字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2020年04月

このブログでの映画の調達先は、主にレンタルショップで借りたメディア(DVD/BD)かBS PREMIUMかBS12の土曜洋画劇場です。中には失敗作もあります。皆様の参考になれば、と思い、私の独断に基づくコメントを。

①最近の失敗作は『ブレイブハート』です。途中まで見ましたが、残念ながらスコットランド人ほど入れ込む気持ちにはなれません。最後まで見ませんでした。

映画は庶民の娯楽です。これをまったくの娯楽作品として見るのは良いかも知れません。

私の友人の娘がWallaceと言います。父親がスコットランド系、母親がイングランド系ですので、もしかしたらと思っていましたが、スコットランド系の名前なのだろうということがこの映画の登場人物(それは男性)からわかりました。まったくの個人的な関心事項です。

日本の時代劇もいい加減な時代考証のものがたくさんあります。いちいちケチをつけているのも我ながらどうかと思います。私の場合は、Scottish Englishに興味があるのですが、時代考証が雑だと、オーストラリアンの俳優Mel Gibsonの発音にも肩入れをするのはどうかな、という気持ちになります。

アカデミー賞もいくつかとっている大作のようです。私の愚痴るポイントが気にならない方には良いかも知れません。

②『オデッセイ』The Martian。マット・デイモンの作品。監督がリドリー・スコットということで少し期待していたのですが、残念な作品でした。少し馬鹿馬鹿しいという気持ちになります。批評家ではないのでうまく書けません。やはり学習材料とするには、ある程度のリスペクトを払うことが前提になるのでしょう。私の場合はそうです。ですが、この映画ではそのような気持ちになることは、私はできません。

通称アキバというJRなどの駅。正式にはアキハバラ(秋葉原)という駅名です。秋葉神社が地名の元だと言われており、その一帯を秋葉神社近くの原、ということでアキバ原と呼んだとのことです。それがいつのまにか、アキバハラではなく、アキハバラになりました。そして再びアキバになろうとしています。

日本人は少しタリナイのでしょうか?そんなことはありません。これは言語学的には音位転換といいます。英語のmetathesisから訳したと思われます。別の言い方でpermutationともいいます。英語にもたくさんあります。おそらく身近な単語の中でのmetathesisの最も有名な例は、thirdだそうです。この語はOEに語源がありOE後期にþridda (þとはthornという名の、OEでの文字です。peeと間違えないでくださいね)、つまり、今風の綴りではthriddaと綴られていました。時代とともに、綴は変わりますので、今の綴りだとthridと綴るべきでしょう。thirdではないのですね。それがmetathesisされて、thirdという、今我々の知る綴り、発音に移行してきた、という訳です。これで、あなたが中学生以来抱いていたはずのthreeとthirdが少し違う理由は納得していただけたはず。

英語だけではなく、フランス語など他の言語にもあります。フランス語でのmetathesisの例として、有名なものは、チーズを意味するfromage、フロマージュです。これはイタリア語のformaggioから来ました。あれっ?なんか変ですよね。イタリア語ではformagfio? MLではformaticumです。つまり、おそらくイタリア語のどこかの方言から中世ラテン語に入ったときには正しかったのに、イタリア語からフランス語に入ったときには、すでにmetathesisしていたのですね。なお、英語のcheeseはゲルマン語系のcese (アングル族)などのOEに由来する言葉からできています。こちらにはmetathesisはありません。

このブログの熱心な読者は何か思い出しませんか?そう、metathesisってspoonerismと似ていますよね。spoonerismは、おもに滑稽な側面を強調していますが、metathesisはかならずしも滑稽とは限りません。まあ、書いている私が少しグラグラしてきておりますので、自信はありません。そのうちにきっとmethatesisと言いそうです。

なお、malaprop、spoonerismの過去のブログURLを以下にセットしておきますので、関心のある方は読んでみてください。



昨日の続きです。

テレワークという言葉がさかんに使われていますね。これは正しい英語ですが、work from homeとも言います。一部で、work at homeという人もいますが、ほぼwork from homeが優勢ですね。

stay homeかstay at homeかも議論されているようです。私が何かの新聞で読んだのはstay homeはAmericanismだそうです。ということはBriticismではstay at homeのようですね。

農業を営む人を英語でfarmerというと我々は中学で覚えたと思います。英語母語話者でもそう思う人は多いです。ですが、よく考えると、これはfarmする人、つまり家畜を育てる職業を言います。穀物、野菜などではfarmというのはおかしいですね。アメリカの大統領でジミー・カーターという人がいましたが、この人はpeanuts farmerだと当時言われました。ピーナッツ農場を経営していたためです。では、より正しくは、ピーナッツ農家を何というべきか。それはgrowerです。植物(作物)を栽培する人全体に当てはまります。さらには、agriculturerという言葉を使うときがあります。あまり辞書には出ていませんね。英語ではたまに造語力が強すぎて変な言葉をつくるときがありますが、農家をagriculturistと言うときがあります。ただし、agriculturist には「農学者」(農業に関する学問を研究する人)という意味もあります。

私の友人でKieferという姓の人がいます。アメリカのドイツ系移民でたまにある名前だと思います。この意味を調べて驚きました。この名前の由来はkienとforheという2つの語から成る名前で、どちらかと言うと、姓ではなく男子の名だそうです。その意味ですが、両方とも「松」を意味する言葉だそうです。解釈によってはkienは樽職人を指す、という説もあるようです。古代ローマ人はワインを作るとき、amphoraという、土器で作りました。やがて、ゲルマン人のつくる樽(たる)の便利さに気づいて、ワインを樽でつくるようになりました。私の想像ですが、ゲルマン人の領土から樽がローマに輸出されたのではないでしょうか。しかしローマ人は石をつかう技術をエトルリア人から教わりましたが、あまり木材には関心を持ちませんでした。ヴェネツィア人は、石と木双方を使いこなしてヴェネツィアを建設しました。ヴェネツィアの石造建築の下ではカラマツなどの、下の岩盤まで届く材木で土台をつくり、その上に石造りの都市を築きました。古代ローマ人の使ったセメントは、黒い色の、ローマン・コンクリートと呼ばれます。2千年たった今でも頑丈で、作り方は今でも再現できないそうです。

明日は別の話題です。

今日は小さなトピックをいくつかまとめて書きます。

「無敵艦隊」はスペインの艦隊の名前とされていますが、英語ではSpanish Armadaです。スペイン(カスティーリャ)語ではGrande y Felicísima Armadaという名称です。意味は「偉大で且つ最も幸運な海軍」です。armadaはなんとなくarmedに似てますが、その通りです。Grande y Felicísima Armadaは、単にArmadaとも短縮されます。どこにも「無敵」の意味はありません。どこから来たのでしょう?誰の造語なのでしょう。アルマダの海戦のとき総司令官だった、デ・グスマンは海戦のまったく経験のない貴族でした。スペインはもともと陸上戦で海賊国家イングランドを懲らしめるつもりでしたが、悪運が重なり、徹底的に海軍戦力を失い、ブリテン島に陸上して戦闘することなく、スコットランドの北側を回って、スペイン帰国を目指し、それでもあちこちで艦隊を更に失いました。座礁などしたアルマダの船の乗組員の多くが民間人に殺されました。つまり、スペインはArmadaを単に陸上戦闘要員輸送用に使っただけなのですね。

ディズニーのアニメ「ファインディング・ニモ」はNemoと綴ります。これはジュール・ヴェルヌの小説に登場するキャプテン・ネモCaptain Nemoからとった名前だと思います。Nemoは、人名ではなく、ラテン語でnobodyを意味する言葉です。個人的には、ディズニーが「ネモ」ではなく「ニモ」をとったということが気に入ってます。

ラグビー日本チームのキャプテンの名前はMichael Leitchと綴るそうです。姓のLeitchには色々な綴りがありますが、意味は、血を吸うヒル(蛭)のことです。なぜこれが姓になったのでしょうか。それは中世では、東洋でも西洋でも、悪い血が病気を起こす、という迷信があり、それを吸い出すために、「医者」が患者に蛭を使ったことに由来するそうです。ですので、これは職業姓の一つと言えると思います。なお、蛭の現在の綴りはleechです。LとRの発音が区別できないとややこしいことになりそうです。

残りは明日に。

アメリカの調査で、たとえば、企業がある新製品を出すときに、消費者の反応を調べたいとするときに、かつては、Columbus, Ohioという町が選ばれました。それは、この町がアメリカ全体の縮図のようになっていると考えられたためです。大きな費用をかけて全州で調査をするのと、Columbus, OHだけで調査するのとが、ほぼ似通っている、というわけです。そうであれば、この町でやるのが安上がりというわけですね。ですが、最近はあまり聞かなくなりました。

ある意味で、これとほんの少しだけ似た現象がテクサス州で起こっております。この州では現在、白人と非白人との選挙登録者数は拮抗しております。大統領選では、勝者がその州全体の、選挙人electorをゲットできますが、テクサス州は38人で、55人のカリフォルニア州に次いで多いのです。ですが、カリフォルニア州は昔から民主党の牙城ですので、今回もまったく波乱はないでしょう。といことは、テクサス州の結果が選挙結果を左右するかも知れません。そのために現職であるトランプ陣営があらゆる策、奇策、愚策が講じる可能性があります。全州で約540人のelectorがいます。今メディアは新型コロナウイルス一色ですが、テクサス州の結果は、今年は2大政党主義のアメリカではかなり大きな影響を持っていると思います。

さて、最近、このブログでの映画の紹介で、「会話の速度」のような指標が追加されております。今日はそのお話です。

下の表はあまりきれいに並んでいませんが、各コラムが示すものは、左から邦題、原題、千単位での会話部分の総単語数、そしてそれを、会話部分の総分数が60分である、という単純化を行った場合の計算値で、それは 語数÷60 です。単位はwords/minです。経験的に1本の映画の音声を編集して、会話以外の部分をカットするとだいたい50分から60分になる、と私は理解しております。ある程度正確な平均会話速度を表すものではなく、映画全体を通しての平均値です。語数はMS Wordの機能を使ってカウントしました。スマホで見苦しい場合には、画面を横にすると見やすいかも知れません。

一番上の『ナイトクローラー』が最も直近の、ここで取り扱われた作品で、総語数は11,600語で、仮想的な会話の速度は193語/分である、ということが示されております。青インクは、200以下を、赤インクは200以上を表しています。黒インクのものは、まだカウントしておりません。直近の15作品がリストアップされております。

邦題            原題      語数 速度
ナイトクローラー              Nightcrawler      11.6    193
ニューヨーク眺めのいい部屋  5 Flights Up        12.5    208
ブルックリン                    Brooklyn          10.7    178
シェフ 三ツ星フード     Chef                    17.0    283
ジョイ                       Joy                      13.6    227


イントゥ・ザ・ウッズ             Into The Woods     na      na
コールドマウンテン              Cold Mountain      10.0    167
グラントリノ                    Gran Torino          10.0    167
ドリーム                      Hidden Figures     10.6    177
トレインスポッティング         Trainspotting          7.5     125

スタンド・バイ・ミー            Stand by Me          9.0     150
キャプテン・フィリップス  Captain Phillips      9.4     157
デビル                      The Devil's Own    na      na
ミュンヘン                    Munich                  10.6   177
L.A. ギャング ストーリー        Gangster Squad    9.2    153

ただ残念ながら、私の体感的速度と少し違います。ですが、この中で一番早いのは、『シェフ 三星フードトラックはじめました』の283 wpmですが、私の体感的なものと一致します。つまり、この中で一番早い映画はこれだと思います。

全体を見ると、この数値を他の情報源のものと直接比較することは意味がない、と思います。たとえば、実際に283 wpmで話す映画ではありませんし、そのスピードではアメリカ人でもほとんど聞き取れないと思います。ただ、この基準で、今までこのブログで取り扱った映画同士を比較すると、読者の実力にあった映画を選択するときの参考になると思います。当然、総語数の多いものの会話速度は、このやり方では、速くなります。

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