最近少し面白い本を読みました。『世界史をつくった海賊』ちくま新書、竹田いさみ著です。要約すると:
★16世紀末、二流国家イングランドは海賊達の活躍で一流国家にのし上がった、
★主要なエンジンはフランシス・ドレイクFrancis Drakeである、
★海賊行為で得た資産が後の産業革命の原資になった、
★海賊行為の「利益」が国家予算の3年分あった、
★この背後にはエリザベス1世の慧眼があった。
イングランドが国を挙げて海賊行為をしていたことは広く知られていますが、3年分とは驚きです。同時に、フランシス・ウォルシンガムFrancis Walsinghamという、イングランドのスパイ組織の創始者も登場します。ウォルシンガムの諜報活動とドレイクの海賊行為の両輪でうまく回ったようです。
なお、特別面白い、良い本であるとお勧めするほどではありません。著者は一応の説明はしていますが、どうも私には少し理解しにくいところがあります。
さて、本日の話題は「代理語」というモノです。これは文法用語らしいのですが、探してもどこにも出ていないという不思議な言語学用語です。というか、そんに難しい話ではありません。日本語で、「例のアレ」、「なんとかかんとか」という言葉を文法的には代理語というようです。英語ではplaceholder。分かったようなわからないような・・・。
Whatchamacallitという言葉が特に有名だと思います。「えーとぉ、なんつったかな、あれだよ、あれ」、「自分のナニをつかんで」というようなときに使う言葉です。指し示す言葉そのものではなく、思いつかない、あるいは伏せたいようなときに、使う言葉です。あるいは、Mr. Whatchamacallitだと「誰それさん」でしょうか。Whatchamacallit=what you may call itとされています。同じ用法で使われる単語としては、doohickey, thingumajigなどがあります。語源などは不明とされています。thingyという言葉もあります。
Hershey's (チョコの会社)の製品にWhatchamacallitというのがあります。なんと、Thingamajigという製品も同社から出ています。自社の製品に、「例のアレ」とか「ナニ」という名前を付ける・・・私はそのようなユーモアの精神は大好きです。
随分たくさんの映画を見てきたはずですが、私はWhatchamacallitという言葉を聞いたことがないと思います。英語母語話者が、ちょっとふざけて言うのを一度だけ聞いたことがあります。それ何?と根掘り葉掘り聞いて覚えました。mondegreenで「おじちゃまカレー」と聞こえました。
この話題は皆様の笑いをクリエイトできたでしょうか。今年一年読んでくださいましてありがとうございました。来年も皆様にとって良い、健康的な一年でありますように。