今日は動物のイヌを通じて英語あるいはAS文化を見ましょう。イヌの英語は誰でも知っているdogです。でもあまりにも身近な動物であるためイヌを卑下した数多くのイディオムの原料でもあります。
さて、辞書はdogを何と定義しているのでしょう?M-Wを見ると、次のようになっております:
canid
wolves, foxes, and other dogs especially : a highly variable domestic mammal (Canis familiaris) closely related to the gray wolf
Canid?あまり見慣れませんが、RH英和(II)を見ると、canidとは「イヌ類:イヌ科Camodaeの動物の総称;イヌ、オオカミ、ジャッカル、ドール、コヨーテ、キツネ、タヌキを含む」となっています。つまり、イヌを定義するのはかなり難しいのですね。あなたなら何と定義しますか?発音と綴り字の関係もムズカシイです。AE指向の方には/kéinəd/をおすすめします。AEではイヌ関係のcanineなどの単語すべてで最初のaの発音は/ei/です。この方が外国人には覚えやすいですよね。(ラテン語由来の単語の綴りを英語だけ変更するのは気が引けるのでしょうね。)
さて、イヌ、最初はWelsh Corgiです。短足です。corgiはWelsh由来だそうで、初出は1921年で、意外と新しい品種のようですね。Welshでcor "dwarf" + ci "dog" だそうです。(etymonlineより)これは牧「羊」犬と訳されますが、対象はヒツジではなく、ウシでした。従わない牛の踵(かかと)に噛みつくよう訓練されているそうです。そのために短足に改良されたようです。ということはおそらく雌ウシ
にだけ、つまり乳牛専門でしょうね。雄ウシだったらおそらく蹴られるか、踏みつぶされるかでしょう。
dachshundという犬種。ドイツ語由来で、英語でもそのままの綴りです。dachsとは英語ではbadgerという動物のことです。日本語ではアナグマと呼ばれます。hundはそのままイヌ(猟犬)です。アナグマ追跡用の猟犬ということなのですね。おそらく体高が低いのでそのまま穴にもぐれるのでしょう。
スパニエルという犬種がいます。spanielと綴ります。この語源はSpaniardかららしく、意味は「スペイン人」。Spaniardの語源は中世フランス語だとか。英語には13世紀に登場。ただ実際にスペイン産の犬がブリーディングされたかどうかは不明で、あくまでもブリテン島で育種されたもののようです。cockerが付く犬種がありますが、これはおそらくcockの数多くの中の語義の1つ、尻尾をピンと立てる、に由来するのではないでしょうか。つまり、獲物を見つけると、尻尾で主人に知らせる、ということでしょうか。
残りは明日に。