字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2019年05月

5月28日の話題の後編です。設定する日時の間違いで前編、後編の間に『ディパーテッド』を2回挟んでしまいました。大変失礼いたしました。

これら以外にもまだまだたくさん部族の名前が地域名になっているところがあります。フランスの語源はフランク族(英語でFranks)ですが、最古の記録では、現在のベルギーあたりに支族がいたらしいという程度で詳しくは知られていませんが、後に今のフランスに移動してフランスという国の名前の由来になっています。ラテン語ではなく、自らの言語で何と呼んでいたかは、私にははっきりしません。ほぼラテン語の呼称がそのまま部族の呼称になっている、ということかも知れません。本来はゲルマンのホームグラウンドであった場所ですが、昨日見たようにラテン語が継承されて地名となっているのでしょうね。

アルプスの北でそうだったのです。南では今でもローマ時代のままのようです。たとえば、英語でTuscanyと呼ぶエリア、イタリア語ではToscanaです。ラテン語ではTuscānusと書きましたが、意味はTuscusの人々ということであり、TuscusとはEtruscusの短縮形だそうです。つまり今でも、ラテン人の「先生」であったエトルリア人が地域の名称として残っているのです。このブログですでに詳説したように、ローマ人はエトルリア人から文字、建築などを習いました。英語ではEtruscan、Etrurian両方が使われます。 なお、フィレンツェ(英語名Florence)はトスカーナの中心地です。

地名以外ですと、たとえばGothicという言葉はゴート族に由来します。ラテン人から見ると、洗練さに欠けるゴート人風の、異民族風の、という意味があります。Gothicは、美術、建築、字体(calligraphy)などに残っています。反対語はRomanつまり、ローマ風の、ということでしょうね。先日火事のあったパリのノートルダム寺院の尖った、背の高い建物はローマ風とは別の気質を伝えているかのようです。

話は変わりますが、私は先日東京の神田にあるニコライ堂を見学してきました。その時ガイドの方の説明で、改めて感じたのは、日本は明治の開国依頼ずっと西欧にあこがれて来た、ということです。西洋とは東洋の反対を意味するのではなく西欧を指すのだ、ということです。キリスト教は地中海東部で生まれて、北へ、そして南へ伝播しました。南で有名なのは、エジプトのコプト教会と、エチオピアの「原始」キリスト教です。北へ伝播してキリスト教は、ギリシャで広められました。ユダヤ教のヘブライ語聖書はキリスト教のギリシャ語聖書に翻訳されました。当時の文化の一大中心はギリシャだったのですね。そしてローマが興隆しているとき、ローマ市民である聖パウロがローマでの布教に力を注ぎます。やがて国力の衰退期にあったローマ帝国はキリスト教と共存することを選び、やがては新しい宗教として受け入れます。そしてローマは西方教会の中心となり、さらに千年後アルプスの北にプロテスタントが生まれます。こうしてみると、本来的なキリスト教は、ギリシャ正教にあるように見えます。ただ西ヨーロッパ諸国がしのぎを削って海外(大西洋)に進出している間、ギリシャ正教とイスラム世界は初期の輝きを失い、長い停滞の時期にあり、西ヨーロッパ諸国が引いた砂漠の砂の上の国境線に翻弄されます。ギリシャ正教会がアジア、極東への布教に割くべき資源をほとんど持っていませんでしたので、日本での存在感は希薄なままです。なお、函館には、駿河台より先にロシア正教による布教が開国以前から始まっています。

こうしてみると、ラテン語のゲルマン部族名は現代の地名においてもいまだに昔の輝きを伝えていると言えます。

dirty wordsがかなり多い映画です。ひとつひとつ見ていきましょう。なお、MA=Masachusettsのことです。なお、日付設定を間違えたために、ひとつの話題をスキップしました。それは明日に。


product 産物
Knights of Columbus    コロンブス騎士会(◇カトリック信徒の国際的友愛組織;1882年創立)
head-breaker???
guinea イタ公
develop=grow
one's period 生理中
cold cut 薄切り
makeup 化粧品
North End BostonにあるLittle Italyのこと
ballistics 弾道学 terminal/internalなどの分野に分かれる
projectile 発射物
hollow-point 先端が凹型の銃弾(当たったときのダメージが大きくなる)
mushroom (vi) マッシュルーム型になる
peel back 表皮を陥没させる?
queer おかま
solidify 団結させる
plain-cloth 私服警官
out of the gate ハナから 
search warrant 捜査令状
cunt 女
BostonのIrish系の多く住む町
Jordan Marsh Bostonにあるdept store本社
small-time ケチな 
Somerville Boston郊外の町
bookie=bookmaker
casket 棺
Deerfield MAの町の名前
demise 遺贈
SIU special invenstigation unit
family tree 家系
get busted 逮捕される
aptitude 才能
disrupt 邪魔をする
demise 逝去
off-the-boat <fresh off the boat 移民先に慣れていない 下船したばかりが原意
Brockton, MA   都市の名前
you-know-who 例のあいつ
pass of as my own 自分のだと押し通す
Southie=South Boston   Irish系の多い、ボストンの南に隣接する町
priest 牧師
tick ノミ
three-decker 3階建てアパートのこと Bostonからやや離れたところにあるWocester, MAという町があり、そこのthree deckerは上品なヴィクトーリア様式と言われている。
North ShoreはMA州の北部一帯を指す。主要都市Salem。Bostonとはまったく違う文化。
Southie projects???  犯罪の多い地区なので再開発プロジェクトのことを指す?
donkey ばか
psychiatrist精神分析医
lace-curtain<lace-curtain Irish WASP気取りのIrish descendantを指すBostonian slang
smart ass 知ったかぶり屋
deception 謀略
self-deception 自己欺瞞
parquet 寄木
Beacon Hill MA州議会堂のある場所
conceal 秘匿する
convicted 有罪となる
shrink 精神科医
Ricans<Puerto Ricans
eightballs ビリヤードのゲームの名前 8番のボールは黒
out of the joint 出所したばかりの
stink 悪臭を放つ
diuretic 利尿の
undercover 秘密調査
Dumpster どこにでも置いてある大型ごみ箱
dirt ball 薄汚い奴
forged 偽造した
transcript 成績証明書
dickhead 馬鹿野郎 原義は男性器先端
Hibernian=Irish 駐留ローマ人はIrelandをHirberniaと呼んだ
nail 捕まえる
take a dump クソをする
Feds=FBI
allegedly とのことですよね    
house call 往診
service revolver 業務遂行用のリボルバー銃
whatnot などなど
frigging=fucking 相手が女性なので少しだけ柔らかい単語が選ばれたはず。意味は同じである。
Suffolk=Suffolk Univ.
UMass=Univ of MA
babu インド人を馬鹿にすることば
cannoli 南イタリアのスイーツのひとつ
duck a l'orange カモとオレンジ料理
impervious 何とも思わない
up shit's creek???
mick=Irish
you-know-who 誰かさん
Parents Without Partners 片親家庭
contraband 禁制品
act accordingly 善処せよ
Lynn, MA
Knock yourself out 全力でやれ
lox ユダヤ人 (原義 ユダヤ人が食べる鮭の燻製)
hit 殺人
captain 警部
smart-mouth 生意気な口をきく奴
cui bono ラテン語 誰が得をするのか
douche bag 嫌な奴
bombardier 爆撃手
on the house 店のおごりで
lookit=look/listen
raid 強制捜査
cadet 研修生
hang tight 団結する
Valium 薬の名前
panic attack 不安発作
puke 吐く
on the way over???
score smack???
don't give a shit ずけずけ言な
toanointed 聖油を塗った
pederast 少年愛
Patriot Act 愛国者法
shitless 恐怖で大便垂れ流しをする奴
Chink 中国人野郎
tickee=ticket
hard-on 上司
let go of me=let me go
keep sth on even keel 安定している
hot shit 最高
Don't start with me. そんな話は止めて
shrink cunt メスの精神分析医か?
earn it???
snitch 密告者
haberdashery 小間物屋
DOBs=dates of birth
pedigree information 経歴
shoot in your pants???
and whatnot その他もろもろ
tumor できもの
smirk にやつき
mover???
give sth up to ~に引き渡す(売る)
federal case 連邦裁判事項
go around the back 裏に回る
leave out しない、忘れる
shit だます、かつぐ
retarded 知恵遅れ
tetanus shot破傷風予防注射
hedge one's bets 賭けをヘッジする>>>両面作戦をする
ulnerability 脆弱性
freak 動揺させる
mole もぐら
immaculate 汚れのない
get ahead 出征する
stand 我慢する 通常はnotと一緒に使う I can't stand him. あいつには我慢がならねえ。
The fuck is wrong with you?
crack up 自滅する
I hope you're not turning into one of them sob sisters wants to get caught.
reassigned 転勤になる
lay low おとなしくする
take care of business 自分のことを自分でやる
outfit チーム
pop 殴る
pain in the ass 悩みのたね
disgruntled 不満な
"Heavy lies the crown" sort of thing. <"Uneasy lies the head that wears a crown" Shak Henry IV
prom queen<promoted queen pawnからqueenにpromoteする
take the night off 夜勤休んだら?
disinformation 偽情報
get made ばれる
dope 男
spooky 薄気味悪い
compromise 情報を漏らす
fucked だまされる
got on the inside tipped him???
leave of absence 休暇
hand in a paper 辞表を提出する
get one's balls in an uproar カンカンに怒る
pissant 小者
whiff of my ass ケツのにおい
hard-on 辛く当たる
tail 追跡者
medal of merit 勲章
go blooey 故障している            
speck 点
snitch 密告者
faggot=gay
talk sense into 言って聞かせる
cold-linking???

初めて見ました。ものすごく面白い映画です。前回このブログで取り上げた『タクシードライバー』と同じマーティン・スコセッシが監督をしています。この人はもうかなりの年齢だと思いますが、ものすごく現代的なタッチで、スピーディーにストーリーが進みます。最近見た中でベストの映画でした。


スコセッシの『タクシードライバー』はNYCを舞台にしたローカル・ムーヴィーでした。これはボストンを中心にしたローカル・ムーヴィーです。ボストン訛り、人種、移民階層、ボストン市内、周辺の地名、などについて知っている方がより楽しめるかも知れません。ハリウッド映画とはまた別のローカル・ムーヴィーですが、ここまでローカルな映画は少数派だと思います。あまりに面白いので、エンドロールの最後まで読んでしまいました。この映画の日本での一般的な評価は十分に高いのか気になります。名作だと思います。(映画のポスターの出来がイマイチなのであまり有名にならなかったのかも知れません。)

映画の中の音楽の選択はイマイチです。
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映画『ディパーテッド』(原題The Departed)

公開:2006年

ジャンル:クライム・サスペンス

時間: 152分

配役:
Leonardo DiCaprio as Billy Costigan
Matt Damon as Colin Sullivan

あらすじ:
ボストン市警察と思われる設定(風景から知る人にはそれとわかるはず)。ギャングの一味に潜り込んだなりすましの警官と警察署内部に潜り込んだなりすましのマフィアをめぐる死闘。ものすごくスピーディーにストーリーが展開することろが快感です。あまりくわしくストーリーを知らない方がこの映画を楽しめると思います。単に警察と悪漢の対決ではなく、そこのボストンでの移民の話が織り込まれています。香港映画のリメイクだそうですが、原作をまったく知る必要はありません。最後まで楽しめると思います。

聞き所:
マット・デイモンが後半で、どうやって自らの窮地を脱するか、を聞き逃さないように。(答えはもちろん画像で示されます。)

私の評価:

エンタメ度   つまらない★★★ 面白い
文化理解要求度 高い   ★★★ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★☆☆ 少ない 
早口度     早い   ★★☆ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い  
-----------------------------------------
合計           9★(満点15★)

方言:ボストン訛り
ボストン訛りらしきものが激しすぎて、移民一世の訛りなのかボストン訛りの誇張なのかがわからなくなりました。
言葉はギャング映画にありがちなf-wordを多用する映画です。これを我々が真似る必要はまったくありません。また他にもdirty slnagが頻出します。

コメント:
冒頭に書いた通りです。アメリカ合衆国成立の初期からある13州のうちのいくつかはstateではなく common wealthと呼びます。Massachusettsは後者です。ですが、映画の中では「州警察」はstate trooperと呼ばれてました。西隣はRhode Island stateですが、ここの正式名称はthe State of Rhode Island and Providence Plantationsと言います。本来的にはMassの宗教的戒律に反発した人々が「独立」する形でできたのがRhode Islandです。この映画の中にもProvidenceという都市の名前が何度も出てきます。MassとRhode Islandの間にある地域の名前、ということで理解して良いのだろうと思います。

単語、熟語などは明日に。

今日は、ゲルマン民族の名称が今日の国あるいは地方の名前になっている例を見ていきましょう。英語そのものと直接は関係しませんが、英語化した地名と現地語の地名との区別の一環としてみていただければ、と思います。

ドイツのことを現代フランス語ではallemagneアルマーニュと綴ります。この語源はAlemanniaというラテン語です。アレマン族と呼ばれるゲルマン民族の一部がライン川の東に定着しており、その呼び名が今日まで引き継がれて「ドイツ」を表します。(なお、ドイツのことをラテン語でGermāniaと呼び、意味はland of the Germansです。私はGermaniaとAlemanniaの区別はわかりません。ラテン人から見て、ケルト人(ローマ時代には欧州大陸とブリティッシュ諸島に住んでいた)、ゲルマン人程度の区別は必要だったかも知れませんが、アルプス以北のエリアに関して、明確な呼称を使い分けていたかどうかは疑問に感じます。)なお、今日のわれわれには「ドイツ」というのはわかりやすい呼称ですが、「ドイツ」の前は神聖ローマ帝国であり、小さな領邦国家に分かれていました。ドイツ、イタリアなどの概念は19世紀後半に成立したものです。おそらく「日本」もそうでしょう。森鴎外(林太郎)は、石見(いわみ)の国亀井藩の出身でしたが、東京で没するときには、「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」と遺書を書いております。生年1862年の鴎外でも、日本人というよりは石見人だったのですね。

ミュンヘンは英語ではMunich、ドイツ語ではMünchenと綴ります。地域は英語ではBavariaですがドイツ語ではBayernと呼びます。Bayernの語源は諸説ありますが、ローマ時代のBaii族の住処に由来するそうです。Baiiとはゴール人Gallicの1派だそうです。ただ、BohemiaとBavariaとの区別が難しい時期があり、私はあまりスッキリとした説明を見つけることはできませんでした。ただ、ドイツ人の中でも多くの人は「自分はTeutonicテュートン人である」と信じていますが、その中にはBavarianは入れないようです。この辺の感覚は外国人には少しわかりにくいでしょうね。歴史をさかのぼるとゲルマン系ではなくケルト系の民族が住んでいたようです。アドルフ・ヒトラーが演説を行ったことで有名なビアハウスはMunichにあります。ヒトラーはオーストリア人で、ということはおそらくカトリックで、貴族ではないのでおそらく平民ということでドイツ南部のBavariaに親近感を持っていたのではないでしょうか。南ドイツはドイツ人にしては小柄な人が多い印象です。ドイツの政治の中心は当時もベルリンでしたが、ベルリンあたりになるとラジオで放送された、ヒトラー演説の「ドイツ語」を理解できたのかどうか私はいつも疑問に思っています。今のドイツ語でも、ドイツ地区の標準的ドイツ語と、オーストリア地区のドイツ語との発音の違いを学びますが、かなり違いますよね。なお、ドイツ人はかなり地方色の強い人々だと私は思います。つまり本当に「ドイツ連邦」なのです。今でも昔の領邦国家の名残をとどめているからでしょうね。そして、地域ごとに主要産業が確立しているからでしょうね。Munichの主要産業は観光と自動車(BMW)です。ベルリンはドイツの政治の中心ですが、これといった産業がないため、経済面ではかなり柔軟性が高いと言われています。別の言い方をすると、いろいろな産業が発達しているドイツの各地方の文化、主張を柔軟に受け入れてこそベルリンが成立する、ということでしょうね。

ブルグント族Burgundians(英語)は元々はスカンディナヴィア地方にいたと考えらえていますが、その後東ヨーロッパに移動し、その後さらに今のフランス東部の、いわゆるブルゴーニュ地方に移動したそうです。フランス語ではBurgondesと綴るそうですので、日本語のブルグント族とはフランス語経由かも知れません。フランス語の地域名称Bourgogneの語源は、後期ラテン語のBurgundionesだそうで、意味はhighlandersとのことです。イングランドの王家はかつてボルドー地区を自国の一部としていましたので、ボルドー経由で入手できるワインのひとつとして、(フランス王国ではなく)Burgundy公国のワインはイングランドの上流階級に人気がありました。このために、革、布の染色ではBurgundy redと呼ばれるワインのような赤の呼び名ができて今でも赤色の基本的ヴァラエティの一つとして定着しています。Burgundyの語源がBurgundiansというのは理解できますが、ラテン語ですので、自分たちがそう呼んだのではないことがわかります。その意味では、ゲルマン族の名前に由来する、というのもやや不自然なところがありますね。

LangobardあるいはLongobardsとはロンバルディア地方のことを指します。Milan(Milano)を擁する地域です。ここもゲルマン民族の名称を引き継いでおります。ラテン語でLangobardusとは、この人々のことを指し、わかっている故郷はやはりスカンディナヴィアです。後にエルベ川辺りに移動し、さらに移動してアルプスを挟むエリアに移動したとされています。ロンドンのCityにはロンバードストリートがありますが、ここは、ユダヤ人金融業者が追放された後に北イタリアLombardia州出身のイタリア人が金融業を営んだことに由来します。かつてはロンバードレートと呼ばれる、大手銀行貸出利率があり、おそらくその語源はこの通り近くにあるイングランド中央銀行に由来したのではないでしょうか。我々はイタリア人は陽気だと思っていますが、イタリアの中心はローマではなく、ミラノでしょう。ロンバルディア人はぜんぜん陽気ではありません。北イタリアは、中部、南部イタリアは北イタリアからの「上がり(=税金)」にたかって暮らしている、と考えていますので、常にイタリアから独立することを考えていると言われていますし、その政党もあります。なお、英語のbankの語源は中世イタリア語bancaだと言われています。bancaは金融業者が並べるテーブルのことだそうです。

明日はこの後編です。

今日は、なぜこのブログは耳を鍛える手段として映画を薦めるのかについて書きたいと思います。

まず、立場を明らかにしたいのですが、私は特別映画好きではありません。映画の評論もあまり関心がありませんし、映画を見て暇つぶしをするほどに暇でもありません。ただ、いくつかの理由があって、映画は勉強のために良いメディアだと思います。ただ、何事でも、好きであれば、それは大変すばらしい出発点だと思います。

かつて、私は、ラジオで英語を聞くことが、英語の聴き取り力を伸ばす理想のやり方、いわばゴールだと思っていました。そのときに使ったのが、AFN(アメリカ駐留軍放送)で放送される"Car Talk"という番組でした。Bostonにgarageを持つ二人の男性Tom and Rayの抱腹絶倒のradio showでした。車に関して、困りごと、相談、質問などよろず相談の番組です。NPRという、アメリカのNHKのような公共放送で一番人気の番組でした。英語の訛りの話、綴りの話、車の修理の裏話などなどなんでもアリのお笑い番組でした。ちなみに、この二人は、ボストン訛り丸出しで話ていました。たしか毎週土曜日の午前中に放送されていました。それがインターネット時代になり、ポッドキャストで聞けるようになりました。音質はかなり改善されました。

でも1,2年たって思ったのは、少し退屈してきました。それで次に教材として映画を、と考えました。映画とラジオの違いは明白です。画像があるかないか、です。ですが、人間の楽しみ方は、あるいは人間の脳の楽しみ方と言った方がより適切かも知れませんが、映画だと、映像(視覚)という刺激と、音声(聴覚)という刺激を二重にaudienceに与えることができます。この点に関して私は少し違う考え方をしていました。つまり、視覚情報がある分、映画は聴覚情報を補佐しているはずで、聴覚だけのラジオよりも聴覚に与える負荷が少なくなっている、と考えました。しかし、実際にはそうではないことがやがてわかりました。つまり、映画の音声情報だけを録音して聞くと、聴覚情報だけになります。映画を見るよりも、実は録音したものを聞く方が一般的に「楽」なのです。

それは、おそらく映画では、audienceに刺激を与えるために、視覚、聴覚双方を最大限に活用している作品があるからだと思います。それが一流の映画製作者達の力量なのです。一流の脚本家が仕上げたものを、映画監督など現場の一流の人々が作品化し、音声、音響を一流のスタジオが別録りして、編集する・・・そうやって映画ができています。それを強く意識したのが、BBCの『シャーロック』でしたね。奇想天外な展開、セリフ回し、ユーモアあるいはウィットでスタッフがaudienceが見破れるか挑戦しているのです。(映画館で放映する「映画」とテレビで放送する「ドラマ」はここでは単に「映画」とひとまとめにします。)似たことは、『シンゴジラ』でも感じました。日本語の映画ですが、ものすごい早口で、それがaudienceへの刺激となっています。

私はそのような見方をするので、『ハンニバル』の初回の放送でも、グロテスクな話題ですが、私の視覚、聴覚、語学力を総動員して、醍醐味を感じました。録音しておいた英語のセリフを聞いてみても、録画よりはかなり刺激は少ないですし、音声の聞こえ方も、より聴き取りやすいと感じます。

さて、次に、セリフのスピードです。実は『シンゴジラ』の日本語は、私にとってはかなり早口で、聴き取れないところが何か所もありました。日本語の他の映画でも、聴き取れないことは、私の場合よくあります。あるいは聞き取れてもストーリー展開にフォローしきれていない場合もあります。おそらく英語の映画も似ていると、つまり、日常のスピードよりも早口で、あるいは短いインタバルで会話をポンポンしていると思います。ラジオではこんなに早く話すことはあまりないと思います。これで可能になることは、映画で最高スピードの英語の発話に慣れておくことで、日常の会話を聞くことが楽になると思います。これが映画を使う最大のメリットだと私は思います。

そして、ほとんど費用をかけずにできます。テレビでは毎日のように字幕とオリジナル音声で映画が放送されています。自分の好きなものを選んで教材にできます。聴き取り用の脚本を無料でダウンロードできます。

すべてのブログ読者が私の上記の意見に賛成とは思えませんが、あなたが気付いていなかった使い方、メリット、新たな解釈がありましたでしょうか。ぜひ始めてください。最初の作品では、慣れない人は少し苦労すると思います。でも繰り返し聞くことで耳が慣れてきます。というか繰り返すことで脳は少し飽きている可能性があります。これを丁寧にご自分で「これなら」と思う2,3本の作品でやってみてください。できれば漫然とやらずに、徹底的に集中度を高めて3か月挑んでみてください。三か月後には自分でも驚くほど聴き取り力が向上していると気づく時があるはずです。「あれっ、相当聞き取れている」と実感する時が来ます。その時は飛び上がって喜びたくなると思います。それをイメージして努力しましょう。このブログは応援していますよ。

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