字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2018年12月

最近少し面白い本を読みました。『世界史をつくった海賊』ちくま新書、竹田いさみ著です。要約すると:
★16世紀末、二流国家イングランドは海賊達の活躍で一流国家にのし上がった、
★主要なエンジンはフランシス・ドレイクFrancis Drakeである、
★海賊行為で得た資産が後の産業革命の原資になった、
★海賊行為の「利益」が国家予算の3年分あった、
★この背後にはエリザベス1世の慧眼があった。

イングランドが国を挙げて海賊行為をしていたことは広く知られていますが、3年分とは驚きです。同時に、フランシス・ウォルシンガムFrancis Walsinghamという、イングランドのスパイ組織の創始者も登場します。ウォルシンガムの諜報活動とドレイクの海賊行為の両輪でうまく回ったようです。

なお、特別面白い、良い本であるとお勧めするほどではありません。著者は一応の説明はしていますが、どうも私には少し理解しにくいところがあります。

さて、本日の話題は「代理語」というモノです。これは文法用語らしいのですが、探してもどこにも出ていないという不思議な言語学用語です。というか、そんに難しい話ではありません。日本語で、「例のアレ」、「なんとかかんとか」という言葉を文法的には代理語というようです。英語ではplaceholder。分かったようなわからないような・・・。

Whatchamacallitという言葉が特に有名だと思います。「えーとぉ、なんつったかな、あれだよ、あれ」、「自分のナニをつかんで」というようなときに使う言葉です。指し示す言葉そのものではなく、思いつかない、あるいは伏せたいようなときに、使う言葉です。あるいは、Mr. Whatchamacallitだと「誰それさん」でしょうか。Whatchamacallit=what you may call itとされています。同じ用法で使われる単語としては、doohickey, thingumajigなどがあります。語源などは不明とされています。thingyという言葉もあります。

Hershey's (チョコの会社)の製品にWhatchamacallitというのがあります。なんと、Thingamajigという製品も同社から出ています。自社の製品に、「例のアレ」とか「ナニ」という名前を付ける・・・私はそのようなユーモアの精神は大好きです。

随分たくさんの映画を見てきたはずですが、私はWhatchamacallitという言葉を聞いたことがないと思います。英語母語話者が、ちょっとふざけて言うのを一度だけ聞いたことがあります。それ何?と根掘り葉掘り聞いて覚えました。mondegreenで「おじちゃまカレー」と聞こえました。

この話題は皆様の笑いをクリエイトできたでしょうか。今年一年読んでくださいましてありがとうございました。来年も皆様にとって良い、健康的な一年でありますように。


英語そのもの以外に、このブログではイングランドの歴史もたまに見ます。あくまでも、英語つながりの視点を忘れずに。今日はイングランドのリチャード3世という、私にはあまりなじみのない国王に関して、です。

日本語のwikipediaに記事があります。「リチャード3世」で検索してみてください。この人は戦で死んだ王なのですね。珍しいですよね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%893%E4%B8%96_(%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%8E%8B)


2012年にレスター市の駐車場で遺骨が発見されました。発見されたときから、リチャード3世だろうと推測されていました。もう6年も経つのですね。DNA検査でそれが確認されました。so far, so good.しかし、兄弟とY染色体DNAが一致しないために、王朝のどこかで正当な王以外の血が混じっていると断定されました。

それ以上に私にとって面白いのは血統です。リチャード3世が死んで、プランタジネット朝が終わりますが、次の王朝はテューダー朝と呼ばれますが、家柄としては、テューダー家はウェールズ出身なのです。テューダー朝のピークはエリザベス1世でしょう。彼女でテューダー朝は終わり、次のステュアート朝に代わりますが、ステュアート朝の最初の王はジェームズ1世です。スコットランド出身の王です。ジェームズという名のイングランド国王はこの人だけですが、スコットランド王でその名は何人もいたので、スコットランド王としてはジェームズ6世になります。しかも、ステュアート家はNCでウィリアム王と一緒にブリテン島に来た一族、つまりノルマン系なのです。

こうして見ると、イングランド王というのはほとんど外国出身、つまりイングランド以外の家系により継承されてきたと言えますよね。気になる人はエリザベス2世の血統を検索してみてください。ドイツ人、ギリシャ人が回りにいることがよくわかります。もしかすると、イングランド王室の英語がRPの要素の1つとはまったくみなされていないのはこんなところにも理由があるのかも知れませんね。今のチャールズの息子達の生き方を見ていると、庶民以上にドタバタしていますね。おそらく昔からそうなのでしょうね。

ちなみに、キリスト教国の国王で、正嫡が重視されるのは宗教が関係しています。ヨーロッパでは妾の子供が(平和に)王位を継承することはありません。このためにヘンリー8世という破天荒な国王が暴れまくります。この人がいたおかげで(いたせいで)イングランドのその後の歴史はかなり大きく変わりました。気になる人は検索してみてください。

今日は語学とはあまり関係なさそうなことを書かせていただきます。たまにこのブログで、私は国際人とか国際的と書くことがあります。ですが、これはあまり意味のある単語ではないと思います。日本では、あるいは日本語では国際的かどうかはある程度大事な要素ですが、欧米でそう考える人は少ないです。特に、アメリカ人になると、まったく気にしない人々が圧倒的多数だと思います。気にしたことがない、気にするつもりがない、ともいえます。イングランド人、フランス人でも似たものを感じたことがありますが、彼らはアメリカ人ほどあっけらかんと内外無差別なのではなくて、暗に、俺の文化はお前らより上だ、と主張していると感じます。そんな様子はほとんど出しませんが、皆無ではありません。ちなみに、ドイツ人とそれについて話をしたら、彼も同感でした。ちなみに、彼に、ドイツ人はどうなの?と訊くと、ドイツはヨーロッパの田舎だから、ドイツ文化を押し付けるつもりはない、と言ってました。ですが、ドイツの近隣諸国はどうも別のことを言いますね。

この、アメリカ人が国際的ということにまったく気を使わない、ということを感じたことがない人にはかなり分かりづらいことだと思います。たとえば、facebookのMark Zuckerberg、彼は「FB社が国際的になるにはどうすればよいのか」、とか、「自分の考えは国際的に通用するか」と考えたことは一度もないはず。ガムシャラに進むだけです。自分の発想力、着眼点、洞察力、信念、決断力が世界的に通用するかとは考えることはないでしょうし、その必要もありません。もし誰かに、何かに負けたら、そうなっただけの話です。自分が国際的であったかどうかはまったく振り返ることはないでしょう。

日本だとそうは行きませんね。国際的に通用するか、国際的に受け入れられるか、国際的に評価されるか、国際的に枢要な位置に立てるか、などなど。そんなことはどうでも良いのです。本当に大事なことは、目の前の競争に勝ち、敵を叩き潰して行く。それを繰り返すだけ。叩き潰されないようにするだけ。今の中国もそうなりつつありますね。これが大国の流儀でしょうね。日本はほぼ何事でも2番手かそれ以下で良いという国民性ですね。何事でもforerunnerがいて、それをbenchmarkすれば済みますが、front-runnerを好むアメリカではそんなことはできません。

先日のミス・ユニヴァースでの、Sarah Rose Summersの「炎上」事件は、それが言葉の事柄として、つまり東南アジアのどこかの国の代表が英語がまったくできない、ということをあげつらう、ということになって現われたのだと思います。これを口に出すかどうかは別ですが、racist的な潜在マインドを持っている人であれば、口に出すと思いますよ。Don Trumpと極めて似ています。日本人だったら、ミス・カンボジアは日本語ができないんだって、という話になったときに、別に非難めいたことは言わないと思います。別に日本語は世界の共通語だと誰も思っていません。

ですが、外に卑屈になる人間は、往々にして内に対して高圧的になるものです。おそらく日本で差別をしている人は外国からどう見られているか気にする度合いが高いのではないでしょうか。これが日本人が外国人からどう見られているのか、という記事がウケる理由だと私は思います。

あまり論理的な話ではなかったです。でもアメリカという文化の側面についてある程度、たしからしさの高い見方だと思いますが、皆様はどのように考えますか?

なお、このブログは、日本の年末年始の休暇中も更新する予定です。毎日見てくださいね。

mnemonicという単語があります。読みづらいとされる単語の1つです。最初のmは黙字(silent)です。発音されません。アクセントは-mon-にあります。複数形mnemonicsだと記憶法という意味になります。語源としてはmnemonicsからmnemonic (adj)が生成されたとあり、英語では18世紀に初出で、ギリシャ語の記憶を意味する言葉mnemonikosから生成されたとあります。なお、memoryの語源はラテン語であり、mnemonicとは関係ないようです。

本日はmnemonicという技法について、です。標題のPvt. Tim Hallですが、Privateは兵卒を意味しますが、普通は最下級の二等兵のことです。Tim Hallは人の名前に見えます。これは実は、必須アミノ酸(アミノ酸のうち体内で生成できないもの)の、アメリカでの覚え方です。日本では、フロバイスヒトリジメ(風呂場椅子独り占め)と覚える人が多いようです。でもこれだとラテン・アルファベットはまったく別物になります。このブログの読者の中にはそれでは役に立たない人もいるはず。ちなみに、最初の3つはPhenylanine, Valine, Threonineを表します。

ということは、mnemonicsの訳語は「語呂合わせ」でも良いかも知れませんね。

英語で、mnemonics examplesを検索してみると山のように出て来ます。これを見ていると、英語では結構大変そうですよね。それを見ると、日本語の語呂合わせは結構使えると実感しますね。英語では太陽系の惑星の名前を覚えることをとってもものすごく大変そうです。

それに日本語だと数字でもmnemonicできます。私の場合は、たとえば「794泣くよ坊さん平安遷都」と覚えました。先日5884という番号の車が前を走っていました。もしかすると小林さんという方のクルマかも知れません。英語のmnemonicsにはラップのように韻を踏む、詩のようなものも数多くあります。これは日本人には苦手かも知れません。

私の場合、今までで一番大変だったのが、元素の周期律表でした。英語国民も苦労しているようです。YouTubeを見ると、通しで覚えるものよりは、ブロックごとに区切って覚えるものが多いようです。欧米人に「日本語だと数字までmnemonicsできるよ」と教えてあげると、結構日本語を習って見ようかな、といういう人が増えるのが私の経験です。でもすぐに挫折する人も多いです。大人が、ひらがなを書くとき、左右反転した(鏡)文字を書くのを見て、私は思わず噴き出してしまったことがあります。本当に済まない事をしたと反省しております。Private Ryanではなく、Pvt. Tim Hallですよ。

先日このブログでスコットランドの守護聖人St.Andrewについて書きました。それとwalkmanについても。その続きです。

Andrewという名前の由来は、ギリシャ語の名前Andreasに由来し、それがラテン語にそのまま入りました。現代フランス語ではAndréです。ギリシャ語の意味はandreios男らしいです。反対語は女性らしい、gyno-です。

同じandroという語源からandrogynyという言葉が生まれました。hermaphroditeという言葉もあり、両者は同じ意味の、両性具有を指します。androgynyはandro-という言葉と、gyno/geneという言葉に分解されます。前者は「男らしい」で後者は「女らしい」ですね。それを一語にまとめたものですので、語源を探る習慣のある人にとっては、androgynyの方が理解しやすいし、覚えやすいですね。androgynousは形容詞形です。

高校の生物学で単一の固体に雌雄があるタイプと、雌雄が別株になるタイプがあることを習いましたが、本来はそられで使われる用語だと思います。

昔、味の素という会社が女性向け高級化粧品を作っていてその製品群の名前がGinoでした。味の素の中の音を文字にした素敵な名前だと思いました。今でもあるのかどうか。(たぶんなくなったはず。)Gina, Giniなどの名前は、どちらかというとラテン系で見かける、女性の名前ですね。Andrewとは逆で、女の子らしくなって欲しいという親の願いが込められた名前だと思います。あるいはたくさん子供を生んで欲しいという願いかも知れません。

今はやりの遺伝子工学genetechnologyのgene-もこれに由来していますね。

天才geniusでは、この意味は、本来の意味の後で加わったもので、本来は守護霊を意味し、語源に沿って言えば、意味は、「生命をつかさどるもの」gene-に関連した言葉です。それがやがて性格を表すようになりました。The genius of the English peopleという用例が辞書にありましたが、意味は英国民の特質、を意味します。天才、という意味ではありません。

それと、androcentrismという言葉があります。andro+centre+ismの組み合わせですね。このブログの読者には簡単な単語ですね。そのまま男性、中心、主義と日本語を当てれば完成です。ではもしこの単語の反対語があるとすればそれはgynocentrismですね。女性中心主義。辞書によっては掲載されています。

このように、語源を一度でもサッと見ておくと、理解が深まることがたまに(あるいは頻繁に?)あります。精神的な余裕がないとどうしても億劫(おっくう)になります。しかし、genius=天才と覚えるのは高校生まで。大学生以上はやはり語源に沿って学ぶべきでしょう。そうすることで理解が深まり、記憶が容易になりますよ。

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