字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2022年12月

本日BSPで放送される映画のうちお勧めの2本を別のpostで挙げてあります。チェックしてみてください。

さて昨日の話題の新浪剛史氏のwikiには「1991年(平成3年)5月 ハーバード大学経営大学院修了(MBA with honors取得)」と書かれています。MBA with honorsとは、成績優秀者に送られる称号のことです。ある一定のレベル以上の卒業生に対して付与され、その基準、呼称は大学により異なります。一番それらしいのはラテン語の称号だと私は思います。Harvardの場合は以下のようになっているようです:

summa cum laude 最優秀 4.75 or higher
magna cum laude  次いで優秀   3.95 or higher
cum laude  優秀 3.75 or higher (*)

これはGPAと呼ばれる、成績A+, A-, B+....にポイントを付与し、たしかA+が5 point、それを単純平均したものです。単純平均とは普通の平均です。大学によっては、加重平均をする場合もあるようです。加重平均とは、学科によって異なる重み(weight)が与えられている平均のことです。ラテン語の意味は、上記で、下から上へ、with honor, with great honor, with superior honorのはず。めったに出会わないのでこの程度の理解で十分かと…

検索するとどの大学でも上位5%に付与、とか、上位20%に、という具合になっているようです。ハーバードの学生の平均値が3.75とどこかのサイトに出ていました。平均値は中央値に近いはずで、これだと上記の(*)と矛盾しますね。大事なことは、この上位〇%に、というのが曲者で、これに近くなるようなGPAが選択されていますので、単純にGPAだけで決めるものではない、ということです。

欧米では名刺で名前の脇に(hons)と書かれている場合があります。これはこの成績優秀者に与えれる称号を、就職した後で、会社の名刺に入れて良い、と会社が判断した結果です。具体的にcum、magna、summaのいずれであるかを入れないと中途半端な感じがしますが、私はそこまで明記した名刺を見たことはありません。というか、欧米では名刺は、名前、電話番号、メールアドレスを記した紙きれに過ぎません。calling card と呼ばれます。(人によっては、右上の隅を折って、不在の時に渡したものか、それ以外だったかを識別するのだとか。普通、そんなことを確認する機会はありませんので、無駄。このブログの読者はこの程度のことを知っておく必要があると私は思います。)日本人みたいに名刺を神聖視している民族は他にいません。普通はすぐにゴミ箱行きです。なお、honsには、3年で卒業した学部学生も含まれるようです。つまり繰り上げで卒業させるのですから、優秀である、とういことです。なお、大学によっては海外からの留学生には別の基準で、ということもあるようです。(もしかすると新浪氏の場合それかも…)

「summa cum laudeをもらうとどんな気持ちか?」というようなことが英語の質問箱で答えられています。普通は、卒業式の日まで最終学年の成績を知らないはずなので、自分がSCLだと知った時その分喜びは爆発しそうですよね。とは言え、あの教授のくれた成績が悪かったので、3.95に0.01足りなかった…となる場合があれば、Bを予想していたがA+をくれたので、3.95に達した、というようなケースもあるようです。

M-Wでは、このラテン語について簡単な話題が提供されています。かつてはもうひとつ多い4つがあったようですね。気になる方はチェックしてみてください:

https://www.merriam-webster.com/news-trend-watch/summa-cum-laude-2016-03-16

NHK BSプレミアムでは30日に有名な映画がいくつか放送されたようです。本日12月31日放送予定のうち、以下の2本をお勧めします。いずれもこのブログで取り上げております。

13:01-15:24
邦題:フォレスト・ガンプ 一期一会
原題:FORREST GUMP 1994年 アメリカ
この映画を既に取り上げ済みと思っておりましたが、まだのようです。近いうちに取り上げます。


15:24-17:27
邦題:マイ・インターン
原題:THE INTERN 2015年 アメリカ
こちらについてはこのブログでアーカイブされてます:
https://sttl.livedoor.blog/archives/13571497.html

本日の話題は別のページにありますので、そちらをご覧ください。

サントリーのトップの新浪剛史(にいなみ・たけし)氏が同友会のトップを兼任するというニュースがありました。彼は慶応大学経済学部出身というやや目立たないな経歴ながら、アメリカでMBAを取得し、その後華々しい活躍です。彼は初期は三菱商事関係の企業で働き、その後サントリーに引き抜かれました。このことが、私はものすごく大事だと思います。日本では「生え抜き」であることが幹部出世の不文律のようなところがありますが、これで良いのでしょうか。直観から申し上げますと、日本の戦後に、企業が急速に力を付けた背景には、終戦直後の、GHQによる幹部追放があったと思います。これですっかりと世代交代が進みました。その後、日本は生え抜き志向になりました。戦前はそんなことはなかったはず。それが今の日本の停滞の要因のひとつのように私には思えます。生え抜き自体は別に悪弊ではありませんが、経歴、考えが似た人々が集まるだけのトップ人事ではアイディアは相当限られるような気がします。

さて、英語などで Epicueian という言葉があります。本来的には Epicurus という人物が始めた「哲学」です。高校の教科書などでは「快楽主義者」となってていたと記憶しております。現代的なcontextから見て、快楽主義と言ってポジティブに解釈する人はいないでしょう。でも、それ誤解です。私はここには直すべき大きな誤解があると常々思っております。というかほとんど誰もわかっていないと思います。

Epicureanismを代表する著作は何か、と考えるとおそらく、最も正統的な答えは、ルクレーティウスというローマ人が書いたとされる大部な書物でしょう。彼の名前Lucretiusと綴りますが、英語では-tiusの発音はlong sです。Titus Lucretius Carus circa 96–circa 55 b.c. これは岩波文庫では『物の本質について』という題名、樋口勝彦訳で出版されております。これを一度手に取ってみる価値はあります。Britannicaの説明文を引用しましょう:

On the Nature of Things, long poem written in Latin as De rerum natura by Lucretius that sets forth the physical theory of the Greek philosopher Epicurus. The title of Lucretius’s work translates that of the chief work of Epicurus, Peri physeōs (On Nature).

https://www.britannica.com/topic/On-the-Nature-of-Things-by-Lucretius

この本はLucretius というラテン人が、ギリシャのEpicureanたちの考え方を韻文にしたものです。Epicurus自体は著作を残したはずなのですが、大半は散逸してしまっているようです。一般に、彼の哲学は、3つのパート、すなわち自然、規範、倫理から成るのだそうですが、自然のパートをLucretiusが継承して本を書いた、と考えられています。Lucretiusの没後長い間忘れ去られていましたが、15世紀にドイツの僧院で写本が発見されて、Lucretius のこの本が再び注目されました。岩波文庫版をパラパラとめくるだけで十分ですが、宇宙論があり、原子論があります。内容は冗長で、反復的に見えますが、肉眼による観察の力だけで驚くほどの高みに達していたと私は驚かされます。私はEpicureansの他の部分(規範、倫理)についての著作を読んだことがありませんので、全体像を知るわけではありませんが、自然論を垣間見るだけで、Epicureansは中世の知識人よりも正しい眼差しで自然を見ていたことに驚かされます。wiki英語版は以下にあります:

https://en.wikipedia.org/wiki/Lucretius

英語でepicという単語は「叙事詩」を表す単語で、その語源はラテン語からさらにはギリシャ語に行くようですが、ギリシャ語epikosとepicurusとは言葉の上での関連はなさそうです。epicは形容詞としても使われますが、「壮大な」というような意味です。M-Wでの、見出し語epicには興味深い解説があります。以下に引用します。ぜひ目を通してみてください。

Did you know?
Does epic mean "impressive" or just "big"?

When epic began to be used as an adjective in English it was in specific reference to the characteristics of the type of poem that bears the same name. A couple of centuries passed, and the word’s meaning came to describe other kinds of works, aside from poetry, which had similarly grand characteristics. More recently, epic has been found used in a highly colloquial fashion, in a manner that is largely synonymous with outstanding, fabulous, or impressive. Before you pass judgment on whether this new sense of epic is acceptable to you or not, you might want to consider that all the words that this sense is synonymous with have also changed their meanings dramatically: outstanding originally described something that projected or stuck out, fabulous had to do with fables, and impressive used to mean “capable of being impressed.

言葉に対する深い愛情のようなものが私には感じられるような気がしますが、いかがですか?でもこの解説のおかげで、epicの意味がこんなに広いのは不自然だ、という印象を持つにせよ少しは納得できそうです。

叙事詩がepic、叙情詩は?lyricですね。これは、英語の「竪琴」lyre の派生語です。発音は「噓つき」liarと同じ。

なお、新浪氏の「成績」つながりの事項を明日話題にします。

上記の引用文は以下にあります:
https://www.merriam-webster.com/dictionary/epic

本日は主に「シャドーイング」なる練習方法について、です。内容的には大した事はないでしょう。

昔、私なりに楽器にトライしたことがありますがことごとく挫折しました。一度、素人にしてはかなり優れたプレーヤーと話をしていた時に聞かれたこと、それは「聞いたフレーズを楽器で再現できるか」でした。その人は、少し変なアマのバンドのリーダー兼テナーサックス奏者でしたが、その時聞こえたメロディーをその場で復唱というか再現し、それを元に変奏曲まで即興でアレンジしてくれました。その人はテナーサックスの奏法を教えてもらったことはないそうです。つまり中古の楽器をもらい、自分で吹いているうちに演奏ができるようになったそうです。レコードの演奏をできるたけ忠実にコピーしたのが練習だったそうです。その人いわく、なぜ他の人が自分と似た、あるいは同じことができないのか理解できないが、そういうものだろうと納得することにしている、ということでした。ちなみに、そのバンドでそのような音感の人は他にいない、とのことでした。若きヴォルフガング・モーツァルトがローマへの旅行のおり、ヴァティカンのミサの後での16声の男性コーラスが歌われた時、メモ取り禁止のルールに従い、聞いたことを覚えて、宿に帰ってから、譜面上でそれを再現し、父親に手紙で報告したのは有名な話。このエピソードは彼の天賦の才の例としてよく引用されます。

さて、このブログは英語の聴き取りに特化しております。上のサックス奏者の話を英語に置き換えますと、あなたは、聞こえた英語の発音、抑揚などを再現できますか?何を意味するかまでは不問として、音声だけを再現しようとして、ある程度忠実に再現できますか?もしかして、それは誰でもできることなのかも知れませんし、一部の人にしかできないことなのかも知れません。私の息子はたしか小学生の時に英語でそれができました。特に優秀な子供ではないので誰でもできることなのだと私は思っております。彼は聞いたことを、ほぼそのまま再現できましたし、それをわざとカタカナ英語風に発音して、1人で笑い転げていました。

シャドーイングなるプラクティスが勧められているようですが、よくまあこんな曲芸のようなことができるなあ、と私は感嘆させられます。以下のものをYouTubeで見つけました。1'35"辺りから10"位聞いてみてください。それがシャドーイングなるものだそうです:



これが練習になるというのでしょうか。私は日本語でも半分位ができるかどうかでしょうか。ただし、最初に1,2回聞いた後であれば、英語でもできるかも知れません。でもそれをシャドーイングと呼べるのかどうか疑問です。この方、すごい人なのかも知れません。

私が中学生の頃にやっていたのは、学校の教科書を音読することでした。本日の標題の「たーめんすーぜうぇんふぉしゃーぴん」とは Tom and Susie went for shopping のことです。当時は教師が教室でレコードを再生してくれました。私の教科書は三省堂のクラウンでしたし、普通の公立中学でした。自分としては聞こえた通りを覚えておいて、自宅で再現してみました。もしかすると、音読でも十分効果はあるのかも知れません。勉強時間は5分か10分でした。私は怠惰な学生でした…

突然かも知れませんが、私なりの結論。シャドーイングをする必要性は薄い。そんな特殊な能力を身につけるよりは、基礎をちゃんとした方が良い、AEかBEかを選択する、英語の正確な発音の引き出しを少しでも多く持つ…これで十分のような気がします。ただし、自分の発音(読み上げ?)を録音しておいて、それを聞くのは止めるよう忠告申し上げます。声がそもそも変ですし、とことん自信がなくなります。

先日自動車関係の雑誌を読んでいたら、ある記事に曰く、トヨタの社長が会議で「〇〇(車種)はコモディティで良いのではないか」という述べたそう。それは当該者の開発責任者に向けられたものだそうです。しかし当の開発責任者は反対して、その車を「コモディティ」にする、という考えはなくなったのだそうです。(そして今般新車として販売されることになったそう)----私はこの記事の意味がまるでわかりません。誰かがどこかで「コモディティ」の意味を誤解しているとしか思いようがありません。社長?広報担当者(この話をこの雑誌にリークした人)?雑誌記者?あるいは私?車がコモディティになるとはどのようなことを言うのでしょうか?

実は英語でもcommodityの意味はすこしずつ意味が違うことがありますが、それはどこで使われるかによって異なる陰影がつく程度の話です。本来的には、一次産品、穀物、金属、原油、畜産品のような、ブランドがほとんど存在せず、需給だけで値段が上下するようなものをcommodityは指します。日本語で「商品」と言ったりしますが、普通の日本人は「商品」といえば、merchandizeと理解するはず。従って「商品」はあまり良い日本語ではありません。日本語で「汎用品」と言われることもありますが、私には違和感がありますね。

車のなかで、最もcommodityに近いものと言えば、軽自動車でしょうか。でも軽自動車ですら、ブランドがありますし、定価のようなものがあります。時々の経済情勢で値引き幅が多少変わるでしょうが、売り出し初期の半分の価格で取引される新車のcommodity carなんてなさそうです。

仮にcommodity化されたクルマがあると仮定して、それはどのようなものでしょうか。製造者にとって利幅が極端に薄いもので、経済情勢によっては、メーカーが今度は買い手となって市場からタマを吸い上げて、値段が上がったところでまた売りに出す、というようなものでしょうか。では、トヨタのクルマの中で、commodityとしてカテゴライズされそうなものを挙げるとすると何があるでしょうか。私にはまるで思い浮かびませんね。もしかすると、社長の意味するところは、トヨタでcommodityとして認定された車種は、トヨタ自動車では製造せずに、たとえば、豊田自動織機が肩代わりして製造するということなのでしょうか?この社長はじめトヨタの人々は相当頭が良いようで、頭の悪い私にはチンプンカンプンです。さて、ついでに、英語でのcommodity などの用語の違いを整理しておきましょう。
  • commodity  1次産品
  • goods            本来的には経済用語で日本語では「財」
  • bads 日本語経済学にあるかどうか不明 意味は「マイナスの財」 goodsの対義語
  • product 工業生産物(製品)
  • produce 生鮮農産物 複数形では使われない fresh produceとは言うがfresh productとは普通は言わない
  • merchandize 陳列する商品
goods/badsの例で良く英語で言われるのは、19世紀の都市で発生する馬糞を集めてキノコ栽培業者が使用するとき、それはgoodsですが、馬糞を必要とする業者がいないような時、通りの馬糞はbads。コストをかけて、収集、処理しなければなりません。

上記の日本語の説明は私の語感に基づくものです。人によっては少し違う分類をすることがあるでしょう。上記にはcommerceがありません。これは普通いずれかのtradable articlesを指すよりは、その行為全般を指しますし、しばしば下半身のことに言及する場合があります。

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