字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2019年06月

今日は、直接的には、あまり英語に関係のない話題を、と思います。

今のヨーロッパ人を見ると、北欧系は概して大人しいように見えます。大人しい、という意味が少し曖昧ですが、控え目であまり自分のことを外に出さない感じです。ですが、それがスポーツ、例えばサッカーになると、闘志を前面に出して、大きい体を生かして、組織的にプレイします。個人技の華やかさ、たとえばイタリア人がいう、ファンタジスタのプレイは北欧系にはありません。ここでいう北欧系とはドイツから北、ということでご理解ください。ただ、ドイツ人はおしなべて議論好きな印象はありますが、さらに北の北欧となると議論好きな印象は、私にはありません。大人しい人が多いです。

さて、クルマ(乗用車)のデザインで、ヨーロッパは独自の文化を持っています。フェラーリ、ランボルギーニなどのばかばかしいデザインもあれば、フォルクスヴァーゲンの実用志向のデザインもあります。欧州の古い町の中では、道路を広げることはムリと思えます。(新しい町ではそのような制約はないか、あってもほぼ無視できる程度でしょう。)当然、この旧市街でも通行できることが車体サイズを決めるカギになります。当然、外側をできるだけコンパクトにして、中では大柄な人を収容でき、乗員全員が高速道路で移動し、なるべく疲労させない、事故でもなるべく乗員、歩行者を守るということに徹しています。これはおそらく中世からの馬車の伝統でしょう。馬車には貴族のためのものもあれば、庶民のための乗合もありました。今のタクシーのようなものでしょうか。

この対極にあると私が考えるのが、イタリアのスポーツカー以外だと、アメリカの自動車デザインです。数年に一度モデルチェンジなることをして完全なリセットができます。私が忘れらないのは、むかし、アメリカ車がボンネットグリルに変な箱型のデザインを取り入れたことです。やがて日本に波及してきました。つまり、日本の車はアメ車を真似るところから始まりました。トヨタのセリカはたしかマスタングのコピーでした。1980年代に売れたマツダのファミリアはドイツのフォルクスヴァーゲンの完全コピーでした。外観だけでしたが。当時のアメ車のバカバカしさの極致は、クルマにフィンを取り入れたことです。羽です。車は空を飛ばないし、水に潜らないので、フィンをつけても役に立ちませんが、アメ車は付けました。その当時の車のボンネット(エンジンフード)は四畳半位あります。フードを開けると、ゆるゆるにつくってあり、上から地面があちこちで見えました。こうして見ると、日本の車のデザインの主流はアメリカ風のおバカ派です。今でもそうだと思います。突っ込みどころ満載で無駄の多いデザインです。常に欧米のコピーを心がけていますので、自分でクリエイトするつもりはないようです。自動車デザイナーを養成するらしき学校の学園祭をのぞくと、無駄な装飾を競う、知性の低そうな若者が創造性も実用性もないデザインを描くことに一生懸命でした。この人々が、一流大学から集まってくる優秀なエンジニアたちとちゃんと折り合いをつけてやっていけるのか心配です。まあ、心配よりも、実用性でも美しさでも安全性でも尖ったところのない凡庸な車をつくり続けてくれるでしょう。この辺のゆるさが、日本車のデザインが世界で誰も注目されない理由でしょうね。知性が低すぎます。

ところが、これが衣装デザインになると別です。フランスのファッションショーのバカバカしさ。まるで宇宙人に会う時の服装をデザインしているのか、というような形が次々に出てきます。アメリカのファッションショーというのがあるかどうか知りませんが、アメリカのファッションは実用的です。ブルックスブラザーズにいたっては、基本デザインを変えないことをポリシーにしています。コーチ(Coach)というバッグメーカーの製品は実に実用本位です。

つまり、ヨーロッパでも、産業によっては優秀なデザイナーがいますし、産業によっては少し知能の低そうな人々がいる、ということですね。アメリカでも同様ですね。

かつてBMWにクリス・バングルというアメリカ出身の人が、チーフデザイナーとなり、デザインの路線を大きく変えました。私は嫌いではありませんが、私はまったく知性を感じませんね。車が猛禽類のようなイメージを持つのは、かつてのアメ車のクラシカルなグリルデザインを彷彿とさせます。賛否の激しさに嫌気がさしたようで、彼(クリス・バングル)はすぐにBMWを離れて車とは関係のない業界に行ったようです。カーデザイナーってそんなものか、と思います。別に車に情熱を持っていたわけではないのですね。

パーティでいろいろな話の引き出しを持っていることは役に立ちますよ。普段話をしない人でも、印象に残るような話題を提供できれば、運を引き寄せることができるかも知れません。人の意見に埋没した意見を聞いても欧米人は誰も喜びません。どうでも良いパーティで間の取り方などを一度練習しておくと、大事なパーティでもちゃんと話せますよ。

今日の話題はpunctuation markです。punctuation markとは、「句読点」のことです。残念ながら、私は日本語の句点と読点の違いがわかりません。おそらく読点がカンマで、句点がピリオドだろう、と想像します。いずれによせ、紛らわしいです。おそらく英語でもそのあたりは少し紛らわしいです。

"The Majestic"という、あまり有名ではない映画での1シーン。(このブログではまだ紹介していないようです。)映画のほぼ最終のシーン。第2次大戦直後の時代に、主人公が、鉄道の駅の電報サービスの窓口で口述し、電報職員が書き留めます。セリフは以下のようになっております:(詳しく読む必要は全くありません。)

Dear Adele, stop.  (Adeleは主人公の恋人の名前)
Am coming back to Lawson to return what I borrowed, stop.
Would very much like to ask you a question, stop.
If you're not on the platform when I arrive, I will understand, stop.
I will leave your book and Lukes medal with the stationmaster...get back on the train and just keep going, stop.

このstopとは何を意味するのでしょうか。これは「文末」を意味します。つまり、文がそこで終わる、ということです。同じことを言うのに、full stopという言い方もあります。MWによると、full stopはBEのようです。ですが、おそらく映画で聞く限りでは、BE/AEの区別はないと思います。ちなみに、MWのpunctuation markを見てください。10種類以上並んでます。中にはpunctuation markではなさそうなものも並んでいますが、編集者にとっては、あくまでも仲間のマークなのでしょう。あなたが、アシスタントなど別の人に口述筆記をさせているときがあればこの表現を使いましょう。なお、上の表現でAm coming backの文で主語Iが抜けていますが、これはわざとです。使われている語の数で料金を決めるのが電報でしたので、わかりきっている場合は主語を省略します。Iを省略することで1語省略できるのですから、省略するのが当然です。日本語の過去の電文と同じです。二番目の文の主語Iも同様。ですが、最後の文になるとIが省略されていません。なぜかはわかりません。おそらく映画の聴衆に語るためではないでしょうか。

さらに別の言い方があります。periodです。これも映画、日常生活でよく聞く言葉です。たとえば Finish the job before ten, period.と言われた場合、意味は「10時までに終えておけ。以上だ」ということです。これはビジネスの世界ではよく使われる表現です。初めて聞く人は覚えておきましょう。この日本語の、私を少し混乱させる言い方ではありますが「以上」が訳としてピッタリだと思います。このperiodという言葉には「問答無用」という意味があります。ですが、Finish the job before ten, full stop.とは言いません。上のstop/full stopは口述筆記の時に、punctuation markを伝えるために、使われるだけです。periodには少しイライラした感じもあります。俺はもうツベコベ言わんぞ、ということですね。

ビジネスで、似た表現としては、Take it or leave it.という表現があります。takeとは買うことです。「俺の示した条件をお前が飲む(受け入れる)か、取引なしかだ。」つべこべ言いながら交渉しない、という意味です。日本語の「伸るか反るか」では、結果は運に任せて・・・という意味がありますので、日本語訳としては、この場合不適切です。受け入れる場合は一言"Deal."です。

さて、日本語でもよく使われる省略記号・・・ですが、これも実はpuncuation markの一つで名前があります。ellipsis pointsあるいは単にellipsisと言います。これを知っているとpedantsの気が晴れるような気がします。ellipsisはややこしいことに幾何学では「楕円」をも意味します。語源としては、ラテン語のellipsisさらには、ギリシャ語のelleipsisに由来するそうです。意味は「不足」でした。英語では1560年代に使用開始で、1610年代には、文法で使う、重複を避けるための、という意味で「省略」の用法が使われ始めたようです。少し意味が違うような気がしますが、語義が変遷するのはよくあることです。むしろ変わらずに、という方が極めて少ない、か、あるいはまったくない、と思います。似た単語にeclipse、天文学の「食」という言葉がありますので、ついでに整理して置きましょう。

単語は過多ではありません。警察用語は多いです。特に警察の特殊部隊と思われる用語が多いですが、ここではそれらは無視しました。結構日常生活で参考になりそうな表現、用語が少し多めに感じました。映画の出来はあまり良いとは言えませんが、参考になりうる表現が多めということで見る価値があるかも知れません。

snitch 密告者
red-eye 夜間便(寝不足で目が赤くなる)
skew 傾ける
cripple 障碍者
Don't take it personally (idiom) 個人攻撃と取るなよ
beat the odds オッズに勝つ>>>形勢逆転させる
nerve regeneration 神経再生
dysreflexia 反射異常
seizure 発作
spine 脊椎
race you 競争する
slam bam 乱暴に閉めてバン
care about ~のことを思う
hell of 素晴らしい~
rabbi ユダヤ教の先生
cheapo 安物
looky 見て見て(ふざけ)
make it home 帰宅する
wedding band 結婚指輪
open-and-shut 簡単に解決できる
mutilate 切断する
doer=evildoer 犯人、ホシ
ransom 身代金
resuscitation 蘇生
adept=skilful
hex bolt =hexagon bolt
forensics 科学捜査/法医学
thread (ここでは)ねじ山
cushy 楽な
push around こき使う
pathetic 感傷的
at stake 危機にある
recess 奥部
slug 弾丸
turn-of-the-century 世紀末前後の
crash course 短期集中講座
cranky 気難しい
criminalist 犯罪学者
Bayonne, NJ
schtup セックスする
ticker=heart beat
pecker=pennis
thread ねじ山 既出
grab a minute 少し時間をもらう
keep someone in the loop=keep someone posted
perp=perpetrator加害者
individuate 意見としてまとめてから報告する
landfill 埋め立て
grate 不快感を与える ザラザラしたものでする
hubcap ホイールキャップ
trample 手荒く扱う
have one's ass in a sling ふさぎこむ
under protest 嫌々
cluster 塊
autopsy 解剖
shackle 拘束具
all thumbs 全部親指=不器用
youth offender 若年犯罪者 多くは放免される
charge at walls???
preordained 運命付けられた
bludgeon こん棒で打つ
osso buco イタリア料理(骨付き肉)
shank 脛(すね)の骨、または肉
braise 炒めて蒸す
to boot おまけに(文末)
hair follicle 毛の小包?
individuate 意見としてまとめてから報告する
shard 破片
defunct 現存しない the now defunct USSR 今はなきソビエト連邦
viaduct 陸橋
seizure 発作
crate 箱
half-assed 低能の
chain of custody 受け渡し票 (custory 拘留)
friction print???
run circles around ずっとうまくやる
no less そのものズバリ
spree killing 連続殺人
ineptitude 愚かさ
extremities 四肢(plで)
dysreflexia 反射異常
diastolic 拡張期
aggravate 悪化する
a fare 乗客(countable)
hack license タクシー走行許可証
molest みだらな行為をする
not pretty sight ひどい恰好をしている 
touche 参った!
huffing and puffing ハアハアしながら
cluster 塊
gothic 野蛮な
meddling お節介な
gofer 遣いっ走り
tamper 改ざんする
serology 血清学
doctor 不正をする
brutalize 残忍な仕打ちをする

6月14日に放送された、BS12の洋画が字幕で、オリジナル音声がそのまま放送されました。少し古い映画ですが、デンゼル・ワシントンが主役です。録画して見ました。あまりデキの良い映画とは思いません。使われている英語もまあまあです。ただ過度にひねった言葉使いではないのでそういうものを探している方にはその点ではおすすめです。

--------------

映画『ボーン・コレクター』(原題The Bone Collector)

公開:1999年

ジャンル:クライム・サスペンス

時間:118分

配役:
Denzel Washington as Lincoln Rhyme
Angelina Jolie as Amelia Donaghy

あらすじ:
寝たきりになりながら、警察の科学捜査の指揮を執る法医学の大家Lincolnは、新人のような警官Ameliaの才能を見抜く。いくつかの殺人事件が起こる。捜査をしてゆく過程で、Lincolnはこれが古い小説に書かれた通りに行われたことを知る。犯人はLincolnに恨みを持つ人物。

原作は小説とのことです。

聞き所:
マンハッタン島南部などの地理に詳しいと少し具体的なイメージが描きやすい映画だと思います。
内容としては、例によって、アイリッシュ系の白人警察と黒人警官(法医学者)(デンゼル・ワシントン)との対立、という古風なもの。過度に凝った内容ではないので、英語教材としては良いかも知れません。

私の評価:
エンタメ度   つまらない★☆☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★☆ 少ない 
早口度     早い   ★★★ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い 
-----------------------------------------
合計           7★(満点15★)

方言:
全体に東部方言(NY訛り)。一人Eddieがスペイン語訛りの英語を話す。

コメント:
一度TVで放送されたものを見たことがありますが、英語教材という観点から、改めてそれなりにエンジョイできました。

単語、熟語などは明日に。

昔、映画『007』シリーズの、たしか『ゴールドフィンガー』で登場する有名なセリフ。“A martini, shaken, not stirred” 「マティーニ(マルティーニ)を1杯、シェークで。混ぜないで」。イングランド人として国家機関に奉職するので、彼は公務員となのでしょうが、映画からはまったく公務員臭くありません。今日はこのあたりをすこしいじります。

そのまえに、あんなに食事のまずいイングランド。ですが、飲み物には結構ウルサイです。ドイツと同じで、食べ物のまずい国だと人々は飲み物に注意を向けるようです。マティーニをシェークするのと混ぜるのとで何が違うのでしょうか。空気が入るかどうかしょうか。それよりも、オリーブを入れるかどうかの方がよほど大事なことでしょう。ちなみに、私はオリーブを入れた、ドライではない通常のマティーニが好きです。カクテルの王様という別名がありますよね。

まず、名前のジェームズ・ボンド、名前のJamesからしておそらくスコットランド系です。私の経験からすると大体6,7割の確率でスコットランド系の人です。いろいろ個人的な事情で語られにくい部分を総合するとその確率はもっと高いだろうと、私個人は想像します。Bondの名前は、職業由来の名前の一つで、小作人を中期英語でbondeと呼んだことに由来します。つまり、スコットランド系であることを前面に出した名前ですね。そんな人がイングランドのためにスパイ活動をするというのも少し不思議な気がします。そもそもロンドン警視庁がなぜ「スコットランドヤード」なのでしょうか。これは通りの名前に由来するそうです。日本の警視庁を桜田門と呼ぶようなものでしょうね。

そもそも原作者のイアン・フレミングの、Ianはそのものズバリのスコットランド系です。イングランドでJohnという名前がスコットランドではIanです。そして姓のFlemingですが、これはFlandersから来た、を表すと考えられています。フランダース地方は、古いフリージア語でFleming、古いオランダ語でVlaeminghと綴られていました。ただ、私は別の見解を持っています。鳥のフラミンゴflamingoですが、これはスペイン語から英語に入りました。元になっているのは英語のflameと同じで、「赤」を意味するラテン語flammulaがフランス語に入り、そのあとで英語に入りました。毛髪が赤いのでFlemingではないでしょうか。あるいは両方の源を持ち、それが今の綴りに統一化されたのかも知れません。

スコットランド系の名前で日本人が注意すべきことがあります。それは姓と下の名前がしばしば逆転することです。ジャズ・ピアニストでMcCoy Tynerという人がいます。この人のファーストネームはMcCoyです。たぶんあなたは違和感を持ったはず。今のアフリカ系アメリカ人の中で自らの意思でアメリカに来た人はあまりいないと思います。奴隷として連れて来られた人々の子孫でしょう。アメリカ南部には、スコットランド系、アイルランド系の人々は多いです。その名残が彼の名前に残っている可能性があると想像します。普通の日本人は、アメリカ人だとすぐにファーストネームで呼び合う、と思っていますが、それは出自次第です。大方のひとはそうですが、スコットランド系は姓で呼ぶ人が少なくないです。一度それを話題にしたら、スコットランド系はファーストネームとファミリーネームを区別するのが下手だ、それはスコットランドの文化に由来する、ということでした。では、同じゲール系のはずのアイルランド人はどうなんでしょう?(つまり、そうなのかな?そうではないよね)というとその人物はもごもごしてました。ですが、スコットランドの文化としてファーストネームとファミリーネームとを区別しない、できない、使いたい方を使う、というのは本当のようです。その理由としては、姓を持ち込んだのがイングランド人だが、その時にスコットランド人はひどく混乱したから、ということらしいです。Ianをファミリーネームにする人を見たことはありませんが、Patrickをファミリーネームにするアイルランド系を何人も見たことがあります。

戦争ものの映画では大抵上官は部下をファミリーネームで呼びますね。これはおそらくTomと言ったら、何人も振り向くということと関係があるでしょうし、もしかしたら、このスコットランドの文化とも関係があるかも知れません。

追記
6月23日の日経のカラー版の付録に辻芳樹さんという方の特集が載っています。(父君は有名な故辻静雄氏とのこと。)彼は、EdinburghのパブリックスクールであるFettes College (フェティス校)の卒業生だそうです。有名な卒業生としては、Tony Blair(前の首相)と、James Bondがいるそうです。もちろん、James Bondは実在の人物ではありませんが、イアン・フレミングの原作では、James BondはFettesの卒業生という設定になっているそうです。私はパブリックスクールがスコットランドにもある、ということを初めて知りました。もしかすると、この学校はRPを教えるのでしょうか。Tony Blairの言葉はスコットランド訛りがなくて、かなりきれいなRPに近いですが、その理由はFettesにあるのかも知れません。それよりも、よりによって、イアン・フレミングがJames Bondの設定として、イングランドのパブリックスクールではなく、スコットランドのパブリックスクールを選んだのは何か理由があるのでしょうか。

↑このページのトップヘ