字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

2018年04月

今日は、具体的なやり方について、です。

私の場合は、まず通しで、全体を録音します。そしてそれをスポーツジムで1,2度聴きます。最後に、聴き取れない、あるいは理解できない箇所がある場合、その箇所をなるべく推測をします。そして映画を見ます。たいていはその段階で聴き取れなかった場所については分かります。知らない単語、知らない語法などについては徹底的に調べます。そして最後にもう1度全体を聴きます。

通勤などで、さらに徹底して聴くこともお勧めです。私の場合、学生の時に、アメリカ大統領の就任式でのOath of Office(就任の宣誓)の言葉を何度も繰り返し聴きましたので、ソラで言えます。preserve, protect and defend the constitution.憲法を護持し、擁護し、防御します、という意味でしょうか。

ジャンルとしては、ドラマがおすすめです。今晩放送される『羊たちの沈黙』はドラマではなくサスペンスです。せりふはあまり多くありません。アクション物、視覚効果を狙った物だとせりふの役割は低いので、英語に関しては私はパスします。ドラマでも法廷物はよく見ます。法廷が言葉の戦いだからです。好きな俳優がいる場合には、その俳優の映画を中心に、ということも役立つでしょうね。アメリカですと、刑事裁判の場合、冒頭で、People versus (Donald Trump)のように、法廷吏が告げます。(州によってはoye oye oye...という呪術ようなことばを述べてから。)刑事裁判は、社会が犯罪者を裁くため、という考えが背後にあるためでしょう。

つまり、単に英語使いを目指すよりは、文化的な違い、背景も理解するのが望ましいと私は思います。

私はモノーラルで録音します。ファイルサイズを小さくするため。

アマゾンプライム会員だとタダで映画も見ることができます。テレビで放送される映画も毎日たくさんあります。

「白帯」級の場合、何回も聴く必要があります。そのためには、録音した全体を、分割して、1分から3分程度にカットし、さらに要らない音楽、無音部分をカットします。通勤などを利用して徹底的に聴きます。

必要な機器はICレコーダーだけですね。5,6千円で買えます。

映画ではレベルが高すぎる場合には、ニュースが良いと思います。NHKBSで語学学習者用に番組がありますね。字幕を入れたり、はずしたりをするあの番組。映画よりはかなりゆっくり話しますし、スピードが一定です。

聴き取りができると、それをまねた単語、文の発音ができますね。これを繰り返して自分の発音のレベルが向上します。その際、O(オウ)の音に注意しましょう。アメリカンイングリッシュの場合、オウの音なのか、アとオの中間の音なのかに注意します。Don'tという言葉は、オウの音ですね。ドントというのは早く卒業しましょう。

映画を使うことでコストをほとんどかけないで英語耳を養うことができます。


昔はエスペラント語を勉強する人が少なからずいました。今はあまりみかけないような気がします。英語が世界共通語の役割を果たすからだと思います。母語としなくても、教育を受けるためには英語など旧宗主国の言語を学ぶ必要があります。昔インドの政治家が来日した折、日本の新聞のインタビューで、「インドでは例えばoxygen(酸素)に相当する言葉がないので、化学を学ぼうとすると英語で学ぶしかない、といっていました。日本では、その必要がないらしい。それはすばらしいことだ」と言っていました。その一方で、英語を母語とする人々がいます。

英語とは何か。母語とする人々の言語であり、共通語としての役割を担う言語である、ともいえます。だとすれば、おのずと、母語としての英語と共通語としての英語は異なるはず。その意味で、母語とする人々の話す言葉を、我々が経験できる良い機会を映画は供給してくれると思います。

映画『ガープの世界』に、Bonkersという名の犬が登場します。bonkersを調べるとadjectiveで、crazy、madという言葉が並んでいます。仔犬にcrazyと名を付けることはおそらくないはずなので、この意味はおそらく字句どおり以外に、大好きという意味も含んでのcrazy、madだと思います。この愛称がBonkieです。Bonkersieではなく、BonkersからBonkie。このようなことは頭で理解するよりは、肌で理解すべきことなのでしょうね。

ゲルマン系の言葉では固有名詞の語尾も変化します。例えば、FrankfurtはFrankfurter、BerlinからBerlinischなどのように。英語もゲルマン系語がベースになっていますが、固有名詞の語尾変化はなくなっています。

映画『エイリアン』で、Nostromo船内に飼われているJonesという猫が登場します。船に猫を乗せるのは大航海時代からの習慣ですので強い違和感はありません。食料がなくなると、と想像するのは止めましょう。その愛称はJonesie。ヨハネ(英語圏ではJohn)から来る言葉で、Johnの息子をJonesとしたようです。jonesには動詞(s付きで原型)があり、bonkersと同じような意味があります。

こんなトリビアを知る必要はありませんが、映画を通して、気づいたり、考えたり、調べたり、の時間があると肌感覚で学ぶことができます。留学などとは違う学習の仕方ですね。

皆さんはヒルビリーHillbillyという言葉を聴いたことがありますか?

ロカビリーというジャンルの音楽がある、あるいはかつてありました。その意味は「ヒルビリーのロック」という意味の合成語です。エルヴィス・プレスリーの属するジャンルですね。

ヤンキーYankeeと同じで、語源が不明です。が、指すものは明確です。アパラチア山脈周辺に暮らす、アメリカ人、特にアイリッシュ系、スコティッシュ系を指します。アパラチア周辺の山 hill に暮らすおじさんたちBillyというのが語源だという説もあります。

19世紀、アイリッシュ、スコティッシュ系のアメリカへの移民は、もともと小作農が多かったために、手に職がなく、ニューヨークのような都会にはなじめず、アパラチア周辺から南部に移動してそこにとどまりました。貧しいままに、自給自足に近い生活をしてきたといわれています。音楽でいうとブルーグラスと呼ばれる音楽がヒルビリーと重なります。ブルーグラス音楽を聴くと、すぐにその異質さがわかります。日本の民謡のような響きです。ジョン・デンバーの『故郷に帰りたい』Take Me Home Country Road は、ウェストヴァージニア州あたりの風景、生活を歌いこんだものですが、おそらくその歌に描かれている人々はヒルビリーでしょう。アパラチア山脈の東側にウェストヴァージニア州はあります。ピッツバーグはアパラチア山脈の北部にあります。今流にいうとラストベルトThe Rust Beltですね。アパラチア周辺といってもこれほど広大なのです。このエリアに住む人々がドナルド・トランプの支持層の一つだと言われています。

アイリッシュ系の特徴の一つは、カトリックであり、名前は、ものすごく多くの人がPatという名前です。男性はPatric, 女性だとPatriciaです。どちらもPatになります。聖パトリックというカトリックの聖人がアイルランドの守護神であるためにその名前が多いと言われています。3月にアメリカにはSt.Patric's Dayがあって、各地で緑色を身に着けたアイルランド系の人々がパレードをします。

『じゃじゃ馬億万長者』というアメリカ製のテレビ喜劇を私は覚えています。白黒テレビの時代に日本でも放送されていました。(関東だけ?)原作の題名はBeverly Hillbillyといいます。予測不能な、田舎者の一家が、石油を掘り当てて、大金を得て、ベバリーヒルズに引越してからのドタバタを描いたものです。日本語の田舎者と同じ言葉が hillbilly だと私は思います。

ちなみに、黒人差別に熱心なのはこのヒルビリーの人々だと言われています。アメリカ社会の最下層に位置するので、黒人奴隷が開放された前後にアメリカに来たアイリッシュ系の人々にとり、絶対譲れない線は、自分たちが黒人より上の階層に居ること、と言われています。

次回は映画を教材に英語を勉強するやり方について。

ブリティッシュ・イングリッシュと訛りについて書きます。

チャールズ皇太子 Charles, Prince of Walesの英語は、私が聞く限り、上流階級の英語ですね。かなり聴きやすいですが、イギリス風のアクセント、発音が随所に出ます。WilliamとHenryは寄宿学校で育ちましたが、この二人の英語は、父親と違って、庶民の英語に聴こえます。おそらく、二人とも、わざとそれを選んでいるのだと思います。故Dianaの遺志を継いでいるのでしょうか。もしそうだとしたらかなり複雑な家庭ですね。

ちなみに、私の予想は、ロイヤル・ファミリーの面汚しのチャールズを飛ばして、Williamが次の国王になるはず、です。理由は、チャールズが王になるとUKだけではなく、オーストラリア、南アフリカなどのCommonwealthからの批判が予想されるからです。2,3代前の国王エドワード8世は、離婚歴のあるアメリカ人女性Walis Simpsonとの結婚を選び、一年位で退位しました。今の王家はWindsor朝と呼ばれますが、これはドイツとの戦争中にイングランド風に改名したから。中身は昔のHanover朝です。ドイツから呼ばれてきた人が初代の国王でした。生涯英語を話せなかったといわれています。

William、Henryの回りは良家の男の子が多いはずですが、なぜかこの二人のは庶民の英語だと思います。Princess Cathrine, Duches of Cambridge,の英語は、かなり上流の英語に聴こえます。庶民の出のはずですが、彼女も努力をして、言葉を直したのでしょうね。

サッカーのベッカムは昔はCockneyというロンドン東部の下層の話すイングリッシュ丸出しで、何を言っているのかまったくわからない英語でした。少し以前でしたが、テレビで見たら、まるで違う英語を話していました。たしか数年アメリカにいたはず。そこで英語を直したのだと思います。

ブリティッシュ・イングリッシュに親しむビデオとして私は『英国王のスピーチ』The King's Speechをまず選びます。国王の吃音(どもり、のこと)を治すことがストーリーの中心です。中にチャーチル、ヒトラーなどの有名な演説の画像、音声が登場します。チャーチルの演説の部分は、世界的に有名なものです。これも聴くに値します。YouTubeでも見ることができますが、私はこの映画の中のチャーチルの演説の部分が好きです。

『マイ・フェア・レディー』というやや古い映画は、オードリー・ヘプバーンが主役で、Cockney育ちのおてんば娘が言葉の矯正を受けて、社交界のレディーになるまでの話です。でも他のキャストがアメリカン・イングリッシュを話すので多少違和感が残ります。この矯正役大学教授の役の話によると、ロンドンでは1マイル毎に言葉が変わるので、どこの出身かを言葉で識別できる、そうです。

『ノッティングヒルの恋人』は、ロンドンの北西部の本屋が舞台。ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツが主人公。ヒュー・グラントの英語がミドルクラスの英語なのでしょうか。

次回は、ヒルビリーについて、です。

某大学の音声学の先生の英語の話を聴いて、1秒で、私は音声学を信じなくなりました。音声学をうんぬんする前に、その先生の強い日本人アクセントを十分に薄めてくれれば、考えを改めるつもりですが、まだそのような幸運にめぐりあっておりません。紺屋の白袴とはこのことでしょうか。

『英語』と言っても、私の場合は、アメリカン・イングリッシュが中心です。アメリカン・イングリッシュの方言の分布は、学術的にはともかく、私の中では単純です。アメリカ中どこに行っても、ほぼ同じ言葉を話すといってよいと思います。

これがイングランドだとまったく異なります。地域、階級によって、言葉はかなり明確に分かれます。今度日本のロイヤル・ファミリーの1人が、イギリスのマンチェスター地方の大学に留学します。マンチェスター訛りのイングリッシュを話すのでしょうか。マンチェスター訛りは、私の耳にはかなりアメリカン・イングリッシュに近い音に聴こえます。そもそもアメリカン・イングリッシュはどのようにして形成されたのでしょうか。残念ながら私は知りません。

アメリカン・イングリッシュは、大きく分けると、北東沿岸、アパラチア山脈、南部諸州、中西部、西海岸に分かれると私は思います。その中で訛りが強いのは、北東沿岸です。ボストン訛りが有名です。どれが『標準語』かというと、それは中西部です。アパラチアからロッキーまでの空間のうち、南部を除いたエリアが、スタンダード・アメリカン・イングリッシュSAEのゾーンです。より正確には、ミシシッピ川の東西でも分かれるそうですが、同じだと思って良いと考えます。違いが聴いても判別できなければ同じですよね。私の耳には違いはありません。でも、アメリカン・イングリッシュに関するり、訛りは忘れて良いと私は思います。耳ができてくると、上記の訛りを音で判別できるようになるかも、という程度で十分だと思います。それはアメリカン・イングリッシュの場合、ほとんど音の地域差がないからです。カナダの英語を聞いても、いくつか単語の発音の仕方が違うだけで、SAEとはほとんど違いはありません(私には)。

ブリティッシュ・イングリッシュの訛りは次回に。

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