字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2021年07月

まず、今日はミケランジェロの有名なquote (adage)を引用します。

The greatest danger for most of us is not that we aim too high and miss it but that we aim too low and achieve it.

短いですが、彼のような天才だからこそ言える言葉なのでしょうね。

ただ、wikiquoteによると、これが本当に彼の言葉であるかどうかは不明だという意味の記述があります。最下段にURLを貼っておきます。検索と言う武器を使って、まったくイタリア語のできない私が調べると、現代イタリア語で、上記の英語は以下のようになるようです。イタリア語で、このadageがいつ頃から存在しているのかなどがわかると、wikiquoteの説をチェックすることもできるのでしょう:

Il pericolo più grande per la maggior parte di noi non è che miriamo troppo in alto e lo manchiamo, ma che miriamo troppo in basso e lo raggiungiamo.

さて、これがミケランジェロのものであろうが、なかろうが、適切な目標設定は、ビジネスあるいは個人の生活において結構重要です。このブログを毎日読む人は、必要以上の長期に渡り勉強をする必要はありません。実はあなたの聴き取り力はもうすでに十分開拓されつくしているかも知れないのです。それをあなたが知らないだけかも知れないのです。何度も書きましたが、あなたがそのことに気づく場合、つまり聴き取り力が徐々に伸びていると感じることはおそらくなくて、或る日突然それを感じることになります。その機会がたまたまないばかりに、必要量を上回る努力を継続しているのだとしたら、あなたにとってそれは無駄です。その機会がないかも知れない人は、NHKの海外ニュース番組の英語チャンネルの音声を聞いてみることです。以前よりもずっと聴き取りができているとあなたが感じるのであれば、あなたの力は着実に伸びていた、ということです。それ以上伸ばすには別の機会が必要です。それはおそらく「現地で」暮らしてみることです。生活すると、今まで高校生のような暗記をして覚えた、あるいは覚えようとしたidiomが、日常の生活の中で次々に出て来ます。その時の前後関係などは、そのidiomと一緒にそっくりあなたの頭の中に残って行きます。これでもう忘れることはなくなります。毎日がそのような刺激に満ちています。

その時に、おそらくあなたが感じることは、土台となる部分をもっと大きくしておけば良かった、ということでしょう。これは実は何を意味しているのかは人により意見が異なる可能性があります。私の意見では、忘れても良いので、なるべく多くの表現に触れておくこと、です。ということは、もうこの段階で、あなたが聴き取りを継続するにしても、従来のやり方よりも、ポイントをかなり絞り込んだ勉強法に切り替えた方が良い、ということです。たとえば、NHKの海外ニュース1,2本をずっと聞いて、勉強のターゲットにすべきことを2,3ピックアップします。残りがある場合捨てます。そしてそれをある程度徹底して調べて、再度そのニュースを聞きます。このようなやり方に切り替えてみましょう。あるいはいつかこのブログで紹介したNYTの記者のpodcastです。

https://en.wikiquote.org/wiki/Michelangelo

なお、一度身に付いたに見える聴き取り力は、維持する努力を続けないとすぐに剥がれ落ちてゆきます。そのためには、今までの努力を継続する必要はありませんが、最低1日1回位は、これまでに聞いた音源あるいはあるいは新しい音源を集中して聞くような努力が必要です。おそらく10分か15分程度で十分でしょう。

ちょっとした語句を入れて、文章、発言が鮮やかになる場合があります。もしあなたが以下の言葉を気に入ったのならば、頭に入れてたまに使ってみるのはいかがでしょう。ただ、すべてが話し言葉で使われるとは限りませんが、書き言葉ではどれも使えます。これで友達をなくす場合はないとは思いますが、その可能性はゼロではないかも知れません…

ある意味では  in a manner of speaking
最近の日本語の用法では、「では」を省くようです。日本語では、「別の視点だと」という意味だと私は了解しております。これにgood/badを付けることはsolecismではないでしょうが、あまり見ません。ただ検索すると出て来ますね。

in a senseを「ある意味では」と対応させている人も多いでしょう。これにgood/badを足すと、in a good sense いい意味で、in a bad sense 悪い意味で、をつくることができます。こちらだとgood/badをよく付けますね。

経験則では/大体のところ  by rule of thumb
rule of thumb自体が「親指の幅を基準にした測長」を意味します。このフレーズのfolk etymologyがあって、common lawにおいては、中世に、亭主が妻を棒で叩くのを許していた時代があって、そのときの棒の太さが、親指の太さ以下であれば、という条件付きだったということです。common lawとは、イングランド独特の、明文化されていない、「法」体系です。common lawとは「慣習法」と訳されます。反対語はstatute lawです。現代で、奥方が亭主をせっかんする場合、それはcommon lawに基づくのでしょうか。 hyphenateして、rule-of-thumbだと「大雑把な」の意味になります。inaccurateだとバッサリ感があり過ぎる場合にいかがでしょう。

唐突に apropos of nothing
aproposを初めて見る方もいらっしゃるかも知れません。これはフランス語ですので、最後のsは英語でも発音されません。フランス語でpropos とは「短文」のことを指します。アランという有名な哲学者の書いたエセーを、本人はpropos d'Alain と呼びました。英語のaproposは、フランス語のà proposに由来し、その意味は by the way とされています。両者の本来的な「意味」は、「言葉において」ということですが、フランス語でも英語でも本来の意味から少し離れた意味を持つようになったようですね。goo辞書に掲載されているフレーズ、例文が非常に適切だと思いますので、ここに掲載するのは省いて、ぜひ、一度その項目を覗いてみてください。発音ファイルもありますよ:
なお、これは書き言葉専用ではないでしょうか。

ちなみに apropos
aproposは形容詞であり、副詞であり、前置詞でもある、という便利なことばです。ということはその分曖昧な意味しかないとも言えます。別の言葉でいうと、たくさんありそうですが、私の場合はincidentallyでしょうか。ただし、これは副詞です。「ちなみに」で申し上げますが、英語にはen passant 「ところで」というフランス語由来の言葉もあります。

言わば  as it were
「いわば」so to speakと高校で覚えた人も多いでしょう。その仲間です。このフレーズにはifはありません。私の感覚だと話し言葉でも使われます。if you willという言葉を使う人もいます。いずれにしても、多用は慎むべきでしょう。ついでに if を使う別の意味のフレーズも見ましょう。

as if it was nothing  何事もなかったかのように   上記のpropos of nothingの仲間ですね。
as if it were nothing との文法的違いはあるとは思いますが、日々の英語ではあまり気にしないで使い分けしない人が多い印象を私は持っています。

似た表現でif you ask meというのもあります。「私に言わせると」という意味です。女性でも使います。

これらは、英語学の系統の学問を修めた人には、少し精密さに欠ける印象があるのかも知れません。しかし、私はこれらの和訳と対応させて別段問題なしと考える方です。日本でもアメリカでもすべての人がlinguistではありませんので。

今日は私が久しぶりにYouTube/TEDで見たプレゼンを取り上げます。

タイトルなどは以下の通りです。この方は、アメリカでは、かなり有名な方です。彼女は英語版「辞書を編む」とでも言える仕事をしてきました。「訛り」について話をしますが、少し励まされる内容です。アクセントはStandard American Englishです。クセのない、ややゆっくりとした話し方です。難しい単語は一つもありません。

speaker   Kory Stamper

title          You Speak You



この人は、少し前までM-W(Merriam-Webster)社で辞書編纂の仕事lexicographerをしていた人だそうです。つまり今は退社しているようです。おそらく博士号を持っているはずですが、詳細などはわかりません。Wikiには単にAlma mater Smith Collegeとなっているだけです。ちなみに、Alma mater とは「母校」を示すラテン語です。

この10分位の話で、彼女は3つの話題を述べています。
(1)I'm done my homework. という表現について
(2)irregardlessという言葉について
(3)English is a river with currents.

あなたがこのプレゼンを見た後で、この3番目の私の記述はどのようなことを意味しますか?考えて見ましょう。

私が上記の(1)から(3)を書きましたが、それは十分に妥当とは限らないかも知れません。参考程度にしておいてください。
audienceの反応(笑い)の意味を考えて見ましょう。

話題の事柄のうちいくつかは定番の話題です。バッサリいうと新鮮味のない話題ですが、そんな余計なことを知らない方が楽しめるでしょう。

すべての事柄に「正解」があるとは限りません。自信を持って自分の意見をまとめましょう。この動画を繰り返して見ることを否定しませんが、このブログの読者の多くの方には一度で十分だと思います。

59 words/phrases

brigade 旅団
vow 明言する (cf. vow and declare that…ここに宣言する)
Terbinium 実在する元素
artifact 遺物
snowed under 超多忙の
float the bill-->資金のやりくりをすることをfloatと言う(小切手を切ってから実際に引落されるまで)ここではbottom of the oceanとの対比のためにこの単語が使われている
lobotomize ロボトミー手術する
fuck with いじる
pain in the butt 面倒
jock スポーツ選手
tantalize じらす
top operative 一流のスパイ
measly はした金の
hanky-panky 不倫
voluptuous 官能的
demure 控え目な
sleazy 性悪の
schizoid embolism 統合失調症?
hell of a day 大変な一日
blab ペラペラ話す
mugger 強盗
delusion 妄想
erasure 消去
beats me=I don’t know
kinky 変態的
Botco???
Tomorrow's fuels, tomorrow's prices.???
Quaid porking my old lady-->pork=sex
my old lady=mama
patch 修理する(patchを当てる)-->鎮める
sunspot 太陽黒点 電磁波に悪影響とされる
bug てこずらせる
fuck Cohaagen good ここのfuckの意味は「だます」
you’re there??? there you’re という節の方が収まりが良いように見える。後者の意味は「できたね」
get one’s ass to ~へ行け、急げ
nail つかまえる
Get out of the way 道を開けろ=make way
get to business 本論に入る
psychic 霊能力者 (cf. psycho 精神病者)
play along 調子を合わせる
erase your ass あいつ(Hauser)を始末する
my fare fare=customer
a Taurus 牡牛座生まれ
picky 選り好みの多い
You’ve got a nerve to do ~するとは度胸があるな
holler 大声
for good 永遠に
delusion 妄想
schizoid embolism 統合失調症塞栓症?
snap ちょいと動かす
upstanding 正直な
bosom buddy 親友
get a grip on sth ~をコントロールする
scared shitless 死ぬほど恐れて
Snap out of it 元気を出せ
sniff out 嗅ぎわける
hog-wild 凶暴な
Indian giver 交渉で一度贈与するが後でそれを取り返す人

面白い記事がありました。東洋経済のサイトです。感心のある方はのぞいてみてください。ない方は★★★★★の下へどうぞ。

タイトル:五輪開会式「バッハ会長の話し方」は二流の典型だ    「話し方のプロ」が6つの問題点を徹底解説  岡本 純子 : コミュニケーション・ストラテジスト
https://toyokeizai.net/articles/-/443069?utm_source=morning-mail&utm_medium=email&utm_campaign=2021-07-25&mkt_tok=OTA3LUpLVC0yNTEAAAF-eaP0kWbxdgrpVkxSDcfCf0parackiqzzDZZvG6Cu4ALncebg2iDqBpKN2J3S7wrEuk3mO2IkQ1UzzXlqAPAM0wmYCtMSP5BTqy4TKbKQ3oZBoA

『トータル・リコール』には1990年の作と、2012年の作があります。これは前者です。

★ ★ ★ ★ ★

映画:『トータル・リコール』(原題 Total Recall 1990 )

公開:1990年

ジャンル:SF、コメディ

時間:113分 

脚本:Ronald Shusett
 
原作:"We Can Remember It for You Wholesale" by Philip K. Dick

監督: Paul Verhoeven

配役:Arnold Schwarzenegger as Quaid/Hauser

あらすじ:
Hauserは毎晩変な夢に悩まされる。ある日、ヴァカンスを実体験しなくてもその記憶を売るという会社に興味を持ち訪問する。そこでトラブルが発生する。Hauserは火星に到着し、色々なトラブルに会うが、自分には別のQuaidという名での人生があった、あることを知る。

聞き所:
Dr. Edgemarという人物が登場するシーン。彼の主張は非常に興味深いです。よく出来ていますね。日本のドラマなどでは登場しないような、精密な議論の応酬があります。

訛り:
なし。(唯ひとりSchwarzeneggerの英語にやや強い訛りがあります。)

私の評価:
エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★★☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★☆ 少ない 
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
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合計           10★(満点15★)

台本総語数:6.7k  平均的なものよりも3割少ない

スピード:6.7k/113/2=120 wpm  かなりゆっくり。(この数字は映画の上映時間の半分がdialogであるという前提での仮説的なものです。参考程度に。)

難解語割合:59/6.7k=0.88%  少ない

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)




スクリプト:
http://www.script-o-rama.com/movie_scripts/t/total-recall-script-transcript-arnold.html
stage directionのないscriptです。

コメント:
ある作品がヒットすると、2作目、3作目が造られますが、私の意見では、概ね第1作の方が良い場合が多いと思います。

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