字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2020年05月

日曜日18時からTBSの『世界遺産』。先日の放送では、ヨルダンのペトラ遺跡が登場しました。英語の綴りはPetraです。放送の中でその呼称の由来は、ギリシャ語の「岩」である、と言っておりました。ここを出発して、岩めぐりをしたいと思います。

「英語的には・・・」、こんな便利な表現が日本語にあるなんてすばらしいですよね。さて、英語的にいえば、Petraは女性の名前です。男性だとPeterです。(多分UKでも同じ綴りだと思います。)これはイエス12使途の一人で、あだ名です。その通り、「岩」を意味する言葉です。本当の名前は英語で言えばSimonでしたが、スカウトしたイエスがそう名付けたそうです。職業は漁師ですので、よく漁師の守護聖人とされています。フランスだとPierre、スペインだとPedro・・・という具合にほぼどの国の綴りでもこれはあり、しかもそれと分かりやすいです。今回調べてもヒットしませんでしたが、ASの名前でPerkinsという名前はPeterから由来する、数ある姓の一つである、と私は記憶しております。ということはPeter Perkinsという人がいるとすると、姓名ともに「岩」からできていることになりますね。英語にpetrifyという動詞があります。意味は「石化する」です。つまり、Peter化する、ということですね。なお、St. Peter、日本語では聖ペテロですが、この方は天国の鍵をイエスから預かっている人です。つまり、rockがlock(錠前)のkeyを持っているのですね。日本人には覚えやすいと思います。それはSt Paulが持っているのではないのですね。

なお、petriで想起されるのはペトリ皿petri dishですが、このpetriはドイツ人学者の名前Julius Petriに由来すると言われています。Petriというドイツ系の人々の姓の由来はラテン語のPetrus、つまり「岩」とされています。やはり、ですね。彼はRobert Kochの助手でした。なお、日本ではRobert Kochは「ロベルト・コッホ」と発音しますね。

ところで、「化石」の英語はfossilです。こちらの語源は、16世紀のフランス語で掘る、に相当する言葉fossileが英語に入ったようです。「化石」だけではなく、掘るものすべてを指す名詞だそうです。今のフランス語では「掘る」は別の言葉creuser他を使うようです。つまり石というニュアンスはまったくないのですね。ところで、「化石を研究する学問」を英語でpalentologyと言います。goo辞書には掲載されていなくて、Weblioには「古生物学、化石学」という和訳語が掲載されています。

私はいつのまにか、このpaleo-が「岩」を意味すると誤解をしておりました。古代ギリシャ語palaiosがフランス語に入ってそれが英語に入ったとのことです。

ontologyとはMLが元になった言葉で、the metaphysical science or study of being and the essence of things、日本語では、事物の存在および本質の形而上学的科学、というわけのわからない説明があります。つまり、ギリシャ語+ラテン語でpaleontologyという言葉が生まれたわけです。

palentologyの仲間でarchaeologyという言葉がありますが、archaeologyは考古学ですね。普通の考古学ではおそらく化石を扱うことはあまりないのでは?また、paleologyという言葉も似ていますが、意味は「古代学」という語源そのままの訳語から「古代遺物(特に有史以前)の研究」というのまであります。前者はRandom House II、後者はWeblioからとりました。

長々と書いてきて、上記の番組を見ているときに、peterが「岩」なのであればpaleoは何なのか、と少し焦って検索して、いつの間にか記憶がごちゃまぜになっていることに気が付いたという次第です。なお、今日我々が化石と認識しているものが、古代に生息していた生物の遺骸が石化したものだと人類が気づいたのは19世紀です。それ以前は、一部の研究者を除いて、変なものということで直視されないものでした。CL(Classical Latin)であれML(Medieval Latin)であれラテン語に本来「化石」がないのはそんなためです。あるいは、教会との対立はタブーでしたので、聖書に記載されていない生物の、石化した遺骸であろう、という推測を個人として頭の中でする人はいても、それを徐々に公開するようになったのは19世紀の半ばです。ダーウィンでさえ、進化論(『ビーグル号航海記』)を公表することには同じ理由で大反対だった時代です。

今は英語あるいはフランス語のfossilがラテン語化されているそうです。なお、コロラド州にBoulderという大きな町がありますが、boulderとはrockとは少し違って、「巨石」を意味する言葉です。英語がそのまま地名になっています。

ラテン語の文句 Legatus est vir bonus peregre missus ad mentiendum Reipublicae causa.

最初の言葉legatusはambassadorのことだそうです。へえ~。でも2千年前にambassadorという言葉があったのでしょうか。etymonlineで見ると、その辺の事情はもう少しクリアーになります。これはラテン語ambactusが、プロヴァンス語あるいは古い「スペイン」語に入り、更にフランス語に入り、13世紀後半に英語に入ったそうです。では、ambactusではなくlegatusが選ばれた理由とは何でしょう?私は知りません。悪しからず。

このラテン語を理解する人はそう多くはないでしょう。しかし、その英語訳は有名です。
An ambassador is an honest gentleman sent to lie abroad for the good of his country.
 大使とは、自分の国の利益のために、外国で嘘をつくために送られる正直な紳士のことである。

この言葉はSir Henry Wotton (1568-1639)が1604年にラテン語で述べたことの一部だそうです。ウォットンの名前は日本ではあまり有名ではありません。一方、イングランドの諜報活動に極めて大きな貢献をした、フランシス・ウォルシンガムはあまりに有名ですが、彼の残した言葉は知られていないように思います。この点で、ウォットンとウォルシンガムは対照的ですね。

この時代までは、戦争は領土紛争であったり、王位継承権であったり、自治・独立であったりが原因でしたが、この時代から、宗教が加わります。つまり同じキリスト教国であっても、カトリックなのか改革派なのかで対立があり、それが戦争の理由になりました。フランスのようにカトリックでありながら、ハプスブルク家があまりに強大になることを敬遠して反ハプスブルク連合に加わる、というような複雑さを増してきた時代です。外交交渉で戦争を避けられるのであれば避けたいし、戦争で勝つ見込みが大きいのであれば、戦争は一つの外交手段になります。外交交渉が重要さを増した時代です。

ラテン語版を覚える必要はないと思います。しかし、英語版の方は覚える価値があります。ウォットンの時代の少し後で、パリがヨーロッパ外交の中心となり、外交の共通語はフランス語になりました。nation stateの概念が芽生え始める前の時代、多くの国は都市国家のようでした。それでも、お金のかかる、大使、外交官をパリに置く経費を賄う価値があると思われるようになった理由は、戦争の費用が膨大であったためでしょう。戦争をせずに、つまり戦費をつかわずに、戦力を温存したままで、それに匹敵する効果を上げることができるのであれば、外交は十分役に立つ選択肢でした。各国は外交に力を入れるようになりました。このピークはおそらくナポレオン後のウィーン会議でしょう。日本語で「会議は踊る」という言葉はそのときのオーストリアの大使が述べた言葉ですが、彼はおそらくフランス語で残したようです。仏語、独語の両方のバージョンを以下に書きますが、少し使われいる単語が違いますね。フランス語版の方は日本語と同じですが、ドイツ語版の方でのaber=but、kommt=come, nicht=not、vorwärtsは、そう、なんとなくforwardに似てますね。英語のforwardはOE由来の言葉です。つまりドイツ語のこれと同じ祖先と言って良いのでしょう。

Le congrès danse beaucoup, mais il ne marche pas.

Der Kongress tanzt, aber er kommt nicht vorwärts.

ちなみに、英語のcongressもドイツ語のKongressも、共にラテン語由来です。

約130phrases/wordsあります。犯罪ものですのでヤクザのような語彙が多いです。

bitter n. take the bitter with the sweet  人生の苦楽を味わう (n=noun)
cut out 止めろ
Holy Toledo おったまげた
scarey=scary
hand and foot 手足(cf. on hand and foot 手足となって)
bridal purse
morphine モルヒネ(英語の発音はカタカナとはまるで違う)
vouch for 保証人となる
piece of the action 分け前
scream my head off 泣きわめく
godson 名づけの子
sore イライラの
washed up ボロボロの
no better than ~も同然
finocchio <It> ホモ
pezzonovanta <It?>
last out 生き延びる
resign yourself 受け入れるんだな
pull strings 裏で糸を引く
outwit 出し抜く
hoof 馬の脚
dough=cash
Kraut=derogatory for German <sauerkraut
Mick=derogatory for Irish <Mc/Mac
pinko=communist < pink
punko チンピラ
protégé 子分
hard-hearted 非情な
civil 礼儀正しい
call in sick電話で病欠を伝える
The word is that~という噂だ
Caporegime カポネファミリーの子飼い幹部
pull through 乗り越える
eat dirt 屈辱を味わう
fall in line 正しい場所に収まる?
shack up 女と同棲する(破格の使い方)
broad スケ(女)
wind up doing 結局~することになる
nose around 嗅ぎまわる
stay put 動かない
sleep with the fishes??? 海の底で死んでいる?
make bones ちゃんと仕事をして「組織」の一人になる =一人前の男になる(マフィア用語)
talk one’s ear off  英辞郎の例文 Sorry, did I talk your arm [ear, head, leg] off? : ごめんなさい。私、一方的にしゃべり過ぎたかしら?(言葉の機関銃で体のどこかを吹き飛ばした様子)
holy cow おったまげた
dame おばさん
for good 永遠に
look in on ~を覗いてみる
sit tight しっかりと座る
hood チンピラ
Guinea 南イタリア系の(語源はGuineaという国名。イタリア語であらゆる黒人をguinea negroと呼ぶらしい。南イタリア人の皮膚は男女とも少し浅黒い)
dago ラテン系の奴
lift a finger 何もするつもりはない
lock   M-W:to hold in a close embrace
racket チンピラ稼業
Turk= Sollozzo Turkとはトルコ人のこと。外見から?
set up はめる
button man 下っ端
outcase 見捨てられた
at the height 最中に
pain-in-the-neck 面倒な
stiff o you?
catch the hell=catch hell 責めを負う (hell 地獄)
shoulda=should have
barrack 兵舎
pinochle カード遊び
plant (the gun)
frisk you in the car おそらくfetchの方が普通
blasting=fart (おそらく)
take chances=take a chance 度胸でやってみる
apiece=each, per head
You're on お前の番だ(on=adv)
hotheaded=short-tempered
aggravation 悪化
hunted 追い詰められて
think highly of ~を高く評価する
truce=cease-fire
crack down 厳重に取り締まる
bad blood 憎しみ
stalemate膠着状態
sore (adj)カリカリする
tramp 浮浪者、売春婦
have the nerve よくも厚かましく
whore 売春婦
Ba Fa Goulle ???
sonofabitch=SOB
funeral parlor 葬儀場
accomplice 共犯者
Anisette リキュール名
causeway 盛り土の道
vengeance 仕返し
quit (adj) 同条件である
take bread out of sb's mouth 生計の道を奪う
out of malice 悪意で
Pezzonovante シシリア語のslangらしい。big shotの意味であることが後のシーンで語られる。
infamita=dishonor
traffic 商売
vengeance=revenge
forego 放棄する
befall 降りかかる
pimp ポン引き
outfight 打ち負かす
all along 初めから
Palermo Sicilyの都市
vendetta=blood feud 血で血を洗う抗争
lupara <It>散弾銃
all over (adv) 完全に
virtuous 貞淑な
whistle up 作り上げる?
decorum 礼儀作法
code of honor 行動規範
sono cosa nostra?
look-see ざっと見る
bankroll 融資する
fly off the handle 柄が抜ける—>キレる
kick ass 圧倒する
straighten out 更生させる
bang=have sex
brush off 追い出す
make one’s bones ちゃんとやる
chisel 削る
hang one’s hat 落ち着ける
to full strength 力一杯
benediction 祝福
scratches their fender???
consigliere {It} advisor
we're on our own 自立している
fill up 満タンにする隙間を埋める
I made him my weapon. アイツを用心棒にした。(weapon=AE)
precinct 管区
christen=baptize
finger 密告する(警察物では必須用語)
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134 words

誰でも知っているNino Rotaのメロディーで知られる大作です。名作かどうかは人により分かれるところでしょう。先日、NHKBSPで放映されたものを使いました。

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映画:『ゴッドファーザー』(原題 The Godfather)

公開:1972年

ジャンル:ドラマ

時間:177分

脚本: Mario Puzo and Francis Ford Coppola

原作: The Godfather by Mario Puzo

監督: Francis Ford Coppola

配役:
Marlon Brando as Vito Corleone, the boss
Al Pacino as Michael, one of Vito's sons

あらすじ:
NYCのマフィアのボスがリタイアして、東部の名門大学卒らしき息子が代替わりを務める、という話です。(続編に続く、という感じの終末になっています。)

聞き所:
あまりありません。

訛り:
イタリア(シシリー)語が所々に出てきます。警察もの固有の単語が多いです。

私の評価:
エンタメ度   つまらない 面白い
文化理解要求度 高い   ★ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★ 少ない 
早口度     早い   ★★普通
ビジネス用例  少ない  多い 
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合計           5★(満点15★)


台本総語数:12.3k (平均の2割増し)

スピード:136 words/min   普通 (前提:会話部分90分として。目安としてお考え下さい)

ストーリー展開:マフィアのボスがリタイアして、東部の名門大学卒らしき息子が代替わりを務める、という話です。

難解語割合: 134/12.3k=1.08%  Mystic Riverより5割程度低いです。

聞きどころ:この種の映画にしてはslangが多いです。ある程度現実感を出すためでしょう。ですが、あまり単語に過度にとらわれないという聞き方も大変重要です。その目的には良いかも知れません。

訛り:イタリア系のアクセントが随所に。

コメント:キャステイングでいかにも、という外見の、色の浅黒いシシリアン風の外見の俳優が多く出てきます。随所で「イタリア語」がつかわれます。ほぼ3時間の作品ですが、セリフがあるシーンとまったくないシーンがはっきりしていますので、ザーッと聞き流すための教材という使い方もあると思います。また、全編を教材とするやり方以外に、自分がピックアップしたシーンを何か所か集めるだけでも良いと思います。

予告編:(この映画のMT(movie trailer)を見ることができます)
https://www.youtube.com/watch?v=fB_8VCwXydM
あまりセリフを取り込んだものではありません。
このスクリプトは、会話部分より遥かにト書きが多いです。

単語解説は明日に。

本日はアメリカの、あるラジオ番組のご紹介です。

最近、私の大好きだったCar Talkという番組がwebで聞けるようになっていることを知りました。「大好きだった」というのは、この番組が廃止になっていた、あるいは実際はそうではないのに私は何らかの理由でそう思い込んでいたためです。おそらく10年振り位で、Tom & Rayという二人のMCの声を聞きました。

彼らは、ボストンの隣町Cambridge, MAにgarageを持つ、owner-mechanicです。

NPRのradio showで、toll-free numberを持ち、録音スタジオで、リスナーからの相談を受け付けて、その場で、車の不調、クルマ文化、その他なんでも「クルマ」に関する相談、コメントなどを受け付けています。単なる不具合相談だけではなく、たまにクルマ文化にも話が及びます。それを録音、編集したものが、ウェブサイトに埋め込まれていて、クリックするだけで再生できます。特別なアプリなどは必要ありません。ブラウザーだけで再生できます。スタジオ側の音声は当然聞きやすいですが、電話側の音声の質も良好です。

https://www.cartalk.com/radio/player5/player.php?a=show

彼らは、ボストン訛り丸出しと思われる訛りで、アメリカの他の地区の訛りをいじったりします。訛り、単語の綴り、名前の綴り、イディオムなどもいじります。基本的には車相談をプロの立場でアドバイスします。基本は真面目なのですが、お笑いを重んじています。というか、しばしば捧腹絶倒のradio showです。彼ら二人はコメディアンではありません。アメリカ中で非常によく知られた人々です。

彼らは実の兄弟で、どちらかは(あるいは両方とも?)PhDを持っています。たしかMITだったかと。どちらかは結婚6,7回というツワモノです。どちらか忘れました。

この、アメリカのニューイングランド訛りのMC二人とアメリカのあらゆる地域の人たちが電話をかけてきて、お互いの訛りを丸出しで話す、というのがいかにもradio showらしくて、訛りに関心のある方には良いプログラムだと思います。また、訛りに関心がないという方にも楽しんでいただけます。

車の話題は、先進国の人々の間で共通の話題ですので、ここで得た話題はすぐにパーティ、友達との話で使えますよ。

なお、読書で、精読と多読を使い分けるように、英語の聴き取りでも精聴と多聴が有効でしょう。聴き取れない部分があってもあまり細部にとらわれずに全体を通して聞くことは大事ですし、有効です。多聴の教材としてCar Talkのようなものは利用価値大です。このpodcastが教材として優れているのは、日本人の聴き取り能力に配慮することなくどんどん話して行くことです。1対1の英会話教室では力は伸びないと思います。相手が生徒に近寄るからです。Car Talkにtranscriptがあるかどうかは知りません。でも多聴が目的ならばなくても良い(あるいはない方が良い?)と思います。

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