字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2018年06月

今日は予定を変更して、名前に由来する言葉についてです。

先日、国内線飛行機に乗りました。日本の大手の航空会社です。機内アナウンスが英語に代わったとき、その若い、おそらく平成生まれ、の女性の声を聞いて、もしかして日本人の若者は相変わらず、何かが足りないのだろうなあ、と思いました。映画の英語を聞く耳を育てるとかなり改善するはずです。一緒にがんばって行きましょう。

さて、本日は、名前由来の言葉について、です。日本語にもなっているリンチ、和訳は私刑です。私的制裁とも言われます。正式な法的手続きによらない刑罰(おそらく縛り首による極刑)を指します。由来には諸説あるようですが、一つには、アメリカ独立戦争のときの南軍の軍人William Lynchに由来する、というものがあります。従って、リンチの英語のつづりはその名前と同じで、Lを小文字にするだけです。

これと同じくらい有名なのが、ボイコット。組織的な不買、抗議運動のことです。これも人名由来です。19世紀末頃のアイルランドでのCharles Boycottの名に由来します。ですが、現在では大抵はembargoという言葉が意図的に使われます。こちらはスペイン語由来とのことです。中にbar禁止するという言葉がありますね。embargoは主に国家間のboycottを指しますが、現在ではより広く抗議運動として取引をしない、村八分にすることをembargoと表現することが多いと思います。boycottに特にネガティヴなものがあるわけではないと私は了解しております。

chauvinismとは熱狂的愛国主義者のことですが、これはナポレオン軍の兵卒Nicolas Chauvinに由来します。これを熱狂的ととるか、偏狂的ととるかは立場によると思います。身近な人に使うときには少し配慮を必要とするでしょう。ショーヴィニズムと発音します。

亜鉛メッキをすることをgalvanizeと言います。これはLuigi Galvaniというイタリアの生理学者に由来します。彼は生物の神経経路で電気的信号が流れることを発見しました。メッキするときに、弱電流を流して行いますが、それをgalvanizeとフランス語で言い始め、それが英語にも輸入されました。

サンドイッチsandwitchはあまりにも有名ですね。似たもの言葉で、cardiganもまたイングランド貴族の名前に由来します。

人名由来ではないと思いますが、assassinというのは暗殺者のことで、assassination暗殺も同じ系統の言葉です。(人名由来という説あり。)これは十字軍の戦いの頃イスラム世界からの刺客を指すアラビア語に由来するという説がありますが、真偽のほどは知りません。

a la Rossiniロッシーニ風、とは色々な料理に使われる修飾語のようなものです。最も有名なものは、フィレステーキにトリュフとフォアグラをあしらったものです。他にデザート類でもロッシーニ風と名づけれらたものがありますね。これは有名なオペラ作曲家ジョアッキモ・ロッシーニ(イタリア人)に由来します。彼は作曲家として名を成したあと30歳代で引退し、パリで美食生活に浸りました。ロッシーニ風に、明確な意味はあまりなく、贅を極めた、という意味だと私は解釈しております。なお、彼は病気の博物館を自認してました。子宮がん以外は全部やった、というジョークが残っていますので、乳がんにかかったことがあるかも知れません。以前サッカー選手にもロッシーニがいましたね。

パーティのときにこんなトリヴィアを話すと、『それ以外にこんな言葉もあるよ』という具合に話が発展して行くかも知れません。さて、これらのトリヴィアは実は二つの単語を紹介するためでもあります。その一つ目は:nomenclature 命名法と訳されます。語源としてはnomen=name, clare=callと示されている辞書がありました。これを覚えておいて損はありません。普通の人はほとんど使いませんが。もうひとつは、eponymyという言葉です。oにアクセントがあります。これはそのままギリシャ語から借用した言葉で、姓(受け継がれる名前)を意味します。これはeponymから作られた言葉で上に述べた例すべてがeponymです。本当にヨーロッパの言語は何でもかんでも飲み込んで成長して行くのですね。

明日は、映画『ペリカン文書』の後編です。







映画『ペリカン文書』に関するコメントの後編です。

最初におとといの『前編』での評価を以下のように変更させてください。減と書いたところで☆を減らしております。
私の評価:
エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い 同
文化理解要求度 高い   ★★★ 低い  同
熟語、俗語量  多い   ☆☆☆ 少ない 減
早口度     早い   ★☆☆ 普通  減
ビジネス用例  少ない  ★★☆ 多い  減
----------------------------------------- 合計     
                                8★(満点15★)

変更の理由ですが、初回聴いただけでは私にはよく理解できなかったところがありました。もう1回聴いたところ、初回では気づかなかった点がいくつも出てきたためです。ご了解ください 。

2時間以上の長い映画です。この映画では、誰がどういう組織に属するかについて、あるいはどのような信条のグループに属するか、が常に明確に描写されるわけではありません。たと えば、ある弁護士はFBIに雇われていますが、それを捉えそこなうと(聞き逃すと)その人物がどういう人物なのかわからないままストーリーが進んで行きます。これが日本語であれば、あ るいは字幕であれば、ある程度スーッと頭に入ってくるのかもしれませんが、英語を聴きながら、当然の派生的事項にまで頭を巡らせるのはやや荷が重いのではないでしょうか。ですの で、私としては、2回以上見ることをお勧めします。逆の言い方をすると、この映画は、イディオムと俗語表現の宝庫です。他の映画では見ないほど大量に。ですのでそのような映画を 探している方には丁度良いと思います。

上記のようにこの映画では、いろいろな単語、イディオムが登場します。かなり多いので、一部を以下に載せます:

One day at a time....間違いではありません。聖書にも登場することば:The future comes one day at a time ===>その日その日を思い切り生きる、の意味(マタイ6:34) Liveなしでも 使われることがあります。

ludicrous 馬鹿げた Hubris of the young 若さゆえの傲慢 a man after my own heart  使徒列伝中13:12他の言葉 同じ心を持つ者

get a kick out of something  kick=~にしびれる、麻薬、酒で使われる言葉

eager-beaver  ガリ勉屋

take my breath away 息を飲む(ほど素晴らしい)

tag 自動車のナンバー

get wind of 嗅ぎ付ける

かなり法律論的な部分で、細かい議論が出て来ます。たとえば宣誓供述書(affidavit)などで。そのような専門的な知識までは必要とされていないと私は考えます。私も意味を完全に把握していない出来事があります。例えば、Khamelという中近東系の暗殺者が広場でDarbyを殺す直前に何者かに射殺されます。これがどうしてかは、映画ではほとんど語られていません。CIAが雇った男がDarbyを追跡し、守っていたとFBI長官が述べるところがあるだけです。

ですが、脚本家の考え た伏線を完全に理解するには、細かい法律論、使われているイディオムへの習熟が要求されると考えた方が良いのかも知れません。私が今まで見た中で、最も多くの、最も高度のイディオムの宝庫といえ る映画です。そのような映画を探している方にはピッタリだと思います。

『ペリカン文書(原題The Pelican Brief)』は1993年制作のアメリカ映画です。日本公開1994年。ジュリア・ロバーツ主演で彼女を有名にしたのはこの映画だと思います。この映画はおそらくデンゼル・ワシントンをも有名にしました。原作はジョン・グリシャムの小説です。サスペンスです。

私の英語聴き取り用お勧めの映画に、サスペンスはあまり多くないのですが、サスペンス、それ以外を問わず、学習者にとってある程度好きな映画であることは大いに勉強の助けになるのだと思います。

あらすじ:
ダービー・ショウ(ジュリア・ロバーツ)は法律を学ぶ学生。最高裁判事殺人事件を調べているうちにある仮説的結論に至ります。それを述べたリポートがペリカン文書と呼ばれます。その結果、彼女の周囲で、殺人が起こり、彼女は逃亡します。ワシントンの新聞記者グレイ・グランサムに連絡を取り、その後は二人で行動します。グレイに連絡をとってきた男が登場しますが、その男は法律事務所で働く弁護士で、ある秘密を知っていますが、弁護士には職業上知りえたことに守秘義務があるため、行動には非常に神経質ですが、グレイに連絡をしたいと願っています。しかし殺されます。いろいろ二人で調べていくうちに、一つずつ、whodunit, whydunitが分かり始めます。そしてとうとう、事件の真相をつかみます。新聞記事にする前にグレイはFBI長官のコメントを求めます。長官はヘラルドのオフィスに登場し、率直に語り、ダービーと交渉します。グレイが記事にしたことで、大統領の側近が辞任し、大統領の希望する再選が絶望的となります。

私の評価:
エンタメ度   つまらない★★☆ 面白い
文化理解要求度 高い   ★★★ 低い  
熟語、俗語量  多い   ★★☆ 少ない
早口度     早い   ★★☆ 普通
ビジネス用例  少ない  ★★★ 多い
-----------------------------------------
合計          12★(満点15★)


最後の場面は、テレビのインタビューにグレイが登場し、インタビュアーのエドウィン・ニューマン本人(NBCの有名なニュースキャスター、故人)とグレイが話をします。このシーンがあるために、この話がフィクションではないような錯覚を持つ人が少なくないかも知れません。

FBIは州を越えたレベルの、国内の事件捜査を担当します(海外はCIA)。アメリカ大統領が容疑者である可能性がある場合には、或る程度の大統領からの独立性を持つようです。今のドナルド・トランプはロシアゲート事件を抱えており、彼が容疑者の1人です。このため大統領の指揮権はFBIには及びませんので、特別捜査官が任命されています。ちなみに、この映画では、アメリカの現職大統領は馬鹿として描かれています。ある意味でそうかも知れません。

聴き所:
(1)映画では一般的に通常の会話よりも早口ですよね。この映画の全体としては、話すスピードは普通ですが、ところどころでかなり早く、不明瞭になります。リアリズムの故でしょうか。逆に言えば、早口で話す部分以外は、ややゆっくりと話すので、初心者にはかえって、取っ付き易いかも知れません。
(2)少し専門語、聞きなれない言葉が出て来ます。affidavit宣誓供述書、ラテン語から輸入、brouhaha大騒ぎフランス語から、元はヘブライ語程度でしょうか。他は概ね普通の映画の単語、イディオムのレベルでしょう。

残りは後半で。

今日は翻訳に関する、私のプチ・メモワールを書かせていただきます。

小学校か中学校で、『ターヘル・アナトミア』、杉田玄白、前野良沢、鼻、フルヘッヘンド、腑分けというようなキーワードが教科書に出ていたような気がします。それで、オランダ人と知り合いになったとき、フルヘッヘンドという言葉が教科書に出てきたんだけど、オランダ語でどんな綴りなのか、と尋ねたました。鼻は顔の中央にてフルヘッヘンドせるものなり、というんだけどなあ、とも尋ねましたけど。とうとう分かりませんでした。そのとき、日本の綴りではF音とH音の区別ができない、あっとそういえばLとRの区別もできないし、で、それを含めて5、6通りの字の可能性を探って見ました。でもわからざりき。それ以来、私は一つの疑いを抱くようになりました。玄白先生って、語学のセンス、超ねーんじゃね?もしかすると、すっごい片仮名オランダ語をやっていた可能性があります。まあ、この話だけから玄白先生をおとしめるのもどうかと思いますけどね。『ターヘル・アナトミア』は英語でいえばanatomy tablesのことかと。そしたら『解体新書』はおかしいですよね。それとも『買いたい新書』の間違いなのでしょうか。ちなみに、そのオランダ人のいわく、オランダ人は日本人を好きだったよ、第2次大戦でジャワ島を占拠する前までの日本人だけどね。とのことでした。まあ、どこの国民も他人の痛みは忘れますが、自分の痛みは忘れないということですね。

映画の字幕の翻訳でしょっちゅう叩かれている戸田奈津子さん。だいぶ前ですが、トム・クルーズが映画の宣伝で来日したときのこの人の通訳を聞いていて、この人には通訳、翻訳は向かないかも、と思いました。字幕の字数の制約ということではないと思います。日本人としては立派なのでしょうけど、ちょっと映画という、どっぷりとアメリカの庶民文化に根ざしたものに携わるプロとしては、少し・・・と思います。しかしこのブログは字幕派の方はあまり読まないと思いますのでこれ以上は申しません。

『2001年宇宙の旅』という、本があります。アーサー・C・クラークというイングランド人SF作家のベストセラーです。この和訳本は私のお勧めの本です。クラークの英語の本よりも素敵です。伊藤典夫という翻訳家の訳です。英語のよりも格調高い日本語です。この原作では、知性が人類より高い生物が地球を訪れるのですが、人類はまだ猿と区別のつかない状態なのでガッカリします。この知性の高い生物の失望を表すには格調、知性が大事な役割を果たすと私は思います。昔はインターネットはありませんでしたので、他の人の意見を知っているわけではありません。でも私は英語のペーパーバックと読み比べてそう思いました。探しましたが、他に伊藤典夫の訳本を見つけることはできませんでした。どんな人かもまったく知りません。

出版社の編集者、映画配給会社は、翻訳家の能力を正当に評価するだけの力を持っているのでしょうか。英語だったまだ良いかも知れません。フランス語、ロシア語などではどうなのでしょうか。それとも日本の編集者は相当程度外国語の素養を持っているのでしょうか。

聖書。最初はギリシャ語で書かれたのでしょうか。これは直接ギリシャ語で書かれたのでしょうか?それともたとえばヘブライ語版をもとにしてギリシャ語に翻訳したのでしょうか。英語版の訳はヘブライ語から?ギリシャ語から?それともラテン語?日本語訳聖書に登場する人物の名前は何語?イエス・キリストは何語?聖パウロって何語の名前?訳の正確さの見直しはどういう頻度で?などなど疑問は際限なくありますね。(どうもラテン語から、らしいです、驚いたことに。)そもそもイエスは読み書きができたのでしょうかねえ。(できなかったらしいです。)

アメリカのバイブル・ベルトという地域の人々がいます。Anglosphereで他に見ないほどに宗教的な人々が多いです。英語訳聖書に書かれていることは一言一句正しいと信じています。進化論は間違えていると断言します。彼らは日本に立派な大学を持っていますね。彼らは英語訳聖書だけをベースにして話をするようです。トランプ支持層と見られています。

いつもどうでも良い老人の独り言を読んでくださってありがとうございます。明日は映画『ペリカン文書』についてです。

日本の高速道路を欧米の人と乗ると少し面白いコメントが聞けます。先ず、通行料金が異常に高いこと、道路がきれいだということ、移動速度が遅すぎる、そしてモビリティについての考え方です。

アメリカの高速道路(Interstate)は大陸を東西南北に走っています。街中を普通の速度で走り、郊外に出ると100km/h前後で走ります。州により異なりますが、ほぼ100km/hです。雪国だと道路脇にとてつもなく広い空間が確保されていて、草が生えています。ちなみにこれを英語でditchといいます。ditchはドブのことです。ドブというよりは牧草地ですよね。ちなみに、にっちもさっちも行かなくなることをin the ditchといいます。ドブというよりは高速道路脇の牧草地で、両の手の平を肩まで上げながらクルマと一緒に滑っていく、お手上げ状態を言う、とイメージすれば一回で覚えられますね。アメリカでスノウチェインをつけて走る車は極寒の地の冬でもないと思います。普通の夏用のタイヤで走りますので、冬には街中であちこちでお尻を左右に振っています。

昔パナマ共和国は完全にアメリカの傀儡(かいらい)国でした。それは19世紀には東海岸とカリフォルニアを結ぶために、アメリカは海運ルートを確保したかったためです。鉄道よりも安く運ぶために。その重要度は下がり、20世紀に入ってから続々とInterstateが建設され始めました。それに伴い陸送費が下がり続けました。そのために、今アメリカの工場はアメリカのへそのあたり、ネブラスカ、カンザスあたりに巨大な、24時間操業のものをつくるのがものすごく多いです。こうすることで、アメリカのどの州に運ぶにも最小限のコストで輸送できると言われています。このためパナマ運河の重要度は下がり続けてきました。

ヨーロッパの高速道路に乗ると不思議なのですが、速度制限がよくわかりません。国によって違うかも、と思いますが、別にどのドライバーも気にすることなく流れに乗って走っています。ヨーロッパでもインターチェンジに近づくと段々混んできて自然とスピードが落ちる場合が多いですが、過ぎるとまた元の勝手な速度で走ってます。昨今だとだいたい140km/hが標準的なスピードでしょうか。ドイツに入ると、140を大幅に上回る、たまにとんでもないスピードで後ろから近づいてくる車がいます。おそらく200km/h以上は出ていると思いますが、だいたいポルシェか大型ベンツです。道路の規格が日本より少しゆったりしているせいで速いのでしょうか。

どうでも良い話ですが、ヨーロッパ人にとり、信頼できる車とはこの140km/h前後でもゆったりとした気分で走れる車です。レクサスはのぞいて、日本車でそんな車があるのでしょうか。私はないと思います。140km/hで、車内騒音がうるさいことは当たり前なので、音ではありません。ハラハラドキドキしなくても、うるさくてもちゃんと走ってくれる車が信頼に足る車です。これがヨーロッパで日本車が売れない理由です。一部の人たちには売れますが、彼らはその車では高速道路を運転しない(=おそらくセカンドカー)か、そうするときは欧州製の車を選ぶはずです。大半の日本人はこのことには気づかないと思いますけど。ましてや、プリウスのような車、すなわち、140km/h出るにしてもその速度での燃費は欧州車より悪くて、製造の環境負荷が普通の車より遥かに大きく、同クラスの他の日本車より値段が高い車のことですが、人気が出ることはありえませんよね。日本にはこのようなことを客観視できない人が多いのはなぜでしょうか。思い込みが強すぎますよね。日本車が強いのは、日本と、速度規制の強いアメリカだけです。なお、車の屋根にケースを載せることをするのは、私の知る限り日本人だけです。ヨーロッパでこれをすると燃費が悪くなりすぎますし、万が一衝突したときに、外れてそれだけでも十分人を殺せるからです。そのかわりセダンでも長いスキー板でもキャビンにしまえる工夫がなされています。

さて、日本の、特に東京を目指すクルマの長い渋滞の列と遅い速度を見ると、欧米の人は日本にはモビリティはないといいます。移動の自由のことです。極めて高い料金、低い速度の道路では、基本的人権の一つである移動の自由を提供できない、と彼らは考えるようです。これはいわば水平のモビリティです。

ただ、これには地理的要因が少なくないような気がします。7割が山間地で、国土の3割を、農地、居住地、鉄道、道路、公共施設に割かなければならない日本では、高速道路の建設費が異常に高くなりがちです。公共財というよりは、受益者負担を原則にせざるを得ない側面もあります。

欧米でいうモビリティには別の使い方があります。social mobilityといいます。社会的「階級」を移動することを言います。今の日本にはほとんど身分の差はありません。経済的格差があるだけです。ビートルズのメンバーはイングランドでいう、労働者階級の出身です。ですが、親と似た労働をしている人はいません。外貨を稼いだので勲章をもらい、Sirを名乗ることができます。貴族階級にまで到達したということですね。アメリカでいうと、ブルーカラーを親に持つ人が、大学以上の教育を受けてアッパーミドルとして生活する、ということがこれにあたります。社会階級をほぼ破壊したという点で、日本ではsocial mobilityは高いと言えますが、horizontal mobilityは脆弱である、と言ってよいかと思います。

本日は英語からほぼ離れてmobilityについて書きました。この種の議論は欧米の人とやって見ることをお勧めします。ここに書いたことは私の個人的見解に過ぎません。ご自分の意見や、関係するビジネスの視点から、必要なことを削除したり、加えたりして、より良いものにして、議論に活用してみることをお勧めします。in the ditch日本人はあまり使わないかも知れませんが、アメリカではよく聞く言葉です。覚えて損はありません。

明日は翻訳についてです。

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