今日は、直接的には、あまり英語に関係のない話題を、と思います。
今のヨーロッパ人を見ると、北欧系は概して大人しいように見えます。大人しい、という意味が少し曖昧ですが、控え目であまり自分のことを外に出さない感じです。ですが、それがスポーツ、例えばサッカーになると、闘志を前面に出して、大きい体を生かして、組織的にプレイします。個人技の華やかさ、たとえばイタリア人がいう、ファンタジスタのプレイは北欧系にはありません。ここでいう北欧系とはドイツから北、ということでご理解ください。ただ、ドイツ人はおしなべて議論好きな印象はありますが、さらに北の北欧となると議論好きな印象は、私にはありません。大人しい人が多いです。
さて、クルマ(乗用車)のデザインで、ヨーロッパは独自の文化を持っています。フェラーリ、ランボルギーニなどのばかばかしいデザインもあれば、フォルクスヴァーゲンの実用志向のデザインもあります。欧州の古い町の中では、道路を広げることはムリと思えます。(新しい町ではそのような制約はないか、あってもほぼ無視できる程度でしょう。)当然、この旧市街でも通行できることが車体サイズを決めるカギになります。当然、外側をできるだけコンパクトにして、中では大柄な人を収容でき、乗員全員が高速道路で移動し、なるべく疲労させない、事故でもなるべく乗員、歩行者を守るということに徹しています。これはおそらく中世からの馬車の伝統でしょう。馬車には貴族のためのものもあれば、庶民のための乗合もありました。今のタクシーのようなものでしょうか。
この対極にあると私が考えるのが、イタリアのスポーツカー以外だと、アメリカの自動車デザインです。数年に一度モデルチェンジなることをして完全なリセットができます。私が忘れらないのは、むかし、アメリカ車がボンネットグリルに変な箱型のデザインを取り入れたことです。やがて日本に波及してきました。つまり、日本の車はアメ車を真似るところから始まりました。トヨタのセリカはたしかマスタングのコピーでした。1980年代に売れたマツダのファミリアはドイツのフォルクスヴァーゲンの完全コピーでした。外観だけでしたが。当時のアメ車のバカバカしさの極致は、クルマにフィンを取り入れたことです。羽です。車は空を飛ばないし、水に潜らないので、フィンをつけても役に立ちませんが、アメ車は付けました。その当時の車のボンネット(エンジンフード)は四畳半位あります。フードを開けると、ゆるゆるにつくってあり、上から地面があちこちで見えました。こうして見ると、日本の車のデザインの主流はアメリカ風のおバカ派です。今でもそうだと思います。突っ込みどころ満載で無駄の多いデザインです。常に欧米のコピーを心がけていますので、自分でクリエイトするつもりはないようです。自動車デザイナーを養成するらしき学校の学園祭をのぞくと、無駄な装飾を競う、知性の低そうな若者が創造性も実用性もないデザインを描くことに一生懸命でした。この人々が、一流大学から集まってくる優秀なエンジニアたちとちゃんと折り合いをつけてやっていけるのか心配です。まあ、心配よりも、実用性でも美しさでも安全性でも尖ったところのない凡庸な車をつくり続けてくれるでしょう。この辺のゆるさが、日本車のデザインが世界で誰も注目されない理由でしょうね。知性が低すぎます。
ところが、これが衣装デザインになると別です。フランスのファッションショーのバカバカしさ。まるで宇宙人に会う時の服装をデザインしているのか、というような形が次々に出てきます。アメリカのファッションショーというのがあるかどうか知りませんが、アメリカのファッションは実用的です。ブルックスブラザーズにいたっては、基本デザインを変えないことをポリシーにしています。コーチ(Coach)というバッグメーカーの製品は実に実用本位です。
つまり、ヨーロッパでも、産業によっては優秀なデザイナーがいますし、産業によっては少し知能の低そうな人々がいる、ということですね。アメリカでも同様ですね。
かつてBMWにクリス・バングルというアメリカ出身の人が、チーフデザイナーとなり、デザインの路線を大きく変えました。私は嫌いではありませんが、私はまったく知性を感じませんね。車が猛禽類のようなイメージを持つのは、かつてのアメ車のクラシカルなグリルデザインを彷彿とさせます。賛否の激しさに嫌気がさしたようで、彼(クリス・バングル)はすぐにBMWを離れて車とは関係のない業界に行ったようです。カーデザイナーってそんなものか、と思います。別に車に情熱を持っていたわけではないのですね。
パーティでいろいろな話の引き出しを持っていることは役に立ちますよ。普段話をしない人でも、印象に残るような話題を提供できれば、運を引き寄せることができるかも知れません。人の意見に埋没した意見を聞いても欧米人は誰も喜びません。どうでも良いパーティで間の取り方などを一度練習しておくと、大事なパーティでもちゃんと話せますよ。