字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2023年01月

最近話題になっている本 Spare はPrince Harryが書いたとされます。表紙にはただタイトルと彼の名前 harryPrince Harry が書かれているだけです。彼はこの本を執筆したのでしょうか。

私は彼はほとんど執筆していないと想像します。おそらく、彼は編集者と大体の構成を打ち合わせして、口頭で、思いつくエピソードと彼のコメントを述べて、その録音をもとに、別のゴーストライターが仕上げた、というのが実情ではないでしょうか。ちなみに、M-Wから引用します:

見出し語 ghostwrite  verb transitive verb
: to write (a speech, a book, etc.) for another who is the presumed or credited author

非常に簡潔な定義。私はこのようなものが好きですねえ。しかも包み隠すことなく、出版業界の実情を述べています。for another who is the presumed or credited author です。つまりこの本で言えば、Prince Harryは1行も書いていなくても、authorとなる資格を有しているということです。これが出版業界の古くからの慣例ですね。そして裏では双方の弁護士が契約書の細かい部分について相当念入りに打ち合わせをしたでしょう。出版社側としてはできるだけ世間の注目を集めて本の売り上げを伸ばしたい、Harry側としては、Duke of Sussexとしての年金を打ち切られたくはない。

しかし、最近報道されているところを見るとHarryに有能な弁護士はいたのか、少し疑問です。あるいはそもそも、弁護士はいたのか。彼はちょっと無防備過ぎる、というか大胆過ぎるような気がします。言葉を換えれば、少しおバカかも、と思わせてくれます。

しかも、この表紙の写真。誰もがこれはPrince Harryだとわかりますが、しかし、王族の一員だと再認識させるものはまるでありませんね。彼がヘルメットを被って、通勤途中の工事現場で働いていても誰も気づかないでしょう。わざわざこんな写真が選ばれた----このことにすべてが要約されているようなvik気がします。彼が選んだとは思えません。出版社側が選んだのでしょう。その理由をこの青年は理解できているのか?

アメリカ、日本は別にしても、ヨーロッパの文化では、non-verbal messageは非常に大事です。例えば、私が「自分は徹頭徹尾、不戦主義者であり、世界中にそうなってもらいたい」という信念のもとに書いた本を出版するとしましょう。その表紙に、たとえば、ヴァイキング船のfigureheadの写真、あるいはナチズムのswastikaを私は採用するでしょうか。

私が彼であれば、工事現場の労働者が書いた本だと誰も振り向いてくれないので、表紙を見ただけで、自分の血筋は高貴だが、自分はそれだけにすがって生きていくつもりはない、というメッセージを伝えるものを選ぶでしょう。

あけすけに言えば、彼はあまり頭が良くはなさそうです。彼だけではなく今のUKの王室の主要メンバー全員がそうです。知性の備わる者が不倫相手に「君のタンポンになりたい」ということを言うでしょうか。ここには真の恋愛に付随する悩み、苦しみの一端がありますか?そのような者が賢く振る舞うには、賢い人の知恵を借りるのが良いだろうと申し上げたい。しかし娶った女性があれでは…

再び中国の話題です。中国本土で猛威を振っていると考えられるCovid-19に対応するため、日本などが中国人に対して取る検疫施策に中国側は不満を持つようです。報復として中国は日本からのビザ申請を全件中止したと報道されております。中国の王朝は少しおかしいのではないか、と誰もが思うはず。この辺りにはおそらくメンツが関係しているはず。私は中国人は非常に理解しやすい民族だと常々思っておりますが、このメンツに関することでは、彼らはしばしば私の理解を超えています。昔は気にさわることがあっても中国人は黙って耐えていたのかも知れません。でも最近は国力の増大があるので、自分のメンツを堂々と前面に出すようになってきたのでしょうね。

そういえば、このメンツという言葉自体が、中国語のmianziだという説は説得力がありますよね。実は英語でsave face, lose face という表現は、中国語に由来する、という説があります。私は中国語が一切できませんので、控えますが、「丢脸」という2文字に由来するという説があるようです。気になる方は以下を参照してください。その2文字をコピーして検索するとすぐ目指す回答に行けます。そこにはOEDを用いた説明まで登場しますよ:
https://www.reddit.com/r/etymology/comments/94rxh5/what_is_the_etymology_of_the_phrase_saving_face/

似たような事柄が外交でもこの数年位でしょうか、頻出しているような気がします。こちらは、wolf warrior diplomacyと呼ばれるようです。(皆様は2年前の、Antony Blinkenと中国の外交官による、Xinjiangでの少数民族弾圧に絡めた討論を覚えているでしょうか。以下のCNNの記事に要約されております。知らない方はチェックしてみてください):
China has unleashed the nationalist genie. Beijing may regret letting it out of the bottle

この中にも登場する言葉wolf warrior diplomacyはwikiにおいて大変わかりやすく説明されおります。(ぜひ冒頭からoverviewの1st paragraphまでを斜め読みしてください):
https://en.wikipedia.org/wiki/Wolf_warrior_diplomacy

この中で、注目に値すると私が考えるのは、故・鄧小平(Deng Xiaoping 1904-1997デン・シャオピン)という、毛沢東の下で2,3回失脚しながらその度に復活した、不屈のリーダーへの言及です。毛沢東(Mao Zedong 1893-1976 マオ・ツェードン)死去の後、再び党の実質的リーダーになりました。私は彼を詳しく知るわけではありませんが、多くの人は彼を尊敬した、すると思います。彼は一度日本を訪問し、新幹線に乗り感動しました。現在、中国で高速鉄道があるのは、Deng Xiaoping がその直後に立てた計画に端緒があるが故です。そして、習近平(Xi Jinping)シー・ジンピンがリーダーとなってからの中国のwolf warrior diplomacy、ここにはシーの個人的な器の小ささが目立ちます。

上記のCNNの記事には、台湾人の代表団がFijiで殴打されて怪我をしたことまで述べられています。自分がwolf warrior diplomacyに酔うのは勝手ですが、他国の外交官を殴打し、同じ中華文化に属する相手のmianzi ミアンヅィーを顧慮しない非文明的な態度…その傍若無人さには恐れ入るばかりです。

xi2014年、故・安倍晋三が中国を訪問してシーに会った時の仏頂面を私は忘れることはできませんね。この写真は日経の下記のオンライン記事から取りました。この表情は中国国内向けだとかいう記事があったが、そんな無益な解説は要らないでしょう。これが遠来の客を迎える中華文明のとるべき表情なのでしょうか。動画だともっともっと仏頂面でした。この仏頂面とwolf warrior diplomacyとがシーの在任中のイベントである、だけで十分です。そしてその延長線上に少数民族弾圧、搾取、人権抑圧、などなど黒歴史をどんどん描き続けてきたシー政権。東アジアの平和と安定には暗雲が立ち込めています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO79643630T11C14A1000000/

中国は14億という人口を抱える大国です。やがて今世紀中に経済規模でアメリカを追い越す可能性は低そうですが、ゼロではなさそうです。国全体のGDPでは世界2位、一人当たりGDPでは60何位というのはいかにもアンバランスでので、GDP per capita がアメリカの4分の1になると、人口が4倍ですので、ほぼ同じ経済規模になります。アメリカのGDP per capitaは大体US$67kですので、中国のGDP per capita があと4割ほど成長すればそれは達成されます。10年後とすると、年率3.5%程度の成長で4割増となります。これだけならば私にはなんとか達成されそうな数字に見えます。ただし、その時には、アメリカはさらに上にいる可能性が高いですけどね。しかも中国政治の独裁が経済の信用に濃い影を落とすでしょうから、単純な話ではなさそうです。

今まで日本は、大陸から孤立した島国で、近くに中国があるが、陸続きでないことはbenefitでしたが、これからはこれは非常に大きなriskと考えねばなりますまい。譬えるとすれば、フィンランドとロシアのような関係です。フィンランドは強固な意志を持ち、中立であり続け、単独で国土の防衛をしてきました。その備えはほぼ完璧に見えます。ロシアはウクライナにはちょっかいを出しましたが、フィンランドにはちょっかいを出すことはない、可能性はゼロだと私は考えます。ロシアはそのリスクを十分知っているはず。一方、日本には中国に対する備えはほぼゼロですね。特に軍事的にはほぼゼロに近いです。とりわけ日本の防衛がバカの見本になっているのは、例の非核三原則の故ですね。自分がどんな武器を持っているのか、持っていないのか、それを自分で明らかにするのはバカの象徴です。それを自分から進んでやるという、きわめて情けない国家… 逆に中国から見れば日本は非常に御しやすい国ですね。

さて、本日の話題はそれではなく、中国が海外に持っている警察組織が今先進国で問題になっています。去年の4th quarterごろから報道されるようになりました。一言で言えば、海外の国、当然中国の主権が及ばないはずの国土に、中国政府の警察力の末端が存在し、活動しているということです。それをrecapした記事がNewsweekにあります。平易な英語です。斜め読みしてください:

China Has Opened Up Secret Police Stations in These Countries

さらにCNNはより具体的にその実像をレポートしております。驚いたことに、イタリアのような先進国でさえ中国の海外警察をサポートしているとのことです。Covid-19の初期に、中国とイタリアの商業関係の深さについて驚かされましたが、どうもlaw enforcementでもその傾向があるようですね。やや難易度の高い語句がチラホラ使われていますが、気にせずに読んでみてください。おそらくこの記事全体を理解するのにそのことは妨げにならないでしょう。私の意見としては知らない単語が1%程度までなら十分OKでしょう:

Exclusive: China operating over 100 police stations across the world with the help of some host nations, report claims

ロシアというかプーティン政権は少し前から堂々とロンドンの亡命ロシア人数人を明らかに見せしめ目的の方法で殺害していますが、中国ほどには組織化された海外警察を持っているのではなさそうに私にには見えます。中国はその上を行っているということですね。明日は別の中国のリスクについて。

今日の話題はどうでも良さそうな、AUCあるいはAVCとも書かれる時がありますが、これが話題です。西宮市にある甲子園球場、なぜ「こうし」園というかご存知でしょうか。これは年号です。昔の暦法でいう「こうし」の年に、つまり「甲子」の年に完成したから。それは1924年でした。甲子は訓で「きのえね」とも読みます。甲子は、十干十二支(じっかんじゅうにし)の暦法の最初の年なので限(きり)が良いと感じる人が多いそうです。次の甲子は60年後ですので1984年、その次は2044年ですね。この暦法が中国から日本に伝わった年はざっくり言うと6世紀頃で朝鮮半島経由でした。ちなみに、東洋で還暦60歳を祝う理由はこれ。暦で1周して再度振り出しに、ということです。60歳生きるというのは稀でしたので、それで十分だったのでしょう。なお、子午線という言葉がありますが、この「子」(し)という字は十二支の最初の「動物」ですが、方角にも使われそれは北を意味します。逆に「午」(ご)は十二支の後半の最初の「動物」つまりウシです。方角に使われるときは南です。正午とは真南、という意味です。日本人は器用なので「子」「午」という字を与えられたとき、前後関係で「ねずみ」と読んだり「うし」と読みます。器用であるが、まるで論理的ではないし、驚くほど原理原則は気にしないヒトビトです。そのせいか、中国人にはスッキリとした体系である天文と暦法が体系的でなくてもなんら痛痒を感じないで済んでいます。

話変わって、初代の天皇とされる神武天皇、660BCの2月11日の即位だそうです。太陰暦ですかねえ。それを太陽暦に置き換えてヨイのでしょうか。そもそもどのようにしてこの年に?証拠は?それはトモカク、1940年が紀元2600年という区切りの良い年だったそうです。まあ、私はこの説を却下すべきいかなる証拠も持っておりませんが、一言で言ってあまりカシコサを感じさせませんなあ。英語圏でもbible chronology といって、天地創造の年代をキリスト教の坊主が考え出して、忘れましたが、6千年前だかという数字を作り出したのだとか。他には雷は天の怒りだと思っていたら、アメリカでフランクリンが実験をして電気現象だという説が登場。それ以降キリスト教会の説は怪しさのデパートとなりました。

とは言え、古代ローマにも似たような話がありました。ラテン語でab urbe condita あるいは anno urbis conditae という語があります。逐語的に、ラテン語のまるでできない私が解説しますと:
ab  英語のfromに相当する語 abnormalなどの語のパーツです。
urbis/urbe は英語のurbanの元の語。都市のことです。あるいはローマを指します。
conditaは英語でbuiltらしいです。
つまり、前者は「ローマ建国以来」後者は「ローマ建国年」を意味します。短縮してAUCとします。かのローマ人たちも年を語るときには、このAUCを使っていたらしいです。ちなみにその年を計算した人がいて、それは753 BCなのだとか。とは言え、これが尤もらしく使われたのは、ローマ時代よりも、ルネサンス期だったそうです。やれやれ。

ローマ時代に暦法はかなり曖昧で、一年の始まりは3月でした。このため、例えば、英語ではOctoberはoctaつまり8番ですが、実際は10月を指します。なおかつ、ローマ人は一年の長さを約365日だとは知りませんでした。農牧中心のローマ人社会ではそれだと不便なので、適当な日にお上が1年の開始を告げていました。ローマ人の暦には月は10個しかなかったのに。というかその程度で十分だったのです。一方のエジプト人の方は、ナイル川の氾濫が始まる日をある程度性格に知る必要があり、そのためには正確な暦が必要でした。ナイル沿岸地帯では洪水で畑が埋まりました。やがて水が引いて泥が残り、そこに改めて畑の区画を再び再現するための測量技術が必要でした。連作障害に苦しむ必要はなかったのですが、土地の広さで自分が損をしないようにする知恵も必要でした。一方で、領土をずっと拡大し続けたローマ。ローマ市から始まり中部イタリアを制覇。やがて全イタリア。やがて、地中海東岸とガリア、やがて北アフリカと拡大しましたが、遠隔地を統治するには「法」が必要でした。法は言葉でしたので、ラテン語とローマの法体系が各地に。つまり、それぞれの民族の背景が知性あるいは技術の発達と深く関係しているのですね。私はそう思います。

去年北海道のプロ野球チームのチアダンサーたちがこの曲に合わせてダンスをしたことで、日本でもこの曲が有名になりました。私はこの歌のことをまるで知りませんでしたが、去年のスポーツニュースでこのパフォーマンスのことが報道されて初めて知りました。今日はその歌を聴き取りのネタに。Ylvisという二人組の The Fox (What Does the Fox Say?)という曲です。ノルウェーのデュオとのことです。



https://www.youtube.com/watch?v=jofNR_WkoCE

歌の中に次々にimitative (onomatopoeia)らしきものが登場します。別にどれがどの動物のものかは、詳しく知る必要はないと思います。ただ常識程度のことは抑えておいた方が良いでしょう。例えば、猫の鳴き声はAEでは meow /miáu/です。アクセントの位置に注意しましょう。犬だとそれはbowwowですが、それ以外に犬の場合はarf、woof woofなどがあります。なお、英語では「犬の声」のことをdog vocalizationと言います。「声」というよりは「発声」でしょうか。動詞でもbark 以外に bay, howl もありますし、bay 自体が犬の鳴き声のimitativeでもあります。私の想像ですが、ここで出てくるimitativesは英語のものではないでしょうか。しかしおそらくゲルマン諸語の間ではかなり共通性が高いのでは、と想像します。

fox soundで検索して以下のサイトで数種類のfox cryの録音を見つけました。随分といろいろあるのですね。関心のある方はどうぞ:
https://soundspunos.com/animals/218-fox-sounds.html

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