikipedia.org/wiki/Dissimilation
まあ、理由、イキサツはともかくとして、綴り字と発音とは乖離しても、ASは気にしないという例のひとつ、ということですね。こうしてみると、日本人のいい加減な英語の発音もdissimilationに入れるべきではないか、というのが私の持論。
ひるがえって、大東亜戦争を始めた時の日本は、この工業力の差をどう思っていたのでしょうか。GDPは1940年でアメリカ943、UK316、日本192 (bln dollars)ということですので、仮想敵2国合わせて日本の6倍ですね。アメリカはヨーロッパと太平洋で戦いましたし、日本はヨーロッパでは戦わなかったので、実際のところは6倍よりは多少割り引くにしても、ちょっと勝つ見込みは薄いでしょうね。しかし、日本の職業軍人はこれを精神力で補えば互角に戦えるとどうも本気で考えていたようです。これが戦前から戦中に精神力に過度にたよる文化を国民に押し付けていた理由です。まあ、バカにつける薬はありませんね。コテンパンにやられたのには理由がある、ということです。加えて、軍人と外務省の国辱ものの外交音痴。ソ連に停戦の仲介を本気でお願いしていました。これではバカを治す薬がないどころではなく、自分で自分の首をしめるバカです。ちなみに、アメリカは日本の電信の暗号を全文解読していましたので、日本の対ソ連の動きをすべて知っていました。これが原爆を急いだ理由のひとつです。ちなみに、日本の軍部は英語を敵性語という、私にはよくわからない造語をして、日常生活から英語などを駆逐し、研究もさせないようにしておりました。本当に軍人はバカですねえ。ちなみにそれは適正語ではありませんよ。もしかすると、東條英樹は子供のとき英語のクラスのせいで英語嫌いになったのかも。一方アメリカ軍は戦争中も日本語、日本文化の研究を継続し、それは戦後のGHQ統治で生かされました。歴史的名著『菊と刀』を書いたRuth Benedict (1887-1948)は一度も日本を訪れたことはありません。戦後しばらく自衛隊関係者は不遇ですが、その気持ちは日本人の記憶に当時新しかった、このことの裏返しでしょうね。軍人をトップに据えて良いことはなにもありません。
さてさて、アメリカの戦争もの映画で、階級としてcolonelがあります。「大佐」でしょうか。将校 officerの階級です。でもこれ映画で聞くと、kernel /kə́ːrnəl/と発音されていますよね。しかもほぼすべてで最後のLはvocalizeされています。(その発音記号は/ɫ/という記号です。これには簡単な呼称があってdark L と呼ばれます。専門的なものもあります。以下のアーカイブ等に少し詳しく出ていますよ):https://sttl.livedoor.blog/archives/25948057.html
私の場合、耳から入りましたので、最初はかなり真剣に悩みました。しかもインターネットもない時代。なぜそれはkernelに聞こえるのか?もしかすると、それはColonel Kernelという地位と固有名詞がセットだからなのか?などと。多分英語の辞書も見たはずですが… その後、ある機会に辞書でcolonel という見出し語の発音が/kə́ːrnəl/となっているのを偶然知って(あるいは2度目に知って)、救われました。また、逆に言えば、なぜ日本人の間でこのことを指摘する人がいないのだろうとも。おそらく日本人で発音にエネルギーを割く人はほんの少数派だったのでしょうね。
さて、このcolonelと書いてkernelとなった理由ですが、あちこちに書かれています。dissimilationと英語で言います。まあ、要するに音が省略されたり、置換されたりする現象です。それがために綴り字と発音に乖離が生まれたのです。その理由をM-Wは説明しておりますが、全然良い説明ではありません。wikiをご覧ください:
https://en.wikipedia.org/wiki/Dissimilation
まあ、理由、イキサツはともかくとして、綴り字と発音とは乖離しても、ASは気にしないという例のひとつ、ということですね。こうしてみると、日本人のいい加減な英語の発音もdissimilationに入れるべきではないか、というのが私の持論。