字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2022年07月

Diamond Headという「山」がオアフ島にありますが、その意味をご存知?head とはBEで「岬」のことです。diamondという名前の由来は、昔船員がこの浜で見つけた結晶がダイアモンドに見えたので、そのように呼ばれるようになったそうです。でもそれは方解石でした。Pearl HarborがあるのでDiamond Head という名前になったわけでもないのですね。

上で、BEで、と書きました。念のためM-Wでheadを調べると、「岬」に相当する説明がありません。M-WはAEの辞書ですので、AEではない場合には、スパッとカットする場合があります。もしや、と思ってheadlandを見ると、説明があります。ただ、今回知ったのは2つの語義があって、M-Wの見解では「岬」の意味は2つ目でした。

lemma: headland
1: unplowed land at the ends of furrows or near a fence
2: a point of usually high land jutting out into a body of water : PROMONTORY

私はpromontory という言葉をまるで知りませんでした。etymonlineを見ると、以下の説明があります:

"high point of land or rock projecting into the sea beyond the line of a coast," 1540s, from French promontoire (15c.) and directly from Medieval Latin promontorium, altered (by influence of Latin mons "mount, hill") from Latin promunturium "mountain ridge, headland," which is probably related to prominere "jut out" (see prominent). Related: Promontorial; promontorious.

読者もお気づきだろうと思いますが promontory と prominent は姉妹語なのですね。両方ともjut out している、という訳です。これでpromontoryという単語は私のぼんくら頭に長く残るでしょう。

実は本日この話題で長々と書いて来たのは、このような、小さな発見の喜びが単語力を育てることを示したかったからです。「headland 岬」「promontory  岬」という覚え方は高校生向けのやり方です。それは彼らには基礎の単語力がないから。我々には基礎的単語力があるので、それをベースにして、Aという単語とBという単語が同じ意味である、Bという単語とCという単語は同じ語源である、ということを理解しながら、知識にして行くことができます。私はDiamond Headに上ったことがあります。上ったことのある人はそれをベースにしてどんどん今日の話題のようなことをネタにして単語力を育てることができます。使えるものは何でも使いましょう。今後私がpromontory という単語に出会う確率は非常に低いでしょう。でももし出会ったら、その時には今日ここに書いたような手段で意味を思いだすでしょう。それで良いのです。ここで大事なことはこんな些細なことを喜びとできるかどうかです。

なお、英語にはcapeという単語もあります。これもラテン語から英語に入りましたが、今日は深入りせずに、etymonlineからの引用だけを載せます:
"promontory, piece of land jutting into a sea or lake," late 14c., from Old French cap "cape; head," from Latin caput "headland, head" (from PIE root *kaput- "head"). The Cape of Good Hope at the southern tip of Africa has been the Cape since 1660s. (見出し語 cape)

ちなみに、Diamond Headはオアフ島の観光の名所のひとつですが、ワイキキからはバスで移動する距離です。ほぼ日本人を見かけることはありませんね。ルート上のアメリカ人観光客には太った人が多いですが、それでも元気に上っています。

さて、次。フロリダの先端はKey Westという島です。ヘミングウェイの愛した島です。今回はwiktionaryを見ましょう:

Etymology
Borrowed from Spanish Cayo Hueso (literally “Bone Cay”), which was coined in reference to the indigenous use of the island as a gravesite. Modified by folk etymology to Key +‎ West as it is the westernmost inhabited island of the Florida Keys.

Proper noun
Key West

An island in the Florida Keys, the westernmost significant cay in the archipelago.
A city, the county seat of Monroe County, Florida, United States, in the Florida Keys, situated on the island of Key West and surrounding islands.

つまり、スペイン語のCayo (Cay)が、英語で訛化してKeyになったのでしょうね。etymonlineにはその説明がありますのでなるべく簡潔に引用します:cay "low island of sand or coral," 1707, from Spanish cayo

M-Wにある説明を引用します:
NOTE: Key West is the southernmost city of the Lower 48.

Lower 48についてのM-Wの説明:
Lower 48 geographical name
the continental states of the U.S. excluding Alaska —used with the

これも滅多に出会わない言葉ですよね。でもそんな言い方もAEにはあります。interstateの番号ではなhdkeyshfいのですね。なお、Florida Keysと Florida Archipelagoは同じ意味です。

左の地図のうち、上はOahu Islandを示し、白い矢印がDiamond Headです。黄色の丸は、Pearl Harborです。Waikiki Beachは白い矢印の左手に広がっています。その下にはFlorida Keysあるいはarchipelagoと呼ばれる部分を示す地図です。黒枠つきの白い地図の先端がKey Westという島です。島の脇にKey Westという文字が並んでいます。より正確な位置関係については地図をご参照ください。Florida Keys、Bahamas、Cubaの位置関係を示すためのものです。



このように単語を輸入することを一般にborrowing 借用と言います。特に異なる言語体系の間では、それはtransliteration 翻字と呼ばれますが、この例では英語とスペイン語ですので、単にborrowingと呼ぶはず。この現象がフロリダであったことは、そこの統治者がスペイン人からイングランド人に代わった歴史を映しているのだろうと私は思います。おそらく逆の順序だったとして、スペイン人はイングランド人から無秩序に単語をborrowingしたでしょうか。ちょっと考えにくいのでは?

144 words/phrases

dirigible 飛行船
crash truck 空港用消防車
I'm a little singed???
around the edges ギリギリのところで
sentry 衛兵
ordnance= ordnance bureau 軍需品製造部
pursuit ship 追撃船?
strafe 機銃掃射する
performance figure 性能を示すデータ
foot soldier=infantry
blast 爆破する
moth-eaten mothは「蛾」だが、この意味は「古臭い」
rig 不正に操作する
state fair 催事
water concussion?  おそらく「爆発に伴う水面の衝撃」
Let me off the hook 見逃して欲しい
bombing run=bomb run 爆撃行程距離
The whole world will be in the air. 「全世界は空中にある」現実にはそんなことはありえない。「すべては空で決まる」の意味。
commanding officer 指揮官のことか?
That's more like it (決まり文句)そりゃ何よりだ
secretary of war かつて存在した行政部門。今のDept of Diffence
brigadier general 准将
your fort ranks at the top of the list: fort  この場合は階級名
mighty fine=very best
junket 物見遊山
drop around=drop by
campaign 軍事行動
Ford Trimotor 3発輸送機
every bit as good (idiom)同様にgoodな (every ti as badもある)
winged collar=wing collar 襟を下に折った正装用のもの
in flaming coffins 燃え盛る屍となって
rot away 朽ち果てる
writer's cramp  書痙(しょけい)
I'm taking my leave:leave 休暇
run into 出くわす
get off the flypaper: flaypaper おそらくpaper workのことだろう。
river cow???
I'll be back for another crack at Washington:crack ここでは「冷やかし」の意味。
flag a cab 手信号でタクシーを停める?
unholy ばかばかしい
row=flight
improbable ありそうにない
What's your neck: neck 命
run high たかぶる
gunny=gunnery 砲術 多くはgunnery sgt
squadron 飛行中隊
rugged でこぼこした
keep faith with sb ~との約束を守る
off the cuff 即席の
blow off 追い払う
brass top: top brassが普通
court-martialed 軍法会議にかけられる
charge sheet 逮捕歴
deport oneself 振る舞う
adjutant general 軍の総務局長
it's occurred to you to resign 辞任という突発的な考えには至らなかった
judge advocate general
open-and-shut 明々白々の
heavy artillery 重火器
You're stuck with me. 君と私は一心同体だ。(決まり文句)
jam 窮地
catch-all clause 雑則
Conduct prejudicial to the good of the service,"
casts aspersion 非難を投じる
raw kid 未熟な若僧
handcuff (ここでは)邪魔をする、の意味。
military tribunal おそらくjuryの前で行う裁判ではなくmilitary tribunalの前で、を言うはず。
contemptuous 見下した
deplorable 嘆かわしい<deplore
hearsay=rumor
immaterial 無関係な
insubordination 不服従
uncontradicted 否認されていない
Fiorello La Guardia  AP名の由来はこの政治家。
triple murderer 3人の殺人犯
we're through, licked: licked 負けの
off with his head: 首から上は用なし
talk through one's hat でたらめを言う(idiom)
filibuster 議事妨害
a bearing 意味
deliberation 陪臣による評議
precincts 管轄地域
Calvin Coolidge at 30th presidency 1923 to 1929
dither ためらい
all agog 興奮して
reprimand 処分
I hoped I'd get you off. 君を救いたいと思ったのだ。
hole in the dike???
impertinent 生意気な
by indifference つまらないことで
grave danger 重大な危機
self-greasing axle???
It bumps along from day to day. 日々ゆさゆさ揺れながら進むのみ。
clash: cf. Sam Huntington’s book “The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order”
complexion 戦況
Give you gas. 文法的にはIt gives you gas.「ガス(fart)を出させる」
I move that…: move 提案する
quinine キニーネ/kwáinain/
nothing of the kind 辞書によってはidiomとして分類するが、そうではないだろう。of the kind 同じもの、という意味が中心。
inference 推認(法学用語)
May it please the court 裁判の開始時の決まり文句
are you gonna put me on?
legal mind 日本語のlegal mindの意味は別として、”mind”とは「人材」を意味することがある。
above and beyond that  更に加えると
go unheeded 見落としされる
decoration 勲章
immaterial=irrelevant
startling 驚くべき<startle
semantics 本来の意味は「意味論」study of meaning。しばしば「言葉をもてあそぶ行為」の意味。
stratosphere 成層圏
petty ささいな
bickering 言い争い
reduce 破壊する
second to none 誰にも劣ることなく
palmistry 手相占い
table-tipping=séance
abusive 口ぎたない
scouting submarine:scout 偵察する
lay 停泊する
goad 追い立てる
exhibit 証拠書類
next in order???
province 管轄
you have said your say:
say 言いたいこと
sober 慎重な
I meant every word of it: 本気で申し上げました
flagrant 言語道断の
unquestioned 疑いようのない
quibble ごまかす
complacency 怠惰な満足
concurring 協調的な(異議のない)
suspended 停職の
forfeiture 過料
lenient 寛大な
ten-hut 気を付け<attention

おすすめです。Billy Mitchelという、アメリカ空軍を創設したと言われる実在の人物が上層部を批判する言説のために軍法会議に掛けられたことをドラマ化したものです。著作権が切れておりますので、誰でも無料で全編を視聴することができます。

★ ★ ★ ★ ★

映画: 『軍法会議』(原題Court-Martial of Billy Mitchell, The (1955)

公開: 1955年

ジャンル:法定ドラマ

時間: 100分 

脚本: Milton Sperling

原作: Life of Billy Mitchell

監督: Otto Preminger

配役: Gary Cooper as Col. Billy Mitchell

あらすじ:兵士の命を軽視する無能な上層部を批判する、情熱的な将校Mitchelが軍法会議にかけられます。第1次世界大戦と第2次世界大戦のはざまにあった当時、これは妥当な見解でした。裁判の行方は?

聞き所: 随所にあります。とりわけ、弁護士が法廷外でMrs. Lansdowneに証言を依頼するところ。多様な証人が行う証言の内容も。

訛り: なし

私の評価:

エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ☆☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★☆ 少ない
早口度     早い   ★★☆ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
------------------------------------------------------
合計           6★(満点15★)

台本総語数:12.9k 平均より3割多い

スピード:    12.9k/100=129 wpm いつもの「計算式」ではありません…

難解語割合:144/12.9k=1.11% やや多い

全編:(この映画全編を見ることができます)



スクリプト:

コメント:
誰でも無料で見ることができますが、音質がいまいちです。気になる方はレンタルDVDで。古い映画ですので、舞台俳優のようなセリフ回しです。とは言え、初心者が英語の映画に慣れるには非常によい作品でしょう。軍隊用語、軍人の階級が登場しますが、これはまったく無視して構わないと思います。

公平な裁判も民主主義の一部であることがよくわかります。軍法会議のやり方で、最も問題なのは、裁判長が軍人であることだとよくわかります。つまり、裁判長、検察、陪臣がすべて軍人、つまり裁く側です。これでは公正な裁判は無理です。

映画の中でBilly Mitchelが予言したこと(真珠湾攻撃)が1941年になって現実となります。ただこれが歴史的に正しいかどうか私はまったく知りません。hindsightの可能性が高いでしょう。全体としてかなりBilly Mitchel寄りの視点で描かれた映画です。

これを見るまで私はこんな映画が存在することすら知りませんでした。隠れた名作です。

最近、Google社員で「AIは感情を持つ」と言って解雇された人物がいるそうです。Washington Postの記事です:

Google fired engineer who said its AI was sentient 

この記事だけだとわからないことだらけですが、最適な次の1語を探すことに長けているAIが今存在する、という事柄と、そのAIが感情を持つ、ということの間には相当に大きなギャップがあるような気がします。

さて、先日、アメリカの教育サービスは、国際競争力を持った産業である、ということを書きました。その際に、わかったようなわからない用語 liberal arts がありました。今日はその単語について。そのpostですが、以下にアーカイブされております。読み返す必要はありません。気になる方はチェックしてみてください。(なお、このタイトル自体にはあまり意味はありません。「勝者、敗者はうつろうものでである」ということを言いたかっただけです。祇園精舎の鐘の声…

(1) 対応する和語
goo辞書から引用:
リベラル‐アーツ【liberal arts】 の解説
1 ⇒七自由科 (しちじゆうか) 
2 大学における一般教養。教養課程。

下線部に関しては、更に以下の解説があります:
しち‐じゆうか〔‐ジイウクワ〕【七自由科】 の解説
ギリシャ・ローマ時代からルネサンス期にかけて一般教養の基本となった7科。文法・修辞・弁証法の3学と、算術・幾何・天文学・音楽の4科からなる。自由科。自由七科。リベラルアーツ。

これだけでもかなり私には理解の助けになります。しかし、弁証法という用語が突然登場しており、少し違和感がありますね。(弁証法はdialectic。)念のため、他の英和を見ましょう。

RH2には以下のように書かれています:
1 (大学の)教養課程[科目](英)liberal studies
2 (seven ~)(中世の)自由七科:文法、論理学、修辞学の三学(trivium)と算数、幾何、天文、音楽の四学(quadivium)から成る中等ないし高等教育程度の基礎的教科. [1753 ラartes liberales「自由人にふさわしい技芸」の翻訳;古代ローマで自由民だけが習得できた技芸で、artes serviles「奴隷の技術」に対比して用いられた ]

こちら(RH2 ランダムハウス第2版)の方が当然文字数が多いし、用語が納得しやすいです。実は、私は、このpostを書くにあたって初めて英和辞典をチェックしました。これで十分納得が行きますね。

(2) 英英辞典での解説  M-Wから引用します:
Definition of liberal arts

1: the medieval studies comprising the trivium and quadrivium

2: college or university studies (such as language, philosophy, literature, abstract science) intended to provide chiefly general knowledge and to develop general intellectual capacities (such as reason and judgment) as opposed to professional or vocational skills

trivium and quadriviumという用語に注目。これらの対比だけで、ラテン語の3と4が出てきているのがわかりますので、後半のviumを想像することに。これは Via Appia 「アッピア街道」 などで使われる「街道」「道」のことで、おそらく複数形でしょうね。この-a  -umの対応はよく見かけますので、覚えておく価値があります。つまり、「3つの道」のコース、「4つの道」のコースのことだろうとなります。ここまでで相当クリアーになりました。M-Wには以下のadditional noteがあります:

Why do we call the liberal arts "liberal"?

The liberal in liberal arts, a cornerstone of the education of so many, has very little to do with political leanings; its roots can be traced to the Latin word liber, meaning “free, unrestricted.” Our language took the term from the Latin liberales artes, which described the education given to freeman and members of the upper classes, and involved training in the mind (grammar, logic, geometry, etc.). The lower classes were educated in the servile arts, which were mechanical or occupational in nature. The phrase liberal arts has been part of our language for a very long time, with use dating back to the 14th century.

cornerstone 土台
なるほど。liberalとは非奴隷人(=自由人)のための学芸から由来というわけです。servile もラテン語から英語になった言葉でslaveのことですね。ITで非常によく使われるサーバー serverと同じ類の言葉です。そして、そのサイトの一番下に、以下のリンクがあって、Britannicaの説明に行くことができます。ぜひ見てみましょう:

Britannica.comの説明:

liberal arts, college or university curriculum aimed at imparting general knowledge and developing general intellectual capacities in contrast to a professional, vocational, or technical curriculum. In the medieval European university the seven liberal arts were grammar, rhetoric, and logic (the trivium) and geometry, arithmetic, music, and astronomy (the quadrivium). In modern colleges and universities the liberal arts include the study of literature, languages, philosophy, history, mathematics, and science as the basis of a general, or liberal, education. Sometimes the liberal-arts curriculum is described as comprehending study of three main branches of knowledge: the humanities (literature, language, philosophy, the fine arts, and history), the physical and biological sciences and mathematics, and the social sciences.

易しい言葉で、実に的確に説明していますね。

見てきたように、身分制度が固定的であった時代であっても自由人のための教育科目が設定されていた時代があったのですね。このような知識があって初めて liberal artsの意味が理解できるというわけです。日本語は(おそらく)明治期にこの言葉を輸入しましたが、その時に既に英語のliberal artsの意味がわかりにくくなっていた、つまり単語だけでは英語でもほとんど意味がわからない、ということになっていたのだろうと想像できます。

なお、少し説明を。liberal artsとは、現代のアメリカの大学において意味することは、4年生大学教育のみを行う大学を指すのが普通です。つまり、大学院教育がある程度一般的になる前の、古き良き時代の子弟教育において、職業系の学問ではない、いわゆる「人文系」の学問のことを指します。この担い手というか顧客層はupper middleからupper classに属する人々でした。言葉は悪いですが、女性で言えば、かつての「花嫁修業」に近い印象でしょうか。あるいは、映画 Daddy Long Legs 1955 (Fred Astaire as Jervis Pendleton III, Leslie Caron as Julie) に登場する女子学生寮の人々がこれに近いと私は解釈します。つまり、それ自体がstatus symbol だった時代があったのです。日本の大学でいう「教養課程」はこれとある程度密接に関連しているはずですが、それ自体が独立した話題にせねばならないような大きな事柄だと思いますので、本日はそれについては書かないことにします。なお、英語のアクセントの位置ですが、元は「外国語」なので覚えるしかありません。
trivium /tríviəm/
quadrivium /kwɑdríviəm/ 

本日はネタにしにくい事柄を集めて書きます。

TVCMで見る「light you up」という標語。主語は何?同社(ダイハツ)のウェブサイトを見ると、「地域に光を当て、人の心を軽くする」という説明があります。I/weが主語?たぶんそう。youが主語だと(You) Light yourself/yourselves upとなるはず。で、それはどの地域?でも「地域」に光を当てるのであれば、それはLight it upでは?CMなので主語はもしかすると「その車」かも知れません。そうしたら、それは Lights it upになるはず。考えれば考えるほど変な標語。そもそもですが、この会社は何を言いたいのか?何がどこの地域に光を当て、人の心を軽くする」、なぜその地域に光を当てると人の心が軽くなるのか?まるでわからず。たいして伝えたいことを持っているとも思えませんね。というか、ダイハツはアキオのグループの会社。まともな英語力を持った人がいるとは到底思えませんね。

東京メトロのキャンペーンFind My Tokyo、俺の東京を探してくれ?自分で勝手に探せば… これもダイハツ以上に意味不明。ダイハツ、東京メトロのように、情熱というか強いメッセージを持たない人が、あれこれいっても、やっても良いことは何もないようです。首脳陣は軌道修正をさせないのですね。Find your Tokyoならば理解できなくもないですが…  英語関係だとこの2点です。

ヴラディミール・プーティン氏は安倍晋三氏の国葬に出ると一旦は言ってましたが、最近取り消されたという報道がありました。ロシア軍はどうやってこの、戦争の最高責任者の身の安全を守るのか、私はいぶかっておりましたが、やはり彼らは2,3機の戦闘機がプライベートジェットを護衛する程度では守り切れないだろうと悟ったようです。そもそもプーティン氏は帰路ちゃんとモスクワに辿り着けるのか、辿り着けるにしても着陸できるのか自体がかなり不透明です。圧政君主が居城を留守にしている間に敵対勢力がクーデターを起こしている例は歴史的にありそうです。

私は最近戦争の戦略論に関して最新の知識を得ようとあちこち探しました。驚いたことに、カール・フォン・クラウゼヴィッツ以来、戦略論でこれと言った名著は出ていないのだそうです。複数の専門家、軍人がそう述べています。しかもクラウゼヴィッツ以前だと、それはニッコロ・マキャヴェリになるそうです。いやはや…軍人、戦争研究者たちは相当に怠惰な人々ということになりますね。しかも執筆途中で死去のため、クラウゼヴィッツの本自体が未完の作だそう。最近私はこれほど驚かされたことはありませんね。軍人は膨大な予算を消費して戦争を遂行しますが、それは19世紀の未完の戦略論を元に?最近、カール・マルクスの著作が若者に注目されているのだそうです。社会科学では人々は19世紀の理論に価値があるとでも?今週金曜日23時からのNHKの「ドキュランド」ではナイチンゲールの後編が放送されます。前回の「前編」の放送では、クリミア戦争以前と以降との衛生観念にこれほどのギャップがあったことは私には衝撃的なことでした。19世紀…あまりに遠い昔。もしかするとstrategyとは、軍事用語というよりは、完全にマーケティング用語になったのかも知れません。こうするとスルスルと理解できます。

これと似た話ですが、この2,30年の間の「地政学」なる分野では、ランドパワー、シーパワーという分類が堂々と行われて来て、ロシアはランドパワーの代表なのだそうです。当然、それらは、ウクライナでの戦争の前に書かれたものではあります。しかし、ロシア軍の脆弱さ、装備、練度の非近代性を見ると、ロシアは本当にランドパワーの代表なのでしょうか。そもそも、ランドパワーの定義、要件とは何か?プーティンはロシア軍の弱さに驚かされたでしょうが、我々にはそのことは更に衝撃的でありtogoました。戦略論、地政学なる学問は早々に近代化、見直しをする必要があります。

でもこれ、デジャヴ感がありますよね。日露戦争。世界中の誰もがロシアの勝利を疑っていませんでしたが、さしものロマノフ王朝もかなりぐらついていて、日本をコテンパンに負かすことはできないことを知り、アメリカの仲介で終戦交渉が行われ、テディ・ルーズベルト大統領はノーベル平和賞を受賞しました。今次のウクライナ戦争開戦時に、ウクライナがかくまで善戦することを予想した人は皆無だったはず。

写真は、フィンランドの有名な『東郷ビール』です。東郷平八郎が描かれています。フィンランドから見れば、極東の小国がロシアのいち艦隊をボコボコにした、ということだけで英雄にしたというわけですね。なお、トルコのレセップ・エルドアン氏はおそらくノーベル平和賞を狙っているでしょうね。かつてテロリスト集団であると自らを定義していたPLOのヤーセル・アラファトですら恥を捨ててノーベル平和賞をもらいましたので、クルド人を弾圧し続けているエルドアンにも資格、覚悟はありそうです。

最後に、保険。戦争が行われている地域、空域、海域では、船体などへの損害保険は適用外になると保険会社は宣言します。つまり、攻撃、撃沈されても一銭も保険金は支払われません。このリスクを受け入れて戦争地区に輸送船などを送り込む船主は普通あり得ません。ウクライナ領内とロシア内の国境沿いのエリア、クリミア半島、黒海などにまともな資産価値のある輸送船を送ることに同意する当事者はいないはず。つまり、今の戦争が終わらないと、穀物輸出再開はありえません。トルコの仲介で…という記事が最近ありましたが、そんな合意にまるで意味がありませんね。

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