以前、このブログで電子辞書の話を軽くしましたが、私には経験の薄い分野なので軽く流しましたが、軽すぎたかも知れませんので別の角度から書きます。私の場合、辞書は読むものだという意識が抜けません。ですが、よく考えて見ると、私でも電子辞書、スマホを利用する場合も少なくないので、やはり、私の力量の及ぶ範囲でもう一度書いた方が良いのかも知れません。
私は電子辞書は1台持っていますが、参考程度です。私の電子辞書は数年前のもので、重いもの(10冊以上)を運ぶ必要がない点に引かれて買いました。Canon Wordtankです。これでもかなり便利です。今はCasioをベンチマークする時代のようですね。私が考える評価ポイントは:
①小型、電源
私のはかなり小型でシャツの胸ポケットに入りますし、飛行機座席の机上でも場所をとりません。今はスマホがあるので必要性はあまりないような気がします。私にとっては、ウェブ、紙媒体を読んでいるとき、すぐに引きたい言葉があるときに重宝しています。スマホより便利です。実用的なストラップをつけて使っております。
充電を気にしなくて良いように、充電池を使っています。人にもよるでしょうが、私には充電池の方がずっと便利です。
何かの記事で、iPhoneにはデフォルトでOEDのアイコンが入っているのだそうです。(20巻の辞書がiPhoneに入っているとは。私のはAndroidですので無縁ですけど。)この記事を読んでから私はiPhoneをマークするようになりました。
②発音
加えて、発音音声ファイルが付属していると便利です。発音記号は、その音声を知っている人には便利ですが、知らない人には少し不親切です。大別するとアメリカ式、イングランド式の発音があるので、自分が身につけたい方の発音があるのは必須でしょう。
③単語帳
私のには引いた単語を登録する機能があります。自分が引いた単語が並んでいます。後で記憶しているかどうかのチェックに便利でしょう。
これにはないが、あると便利な機能をいくつか。ただこれらは今だとスマホで代用できます。
④シソーラス
英語のシソーラスがあると便利です。
⑤語源
etymology dictionaryがあると便利です。
⑥コーパス
あると便利です。
⑦自分の好きな辞書が入っていること
私の場合、Meriam-Webster, Oxford Advanced Learner'sが好きなので、電子辞書にも最初からあるとうれしいです。(私のCanonのには後者が入っています。)
⑧例文(?)検索
最近立ち読みした本で、電子辞書の優れた機能として、全辞書(全例文?)を網羅的に引く、そのときに、英語、日本語を2重に指定することで、〇〇という日本語が入って、なおかつ、□□という英語が入っている例文を一発で引くことができる、というものがありました。たしかにそれは非常に便利かも知れません。(立ち読みで読んだだけで、私の電子辞書ではそれはできませんので、実感が伴いませんけれど。)これは電子辞書でのみ可能な技でしょうね。(なお、その本をサーっと読んだだけでして、私の理解不足の可能性がありますが、その前提としてはおそらく見出し語だけではなく、例文自体も検索できる電子辞書がある、ということなのでしょうね。)
電子辞書を置いてある書店はあまりありませんね。書店は紙媒体だけなのでしょうか。それともショールーム利用だけなので最初からgive upということでしょうかねぇ。
今はスマホが音声翻訳をある程度こなしてくれるそうです。今後、音声認識、音声翻訳はもっともっと進むでしょう。苦労して外国語を学ぶ必要はないでしょうか?とんでもないと私は思います。言語とは何か?外国語とは何か?単に日本語に文字翻訳、音声翻訳されれば学ぶ必要はなくなりますか?言語は思考の道具です。思考はすべて言語によるわけではありませんが、言語なしに思考をすることはおそらく不可能だと思います。日本語しかできない、ということは、日本語的な思考しかできない、ということです。それがあきらかに世界をリードしているというのであればそれでも良いかも知れません。でも実際にはそんなことはまったくありません。色々な国内のニュース、海外のニュースを、自分の知識、経験、言語知識、文化認識で分析すると、日本はなんてユニークな国なんだろうと思います。しかも少し幼稚です。そして言葉はかなり稚拙です。日本語的な思考しかできない、ということは日本語的な幼稚な思考しかできない、ということと同じです。それを他力本願の翻訳で乗り越えることは私は不可能だろうと思います。これこそが世界を動かす言語を身に付ける意義だと私は思います。あくまで私の意見です。押し付けるつもりはまったくありません。
いつかインドネシア人とこの種の話をしたことがあります。彼はオランダ人がかつてインドネシアでした犯罪的植民地経営については嫌悪していました。ですが、なにかまともなことを学ぼうとするとオランダ語でしか学ぶことができない、と言っていました。それが別に本当にオランダ語である必要があるかどうか-----おそらく別にドイツ語でも英語でも良いのでしょう。(彼は英語がペラペラでした。何も今更オランダ語を・・・とは思いましたが、その人物は聡明でしたので、強い根拠があるのでしょう。)過去のいきさつなどからインドネシア人はオランダ語に依存せざるとえないとことでした。
人間を本当に理解するためには、類人猿をも見ることが必要でしょう。日本語しか知らないということは何も知らないということとほぼ同じだと私は思います。少し電子辞書の話から脱線しました。