字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2023年02月

昨日のpostで、日付を間違えたために、未完の原稿がそのまま公開されておりました。大変失礼いたしました。これは後日改めて使います。本日は標題の映画の語句の解説をします。


91 words/phrases

hewihean???
charity雌馬の名前
smut 猥談 ここでは「内緒話」か
Watch my lips. 字句通りには「俺の唇を見ろ」-->「俺の言うことをよく聞け」
Boy hold charity back for eight races その男はCharityの8つのレースで実力を隠すようにさせた
swallow its tongue 黙っている
stash away へそくる
daily double: a system of betting (as on horse races) in which the bettor must pick the winners of two stipulated races in order to win (M-W)
hick 田舎者
tip sheet 競馬予想紙
Maalox 胃薬名
late scratch 発走直前の取り消し(<scratch 抹消線を引くこと)
real dog ボロ、クソ
just for the hell of it 面白半分で(決まり文句)
trip off the tongue 言いやすい
I'd stake my life. 命を懸けてもいい
Da Giants=The Giants
sink or swim イチかバチか
mortal lock 勝ちが約束されたバクチ
out of the hole: hole 苦境
you got a winner=you got to be a winner
shooting your mouth off ペラペラしゃべる
leprosy ハンセン病
This is in the bag 間違いなしだ
go for his balls イチかバチかやってみる
Clydesdale 輓馬(ばんば)用馬種。競走用ではない。
conviviality 陽気な社交
lug=ass hole
thrilled to pieces うれしくてはち切れそう
in the blood 親譲りの
long shot 大穴
Towards the rent 家賃の支払いに回す
the head of the beer ビールの泡
rat-hole vt溜め込む
faith healer呪術的治療のひとつ
knock yourself out お先にどうぞ
u've shrunk: shrink みみっちくなる
stable 厩舎
away they go 行くぞ。行け。(普通はOff they go, Off it goesと言う)
IRS (Internal Revenue Service)徴税庁
What are you on in the fifth? 第五レースはどれに賭ける?
Zip it 黙れ(参考 shut up の場合意味は2つ。①Zip it ②Keep it secret)
Kill one for me 1本俺に開けてくれ
on the pill=経口避妊薬を飲んでいる
Quaalude 鎮静剤名
get fitted for glasses メガネを調整してもらう
lowlife ごろつき
smidgen わずか
Liar, liar, pants on fire 嘘に対して子供が使う歌のセリフ(いーけないんだ、いけないんだ せーんせいに 言ってやろ、のようなもの)
We are history: history 無冠詞=being done
gussy up=dress up
dump ゴミ捨て場
wallow 転がる
carpet sale???
pay up 有り金全部をつぎこむ
turn on その気にさせる
cheese off うんざりする
embalm 死に化粧をする
sneak off こっそりと抜け出る
A round of banana daiquiris バナナダイキリをみんなに(おごりだ)
joint 店
airhead バカ(頭が空っぽ)
cause a scene 騒ぎをおこす
make a scene 同上
front wrap 前足の包帯
real money 大金
up yours この野郎!
nag おいぼれ馬
play the circuit: circuit 馴染みの場所
Lay off him 奴を放せ
pert 美形の
despise 見下す
stuffy むさくるしい
deadbeat なまけ野郎
utterance 発言
profanity ののしり
social hour 親睦会
stall 区画(cf stableは厩舎全体)
pass out 気絶する
sashay 格好つけて歩く
nothing ventured: Nothing ventured, nothing gainedが本来的表現
tote board 掛け率などの情報を表示する掲示板
make room 空ける
He pissed it all away: piss away 使い切る(let it rideしたことを意味?)
wring ひねる(p wrung)
Just keep the horse out of the money: out of the money 損失含みの
smut collection おそらくポルノなどのビデオのこと
pecker to pecker 競っている?
punk 若造
at the wire: wire 競馬のゴールライン

Let It Rideとは、得た賞金を次の賭けに全額つぎ込むことを言うということが調べてわかりました。映画自体はショボい出来ですが、色々な慣用句がたくさん登場します。主役の名前Trotter自体が馬の速度のことですね。

★ ★ ★ ★ ★

映画: 『のるかそるか』(原題 Let It Ride)

公開: 1989年

ジャンル: コメディー

時間: 90分 

脚本: Nancy Dowd
 
原作: "Good Vibes" by Jay Cronley 

監督: Joe Pytka

配役: Richard Dreyfuss as Trotter

あらすじ: さえない中年男に、競馬の勝ち馬の情報が入ります。それを信じて馬券を買うと当たりです。ちゃんと勝ち抜けるのか。

聞き所: 特に関心するところはないと思いますが、映画らしい熟語がたくさんあります。
(Let it rideの意味が、映画の後半でさり気なくparaphraseされています。探してみましょう。)

訛り: なし

私の評価:
エンタメ度   つまらない☆☆☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ☆☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★☆ 少ない
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
------------------------------------------------------
合計           5★(満点15★)

台本総語数:9.2k 平均より1割少ない

スピード:    9.2k/90/2=204 wpm 

難解語割合:91/9.2k=1.0% 少ない

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)



スクリプト:
https://www.springfieldspringfield.co.uk/movie_script.php?movie=let-it-ride

コメント:
あまりヒネリのないストーリーが展開していきます。その意味ではやや退屈ですが、言葉の方では、なかなか素敵な表現がありますよ。英語初心者でも上級者でも楽しめると思います。

12月に放送され、最近また放送された番組がありました。『プーチン 知られざるガス戦略 〜徹底検証 20年の攻防〜』です。もしあなたがまだ見てないのでしたら、ぜひ見ることをお勧めします。プーティンが今次の戦争に至った経緯がよくわかります。以下のURLでも見ることができるようです:

https://www.dailymotion.com/video/x8ik7mj

さて、ウクライナの外務大臣Dmytro Kuleba 氏の英語を本日は格付けします。最近、彼はミュンヘンでのNATOの会議に参加してすばらしい英語で話していました。

私がピックアップしたインタビューはこれ、Stephen Colbeart スティーブン・コルベア、という名前のコメディアンのショウです。これはCBSの昔からある深夜帯の番組で、今は彼がMCをやっています。


他にもう少し良いインタビューもあるのですが、これを選びました。

Kuleba氏の経歴を知るにはwikiがよろしいかと: https://en.wikipedia.org/wiki/Dmytro_Kuleba

これを見ると、どうも彼は英語圏で勉強したり、働いたりという定住経験はなさそうですね。でもAEを話しています。ということは、勉強の中心はウクライナ国内ということですね。ちょっと驚きです。おそらく、相当頭の良い人なのでしょう。ただし、このインタビューの中で2022年2月24日に彼はアメリカからウクライナへのフライトの途中であったとのことですので、アメリカ人との交流はあるはず。

彼の姓Kulebaに関して検索すると以下の情報を得ました:The Kuleba surname comes from the ancient Ukrainian word, that had many different meanings, depending on when and where the word was used. Kuleba (кулеба) can be a 'soup' and especially 'fish soup', 'a piece of cooked wheat with fish inside'. この話が連想させることは、『ドクトル・ジバゴ』という小説を書いたボリス・パステルナックです。彼は1958年ノーベル文学賞授与の通知を受けましたが、ソ連共産党により辞退を強要されました。パステルナックとは英語でいえば、parsnip のことだそうです。ニンジンに似た野菜ですが、色は白でニンジンとは少し違う味です。またドイツの元首相で故人のHelmut Kohlの、姓は「コールスロー」のKohlつまりキャベツのことです。彼にはマイケル・ジョーダン並みの身長がありました。全然丸くありません…

クレーバ氏の英語ですが、まったく見事ですね。細かい点を突くことはできますが、それがこのブログの目的ではありません。気が付いたことをいくつか箇条書きに:
  • 彼は非常にユーモアのある人ですね。しかも理知的です。素晴らしい。(bluffingの件などで)
  • 我々はLatin alphabetのPutinをその通りに発音します。しかし彼はスラブ系。彼の発音するPutinの音はほぼロシア語に近いが、やや英語に寄せている印象です。つまり誰にとっても、自分のmother tongueの発音をanglicizeするのは完璧とは限らないということを私は感じました。なお、Cyrillic alphabetの音素はLatin alphabetのとは違うためのこのような現象(Putin/Puchin)が起こります。
  • 英語はほぼ完璧です。ところどころに少しお国訛りのようなものが出ますが、まったく気になりませんね。
  • 表情、服装、ジェスチャー、完璧です。(個人的にはネクタイの趣味をもう少し…)
  • なお、この番組のようなエンタメでも、常にリハーサルは行われますし、リハーサルになかった質問が出ることはありません。またこのMCはコメディアンですので、ジャーナリストのような厳しさはありません。クレーバ氏は終始リラックスできたはず。ユーモアを交えながら、スタジオの聴衆の歓声に応え、しかも終始ウクライナへの支持をアピールしています。立派と申し上げるしかありません。このような才能がTeam Zelenskyに居るのですね。もしかすると、欧米からのウクライナへの軍事支援はKulebaの手腕?
  • footageにあるメモからするとこれは2022年の第4四半期の放送でしょう。
このvideo clipから我々が学ぶことは、英語を勉強するのに別にアメリカやUKに行く必要はない、ということですね。私はこのことを、私の知るある中国人の、ほぼ完璧な英語で感じましたし、2,3年前に別のpostの中で書いております。彼はアメリカに行ったことすらなかったそうです。やはり我々が外国語を学ぼうとするとき、単語を覚えるとき、綴り、発音を頭に入れ、名詞化、形容詞化、過去形、過去分詞形、用例、反対語のチェックをするなど、あなたの知性、実力にあった勉強の仕方があるはずですね。そして口に出して発音してみる…この繰り返しがあなたの英語力を磨き上げるのですね。それを怠ると、トヨタのボンボンのようなカタカナ英語になるということです。

本日は久しぶりにquoteを扱います。

Nations which go down fighting rise again, those who surrender tamely are finished.

これはこの種のquoteの名手、Winston Churchillによるものだそうです。go down fightingの意味は想像できますが、ただ調べるだけでは、英語の「胆力」は付きませんよね。まず、考えましょう。

(1) go down
意味は「負ける」だろうと想像します。そこにわざわざfightingを付けてありますので、ただ敗北するという意味ではなくて、意味としては「戦ってのち敗れる」、「最後まで死闘を尽くしてそののち敗北する」の意味だろうな、と当たりを付けます。

(2) 次に、オンライン辞書を検索してみましょう。
(A) Cambridge Dictionaryによると:
go down swinging/fighting
idiom   informal
 
to continue to fight or to make a strong, determined effort even though you are likely to fail or lose:
They beat us in the end, but we went down swinging.
"swinging"については後述。

(B) The Free Dictionaryの説明を引用します:
go down fighting
To continue to fight or resist someone or something until one is ultimately defeated.
Of course the enemy troops haven't given up yet—I suspect they'll go down fighting.

(A),(B)両方とも、下線部にある語義はほぼ予想した通りですね。

(3)余談ながら、(2A)のgo down swinging の意味はなんでしょうか?(1)で予想した時に使ったように、go down で「敗北する」の意味があると言ってよいようなので、swingingは、おそらく、主語の体がロープの下でブラブラ揺れることを意味するのではないでしょうか。こうなると戦う側面よりも、負けることの側面を強調した表現です。つまり、このlexicographerは、両方の表現は似たものとして扱っているのでしょうが、どちらにスポットライトを当てるかでgo down fighting かgo down swingingかのいずれかになる、ということだろうと私は想像します。

以上をまとめると、トップの太字の、チャーチルからのquoteの訳は以下のようになるかと:

死闘の末に敗北した国民は再び立ち上がるものであるが、おとなしく降伏する国民は再起不能である。

この文の出典を探しましたが、見つけることはできませんでした。英語はこのようなidiomaticなphraseに満ちた言語ですね。しかもそれが一部の辞書のみで解説されている…つまり調べることすら難儀な場合がある…胆力、想像力、常識力をつけることをイメージするしかありませんね。別の言い方をすると、チャーチルのように、足りない武力よりは言語で国を守り、戦後ノーベル文学賞をもらうような、masterly oratorでさえ、辞書に載っていないようなフレーズを平気で使うことがある、ということです。今日お見せしたような「胆力」の小さな成功事例を徐々に積み重ねていくしかありませんね。

本日の話題は、複数形の作り方。man/menのようなものではありません。bakeという動詞から名詞をつくると、bakerとなります。もひとつあります。bakery ですね。意味は、おそらくbakerのいるところ、bakerという職業を意味します。でもこれ、どうもbaker -yではないようで、etymonlineでは、以下のような説明になっております:

bakery=bake+ -ery

-ery
word-forming element making nouns meaning "place for, art of, condition of, quantity of," from Middle English -erie, from Latin -arius (see -ary). Also sometimes in modern colloquial use "the collectivity of" or "an example of."

なんか解るような解らないような説明…

mason 石工、という言葉があります。フランス語から英語に入りました。時期もわかっております。NCの後、William the Conquerorは自分の城、家来(フランス系貴族)の城をつくるために、フランスから大量の職人を呼びました。これをさらに名詞にするには、masonryとします。これでmasonとしての仕事、職人たち全体を指します。masonもmasonryもフランス語から英語に入りました。

パリなどを歩くとsandwicheryと書いた看板がたくさんあります。英語からフランス語に借用された言葉がさほど多くはありませんがそのひとつでしょう。まあ、20世紀半ばまでは、という限定で言えば、ですけどね。(weekendも借用された言葉です。名詞ですので、leという「定冠詞」を付けるのでそれは男性名詞だと解ります。) sandwicheryは英語で言えば、sandwich shopということでしょう。たぶん持ち帰り専用。では英語圏でそんな看板があるかと言われれば、私は見たことがありません。shopは不要、ということでしょう。フランス語では語尾の-ery/-erieをつけて職業全体を表します。

マロニエという名前の木があります。パリの並木になっています。フランス語ではmarronnierと書きます。語幹がmarron つまり栗(chestnut)ですが、マロニエの木は栗の木とは違いますし、実も違います。もしかすると、これって、「栗を焼いて売る人」のことも指すのではないかと、個人的には思っているのですが、フランス語のできない私にはよくわかりません。今色々検索してみましたがわかりませんでした。

photoという言葉がありますが、これで人をつくるのはちょっと無理っぽいです。photographerならできます。ではさらにこれからphotographeryをつくることはできるのか?検索してみましたが、かえってきたのは皆無でした。Photoshopという有名な写真加工ソフトがあります。プロの写真家は誰でも必須だそうです。これをsandwichery式にいじることはできるのか。できませんでしたが、photoryという言葉は存在します。これはアプリの名前のようです。おそらくPhotoshopのスマホ用簡易版のようなものだろうと想像します。つまり、造語感覚から言えば、アリということなのかも知れませんね。

さて、英語には合成語を名詞化するときに、少しややこしさがあります。pass byという動詞から名詞を作ると、それはpasser-by、passerbyです。複数形はpassersby です。これは結構ネットで議論されていて、言語学者はpasserbys がだんだん増えてきた、と言っていました。そのうち、逆転して、passerbys が正統的とされるかも知れませんね。別の単語で、ということで、私の頭脳だと wash up/waher-upです。複数形はwashers-upです。こちらだと、今のところwasher-upsを頻繁に見かけることはないと思います。この種の複数形づくりを英語でinternal pluralization と言うようですが、正式なものかどうかはわかりません。ところでspoonfulという言葉がありますが、これは名詞です。-fulが付きますが形容詞ではありません。名詞形はspoonfulsですが、M-Wではspoonsfulでも良い、と明記してありますね。英語の合成語でつくる名詞の場合、sを付けるのは、大事な方のパーツにという、やや曖昧なルールというか感覚が母語話者にはありますね。このためpassersby、washers-upという風になるようです。やはり英語という言語が少しめちゃくちゃというか、やや特殊な言語だという一例だろうと私は常々思っております。
M-W spoonful

複数形の話題で、有名なところでは、indexの複数形は何か?ですが、indexes or indices とM-Wにはあります。後者の発音は/índəsìːz/です。両方OKのようですが、後者を使うと少しだけ嫌味な感じがします。「俺は知っているぞぉ~」感が出過ぎているような感じです。どうしても絞り切れない理由があった時、私は indexes (indices)のように書いたことがあります。今MS Wordでやってみましたが、どちらでもOKでした。

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