字幕なしの英語聴き取り応援団

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2019年09月

では、Gretaはどうすべきだったのでしょうか。簡単です。提案をすれば良いのです。我々は色々な「敵」を非難することはよくありますが、批難が目的ではないことを示すためには、自分なりの提案を同時にすればよいのです。

地球温暖化に対して、自分はこの提案をする、だけで、その主張は輝きを持ちます。大きな力を持ちます。聴衆が考え、判断し、支持しあるいは反対します。これが議論です。では、その提案とはなにか。私には荷が重すぎますが、たとえば、CO2排出国をグループ分けし、消極的な国の商品、サービスを買わないように訴えることはいかがでしょうか。CO2排出国に入れる国は、アメリカ、中国、インド、日本でしょうか。これは少し先鋭的かもしれないので、議論としては、低排出国を「グリーン」、大排出国を「レッド」にして、サービスの比較をします。たとえば、アメリカのGoogleのサービスを買う(支持)するか、あるいはリトアニアの、100%風力エネルギーで動く、小さなIT企業のサービスを買うか、という具合に。こうすることで、大衆に、自分の今の選択が将来の選択に関係していることを理解してもらえそうな気がします。

私のこれは単なる思い付きできです。より精密に考える必要があるとは思います。ですが、避難だけではなく、提案をする、ということの重要性はあなたにご理解いただけたはずです。

UN Climate Change COP24でのスウェーデンの少女のスピーチが議論を呼んでいるようです。スピーカーの名前はGreta Thunberg、たしか16歳だそうです。彼女は地球温暖化に対して有効な対策を踏み出さない大人たちを非難していました。グレタ・ガルボというスウェーデン人のたしか映画女優がいました。よくある女性の名前なのかも知れません。ちなみに、私はイングリッドという名前のアメリカ人女性を知っています。出身国でポピュラーな名前を持ち込むのはよくあることなのかも知れません。

私は彼女の英語は素晴らしいと思います。イングランド人以上にきれいな英語です。ですが、内容はほとんどないと思います。今地球が温暖化しているかどうかは実はかなり主観的な事柄です。明らかなことは、過去の証拠から言って、地球はおそらく今は間氷期(暖かい時代)の最後の時期にあるはずだが、氷河期に向かっているにしてはその兆候はほとんど出ていない、という程度のことです。これがただのズレなのか、それ以上の何かを表しているかは誰にもわからないのです。そのときに、一方の主張に立つことはあまり論理的な話ではありません。

それ以上に、他方の立場に立っている愚鈍な大人たちを非難しても、何もクリエイトされない、ということに彼女は気づくべきだったのではないでしょうか。ただ、私が16歳のときにあんなスピーチをできただろうか、といえば、答えはNOでしょうね。折角の能力、才能が望ましい方向に発揮されると良いのですけどね。 明日に続きます。

今日は歌を取り上げます。70年代の歌でRoberta Flackという黒人女性がうたって大ヒットしました。題はKilling Me Softly With His Song。ちょっと違和感があるのは最初のkillingですが、これは殺人を指すのではなく、「死にそう」という気持ちを表していると思います。辞書にも出ている意味です。

これは誰かが、つまりこの曲を書いた人が、別のミュージシャンのコンサートに出かけて、そこでそのミュージシャンが、「自分」の歌を歌っていて、その歌の内容が恥ずかしくて死にたいような気持だった、ということを歌にしています。曲は少し長めですが、その歌詞を聞き取り、なぜその人は死にたいという気持になったのかを示すパートを探してみてください。Robertaはそれをそのまま歌っていますので、あたかも自分が死にたい気持ちになったかのように歌っています。

オリジナルの歌はYouTubeで簡単に探せます。歌詞は曲のタイトルにlyricsを付けて検索すると出てきます。

英語版Wikipediaで見るとこの曲は最初は別の女性シンガーがうたっていたようです。そしてそのミュージシャンの名前はDon McLeanという男性であることがわかります。でもこれらのことは事実であってもこの歌詞の聞き取りにはあまり、あるいはまったく関係ありません。

あとkilling me softly with this songなのかwith his songなのか、わかるようでいてわからないような気持になります。このブログのタイトルそのものが答えになっています。自分の耳を信じて、聞きましょう。Robertaは丁寧に発音しています。

楽しんで聞き取り力を向上させる材料として英語の歌はなかなか良い教材だと思います。

調べ物をしていたら、Niche.comというサイトが行う、アメリカで入るのが難しい大学ランキングに行き当たりました。"Hardest Colleges to Get Into in America"という言葉で検索すると出てきます。nicheと書いて、ここではニーシュと読むことにしましょう。

1位はHarvard Universityでした。5% acceptance rate, 1460-1590 SAT rangeとなっています。先日このブログで取り上げた映画"Social Network"の冒頭部分の会話で、SAT1600の志願者(ザッカーバーグ)がどうやって他の志願者と差別化をするか、という話を思い出しました。SATの満点は1600だそうです。Nicheの資料ですと、1460-1590となっています。おそらく全体の95%がこの間に入るということでしょう。5%の合格率という意味でしょうか。枠の20倍の応募があるということなのでしょう。Harvardには別のルールがあり、ある年の合格者は一つの高校から一人だけ、だそうです。いろいろな解釈が可能でしょうが、普通はナンバーワンだけ、という意思が現れていると解釈するのだそうです。というとは、単にSATの点数だけでもなさそうです。

そのリストには25大学があります。私でも知っている大学もあれば、まったく知らない大学もあります。一度ご覧になる価値があるのではないでしょうか。ただ、アメリカでは4年制卒業生はundergraduateと呼ばれて、まだ道半ばとみられることが多いです。masterを得て初めて、graudateになれます。ということは、MBAのコースでいえば、それらの大学に入ったからと言って、後半の2あるいは3年の大学院ブランドをゲットしたことにはならないということですね。それからMBAに限っては、就業経験が必須であるところが多いです。これはたしかにMBAでは立派な見識だと思います。

あなたもこのニーシュのサイトを一度ご覧になるのはいかがでしょうか。


2,3か月前に、スペイン凋落の理由についてこのブログで書いたことがあります。私はフェリペ2世の4度のバンカロータが理由だろうと思っておりましたが、その後相当な数の本を読んで得た結論を改めて書かせていただくと、スペイン凋落の理由は、ユダヤ人を追放したこと、につきるようです。他にもいくつか不運があったようです。ですが、それまでイスラム国家経営の根幹を担ってきた優秀なユダヤ人官僚を、レコンキスタ完了後に追放し、さらに異端審問裁判までやったことがスペインが一気に凋落した理由ですね。

私はユダヤ人が国家運営の根幹を握っている、というような〇〇伝説を信じるものではありません。ですが、当時ユダヤ人金融家がスペインで行っていた高度な財政管理は、もはや現代とほぼ同じレベルで、与信創造、為替管理、複式簿記など、通常の教育を受けたスペイン貴族では到底太刀打ちできない水準にありました。それがスペインの大航海時代直前を支えていたのです。ですが、15万から20万人のユダヤ人が一気に1492年に追放されました。その1割程度が銀行家だったようです。彼らの多くはは、まずアントワープに移住し、そのあとアムステルダムに移住し、オランダの黄金時代を築きます。その後オランダの成長が止まると多くはさらにロンドンに移住します。ロンドンでユダヤ人銀行家たちは高度なテクニックを使って、イングランド財政、王室財政の健全化に貢献します。オランダとイングランドの資本主義とその技術的な細部が似通っているのは、イングランドが模倣をしたというよりは、ユダヤ人が同じことをやったから、というべきでしょう。

また、オランダ、イングランドがアンチ・スペインのキャンペーンを300年くらいやりましたが、おそらくその原動力は、追放されたユダヤ人の子孫でしょう。

現代のスペイン経済研究家によると、現代のスペインは、ユダヤ人追放当時のダメージからいまだに完全に立ち直っていない、と考える人もいるそうです。

ではなぜスペインはユダヤ人を追放したのか、ですが、おそらく彼らのやっている高度な業務をまったく理解できなかった、予想すらしていなかったから、でしょうね。つまり自分たちの選択がもたらす不利益についての理解、予想がまったくできなかったのでしょうね。そしてフェリペ2世は、熱心なクリスチャンでしたので、イスラム教徒、ユダヤ教徒のいないスペインを達成することで、さらに良きクリスチャンになれる、と信じたからではないでしょうか。トマス・デ・トルケマダという、異端審問に必ず登場するキリスト教の司祭は、彼自身がユダヤ系の血を引く人だったという強烈な皮肉が加わります。おそらく一種の集団ヒステリーの状態で選択されたことのように私には思えます。

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