diphthongは2重母音のことです。この上があって、triphthongと呼ばれます。/trífθɔːŋ/という、日本人には少し難儀な発音が一般的です。(音声学以外ではつづり字に関してという場合もあります。)
英語にはtriphthongを持つ単語がいくつかあると言われています。まず、それよりも先に認識すべきは、私はこの単語を解説するためにこの話をしているに過ぎません。実際に「ネイティブスピーカー」がtriphthongを発音しているか、といえば、私の意見ではnoです。綴り字と発音の関係を話題にする限りにおいて、のみ成立する話だと思ってください。(注記:私の悪い癖で、綴字と発音を近づけよう、あるいは関連付けようとしますが、英語の場合はこれは無理というか無駄です。どの音節でもアクセントのない母音を曖昧母音/ə/で発音しても何の問題もありません。でもこうすると私は綴り字との関連を失うので、それをしません。)
さて、triphthongの単語を思いつくままに書くと以下のものが出てきます:
employer
fire
flower
hour
mower
player
employer
fire
flower
hour
mower
player
power
他にもありそうです。
その上は、理論的な造語法を使うと、tetraphthongですが、音声学では、英語ではこれはないと思います。4つの母音が連続する、という単語を思い浮かびません。ですが、triphthong/tetraphthongという用語を使うのは音声学だけではなく、綴字でも使います。たとえば、フランス語でbeauという単語に使われる最後の3つの文字はセットで/bo/と発音されます。(なお、この語は英語でも使われるようですが、発音が英語風になり/bóu/という、英語独特のdiphthongになります。)4文字で一つにセットになっているユニットを探すと、検索で出てきたのは、ドイツ語でのdeutschの最後の4文字でした。
さて、powerという単語を例にとると、正式な発音(辞書に出ている発音)は/páuər/です。ですが、おそらく日常では/páwər/、/páər/と発音されるのではないでしょうか。というか、誰もそんなことを気にして、どちらでも良いと思います。
今日の話題は、これを読むのを楽しみながら、知識を増やす、深めるため、というよりは、あなたが英語の綴りと発音に対してどのように向き合うか、を考えていただくために選びました。あまり過剰にtriphthongをその通りに発音する、という努力をする必要はないと私は思います。