字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2019年03月

このフレーズをご存知でしょうか?"Mind your p's and q's" 意味は、「振る舞いに気をつけよ、言葉に気をつけよ」という意味ですが、p's and q'sがくせものですよね。Ps and Qsとも綴ります。この意味を知らない人も大勢いますよ。英語のidiomというのは100%の英語母語話者が知っているということは、あまりない、と私は思います。これはイングランドのTVドラマで使われていたものです。

この語源に関しては諸説あります。ざっと調べるだけで3つ、4つあります。ですが、どれもイマイチです。たとえば、印刷所で小文字の活字の置き場所がうんぬんかんぬん。パブでの勘定につかわれたなんとか。でも、分からないとしておくのがよろしいかと思います。

ですが、私が好きな説はあります。それはpea jacket、queueを意味する、というもの。

私の所有する英和辞典はRandam Houseです。私の最も好きな英和辞典です。そこにイディオムeat peas off one's knifeが出ており、意味は「無作法なことをする」となっています。(たぶんこれもあまり知られていないidiomでしょう。)他の辞書には出ていないと思います。ナイフでエンドウマメを食べることはできないと思います。ですが、その例文の意味が今日のこの言葉に近いという印象を持ちます。

pea jacket、peacoatとは、船員が着る丈の短い冬用の上着です。この語源はオランダ語のpijjekkerだと言われていますが、これはたんなる俗説という見解もあります。そしてqueue、発音/kjúː/は第2義として「弁髪」のことだと辞書にあります。つまりカツラですね。綴りはややこしいですが、発音は簡単です。

両方でp's and q's。どうでしょ?Cockneyでは、このように韻を踏む語、あるいはリズムの良い表現が好まれる傾向があり、ある意味で無理やり当てはめることも行われます。

そして、注目していただきたいのが、queueです。これはBEです。列のことを言います。AEではline-upです。加えて、複数形をつくるときの's、つまりpが複数でp's(あるいはPs)です。


Miranda Warningとは、アメリカ映画を見る方ならば、たいてい知っている事柄ですが、おそらくその名前まで知っている人は少ないと思います。刑事事件の容疑者が持つ黙秘権など4つの基本的権利を明文化したものを言います。

全文は以下の通りです:
You have the right to remain silent.
Anything you say can be used against you in court.
You have the right to talk to a lawyer for advice before we ask you any questions.
You have the right to have a lawyer with you during questioning. If you cannot afford a lawyer, one will be appointed for you before any questioning if you wish. If you decide to answer questions now without a lawyer present, you have the right to stop answering at any time.

「あなたには黙秘する権利があります。」で始まるものですね。Mirandaとは名前ですが、最高裁判事の名前ではなく、元になったアリゾナ州で起訴された、メキシコ人のチンピラErnesto Arturo Mirandaの名前に由来します。この男は保釈中にトラブルに巻き込まれ刺殺されましたが、Miranda Warningという名前になっておそらく永遠に名前を覚えられるでしょう。

アメリカ連邦最高裁において、これが確立されたのが1966年です。これ以前の映画ではMiranda Warningが告知される場面はないと思います。

話は少し変わりますが、洋の東西をとわず、拷問というのは取り調べの基本でした。ですが、拷問による供述を詳しく、客観的に調べると、たいていは、拷問される側が、拷問する側の望む供述をしているに過ぎない、ということが知られてきたため、意味がない、ということが広く知られています。(また、アメリカでは、取調べ中に、嘘の供述をすること自体が犯罪ですので、虚偽と判断されかねないことを供述することも容疑者にとってはリスクになりますので、黙秘する方がリスクが低い場合もあるかも知れません。)

また、大東亜戦争中に捕虜となった日本人軍人軍属は、日本にとって不利なことを平気でアメリカ側に供述していたことが戦後知られるようになりました。たとえば、意思決定機関の所在地、担当者、情報伝達の方法などです。これを知りえたために発生したことは、たとえば、南方戦線では、アメリカ軍は昭和19年から20年の末期には、フィリピンでは、島伝いに日本列島を目指しましたが、速度を上げることが可能になったため、2,3の島を飛び越えて行きましたので、凄惨な戦場(たいていは日本軍が一方的に不利)となった場所と、日本兵はいても終戦まで戦闘のない、のんきな場所とが交互に存在したようです。これを可能にしたのは、日本兵捕虜からの供述であったことが知られています。最初アメリカ軍は多くの日本兵捕虜が自ら進んで日本軍に不利になる情報を提供するはずはないと信じていたのですが、暗号解読などを進めるうちに、日本兵捕虜の供述通りであることが知られてきて、アメリカ軍は進軍速度を上げることができたようです。このような日本人独特の考え方の裏返しが、先日のカルロス・ゴーン身柄拘束の話のような、極端な人権無視、あるいは安倍政権へのソンタクを競う、文科省(森友事件)などの官僚の情けなさと全部根っこは同じでしょうね。

このように気付いたところから、修正をする力が日本人にはないような気がします。だからいつまでも人権無視が続き、官僚の嘘が続き、立法府議員の無為無策が続くのでしょうね。

アメリカで有名な政治家は何人かいます。George Washingtonは誰でも知っている政治家です。Ben Franklynも有名です。でも日本で知られていないが、アメリカでは極めて有名な政治がの1人がJohn Hancockという人です。その理由は、独立宣言に署名した人の中で、一番大きい字で署名した人だから、と言われています。私が書くよりも、日本語のWikipediaに詳しい説明がありますので、それを参照してください。(なお、日本語のWikiには、7月4日に署名したのは、この人だけで、他の人は8月になってからだ、と説明されています。ちょっと驚きですね。)この人の経歴自体がかなり波乱万丈、というか幸運で面白いですよ。

WikiのURLをコピーしようとしても変な文字列になるので、済みませんが、ご自分で検索をお願いします。

ここに独立宣言の絵(John Trumbullの筆による)がありますが、右端の腰掛けている人がJohn Hancockです。

今日のポイントは、この名前です。英語で「ここにサインして」というときに、put your john hancock right hereというときがあります。初めて聞くと、意味はわかりませんが、前後関係などから、意味は「ここにサインして」だろうと推測できます。そして、なんとjohnだけでいう場合もあります。Put your john hereでしょうか。私はまだ聞いたことはありませんが、なんでも短縮するのが好きなアメリカ人だとありえそうな話です。john hancockはMeriam-Websterには載っていませんので、かなり俗な表現かも知れません。

それとは別に、ぜひjohnという言葉を改めて辞書で見てください。「トイレ」のこと、娼婦の客のこと、というような説明があります。例文には定冠詞が付いてますよ。Excuse me, I have to go to the john. (M-Wの例文)

それから、掲載されていなくても、よう兄ちゃん、というようなときには、Hey John!といいます。本当にJohnかどうかではありません。あまりにもありふれた名前だからでしょうね。かかあ天下の亭主のことをいうのもJohnです。

Johnとの連想で、だと思いますが、Jackに由来するjackでは、特にBEでは色々な表現、単語を生み出しています。BEに関係する方はご注意ください。一度辞書を見て整理しておくことが必要でしょう。

このブログで何度か登場していることですが、人名由来の名前をeponymと呼ぶのでしたね。語源的にはepo-はギリシャ語でafterを意味するようです。覚えておく価値のありそうなeponymの一つalgorithmは、ペルシャ生まれの9世紀の数学者アル・クワーザリズミMuhammad ibn Musa al-Khwarizmiの著作をLatenizeした言葉です。インド式記数法、小数点などが彼の本によりヨーロッパにもたらされたそうです。

アナログ時計が作動している時、聞こえる音はAnglosphereではticktockと言われます。日本語にも入ってきています。普通の言葉でonomatopoeiaですが、言語学的用語としてはechoic擬音語と呼ばれます。(2019/1/31付けのブログ参照)

連続して反復されるはずの、秒針を動かす時の機械音なのに、なぜ2つの種類の音を組合わせて表現するのでしょうか。これは英語を母語としている人々に聞こえる音です。犬が鳴くと日本人にはワンワンと聞こえますが、Anglosphereではbowwowという音に聞こえるようです。

実は、これは結構詳しく研究されてきたことです。ticktock、bowwowのような音を英語ではablautと呼びます。これはドイツ語の言語学用語Ablautを1849年に輸入して英語で言葉でも使われるようになった言葉です。ドイツ語での語源としてはab+lautで、ab=off、laut=soundということです。ですが、後の方の語はloudで、英語にも残っている言葉ですね。abloutは、和訳では「母音推移」と呼ばれるはずです。19世紀に有名なドイツ人言語学者Jacob Grimmが取り上げてから広く認識されるようになった言葉です。広くPIEの諸語に存在する現象です。

先に結論めいたことを書くと、英語ではi/a/uという「順」に母音を推移させる、という「法則」のようなものがあると考えられています。多くの辞書に出ている例は、sing sang sungです。それぞれ、現在形、過去形、過去分詞形ですね。iの母音を含む単語が先に来て、派生形はa/uの順に続く、という、法則というか据(す)わりの良さ、というようなものが英語にあるということですね。その名前がabloutです。ドイツ語の名詞は大文字で書き始めますが、英語にはそのような習慣はないので小文字になります。

英語で「おしゃべり」をchitchatと言います。chatchitではないのですね。King Kongとは言いますが、Kong Kingではないのですね。zig zag、ding dong、nitty-gritty、hip-hopなどなど無数にあるようです。

これは、いわば「皮膚感覚」のようなものなので、これ以上の説明がなされるいるのを私は見たことはありません。かつてこのブログで説明した、「属格」由来の"s"の例でいうと、nowadaysの語尾に残っているのは、複数の"s"ではなく、英語に残るゲルマン諸語の盲腸のようなものです。これと同じように、英語でi/a/uのように母音を交代させる趣味abloutもまたゲルマン諸語の名残のようなものなのですね。興味深い現象ですよね。

またまた毒づくと、この和訳「母音推移」は正しいといえるのでしょうかねえ。その日本語訳を聞いてもまったくsing sang sungの関係を思い浮かべることはありませんけど。

なお、ついでに紹介しますと、英語史では、NCのあとでフランス語が大量に英語に入ってきます。ですが、もし、へースティングの戦いが起こらずに、ウィリアム征服王がイングランドの王になることはなかったとしたら、英語のフランス語かぶれは起こらなかったであろうか、と考えるとき、実はそれとは関係なく、英語にはフランス語がかなり入り込んでいただろうという言語学者がいるそうです。多数派か少数派かまでは知りませんけど。その理由は、すで11世紀にはNCの前でさえ、イングランド宮廷では、言葉にフランス語を混ぜる趣味がだんだんはやって来ていたから、だそうです。

単語、熟語の解説は以下の通り:(???は私にとって不明であることを示します)
数としてはあまり多くはありませんので、そのような映画を探している方には良い映画でしょう。

eyeball (vt)じっと見る
character witness 性格についての証人
Hydrabak???
snow globe スノウドーム
rhubarb 野次
play the 7 on the red???
get going 離陸する
roll back 弱まる
stack 上空で待機させる
put a hold on ~を停止する
stand point???
brace ふんばる
hydraulics 水力学>>>水流
stall 失速
heading 機首方向
shivering 震えている
life wreck=wrecker (救助船)
bitter 凍えるくらい寒い
in route=en route 途中で
tourniquet 止血帯
terrain 地形>>>地表のことか
distraction むかつく事
at stake 争点となって
vane 羽

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