馬は少し変わった進化を遂げた動物とされています。草というあまり栄養のないものを食べる生き物です。牛のように反芻するための内臓を持っているわけではありません。草を噛みながら、少しでも目線を高くして敵を見つけやすくするために、頭骨が長くなったと考えられています。敵を見つけると、後足で蹴るか、逃げるかをします。でも蹄(ひづめ)は常に割れやすく、割れると走れません。
Samuel Johnsonという、有名な辞書編集者が18世紀半ばに現れました。この人は、自分の主義主張趣味を彼の辞書に盛り込んだことで有名です。その中で、私が特に好きな一節を引用します:
oats a grain, which in England is generally given to horses, but in Scotland supports the people. Samuel Johnson 1755
馬は自動車が実用化されるまでは大変に貴重な動力でした。蒸気機関、ガソリンエンジンの力強さを表す単位の一つが『馬力』です。馬何頭分の力を出すかを表しているとされています。サラブレッドはthoroughbredと書きます。徹底的に育種された、という意味です。ですが、18世紀頃までは世界で最高の馬を産出する場所はアラブとされていました。今の中東です。なぜかはわかりません。モンゴル帝国を支えた要素の一つは馬と考えられていますが、モンゴル馬は、非常に小型で、貧相で、とても名馬には見えませんね。それに対してアラブ種の馬は大型で体も頑健だといわれています。馬を筋肉隆々に保つのは大変で、運動と良い餌を与えねばなりませんが、燕麦(えんばく)は良い餌の一つといわれています。なんとなく馬はニンジンが好きなのだろうと想像しますが、ニンジンではハードな運動、労働に耐える体格を支えることはできません。ちなみに、元の時代のモンゴル騎兵の強さは、走りながら馬の首から血を吸いながら、つまり馬をつぶしながら交代させて何昼夜も走り続けるという、乗り手の能力にあるらしいです。
ちなみに、馬は走ると汗をかきます。汗をかく動物はあまり多くはありません。私が知る限り人間くらいでしょうか。ここからだけでも馬と人間は走ることが得意そうに見えますよね。
Samuel Johnsonという、有名な辞書編集者が18世紀半ばに現れました。この人は、自分の主義主張趣味を彼の辞書に盛り込んだことで有名です。その中で、私が特に好きな一節を引用します:
oats a grain, which in England is generally given to horses, but in Scotland supports the people. Samuel Johnson 1755
ただ、私はこの辞書を一度も見たことがありません。普通の図書館には置いてありません。oatsとは燕麦のことです。あるいはオートミールの主原料といえばよいでしょうか。朝食で供される麦のおかゆのようなものです。オートとはいえ、自動車autoとはまったく関係ありません。ちなみに、変な英語ですよね。oatmeal。人間様の食事にmealをつける必要はなさそうですよね。でも付いているのです。corn flakeもほとんど牛の餌ですよね。ちなみに、cornというのはブリティッシュ・イングリッシュでは穀物全般を指す言葉です。なので、私達が知っているcorn flakeというのはアメリカの食べ物ということになります。
おそらくブリテン島で栽培される燕麦の品質が良かったからなのでしょうが、18世紀に突然イングランドは名馬を産する国に、特にサラブレッド種を産する国として世界のトップに躍り出ます。それまでは名馬の輸入国だったのですが、それ以降は輸出国になります。ただこのサラブレッド種は、1マイル程度の競争では優れているようですが、それ以下、以上では、もっと適した別の品種の馬がいるらしいです。
明日は映画『アラバマ物語』です。