英語のM&Aは、mergers and aquisitionsのinitialismです。mergerは企業合併のことです。mergerは言語学の用語でもあります。「融合」と訳されます。一番有名な「融合」はcot-caught mergerと呼ばれます。何のことやら。でもこれアメリカでは言語学者ではない人(一般人)でも使います。
一言でいうと、cotとcaughtの発音の区別がない、つかないことを言います。つまりcotとcaughtの発音が融合している、ということなのだと私は理解しております。でも、アメリカでも、いわゆるSAEを話す人々の間のことで、たとえばNew England地方の一部では、区別があるのだそうです。
実は、私は自分の英語の発音を身につける初期、この融合した方を「正しい」と思って身につけました。別々の「正しい」発音ができたのですが、わざわざ、融合した方を身に付けました。ですが、これ自体が一種の「訛り」なのですね。アメリカの場合、標準語がありません。かつては、いわゆるTV Englishが標準語だとされてきましたが、近年では、TVで、色々な訛りを堂々と話す人々がいるので、TV Englishとは何かすらわかりにくくなっています。この現象はUKでも似ています。昔のBBCは、すくなくともロンドンでは、パブリックスクール仕立ての英語posh English中心でしたが、最近は崩れていますね。ですので、SAEつまりStandard American Englishなるものは存在しないと考えた方が良いのかも知れません。Wikiの中のこのタイトルの話題には音声ファイルがついていますので、聞くとよくわかります。
ところで、日本人がLとRの区別ができないことをこれにならうとL-R mergerというべきでしょうか。ググりましたがなにもありませんでした。