字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2022年08月

本日はこの歌を扱います。歌なんて英語の勉強になるか!とお考えの方もいるでしょう。私はyes派です。今日の歌がそんな例かも知れません。

Louis Armstrongの歌です。


私のような化石オヤジでも、この歌が最初にヒットした時のことはまったく知りません。これがTVCMに使われた時があり、たしかそれは1990年前後だったような気がします。それはホンダのクルマのCMだったような。日本で流れてました。

聴き取りに苦労するような単語は一つもありません。でもこれが最初に歌われたころは、おそらくまだアメリカで公民権運動がアメリカを激しく揺らしていた頃ではないでしょうか。その時代にあっても、拳(こぶし)を挙げて表す怒りよりも、こんな歌の方が人々の心に沁み渡り、より永く残るような気がしますが、それはなぜでしょうか。おそらく、人間の心理に由来するのでは?人類は「血」よりは「花」の方が人の心に沁みわたるから。

今ウクライナで行われていることに対して、世界のリーダーたちは正当に振る舞っているでしょうか。例えば、国連のSecretary-General、ヴァティカンのPope、Eastern Orthodoxの Patriarch、彼らは非常にlazyですね。そういえば、イスラムも、仏教も。それはともかく… 

さて、この歌では、2番の歌詞を取り上げてみたく。

I see skies of blue and clouds of white
The bright blessed days, the dark sacred nights
And I think to myself
What a wonderful world

I see skies of blue 少し変な表現ですね。skyは天気予報で「昨日の空」「今日の空」「明日の空」のように1個の空ではないものを前提にしている場合、skiesになります。つまり、この歌をつくった人は、しょっちゅう、あるいは毎日空を見るような人なのでしょうね。skies of blue というのは、ちょっと見、少し違和感のある表現ですが、音韻でこれが選ばれたのでしょうか。of blueという構造は、blueが名詞であることに意味があります。名詞で形容詞句 of blueをつくると、それは強調の含みがありますので、意味は単に「青い」のではなくて「真っ青」ということです。同じ理由でof whiteも説明できます。

でもこれだと「雨」はなさそうですよね。でもご心配なく。真っ白い雲は、しばしば雨をもたらす雲です。特に南の方ではそうです。tropical showerのようなものをイメージしていただければよいかと。必ずしも、濃淡は別にせよ灰色である必要はありません。この歌は空模様を気に掛けるものではありませんが…

Written by Bob Thiele and George Weissとだけcreditされていますが、どちらが作詞家かはわかりません。おそらく後者かと。

83 words/phrases

scooter?
bust it out=get out
homeboy 皆さん、ご同輩
coming around: come around 遅れて来る
in some alley: alley 路地
Grand theft auto...two counts??? 偉大な自動車泥棒、2つ数える間に。
booked up 売切れ
appendicitis 盲腸炎
square badge=security guard
I'm of weight???  I'm big?
so it goes ってなとこかな
lividity 鉛色
don't so much as: not so much as ~するほどではない
swordsman: slang 手当たり次第に女と寝る奴
Hell hath no fury 古い言い回しhath=has 
broad=young girl
hail a cab タクシーを拾う
emcee=MC
like a friggin' pea: おそらくfuckin' pea 豆粒みたいな脳みそで
get in(to) a beef 喧嘩をする
pancaked ペチャンコの
catch my drift 言いたいこと解るよな
step out of line 少し羽目を外す
Gruber's too busy sticking it into her...to notice when she's sticking it into him???
go through 徹底的に調べる
The same doer: doer この映画では「犯人」の意味。普通その意味はない。
My guy's in there: guy 友人
crosshair ライフルの照準器
I'd kill to work in Man: kill 殺人さえするぜ(Mで仕事してえ)
lounge act カクテル・ラウンジで出し物(=芸人)
Say what? なんて言った?(聞き取れない、信じられない)
into ~好みの
You spring: spring 「金を使えって良い」<湧く
drop 逮捕する?(辞書にはない。この映画では数回使われている。)
lay a hand 泳がせる
you split 別れる
yea-long<year long
windswept 風の吹き抜ける
thing=love couple
corny トウモロコシ臭い<田舎臭い
slob ろくでもない奴
GQ 雑誌名
solid=cool
chair?
I'll quit while I'm ahead.有利な時に降りる
animal attraction 動物が引き寄せ合うこと
hell on wheels ひどい目
like a bat out of hell 大急ぎで
You got me 参ったよ
spoony 泣き虫(ここでは字名)
I can top that. 俺の方が上手だね
The wedding lasted longer than the marriage???
It's like a drum. 直前でmy heartのことを話しているので、heart=drumだと言っている。
survival rushとは元々はゲームの名前。
insomniac 不眠症患者
airlift 飛行機で運ぶ(ここでは恐らく「空気仕掛けで」の意)
manipulator 犯罪者を操る人、の意味か?
mooch (vi)たかる
we dust your dick???
try back もう一度来店する、の意味か
Let's blow ずらかろうぜ
beat the shit out of you お前をボコボコにしたら
wet-ass hour???
turn this around on me 私を裏切る
I'm a nonperson. 俺は誰でもないってことだ
solid ground 「確たる基盤」「確証」
army cot 軍用ベッド
got the London Philharmonic up my ass???
trip over sth~で滑る
nicey-nice 上等の
hit on me 俺に言い寄る
brush-off 肘鉄
get it over with 終わりにする
I'm wearing your shoes. お前の立場になろうとしているんだ
up for the grabs 手に入れる-->ここでは「手玉に取る」の意味
for good=for ever
rub it in 繰り返し言う
nutcase 変人
through a wringer 辛い思いをさせて
I hung fire to be with you: hang fire 遅れて
counterfeit 偽の
produce ring???

少し古い映画です。名作というわけではないようです。アル・パチーノがNYの孤独な中年デカを演じています。使われている言葉はこの種の映画としてはわかりやすいと思います。

★ ★ ★ ★ ★

映画:『シー・オブ・ラブ』(原題Sea of Love)

公開:1989年

ジャンル: 犯罪ドラマ

時間: 113分 

脚本: Richard Price
 
原作: -

監督: Harold Becker

配役: Al Pacino as Frank

あらすじ:FrankはNY市警の刑事。ある連続殺人事件を担当して、犯人を見つけ出すための仕掛けを考える。捜査で浮かび上がってきた犯人は…

聞き所: 随所にあるジョークを挙げます

訛り: NY訛り

私の評価:
エンタメ度   つまらない★☆☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★★☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★☆ 少ない
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
------------------------------------------------------
合計           8★(満点15★)

台本総語数:8.2k 平均より2割少ない

スピード:    8.2k/113/2=145 wpm 

難解語割合:82/8.2k=1.0% 多い

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)

あまり良い出来ではありません。

スクリプト:

コメント:
脇役のSherman を演じるJohn Goodmanという俳優の演技に好感を持ちました。



映画『ジュラシックパーク』で有名になったJurassic Period、日本語で言えば「ジュラ紀」ですが、それは、地質時代の一つです。これは、フランス東部からスイス西部にあるJuras Mountainsにちなんで付けられました。地質時代名には、このように地名に由来するものがいくつもあります。最近の話題になった「チバニアン」という、新しい地質時代区分も地名に由来するのと似てますね。今日はその地質時代の重要と思われる単語をいくつか見て行きましょう。

(1)冥王代
地球が生まれたから最初の生命が誕生するまでの時代。
Hadean Eon  /héidiən, heidíən/の2種の発音があります。他のeonのアクセントがすべて第2音節にありますので、この単語でも後者を選ぶよう私は推薦します。

M-WにはHades /héidiːz/が掲載されていません。Cambridge Dictionaryから引用:
in Greek mythology (= ancient stories), a place under the earth where the spirits of the dead go
これで十分だと思いますが、足りないとお感じの方には以下の説明をコピーします:
Hadean (etymonline):
"god of the dead in Greek mythology;" also the name of his realm, the abode of the dead spirits, 1590s, from Greek Haidēs, in Homer the name of the god of the underworld, son of Kronos and Rhea, brother of Zeus and Poseidon. His name is of unknown origin. Perhaps literally "the invisible" [Watkins], from privative prefix a- + idein "to see" (from PIE root *weid- "to see"). The name of the god was extended in later Greek writing to his kingdom, also "the grave, death."
この時代には地球は溶けていましたので、地質学的証拠は皆無です。つまり「暗黒時代」という意味でしょう。こうしてみると、「冥王」代という名称はなかなか味のある訳だと私は思います。

(2)太古代
馴染みが薄いですが、これは新しい呼称です。昔は「始生代」でした。この時代、既に地球には海がありましたが、熱水で、極初期の生物が住んでいたようです。約40億年前から、25億年前までだそうです。シアノバクテリアが光合成により酸素を生成していましたが、それは鉄を酸化させるために使われていただけのようです。ということは今鉄鉱石を掘る場所は鉄が酸化して海底に沈殿した時代には海の底だったということになります。

辞書などで archaic と記されていると、それは「古風な」という意味ですね。 archaic は言語学では非常に頻繁に登場する語です。

Archean Eon /arkiən/
M-W: of, relating to, or being the earliest eon of geologic history or the corresponding system of rocks
これを掲載するのは極一部の辞書です。要約すると、archaios というギリシャ語をtransliterateしました。意味は ancient です。

(3)原生代
Proterozoic eon
etymonline: 1880, in geology, in reference to the period of the earliest fossil record of life on Earth, from protero- "former, earlier" + zoic "life." Now reckoned roughly as from 2,500 million years ago to 541 million years ago.
zoic と言われて想起するのはzoologyのzoo、これはラテン語のzoologiaに由来し、これはギリシャ語の
zoionが元になっているようです。つまり「生物が生まれる前の時代」という意味が元ということですね。

(4)顕生代(けんせいだい)
Phanerozoic eon  /fænərəzóuik/ 
etymonline: "of or pertaining to the whole of geological time since the beginning of the Cambrian," so called from the abundant evidence of life preserved in the rocks, 1930; see phanero- "visible, manifest" + zoic "pertaining to life."
できれば音声ファイルで発音を確かめておきましょう:
https://www.merriam-webster.com/dictionary/Phanerozoic

phanero-
before vowels phaner-, word-forming element meaning "visible, manifest," especially from 18c. in biology, from Greek phaneros "visible, manifest, evident, apparent," from phainein "bring to light, cause to appear, show," from PIE root *bha- (1) "to shine." Opposed to crypto-.

crypto-currency, cryptogramなどに使われるcryptoの反対語はphanero-だという訳です。

Phanerozoic eonの最初は、有名なCambrian periodです。生物種が爆発的に進化し始めた時代です。つまり four eons があり、それぞれにいくつかの「代」eraがあって、更にそれぞれのeraに、periodがある、という構造になっています。ということは、どれかひとつでもこれを機会にひとつ覚えておきたいとお考えの方、私はぜひとも最後の Phanerozoic eonをお勧めします。つまり、地学ならそれより古い時代も大いに関係するでしょうが、生物の進化の方に目を向けるのであれば、それはPhanerozoic中心になるからです。イニシャルだけをとればHAPPとなります。phanero- ⇔ crypto-で思い出す、というやり方も使えそうです。

私は、なるべく話題が偏らないようにしたいとは思っているのですが、実態としてはそれはかなり怪しいでしょう。さて、本日の話題は石炭です。石炭そのもの、よりは、石炭がどのようにして生成されたのかを大変コンパクトに説明したvideoがあります。慣れない単語が多い場合には、2度聞くのは非常に良い対策だと思います。ある程度自信のある方は下記のクリップへどうぞ。少し自信のない方は、簡単に予備知識を提示しますので、それを読んでからそのvideoを見るのはいかがでしょうか。

なお、このPBSのdigital studioシリーズでのvideoはどれも少し早口です。一定の時間に最大語数を盛ることを目標にしているからでしょう。聴感上は180-200 wpm前後だろうと思います。(語数を知らないので計算しておりません。)YouTube画面の歯車マーク(設定)の中で再生速度を変更することが可能です。


いくつかの単語に慣れるだけで相当楽になる可能性があります。

lepidodendron
lepido- 「ウロコ」を意味するギリシャ語
before vowels lepid-, word-forming element used since late 18c. in science with a sense of "scale" (of a fish, etc.), combining form of Greek lepis (genitive lepidos) "scale of a fish" (related to lepein "to peel;" see leper). As in lepidodendron (1819 in German), common fossil "club-moss tree" of the Carboniferous.

dendronは、人によってはどこかで見たはず。rhododendronとはツツジ(azalia /əzéiljə/)の仲間の学名です。dendron自体が「木」を意味します。rhodo-はroseの変化形だとのことです。ですが、バラ科ではありません。ただ、素人である私から見ると、植物の分類学に「木」を意味する言葉を使うのは意味がないような気がしますけどね。

ということはlepidodendron=lepido+dendron つまり、「ウロコの木」という意味です。そのことは、このvideo clipの中で絵で示されます。

carboniferousは時代区分で使われる用語ですので、「石炭紀」かな?と予測したくなりますが実際にそうです。問題は-ferousの方は「鉄」を意味するような気がしますよね。でも先に答えを言うと、鉄はferrousです。この微妙な1個のRの違いはここでは少し大きいです。ちなみに、etymonlineによると、-ferousは以下のように説明されております(!):
-ferous "producing, containing, bearing," from ferre "to bear" (from PIE root *bher- (1) "to carry," also "to bear children").

文字で示される語xylem これもどこかで… そう、字面は「キシリトール」と似てませんか?xylitol と綴りますが、最後の -tolはerythritol などにある「糖アルコール」を示すsomethingだろうと私は想像します。前のxyli-はおそらくxylemと同じ、つまり「木」です。etymonlineによるとギリシャ語のxylenからcoinされた語ということです。ちなみに、xyliを「キシリ」と発音するような方には、英語などの印欧語を学ぶのはかなりハードルが高いと思います。Xerox のように、xの音価は常に/z/です。

もちろん、これら以外にもあなたにはハードルの高い単語がもっとあるはず。それは私にも同様です。でもpermianでしたかも登場しますが、それはたぶん「ペルム紀」だろうという程度で十分でしょう。この、食らい尽きの習性が辞書なしで本を読むようになる(読むことがmust)かどうかの分かれ目だろうと、劣等生だった私は思います。しかも「ペルム紀」がどのような時代区分なのかを知らなくても読み進むことに問題がなければ、non-majorなscienceであれば問題ありませんが、そのまま先へ読み進むべきでしょう。

しかし、いくつかの主役に近い単語をある程度知っていると、このvideo clipを楽しみながら見ることができるようになります。それは100%の単語を知っていることではありません。100%を知る必要はないのです。日本語の場合でもわかったようなわからないような単語はたくさん出てきているはず。でも聞き終わった段階で我々はもうわからなかったことさえ忘れて次のことに移ります。これで良いのです。ただ、このようなことをmajorにする方にはそうは行きません。しかしそのような方にはこれらの単語は既知でしょう。Have fun. なお、この地質年代については後で改めて取り扱うつもりです。

なお、本日参照した辞書はetymonlineのみ。英文の引用すべてはそこから。さらに一言。石炭は見るだけで植物質のものから構成されていることがわかります。しかし石油の元がなんであるかについては、未だに、ある程度広く支持される説がありません。おそらく鉱物質のもの由来というよりは生物質のもの由来だろうと想像します。一部には特定の種類の古代の貝が含まれる地層で原油が発見されると認識する科学者もいるようです。ただ、混乱の元ははっきりしています。19世紀に石炭、石油は、恐竜の生きていた時代からの生成物だ、と一般向けに説明されていた時代があり、それがずっと後々まで尾を引いて、誤解の元になっていると私は考えます。最初の恐竜が生まれた時代は石炭紀よりずっと後の時代(三畳紀)です。私が子供の頃には、人類はサルから進化した、と多くの大人は考えていました。そうではなくて、人類とサルは共通の祖先から別々に進化した、のが正しいのです。それと似た話ですよね。

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