字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2020年11月

皆さんは、Martin Luther Kingの、有名な "I have a dream" speechをお聞きになったことがあると思います。全体を知らなくても。(私も全体を知りません。)"I have a dream..."という繰り返しをしています。この繰り返し、repetitionと呼んでもよろしいのですが、rhetoricでは特別な名前 anaphoraを使います。発音は /ənǽfərə/ です。この発音は要注意です。

(1)anaphora、初出は1572年(M-W)だそうです。辞書では、「首句反復」という訳語が当てられています。Kingの、上記のスピーチの中にはいくつかあるようですが、以下のものをピックアップしてみました:

Now is the time to make real the promises of democracy. Now is the time to rise from the dark and desolate valley of segregation to the sunlit path of racial justice. Now is the time to lift our nation from the quicksands of racial injustice to the solid rock of brotherhood. Now is the time to make justice a reality for all of God’s children.”

"now is the time"というフレーズが数回使われています。

例によって語源ですが、古代ギリシャ語のanaphoraでreference, carrying backなどの意味を持っている語だそうです。それがラテン語に入り、英語に、ということことです。(etymonline)

(2)anaphoraの反対語があります。 epistropheと言います。/ipístrəfi/が発音です。iにアクセントがあるので、隣の音節troでは、diphthongになりません。こちらの訳語は「結句反復」だそうです。

government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the Earth.  (Abraham Lincoln)

the peopleが文末で3回繰り返されていますね。語源では、epi-がuponを意味し、stropheの方はturningを意味する言葉だそうです。やはり、ギリシャ語、ラテン語、英語と伝わったそうです。

両方とも書き言葉で、相手に強いイメージを残す、という説明がどこかにありましたが、両方ともスピーチで使われているというのは興味深いです。

さて、2つは多いので、どちらか一つを、ということであれば、私はanaphoraを選びます。もしあなたが英語のプレゼンでanaphoraを使えば、印象的なメッセージを伝えることができるでしょう。なお、This is very important. This is very important.と繰り返すのは、rhetoricalではなくて、repititionだと思います。

昔の日本での映画ポスターで、Clint Eastwoodの綴りが、間違えて、Crint Eastwoodとされていたことが、私が最近読んだ本で指摘されています。その一節を引用します。

日本語にはの音がなく、クリントのリの音は、ローマ文字で綴れば、riにあたる。ClintをCrintと綴りまちがえたのは、、明らかにそのためである(もっとも日本語の音はイギリス英語の音にかなり近いのだが)。    
------『文字の起源と歴史』p252 創元社 ロビンソン著 2006 "The Story of Writing" 1995の和訳本

これは私が昔から感じていたことでこのブログで過去にたしか一度触れたことがあります。今回この文章を読んで、自分が正しかったと思って少し安心しました。

英語の「R」の音の発音は一通りしかありません。英語で-erという発音の時は、BEでは、たとえばsoonerの発音では/suːnə/となります。これがAEでは/suːnər/となります。これ(-er)以外の発音では、「R」の発音は一通りあるだけです。

ですが、「L」となると、2通りあります。一つは普通の[l]の音。たとえば、cool /kuːl/ですが、もうひとつ/kuː_/という音があります。この_のところに入る発音記号がありますが、英語ではまったく扱いません。ただ単にl-vocalization、つなわち「Lの母音化」と呼ぶだけです。この現象は英語の他の類似の綴り字でも発生します。たとえば、all ball doll などのll(2個のL)で起こります。つまり、Lの発音には2種類あって、それは/l/とl-vocalizationです。テレビ番組名で「ワンダホー」と書いて、「ワンダフル」というのは、私の意見では正しいです。この最後の「ー」、長音がl-vocalizationと呼ばれます。

逆に、語の頭、あるいは頭近くにある「L」の音は、vocalizeされません。たとえば、London、blue など。万がいち、l-vocalizationされると何の語か判別できなくなりますね。問題は語の中頃の「L」の音がvocalizeされるかどうかですが、私の意見では、しょっちゅうされます。vocalizeする人とあまりしない人が話していると、私は少しばかり頭がクラクラします。なんらかの規則があるかどうかはわかりませんが、強いていえば、黒人に多いかも、という印象ですが、ハッキリとそう言えるほど強いものではありません。むしろ個人の癖ではないでしょうか。

我々はどう発音すれば良いのかですが、私としては綴り字に近いのがbetterだろうと思います。ちなみに、私は日本語の話でも、「L」の音を意図的に発音しています。例えば、音楽でいうblues、日本語のブルースですが、意図的に下を上の歯茎の根元にネッチリとくっつけて発音しております。でも日本人でそれに気づく人はいませんね。

この、「L」の発音に2種類あるというのは聴き取りでは結構大事です。私の意見ではこれが日本人のLRの聴き取りを難しくしている原因の一つだろうと思います。

トルストイの『アンナ・カレーニナ』の書き出しは有名です。日本語で「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。」とされています。英語に関心のある我々としては、英語でどうなるか、です。まず、名前ですが、Leo Tolstoyです。(ロシア語をLatinizeするとLev Tolstoyとなるのだそうです。)英語圏では、Tolstoyでも結構ですが、Leoも含めて覚えておくとより良いように思います。英語では以下のように訳されています:
"All happy families are alike; each unhappy family is unhappy in its own way."

さて、標題の文は、ユリウス・カエサルが書いた『ガリア戦記』の書き出しの英語訳です。この元のラテン語は次のものだそうです:
"Gallia est omnis divisa in partes tres"

ラテン語を知らなくても見ただけで意味がわかりますね。ビジネスでは、何であれ、結論を最初に持ってくるべし、できるだけ簡潔に、が黄金律ですが、たまに教養をひけらかすことが得な場合があるような気がします。大胆にやると嫌みに取られますが、チラッとであれば効果的な場合があります。プラトン(Plato)以来、ヨーロッパではtrichotomy /traikάtəmi/、つまり三分法は知識人の根本的な手法です。カエサルはそれを知っていて、古代ギリシャ哲学の伝統に従って、冒頭でガリアを三分したのだろうと私は思います。もしここに学ぶべきものがあるとすれば、三分法ですかね。これをやるだけで、高度な教育を受けた人々には気づかれますが、そうではない人々にはスルーされます。ほぼ嫌み度ゼロです。

さて、それに続く文は以下の通りです:
Gallia est omnis divisa in partes tres, quarum unam incolunt Belgae, aliam Aquitani, tertiam qui ipsorum lingua Celtae, nostra Galli appellantur.

All Gaul is divided into three parts, one of which the Belgae inhabit, the Aquitani another, those who in their own language are called Celts, in our Gauls, the third.

カエサルのこの本は全部で8巻あり、あらゆる段落に番号が振られていて、まるで聖書のようです。Belgaeとはおそらく今のベルギー人を指すのでしょうが、ガリアの北側の今のベルギーのことであろうと私は想像します。Aquitaniとは南西フランス大西洋岸のことだと思います。現代でのAquitaineアキテーヌという州(県?)の名前で残っています。自分たちをCeltaeと呼び、我々ローマ人はGaulsと呼ぶ、ということです。と書いたカエサルは、別にガリアの地図を知っていて、それを念頭に置いたということはないだろうと思います。ガリアの北のはずれにBelgae人がいて、南にはAquitaniがいる。それ以外がガリアである、というわけです。Celtaeはケルト人のことでしょうね。なお、カエサルに征服されて、それ以降、これらの地域には名前が付けられ、Gallia Belgica, Gallia Aquitania, Gallia Celticaと呼ばれます。

なお、カエサルの前に文字でガリア地方のことを記述したものはなかったと言われていますので、どうしても後世の研究者はカエサルの記述に依存します。筆記者を連れていき、その人物が『ガリア戦記』を書いたのであれば少しは客観性を持ちますが、そうではありません。カエサルが自分で書いたのです。なお、フランス人はケルト人とゲルマン人の混血です。フランス語が少し他のロマンス語と違うのはそのせいだろうと私は思っております。たとえば、ポルトガル語はスペイン語(カスティーリャ語)よりはフランス語に似てますよね。イベリア半島もケルト人の痕跡が色濃くあり、ブリテン島との往来がさかんだったようですので、もしかするとケルト語の影響を色濃く残しているのではないか、というのが素人である私の意見です。

次いで、この本で大事なことは、この本を書いたのは自分(I)ではなく、第3人称third personで書きました。こうすることで、文章に客観性の匂いを持たせることができます。このthird personの意味は、自分が第1、自分と対話する相手のが第2、と割り振りますので、それ以外は第3人称となります。第3人称の視点で書かれているということは、この本『ガリア戦記』を読んで初めて気づくことのひとつでしょう。

さて、そもそも論ですが、なぜカエサルはガリアへ戦争に出かける必要があったのでしょうか。その理由は、異民族平定の戦争をすることでローマの安全を高めることは表向きの理由であり、その背後には、彼が負った膨大は借金を返済するためだったと言われております。加えて、兵士に戦利品を与えて、士気を維持することが必要でした。たしか彼はこの戦争で7年間ローマを留守にしたはずです。では、貴族の端くれであったカエサルはなぜ膨大な借金をしていたかですが、それは彼が並外れた浪費家であったため、と言われています。庶民にパンを無料で与えて人気を得ようとする、惚れた、あるいは別れたい女性にものすごく高価な宝石をプレゼントするというようなことはしょっちゅう行われていました。そのためにカエサルは庶民の人気が高かったし、女性との離縁トラブルが起きにくかったと言われています。彼に捨てられた女性でカエサルを悪くいう人はいなかったと言われています。(誇張かも知れません…)

なお、カエサルの彫像はどれも締まった体型ですよね。おそらくその最大の理由は、彼は幼少期から病弱だったことでしょうが、それ以外に、癲癇(てんかん)持ちだったことも関係しているかも知れません。戦争に出かける時は、彼は兵士と同じ、フスマ付きの小麦粥を食べていたから、と言われています。粗食では発作が治まったのだとか。(ちなみに、日本で売られているフスマ入りのパンに使われているフスマにはローマンミールRoman Mealというアメリカのブランドのロゴマーク付きのライセンス製品がいくつかあります。関心のある方は今度注意して見てください。小麦胚芽入りのパンです。)

最後ですが、この本は "Commentarii de Bello Gallico"というタイトルです。英語では"The Gallic Wars"です。belloはfightsのことです。ラテン語のタイトルは「ガリア人との戦闘のコメント」なのですね。ちょっと拍子抜けします。

今日はあまり中身のないボヤキです。かなり以前、浅草の公園のベンチ。ある老人が手帳に青インクの太目のペン先の万年筆でギッシリと几帳面な字を書いておりました。私は瞬間的にそれはドイツ語だと判断しました。独特のヒゲ文字だったからです。そして単語が長かったからです。(ドイツ語では単語を日本語のようにどんどんつなげて行けます。)その人の外見は、日本人の老人のいわゆるホームレス。ドイツ語で日記のようなものをしたためる人がホームレス稼業をしている、というまるで小説のような世界。本当にある話なのだと驚きました。簡単に他人に読まれないようにしていたのでしょう。私は「ドイツ」が苦手です。Germanophobiaですね。

ドイツとは何か---よくわかりません。英語でこの国をGermanyと呼ぶのは、古代ローマ軍がGermaniaと呼んだからです。でもNetherlandsの形容詞形はDutch。これはドイツDeutschlandの語幹のことです。「ドイチ」と発音されていたはずのものが、英語話者にはDutchとして定着した、というわけです。日本語の「ドイツ」はオランダ語のDuitに由来だそうです。(Wiki in English "Names of Germany")ドイツ国という考え方が出現するのは1871年に小さな国々を統一して、共通の国王を置き、改めてDeutschlandと呼んだから、と言われています。これでやっと「ドイツ」という国の領土と国民が確定します。つまりそれまでは、かなり緩い呼称に過ぎなかったというわけです。「イタリア」と似ていますね。Deutschの語源は、古いドイツの言葉で「人々」を表すduitという言葉に由来するそうです。(ぜひ混乱なさらぬように。duitをめぐり、私がまるでオランダ語とドイツ語を混乱しているようですが、オランダ語はドイツ語の訛りの1形態です。オランダという「国」は中世のたしか8個の「国」の連邦で、おそらく言語も数個の訛りに分割可能なのだと想像します。)英語式の綴りTeutons(テュートン人)の語源は、Germanicsではなく、ケルト語由来という説があるそうですが、異なる説もあるようです。つまり、duitとTeutonは無関係かも知れません。

次に、世界史で登場する神聖ローマ帝国。でもそれは「ドイツ」ではありません。ドイツ語とは何か---私はよくわかりません。ドイツ語の初歩の教科書などの言語は「標準」ドイツ語だそうです。それはどこの言葉でしょうか?それはドイツ語でHochdeutsch (英語ではHigh German)と言います。(ちなみに反対語はNiederdeutsch、低地ドイツ語です。Nederlandの語幹とほぼ同じ言葉です。)それはどこのことでしょうか?おそらく南部のあたりバイエルン(ミュンヘンのある州)のことでしょうか?でも北部の人々はバカにします、というか反対します。

ある本は、現代ドイツ語の出発点はマルティン・ルターがドイツ語版聖書翻訳に没頭していたヴァルトブルク城の近くの町アイゼナハあたり、と言います。そして、これが現代ドイツ語の標準語を話す地区であると。別の説は、ヴィッテンベルクというルターが聖職者をしていた町だと。アイゼナハとヴィッテンベルクの距離は200km位です。東京を中心に言えば、200km北に行くと福島県です。北西に行けば新潟県です。南西に行けば静岡県です。200km離れると言葉は相当違いますね。ぼんくら頭にはよくわかりません…

そもそも「ドイツ」とは、国(地理)を指すのか、文化を指すのか、言語を指すのか。あるいはもしかすると人を指すのか。

ちなみに、「標準ドイツ語」の文法では「格」は4つあると教わります。ですが、Niederdeutschには、現代では3つしか存在しないそうです。(というか、標準ドイツ語でも主格と対格の活用は元々かなり似ていますのでおそらく、面倒くさくなって、イコールにしちまえ、ということではないでしょうか。私はそれ以上詳しく知らないので、この意見はあくまで私個人の見解だとみなしてください。)もしそうであれば、なにやら少しばかり英語史に似ているわけです。

これがたとえばフランス語、つまりフランク人の住む国、フランク人の話す言葉、であれば、中世初期のフランク王国は今のフランス共和国とはまるで違う形、大きさですが、ドイツに比べれば変化はかなりわかりやすいです。ですが、話が「ドイツ」となると私はもうお手上げです。神聖ローマ帝国初代皇帝カール大帝の居城はどこだったでしょうか?おそらくアーヘンです。アーヘンは今の何州にありますか?たぶん、Germaophiliaの人でも知る人は少ないはず。そこは、かつての領邦国家時代に何という領邦でしたか?おそらく一般人(非研究者)で知る人はいないでしょう。

そもそもドイツ語の単語が長すぎます。あるオレンジジュースらしきもののラベルにいわく:
kohlensäurehaltiges
orangenfruchsaftgetränk
mit 20% orangensaft

ある程度単語を知っている人にはどこでつないであって、infixは何か、というようなことは推測できるのでしょうが、初学者にはムリです。kohlensäurehaltigesはkohlens äure haltigesなのか、kohlen säure haltigesなのか、kohlen säureh altigesなのかわかりません。これをいちいち紙の辞書で調べて予習をするのが私の時代のやり方でした。小一時間もやっていると、辞書を壁に投げつけたくなります。

このようにドイツという国は取っつきづらい国です。私にとっては。で、そもそも論ですが、もし私がこれらをクリアーに理解できたのであれば、私はドイツ語をそこそこモノにできたででしょうか。たぶんnein (no)でしょうね。しかも、ドイツ人の多くは英語が話せます。極めて流暢な英語です。その理由は簡単。英語はゲルマン諸語にベースを持つ言語なのです。ロマンス語ではありません。

ここまで忍耐強く読んでくれたあなたへのおまけ。英語でaha experienceという言葉あるのはご存知でしょうか?日本語の「アハ」と同じ発音です。これ語源はドイツ語だという説をどこかで読んだことがあります。(それは誤りかも知れません。)ドイツ語でも間投詞(interj)で、「わかった」「そうだったのか」という言葉がそれで、それがそのまま3文字で英語に入ったらしいです。  これに代わるsnobbishな英語は "Eureka!" でしょうね。   発音は/juəríːkə/です。アメリカでは地名にまでなっています。ordinary peopleの使う相当する単語は"Gotcha"でしょうか。でもGotcha experienceなんて聞いたことがありません…

もひとつおまけ。フランス語でドイツのことをAllemagneと言います。語源は「アルマン族」、つまりゲルマン民族のうち、ライン川に近い西側にいた種族の名前をとって、「ドイツ」全体をその単語で呼びます。ドイツ語ではフランスはFrankreich、つまりフランク族の国、と言います。(スペイン語ではドイツのことをAlemaniaと呼びます。おそらくフランス語から入ったのではないでしょうか。)こんなところにも古代ローマ文明の痕跡があるのですね。

ドナルド・トランプとは何であったのか----この要約は少しは意味があると思います。

(1)私としては、先ず、彼は共和党の代表的政治家であったということを挙げます。職業的政治家の経験がないにも関わらず、です。驚くべきことだと思いませんか?私見では、彼はおそらく自分の信念、価値観に基づいて、NYCのトランプタワーの自分のオフィスでやっていたことを、DCのホワイトハウスの中のオーバル・オフィスの中でそのままやっていたに過ぎないと思います。

アメリカだと若い人は民主党を好む傾向があります。おそらく日本でもそうでしょう。ですが、歳と共に、共和党型に鞍替えする人が多くなります。両党には違いがありますが、極端に大きな差ではないと思います。小さな政府対大きな政府などですが、それは根本的な事項というよりは、howの方に属する事項でしょう。20世紀後半の歴代民主党政権はたいした成果を残していませんね。観念的な事柄に集中する傾向があります。ですが、共和党の根本は、ビジネスを進める方向にあります。来年、バイデンが就任しても、ビジネスに関してはあまり大きな成果は期待できないでしょう。少し乱暴な言い方をすると、民主党は日本の野党のようなところがあると私は思います。

(2)次に、トランプとは何であったかを考えると、私は彼はサイコパスであったと考えます。私が知る限り、トランプがサイコパスである、ことを述べた人の中で最も有名な人はオックスフォード大学のKevin Duttonという教授です。それは2016年だったと思います。

(a) その記事は、以下のURLで読むことができます。平易な英文で書かれています。


ハイライトを紹介すると、歴史上の有名な人物のpsychopath評価ポイントを比較すると、トップはサダム・フセイン、2位はヘンリー8世、3位はアミン元大統領(ウガンダ)、4位がアドルフ・ヒトラーとなります。そこで2016年の大統領候補4人のスコアーを比較すると、トランプがトップで171だそうです。

#1 Saddam Hussein   189
#2 Henry VIII               178
#3 Idi Amin                   176
#4 Adolf Hitler              169

Donald Trump              171

つまり、トランプは、ヒトラーの上に位置します。このポイントの扱い方などの説明もありますが、この数字だけで十分納得できるものがあると思います。ヒトラーよりも上の人が数人いるというのが面白いですよね。まあ、それはともかく、彼(Dutton)がいうには、良いリーダーも、とんでもないリーダーも、一般人よりも高いサイコパス・スコアーになるというのです。つまり、同じ役者が、舞台が違えば、名優にも大根役者にもなる、ということでしょうか。(なお、私が上で使う用語はこの記事の用語と少しだけ違いますので、もしあなたが他で引用しようというのであれば、正確を期すため、引用元本文の用語を使うことをお勧めします。)Dr. Duttonはたしか数年に一度、このスコアーの付け方を見直しているそうですので、改定された時には、このランキングもまた変わるのかも知れません。そのような前提で読むべきでしょう。なお、このURLの表で名前の出ている人はかなり有名な人ばかりです。ですが、これを、有名な企業のCEO、たとえば、スティーブ・ジョブズをスコアー化すると、興味深い結果が出るかも知れませんね。

この後、トランプが就任してから、彼のサイコパス度をうんぬんした記事を見ることはなくなりましたね。私が見なかっただけかも知れませんけど。

(b)ご参考までに、Duttonの成果を引用した別の記事もありますので、紹介します。それは The Presidents: a league table for psyhopathic traits (=サイコパス度のランキング表)というタイトルのもので、数人のアメリカ大統領をランキングして、JFKがトップとなったものです。こちらでは、数値の低い方がサイコパス度が高いとなっています:

John F Kennedy       4
Bill Clinton           4
Andrew Jackson       6.5
Theodore Roosevelt  7
Lydon B Johnson      8.5
Frankly D Roosevelt 7.5
Chester Arthur        9.5
George W Bush        9.5   (Baby Bush)
Ronald Reagan        14
Richard Nixon          17.5

なお、Andrew Jacksonはアメリカ史上最も変人の大統領と評価されている人です。

トランプは1期大統領を務めただけですが、このランキングに入る資格が十分あるだろうと私は思います。もしかするとトップに入るかも知れません。サイコパスは、他社の痛みを感じることができないと言われてますが、たとえば、彼は有色人種の「痛み」については驚くほど鈍感でした。

(3)最後のポイントですが、彼のような人物を西側世界の超大国のリーダーに置くことの危うさを4年間身をもって示し続けたことです。彼はもしかしたらキム・ジョンウンをG7に招待すべきだと言い出していたかも知れません----冗談ですが、ありえないことだとも思えません。

なお、他国が口を挟めないことではありますが、アメリカの大統領選挙制度を根本的に変える時期ではないでしょうか。200年以上も経ってますので、そろそろモデルチェンジの時かと。

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