字幕なしの英語聴き取り応援団

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2018年10月

映画『サイダーハウス』の単語のまとめが終わりませんでした。別の話題を繰り上げます。単語については一日遅れます。

コーパスという言葉は私にとっていまいちわからない単語です。でも、国語辞典、Wikipediaなどを調べたらアッサリと解決しました。今までの調べ方が悪かっただけの話でした。用語を調べただけですが、かなり理解できました。今日はその記事を、そのまま引用します。以下の出典はWikipediaです。

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まず、コーパスについて:

「身体」を意味する ラテン語: corpus に由来する。複数形は ラテン語: corpora(コーポラ)。英語式複数形とした 英語: corpuses の使用も散見される。

大規模なコーパスの作成には、相当の費用と時間がかかる。使用する文章に関わる著作権など、法的問題が発生するためである。データ作成の手間はあるが、コンピュータ利用により、それ以前に比べ、かなりの労力軽減と多様な構造化が実現した。日本では国立国語研究所が一億語の収録を目指す「KOTONOHA計画」をすすめている。

構造化した言語データを「一般利用する」という観点からは、三省堂がウィズダム英和・和英辞典の用例を「用例コーパス」として、期間限定で無料公開している。

日本でコーパスを一般に広く知らしめたのは、英語学者の投野由紀夫である。2003年、NHK教育テレビジョン『100語でスタート!英会話』で、英語コーパスを教材に活用した放送授業を展開し、それまで専門家しか知らなかったコーパスを一般的な存在へ変えた。2009年には新シリーズとしてずばりコーパスをタイトルに入れた『コーパス100!で英会話』が放送されている。

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ついで、コーパス言語学について:

コーパス言語学(コーパスげんごがく、英: corpus linguistics)とは、言語学の一分野で、計算言語学と関連がある。

実際に使用された言語資料の集成を『コーパス』と呼ぶが、最近では特に電子化された言語資料のことを指す。そのコーパスを利用して、より実際的な言語の仕組みを探る学問がコーパス言語学である。

チョムスキーの生成文法が言語能力[1]を調査対象とするのに対し、コーパス言語学は言語運用[2]に焦点を当てる。ある言語事象をリサーチクエスチョン(仮説)として設定し、それをコーパスデータに基づいて記述する。その後、その仮説を検証し、それに基づいて新たなリサーチクエスチョンを設定するという研究サイクルが一般的である。

コーパス言語学の発展によって、人間が使用する言語の殆どが「決まり文句の組み合わせである」ことが分かってきた[3]。

日本においては、日本語研究(日本語学)の分野においては、コーパスという名称を使わないものの、コンピュータ利用による言語資料の研究は、比較的早くから行われてきた。一方、ヨーロッパ系の言語研究分野において、コーパスという名前が使われるようになったのは、1980年代後半のことである。

日本における関連学会としては、計量国語学会(1956年設立)、英語コーパス学会(1993年設立)などがある。

おかげでかなり理解が進みました。特に、下線部の、「コーパス言語学の発展によって、人間が使用する言語の殆どが「決まり文句の組み合わせである」ことが分かってきた」には興味を惹かれました。

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すべての用語が理解可能ではありませんし、まったく馴染みのない人名、用語もありますが、最低限の理解に必要な情報を得たと思います。読者の中には既にご存知の方も多かったかも知れませんが、私にはなじみのない言葉でした。

明日は『サイダーハウス』の単語です。

映画『サイダーハウス・ルール』(原作The Cider House Rules)は、1999年製作のアメリカ映画。題名のCider Houseとは、農家が片手までつくるリンゴ酒(cider)のためのリンゴを収穫、貯蔵するための小屋(施設)を言うようです。そこで働く人々のためのルールのことを作者はthe cider house rulesと名付けました。

原作:ジョン・アーヴィング (『ガープの世界』を書いた作家)

公開:1999年

ジャンル:ドラマ

時間:131分

主役:Tobey Maguire as Homer Wells (Tobeyはスパイダーマンに出演する俳優です)

あらすじ:
孤児院の主人公ホーマーは、そこで働く医師の助手をしていましたが、そこを出て外の世界を知ります。リンゴの収穫所で働くようになります。そこで出会った人々の1人の女性が妊娠していることを知ります。背後には、少しひねった設定があります。そしてそれがある人物の自殺につながり、そのことでホーマーは再び孤児院に戻ります。(近親相姦の話が出て来ますので、留意をお願いします。)

聞き所:
ホーマーは産科の助手をしていますので、医学用語がたくさん出て来ます。それ以外は比較的易しい英語だと思います。

私の評価:
エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★☆☆ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★☆☆ 少ない
早口度     早い   ★★☆ 普通
ビジネス用例  少ない  ☆☆☆ 多い
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合計           6★(満点15★)

方言:
農場の季節労働者の言葉が登場します。

単語、熟語などは明日に。

今日は、always, sometimesなどのsの話です。これは複数を表すのではありません。多くの方にはちょっと意外な感じがするのではないかと思います。今日はこの話です。

皆様の辞書にadaysという言葉は載っていますか?これはちゃんとした現代英語で、その日のうちに、という意味の副詞です。掲載する辞書は限られるようです。now+adaysで、nowadaysという言葉が生まれました。意味からなんとなくdaysという複数だと思い勝ちですが、そうではありません。

副詞的属格という用語が今日のポイントです。属格というのは英語の所有格のことで、日本語では「~の」に相当します。つまり、英語で-sで終わる単語では、複数形のsなのか、かつての属格の名残の-sなのかは、すぐにはわかりません。たとえば、always。all+way+sのようですね。ですので最後のsは複数形を表す?違うのです。そのように見えますが、それは複数形ではありません。alwaysをつかうのでその辺がぼやけてしまいます。nowadaysという言葉だとどうでしょ?now+adaysですね。最後のsが単純な複数形ではなさそうだということがなんとなくわかります。

英文法で、格のひとつで、所有格というものを習います。my、his、herの仲間です。

今のドイツ語で、たとえばder des dem denと覚えますが、このdesのある場所が属格です。今のドイツ語の属格でも多くの単語でsが絡んできます。単数の男性名詞、単数の中性名詞では-sをつけて属格にします。女性名詞、および、性をとわず複数形の名詞だとsは付きません。いずれでも、冠詞、形容詞それぞれが属格に伴う変化をしますが、sを引きずった形が多いです。derという冠詞での属格desに似て。

つまり、かつて英語(古英語OE)がゲルマン諸語Germanicの方言の1つであった時代の名残がここにあるのです。これの仲間が、always sometimes backwards onceなどです。発音変移のため、onceは綴りも変わってしまっていますが、歴史的にはちゃんとしたadverbial genitive副詞的属格の仲間です。これらには複数のsの意味はまったくありません。そして、英語で's(アポロストロフィとエス)で所有を表す
ことも名詞を属格にして所有を表すことをしているのです。所有のsには複数の意味はありませんよね。

こうして見ると、古英語はノルマン・コンクェストNCにより、フランス語単語を輸入しましたが、骨格はドイツ語の仲間のまま、と言って良いと思います。発音も基本的文法もGermanicのまま。NC以前から始まっていた単純のせいで、かなりフランス語に寄ったのかな、という印象はありますが、実はずっとGermanicのままであったといえる証拠がこれらの単語なのです。古いドイツ語、古いラテン語でも格は単純化されているようです。文法の単純化というのは英語だけではないのですね。(しかし単純化の規模の大きさでは英語は圧倒的です。)

さて、属格などのGermanicの文法用語を使わなくなったanglosphere。本当にこれで良いのでしょうか。私は、possessive所有格などというものを使わずに、むしろgenetive属格を使った方がよろしいと思います。そうすることで文法の比較が簡単になりますよね。興味のある方は英語のWikipediaで格caseをチェックして見てください。どこかのある言語では格の数が64個もあるそうです。

明日は、映画『サイダーハウスルール』です。

皆さんが、たとえばロンドンで友達の家を約束の時間に訪問したとき、こんな紙切れがあったとします。

GON OUT
BACKSON
BISY
BACKSON
C.R.

どのように読みますか?

Anglesphereではこれはかなり有名な話です。たぶんこの内容は以下の文だとスラスラとわかると思います。

GOIN' OUT
BACK SOON
BUSY
BACK SOON
C.R. 書いた人の名前

これはWinnie the Poohという名前の熊で知られる物語の中に登場する話だそうです。ディズニーの方のバージョンに出ているかどうかは、私は知りません。英語ではなぜか、綴りの話をするときにWinnie the Poohはよく出て来ます。よく間違えた綴りを書いているからです。それはAnglosphereの子供がおかす綴りの間違いの典型的なものを表しているからです。そのことでWinnie-the-Poohは子供であることがわかります。小学生低学年でしょうね。ちなみに、夫婦でお互いを呼ぶときに英語圏ではhonと良く言います。honeyの略です。Winnie the Poohはハニーポットにhunnyと書いています。

さて、自然科学の場合、正しい、間違えている、は簡単に決められるように思います。円周率の場合、3は間違いで、3.14が正しいのでしょうか。そんなことはありません。では3.14は「正しい」のでしょうか。つまり、自然科学でも正しい、正しくない、あるいは間違えている、ということは簡単に決められないのです。より正しい、より妥当性を持っている、ということは自然科学の場合はいえるかも知れませんね。でも前提条件次第でしょうね。

では、言語ではどうでしょう?philosophorという単語の「誤り」はなんでしょうか。「正しい」答えはphilosopherです。さて、言語で正しい、誤っている、とは誰がどうやって決めるのでしょうか。なぜphilosopherが正しくて、philosophorが間違えているのでしょう。実は私は知りません。ちなみに、「正しい」綴りのことをorthography正書法といいます。

脱線しますが、英語で書き間違いをmistypeとするのは誤りではありません。ですが、おそらくtypoの方がより自然だと思います。これはtypographical errorの略です。本来は印刷業界の用語だと思います。可算名詞です。

我々が今住む世界の常識では、なんとなく言語での正しい、正しくないはわかるような気がしますが、ぼんやりしていますよね。ピシッと境界がはっきりしていないことが多いと思います。しかも「誤り」が随所にあると、内容自体の持つメッセージが正しく伝わらないことがしばしばです。Their is a dibate going in the parliment, about humanitee.という文があるとして、これが新聞に載っているとしますと、この記者の書いた文をあまり詳しく読みたくないという気持ちになります。

こうやって考えると、「英語」、「英語学」で何が正しくて、何が間違えているのか、は、はっきしたことではなく、どちらかと言うと、心理学上のモンダイ(matter)であると、推測できるように私は思います。

昔、立派な会社に、たとえば、東証一部の会社の本社で「正しい」服装は、男性でいえば、ネクタイとスーツだったと思います。今IT関係の会社が増えてきて、「正しい」服装で働く人は皆無だと思います。そのような会社では「正しい」服装は、ポロシャツ、ジーンズ、スニーカーなのでしょう。何が正しいかは、置かれた環境により決まる、といえるでしょう。

これで、アメリカ人があまり得意ではない「文法」で、日本人がかなり強いことの意味がわかるような気がします。つまり、ある意味で、日本で立派な教育を受けた人々はどうでも良いことに情熱を注ぐことに熱心な人々である、といえるような気がします。それが正しい選択であったかどうかは、置かれた環境による、ともいえます。なお、力説しておきますが、私は英文法は大事なことだと思います。それは英語を母語としない人々という環境(前提)では、「正しい」と思います。

今日の話題は、私が正しい、正しくないを論ずるよりも、ご自分で判断することでしょうね。

明日は、所有格について、です。

このブログが始まって丸6箇月になります。聴き取り力を伸ばす、耳から脳の聴き取りを行う部分の間のジャングルを数車線の高速道路に作り変えることが、映画をつかって、低コストで出来る、非常に高いレベルでできることを知ってもらうことが目的です。そして、それに付随するであろう、いろいろなトピックを取り上げて、楽しく英語を学ぶ、永年疑問に思ってきたことの解答あるいは解答への道筋をつけることも補足的に狙っております。そして日本人が苦手なパーティトークのネタ選びにも使えるような話題をピックアップします。母語であれ、外国語であれ、基本的に言語は耳を通して覚えるものです。

さて、本日はコロケーションといわれることについて、です。コロケーションはcollocationと綴ります。初めてこの言葉に触れるという方も多いでしょう。辞書を見ると、「二つ以上の単語の慣用的なつながり。連語関係。」と成っている、『デジタル大辞泉(小学館)』が、日本語では的確なような気がします。

たとえば、プレゼンをする、という日本語を英語に訳すとき、動詞は何を選びますか?give presentaionでしょうか。それともmake presentation?

まず、『プログレッシブ英和中辞典 第5版』(online)を見て見ましょう。和訳がいくつか載っていますが、どの動詞を使うかについては載っていません。

次にOxford Advanced Learner's Dictionary (online)を見ると、いくつかの説明があります。①贈呈、②見せ方、③いわゆるプレゼンです。それぞれの説明の後に、"+ Oxford Collocations Dictionary"という帯があり、そこをクリックして開くと

①uncountable「贈呈」の場合:
verb + presentation
make
となっていますので、make presentationというのがシックリということがわかります。

③countable「プレゼン」の場合:
verb + presentation
do/give/make

とあります。すなわち、この意味の場合にシックリくる組み合わせはdo/give/make presentationとなることがわかります。(あくまでもこの辞書の編集者の意見では、ということです。)

なお、collocationを見る前に、例文としてThe sales manager will give a presentation on the new products.があります。giveを使う例が出ております。

つまり、presentationの場合は、語義によりcollocationが少し異なるわけです。しかも、例文で示されているように、③の用法の場合はaが付いておりますが、①のコロケーションではaはついていません。この辞書の場合は、冠詞まで異なることが示されています。

今は、verb+presentationで見ましたが、同じことをadj形容詞とpresentationのコロケーションで見ると:
①の場合annual official special …
③の場合formal effective slick …
となっています。これは当然ともいえます。ビジネスの世界で毎年同じプレゼンをやることはありえません。毎年やるプレゼンでも中身は違います。たとえば、決算終了後に会計士が役員に対してプレゼンをすることになっていても中身が毎回違います。私としてはslickという語に惹かれますね。very goodという言葉がここではなぜか登場せずに、slickが示されています。「極上の」という意味です。

前置詞との組合わせが示されている語もあります。presentationにもあります。

なぜそうなのかは、母語話者の感覚に由来しますので、学習者、すなわち外国人としてはそれを受け入れるのが基本でしょう。ただ、これも慣れると、まるでわからないので、collocation dictionaryを見る、ということはあまり必要ではなく、確認のため、というようになるはずです。

逆にいうと、コロケーションを無視した単語の組み合わせをしている限りは、我々の英語に対して、母語話者は違和感を持つ可能性がある、ということです。要はメッセージそのもの、中身である、という場合はそれで良しですが、1人だけの勝者を選ぶ場合には、コロケーションは無視しえないと思います。

このOxford Learner'sは初学者用だとバカにできません。これはcollocation dictionaryと連動していますので、例文にだけたよるような用例だけではなく、collocationをもワンクリックで示してくれます。大変に便利な機能ですね。これが無料なのです。ぜひ活用してみてください。

なお、今日のトピックでも暗示されていることですが、私は「良い辞書」というものは存在しないと考えています。目的、力量により異なります。また語により、ある辞書は完璧だが、別の辞書はあまりよくないし、別の語ではこの評価は逆転する、というようなことは非常によくあります。辞書は1冊だけ持つものではなく、いろいろな目的により使い分けるものです。ちなみに、Oxford Learner'sでは語源の説明、初出年はありません。OEDは良い辞書ですが、collocationについては解説されていませんし、そもそも20巻もあるので携行するわけには行きません。辞書では、dictionary, thesaurus, etymology, collocationの4種があるのが望ましいということになります。

なお、語源的には、collocateはラテン語由来でcollocare、1つ所にセットする、という言葉の過去分詞
です。locus置くという言葉を中に含んでいます。


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