字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2021年09月

本日は新浪剛史(にいなみ たけし)氏の英語を格付けします。彼の動画をいくつか拝見。日本語の方は流暢で、クリアーで、わかりやすいですが、英語の方では、予想外に訥弁なので、驚きました。聞いていると、こちらが息苦しくなりますので、どれもzippingしました。

彼の訛りを聞くとアメリカ寄りですが、アメリカ仕込とはまるで言えず、ほとんどトヨタの社長レベルです。ローソンで行列する、というような時に、queue という、典型的なBEを言葉、文字(TEDでのPowerpoint/Keynote screen)双方で使っていました。強いて言うならば、TEDはアメリカの団体ですが、現在のボスChris AndersonはBritishですので、彼に敬意を表したのでしょう。queueはAEとBEの比較でほぼ常に出てくる話題です。AEではline-upといいます。BEではqueue と綴って/kjúː/と発音します。(フランス語由来で綴りは何通りかありますが、イングランド人は選りによって一番ややこしい奴を輸入しました。)彼あるいは彼のスタッフ(当然スピーチライターが含まれます)あるいは両方とも、AE/BEあるあるには無関心、あるいは無知な人々だということがこれからよくわかります。誰かがTVカメラの前で話す時に、東京弁と大阪弁をごっちゃにして話していたら、あなたはその人の態度に違和感を感じるはず、話の中身ではなく。ほぼそれと同じです。(意図せずに、混ざる、あるいは混ぜるのは仕方ない部分もあります。)しかも、queue は誰でも間違えそうな綴りです。私は、あなたに自分の英語をAEにするのか、BEにするのか最初に決めねばならない、と常に申し上げておりますが、それはかなり大事なことだと思いますよ。あるいは人によってはそれはAussie Englishかもしれないし、Singlish (Singaporean English)かも知れません。でも、私の意見ではAEであれば世界中どこでもOKです。昔のラテン語のようなものです。



もうひとつは、関係代名詞whomを使っていることです。(たしかこのvideo clipで。)一言でいえば、whomはもう廃語なのです。これは英語圏では極めて有名な話です。おそらく20世紀前半から。whomは文法に登場する言葉であり、流行語ではありません。しかし、使う人は皆無です。日本で英文法を教えている人々はそれを教えますが、それは彼らがほぼ英語音痴だから。まともな英語の本1冊すら読んだことのないような人々です。教科書に書いてあったよ、という意見がありそうです。それは教科書、英文法書を書く人は、たいてい他の人の書いた本の多くの箇所をコピペしているから。私はたまに文法書を読みますが、「こいつ、何もわかってないだろうな」と思うことは本当に多いです。わかっていれば、書かれるべき、日本人初学者へのコメントがまるでない、これで書いたと言えるのかな、と疑問に思うことは多いです。それは英語で書かれた文法書でも同様です。まあ、それはともかく、あなたがwhomを使うことは避けた方がよろしいでしょう。AEでもBEでも。

Wikiを読むと、彼はハーバードのビジネススクールで成績優秀だったようです。なんとか受賞のような記述があります。(その意味が私にはよくわからないので、おそらく成績優秀者に授与されるものを受賞したのだろうと想像します。)逆に言えば、この程度の英語力でメダル授与というのであれば、これは我々に朗報であると言えそうです。英語がすべてではまったくないはずで、授業において、reading assingmentをしっかりと読んで整理した上で、授業に臨み、自分の意見を積極的に述べてクラスの進行に、あるいは議論の深化に貢献する、レポート類もちゃんと提出する、ということに対する評価なのでしょう。ただ、いずれも、英語でなされます。しかもクラスメイトは世界中から集まった秀才たちです。あなたは他の学生より上の評価を得ねばなりません。そしてあなたのクラスメイトは、あなたの足を引っ張るために、なにかとあなたをビールに誘い出そうとします。そのようなsocial eventも最低限こなす必要があります。なぜなら、彼らはアラブの石油王の孫であったり、Googleに採用される資質を充分持っていそうな、将来のエリート社員であったり、マッキンゼーの元社員であったり…という具合です。(もしかしたらあなたにとって彼らは授業よりも大事かも知れません…)たまには居合わせるであろうMITの学生(beavers?)たちとも交流せねばなりませんし。

このブログで扱った、この方に近い人を探すと、楽天の三木谷浩史氏の英語に近いでしょうか。でも明らかに三木谷氏の英語の方が上ですね。三木谷氏の会社ではすべての会議は英語で行われるそうですが、新浪氏の英語に関する限り、英語の会議はかなり苦しいだろうと勝手に想像させるビデオでした。

お勧め度maxの映画です。実話をドラマ化したものだそうです。人種差別が色濃く残るアラバマが舞台です。黒人の英語が非常にリアルです。2時間以上の映画ですが、同じジャンルの昔の映画よりも、非常に良くできていて長さを感じさせません。最後はあっけない幕切れです。すべての人に推薦します。黒人の訛りに耳を慣らしておきたい方には特におすすめです。

★ ★ ★ ★ ★

映画:『黒い司法  0%からの奇跡』(原題: Just Mercy)

公開:2019年

ジャンル:ドラマ、法廷ドラマ

時間:137分 

脚本:Destin Daniel Cretton
 
原作:Just Mercy: A Story of Justice and Redemption by Bryan Stevenson

監督:Destin Daniel Cretton

配役:
Michael B. Jordan as the attorney
Jamie Foxx as Johnny D McMillan

あらすじ:
アラバマ州で冤罪のため死刑執行を待つJohnny Dに、黒人の冤罪を救おうとする、ハーバード・ロー・スクールからの黒人弁護士が現れます。彼は成功するのでしょうか。

聞き所:
全編で聞ける、色々なタイプの黒人英語が極めて印象的です。

訛り:
黒人の特有の訛り。一部の白人の訛りも強烈。黒人にはSouthern Drawlはないようです。

私の評価:
エンタメ度   つまらない★★★ 面白い
文化理解要求度 高い   ★★☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★★ 少ない 
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ★☆☆ 多い 
-----------------------------------------
合計           ★12(満点15★)

台本総語数:11.7k  平均より2割多い

スピード:11.7k/137/2=170 wpm  計算上はやや速い 聴感上は普通

難解語割合:16/11.7k=0% (下記に掲載)

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)



スクリプト:
script.comには収蔵されていません。

単語:
check in with 報告する
make a break 逃げる
solace 慰め
death row 死刑を待つ列=死刑囚監房
slum it up ウロチョロする
Bend over and spread  肛門内を検査するための姿勢をせよ、の意(武器、麻薬を隠していないかをチェックするため)
Nam=Vietnam
take the stand 証言台に立つ=証言をする
habeas petition 人身保護申請
Medal of Valor 武勇の勲章
writ of certiorari 令状送達
PJ= pajamas
electrocution 電気椅子処刑
cuff 手錠をする
60 Minutes 有名なドキュメンタリー番組
bigotry 頑迷さ

最近Telegraphという新聞を読んでいて、驚くべき単位を発見しました。それはstoneという、重さの単位です。stoneと聞いて、重さ?嫌な予感…そう、その予感は正しいかも知れません。1 stoneとは14 poundsのことだそうです。6.3kgちょい、ということになります。私は長い間英語の新聞を読んできましたが、こんな単位は初めてです。まあ、UKの新聞はたまにしか読みませんので、そのせいでしょうか。

結論を先にいうと、stoneは重さの単位で、14ポンド。複数形はstoneあるいはstones。UKで、乾物の重量測定に用いられる---とのことです。薬、宝石以外のものの重さに、と書いた辞書もありました。一体、イングランド人は何個の単位を持っているのでしょうか。ほぼ無限のような気がします。それはどうもブリテン島でのみ使われるようです。あるサイトではアメリカ人にはわからないので、ポンドに換算せよ、換算には14倍してポンドで表せ、とアドバイスしてありました。いやはや…

その記事のURLは下に貼付しますが、それは中年の男性記者のダイエットの話です。つまり彼の体重が2 stone減ったらしいのですが、それは何のことだろう?というわけで私は辞書で探しました。

日本で「私の体重は大体、漬物石10個分です」といったら、相手はどのような反応を示すでしょうかねえ。テレグラフという新聞の記者ですので、おそらく一流大学を卒業しているはず。田舎の、訛りの強い、赤ら顔のオヤジとは違う(はずです)。

ある辞書では avoirdupois unit という単語を使って語義を述べております。以下にコピーします:
1. Avoirdupois weight.
2. Weight or heaviness, especially of a person.
3. A system of weight in which one pound contains 16 ounces.  (Wordnik)

avoirdupoisという言葉を見出し語として掲載する辞書もあれば、しない辞書もあります。etymonlineによると、中世のOFに由来するようですが、綴りの間違いも介在するとのことで、ちょっと訳がわからなくなりますので、ここに引用することは避けます。気になる方は下記をタップしてみてください:
https://www.etymonline.com/word/avoirdupois

上記の1 pound=16 ouncesという説明も、また次の地獄の釜が待っていそうですので、私は素通りします。斜め読みする方のためにいうと、それは1 stone=14 poundsとは別の話ですよ。

ASには非常に多くの単位があります。今でも私がわからない単位のひとつ、それはbushelです。穀物を測る単位なのですが、容積であり、なおかつ重量の単位でもあります。こんなことってありえます?普通は容積の単位と重量の単位は別物ですよね。でもASは両方をつなげてわかった顔をしております。というか、アメリカ政府発行の公的換算表にしっかりと出ております。彼らはこれらの非常に数多くの単位を、計算機がない時代から駆使してきました。隣のフランスは早々とメートル法に移行し、大陸の国々は次々にそれを採用していきましたが、ASは最後まで抵抗して、今日でも非メートル法の単位を堂々と使っております。しかもですね、飛行機では今でもアメリカが中心ですので、フィート、ポンドなどの単位が生きております。圧力は主に平方インチ当たりのポンドで表します。しかもネジには今でも2種類あり、見た目が似ていてもメートルねじとインチねじは合いません。(今チェックしたら3番目のねじもあるようです…)普段、アメリカでは目立たないカナダ人ですが、単位の話になると俄然、親近感が涌いてきます。彼らはASとフランス系の人々の2重国家ですので単位はスッキリとフランス流です。

まあ、本日の話はstoneという、ほとんど体重を測るためにしか使わない単位を私が「発見」した、という実にくだらない話でした。標題の変な単語は私の造語で、「イングランド人の使う単位への恐怖症」という意味です。なお、テレグラフ紙の記事のURL:(読むにはおそらく読者登録をする必要があります)

https://www.telegraph.co.uk/health-fitness/nutrition/diet/brexit-diet-lost-two-stone-three-months-took-back-control/

また、こんな場合もありえます。私は昨日堂島でコメを買ったとしますが、今日の方が、値が下がっているとします。私は今日の値段で買いを実行した方が有利になりますので、昨日の買いはすっぽかしたくなります。この気持ちは売り手にも当てはまります。こんなことが延々と続くのです。これでは、買いとは何か、売りとはなにか、取引とは何かということになり、取引は委縮するばかりです。

なお、そもそも論で、clearinghouseという言葉そのものに関して、ですが、元々は、ロンドンでの銀行間の小切手、手形などの差額決済のやり方でした。これが本来の意味です。etymonlineで以下のように解説されています:

clearing-house (n.)
also clearinghouse, 1805, from clearing + house (n.). The original was established 1775 in London by the bankers for the adjustment of their mutual claims for checks and bills; later the word was extended to similar institutions.

CLEARING, is a method adopted by city bankers, for exchanging the drafts on each others houses, and settling the differences.—Thus at a stated hour in the afternoon, a clerk from each attends at the Clearing House, where he brings all the drafts on the other bankers, which have been paid into his house during the course of the day; and, having debited their different accounts with the articles which he has against them, he deposits them in their proper drawers, (a drawer being here allotted to each banker:) he then credits their accounts respectively, with the articles which they have against him, as found in his drawer. Balances are then struck on all the accounts, and the differences are transferred from one to another, until they are so wound up, that each clerk has only to settle with two or three others, which is done in cash, or Bank of England notes.
[P. Kelly, "The Elements of Book-Keeping," London, 1805]

最後の、cash, BOE notesの違いがよくわかりません。この本が書かれた1805年には、まだUKでの紙幣発行権がBOE (Bank Of England)に一本化されていない時代でしたので、金兌換を約束した各銀行発行の紙幣が多数流通していた時代です。またcashはおそらく「紙幣」ではなく「貨幣」つまり、「金銭」を意味したのではないでしょうか。語源的にはcashは、ラテン語の「箱」capsaが、フランス語に入り、英語に入りました。より詳しくはetymonlineへのリンクを貼りますので、そちらを。その中でも、特に私の興味をそそる一文があり、それをここに引用したく:
Like many financial terms in English (bankrupt, etc.), it has an Italian heritage.
そういえばbank自体もイタリア語由来ですよね。
https://www.etymonline.com/search?q=cash

大阪の堂島は北区にあります。今はその跡地に、小さな、粗末な記念碑が立っています。clearinghouseの生まれた場所にふさわしい碑なのでしょうか。(wikiに写真があります。)その名前は堂島米(コメ)会所(かいしょ)でした。下の図は、当時の堂島米会所の賑わいを描いた浮世絵です。水を掛ける役割の人々がいるのは取引が過熱しすぎるのを防ぐためだったそうです。最近のCMEの写真も貼付します。双方は同じように、資本主義の考え方を推し進めましたが、一方はその役割を19世紀に終えて、21世紀に死亡宣告されました。一方はますます興隆しています。

dojima

















cme


















『大阪堂島米市場』講談社現代新書 高槻泰郎著2018、は主に経済史の視点で書いたものです。このclearinghouseについては触れていないと思います。江戸時代には、このclearinghouseの機能がついた、世界で最も先進的な先物市場がある一方で、コメを中心とした経済を徳川政権はずっと維持しようとしていたわけです。逆に言えば、租税を米にしていた中世的経済を、コメの先進的な取引所が補完していたので、コメ主義経済は、本来の制度寿命よりも永らえたと私は思います。(専門家の意見ではありません。私個人の、です。)例えば、まだ収穫されていないコメの手形を各藩が発行することで、先に現金を手にすることができました。東京にある蔵前という地名は、この界隈に、各藩の江戸でのコメ倉庫があったことに由来します。大阪にはそんな由来の地名があるのでしょうか。というか、大阪は低地で水害の起こりやすいところだったはずですが、水害からどうやってコメを守ろうとしたのでしょうかねえ。疑問は尽きません。いずれにせよ、19世紀半ばの時点でみても、米制度にはあまり将来性はなさそうですよね。

もうひとつの話題。それはコンピューターか人か、という話題です。上のCMEの黄色いジャケットを着た人々、少し多すぎるように思います。昔私が見物した時にその質問をしたら、ポリシーとして、「場立ち」と呼ばれる人々が、売り、買いのサインを出し、誰にでも聞こえるような声で、値段、数量を言う、折り合えば取引をする、それを政府の役人(CFTC)がすぐそばで見ている、不審な動きがあれば、すぐ調査が入る、というような回答でした。つまりコンピューター化をした方が、取引コストは安くなるだろうが、誰も見てないので、そのつもりのある人には相場操縦をしやすくなるのだろう、CMEはそんなことは望まない。公明正大に、昔通りのやり方で、声を出して、売買するのだ、というのです。なるほど。立派な見識ですね。今でもこのやり方を継続しているかどうか私は知りません。ここでもやはり博打と紙一重の、取引所というものの本質が描かれていますよね。

ちなみに、日本語の「主食」、これに最も近い英語はstaple foodですが、欧米には「主食」という考えはないと私は思います。アジアにはありますよね。草食動物のstaple dietは草ですが、人間のような雑食動物には普通はstaple foodは存在しないのではないでしょうか。日本語の「主食」には文化的要素が入っているために少し話がずれてきますよね。いずれにせよ、このことに気づいていると、あなたは食品に関して変な思い込みをしなくて良くなるでしょう。アジアでコメが重要な役割を果たす理由は?それはおそらくコメが連作可能だからではないでしょうか。連作しないと収量が落ちるそうですよ。こんな作物は他にありませんよね。2回に渡ったこの話題はここで終了です。

先日のpostの中で、真子妃と佳子妃の名前を間違えておりました。訂正しておきました。大変失礼いたしました。

さて、日本人のうちでLeo Melamedなる人物について知る人はほとんどいないと思います。彼はヨーロッパにいたユダヤ系の家系で、戦前、杉原千畝のヴィザで命を救われました。シカゴに住み、電子化される前のシカゴの取引所で「使いぱっしり」(runner)の仕事をしながら弁護士になりました。当時は黒板に手書きで数字を書いていた時代です。たしか今世紀になってからだと思いますが、日本政府から勲章を授与されています。

シカゴは有名な取引所CMEのあるところです。ニューヨークが株などの「現物」の市場とすれば、シカゴは「先物」「オプション」などの市場です。ちなみに、シカゴ大学経済学部は伝統的にCMEなどを支える頭脳の役割を果たしてきました。私はむかしCMEの解説書を読んでいて、そこに江戸時代の堂島のコメの取引所の機能をCMEが取り入れた、という主旨の説明があり、驚きました。署名はありませんでしたが、おそらくその部分は、Leo Malemed氏の著述だったろうと思います。(それがCBTであったかCMEであったかは忘れましたが、今は両社は合体しています。)Melamed氏は彼の名前のある著作の中で何度も、以下で説明する「堂島」の先進性に詳しく言及しているそうです。

日本語の本(後掲)を呼んでもその意義は分からないと思います。それを一言でいうと、18世紀の、世界中の取引で、たとえばロンドンの株取引で、東インド会社の株を私が売ったとします。でも代金が支払われない、ということがしょっちょう発生していました。その場合、私にできることは、買い手がどこの誰かを教えてもらって、その人物に会って、金を払え、と催促することだけでした。私が買った場合でも同様です。なぜそのようなことになったのでしょうか。それは、どの取引所も取引参加者の信用状態、売買履行について責任を負わない、と明言していたからです。でも日本の堂島(大阪)にあったコメの市場だけでは別で、市場が信用管理を引き受けていたのです。つまり売りでも買いでも安心して行うことができました。この機能を英語でclearinghouseといいます。たしか日本語で、手形交換所という訳をあてるのが普通ですが、それでは堂島に関しては、ちょっと理解の妨げになりますね。clearingというのはこの場合、売り買いを清算することをいいます。堂島が世界で初のclearinghouse付きの取引所でした。これは実は偉大な発明でした。

なぜ昔の取引所は責任を持たなかったのでしょうか?それは取引は博打(ばくち)と同じである、という考えに基づきます。博打うち同士で片を付けろ、胴元は関与しない、というのが世界のルールです。ですので、ギャンブルでは、常に現金か現金を交換したチップでなされます。博打うちにお金を貸すのはどぶに捨てるということです。堂島だけは、事前に証拠金を積ませて、その範囲で、売買をすることができるようになりました。(当然レバレッジを効かせたはずですが、私はその部分に関してはよく知りません。)これは現代の株取引と同じですね。このシステムは、19世紀前半にシカゴの先物取引所に取り入れられ、アメリカ中の誰もが、世界中の人々が、安心して取引に参加できました。このため取引量は順調に伸びていったと言われています。あなたがこんにち思い通りに株などを売ったり買ったりすることの背景には、このclearinghouseというものが見えませんが、ちゃんと機能しているからです。

長いので残りは明日に。

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