字幕なしの英語聴き取り応援団

英語の映画などの発話部分だけを編集、抽出して、繰り返し聞くという学習方法をおすすめするブログです。留学などの費用、時間をかけずに、実用的な英語力を涵養することができます。3か月以内に結果を出しましょう。既に210本以上の映画を紹介済み。

生きた英語を字幕なしの映画から

最近、ある、英語学習者向けの日本語の本を読みました。その本の中から引用します:

最近では、ネイティブ英語が会社に損害をもたらすケースさえある。イギリスとフランスの企業から航空管制機器の売り込みを受けた、ある韓国企業が選定したのはフランスの企業だった。理由は、フランス人の英語のほうがわかりやすく、メンテナンスの際につき合いやすいからだ。(一部改変)

-----『英語超入門 仕事で使える英語を身につける』p29

私の率直な意見としては、この本は感情的に「ムリ」です。最初から偉そうなトーンが全開で、それは最後まで変わらず。書いている方はそんな気持ちは持っていないのでしょう。嫌味な本です。これは、日本語版ニューズウィーク誌に何年かにわたって掲載されたpostを集めて一冊の本に仕上げたものだそうです。私は一度も読んだことはなさそうです。上記の引用の事例については、私は初めて知りました。昔Thomsonというフランスの会社が航空管制システムを製造して売っていましたので、それはおそらくその系統の会社のことでしょう。いずれにせよ、これはただのguess workで、このpostとは無関係。

さて、この引用部の言わんとすることは、正しいです。ネイティブがペラペラと勝手なことを話して、ノンネイティブに正しく伝わるかどうかをあまり考えない・・・よくありがちに見えます。そんなことに無頓着なUKのメーカーの製品よりも、英語をlingua francaとして考え、英語の持つ、外国人に理解されにくい可能性のある表現、慣用句、語句の使用を最小限にすることは大事でしょうね。

同じことはコンシューマー用製品にも言えます。昔、私はちょっとしたアクシデントで社外セミナーに参加できなくなった人の代理で、あるセミナーに参加したことがあります。(受講料を返還しないことが契約条件に明記されていましたので・・・)あるケーススタディ。取説を書くのに、ある企業では設計担当者が最適だろうということで現場の技師に任せたそうです。できたものは、素人から見るとちんぷんかんぷんだったそうです。その会社はそのことで、取説がいかに大事な商品であるかを再認識し、それからは専任の部署を立ち上げ、エンジニアの協力を得て、その部署の責任において消費者に分かりやすい取説をつくることにしたそうです。つまり、専門家が良い、と評価するものと、一般人が良いと評価するものは同じとは限らないという例です。上記の航空管制システムの調達先の話に似ています。

上記の本に軽く登場しますが、Jean-Paul Nerrièreという人が globish という用語を発明しました。globalに通じるEnglishという意味なのでしょう。これの仲間があってpidgin English というもの。本来の英語を元に、まるで教育のない商売人同士が取引し、交渉し、決済するときの共通言語のことをpidgin Englishと言います。pidginとはbusinessという言葉を広東語話者が発音したときに、非広東語話者に聞こえる音がbusinessではなくてpidginなのだそうです。それが語源だと言われています。(もしかすると、厳密な意味では pidgin English/globishには大きくて明白な違いがあるのかも知れませんが・・・)

cf Globish (Nerrière) | wiki

これを英語のニュースで見ると、例えば、CNNで登場する英語とPBS(アメリカの公営放送)で使われる英語の差です。CNNは大前提として、チャキチャキの英語を話すオーディエンスに対して放送していますが、PBSの方は移民、教育水準の低い人、早口の英語を苦手とする老人たちを想定して、より一般的なオーディエンスを念頭においています。

このブログでは英語の文化的側面に注目することも、我々が目指すべき「英語」のくくりの中に時々入れますが、たまにこんな側面を再認識することも重要でしょうね。

ドン・トランプなしには、ただの外交ショーであるG7すら成立しないかの様です。それはともかく、急にアメリカからの報道では、アメリカがイランに対して軍事行動をとる可能性が急浮上してきました。これに関して今日は3つのpostをピックアップしましょう。

先ず第一に思い出すべきことは、アメリカ憲法では、交戦権の行使は議会の専任事項だということ。大統領にはそれを行う権限はありません。ここでいう交戦権の行使とは、宣戦布告をし、予算を付けて、兵、兵器を動員することです。ですが、ここしばらくアメリカは宣戦布告をすることなく外国で軍事行動を起こしてきました。アメリカが最後に宣戦布告をしたのは、WWIIです。その後の朝鮮戦争以降一度も宣戦布告をしたことはありません。一方、大統領は、陸海軍のcommander-in-chiefとして、軍事行動を起こすことを命令する権限を持っています。アメリカの軍隊は大統領命令があればただちに行動を起こさねばなりません。事実上、大統領が戦争を始めることができる、ということです。これを阻止するには弾劾するしかありませんが、普通はそれまで軍事行動は大方終了しているでしょう。この曖昧さは昔からずっと指摘され続けてきました。

bunker busterと呼ばれる兵器が地下深くの施設を爆撃できるようです。ただ、問題の核燃料加工サイトFordow, Iran は地下数十メートルにあるため、使用できるにしても1つのタイプGBU-57F/Bsのみに限定されるようです。これが1基10トン以上あるために輸送できるものがアメリカの持つ戦略爆撃機のみ、ということは、イスラエル空軍は輸送する能力がない、ということになります。つまり、bunker busterをイランに対して使うのであれば、それはアメリカが輸送し、アメリカが投下するしかない、ということです。艦船で最寄りの港まで輸送し、そこから地上の基地で爆撃機に積み込むしかないはず。(空母に搭載して、戦闘機で投下という選択肢はないはず。)添付の記事によるとChagos Islandsで保管だそうです。Chagosはインド最南端から南西に1000km位の場所にあります。赤道の南側ですね。

ここまで来るともうそれはイスラエルの軍事行動と呼ぶことはあり得ず、単にアメリカが参戦、ということになるでしょう。そこまでアメリカが介入(関与)する可能性は低いだろうと私は見ます。ただ、トランプは予測不能なところがありますので、anything goesかも知れません。

Lawmakers move to limit Trump's war powers as Israel-Iran war escalates  |  CBS news

What is a bunker buster bomb? US weapon could be key to destroying Iran’s nuclear sites | Independent

ただし、素人考えでも、複数の異なるタイプの爆弾を使って前座をやらせて、最後のトドメをラスボスのGBU57で刺す、という形でFordowを集中的に攻撃すれば目的を遂げられそうに見えます。イランにそれを防ぐだけの空軍力があるかですが、疑問に思います。ロシアにはイランを助ける余裕はないでしょう。

Bunker buster
  |  wiki   この兵器の歴史はWWIIまで遡るのですね。

昨日から引き続き、ヘンテコリンで気づかなさそうなフレーズを取り上げます。

【C】学習者から「えっ?」と驚かれそうな他の用例
私が知っているのは以下の3つです:
◆just because: just because の2語だけで、「返事」になってます。もしかすると full stop も入れるべきかも知れません。

A、B二人の会話例文を以下に:
A;Why did you go?
B:Just because.
A:なぜ行ったんだい?
B: 大した理由はないよ

これ、結構便利ですよね。とは言え、あまり話者の知性を感じさせないので、大事な時にはつかわない方が良いでしょう。調べた限りでは、辞書には出ていませんでした。

◆if that: この2語だけで not more than thatの意味。
I'll take five minutes, if that.
5分かかるかな、そんなにはかからないな。(せいぜい5分だな)

◆more like/more like it 意味は「こっちの方が良いな」=That's better
M-Wに例文がありますが、あまり良くありませんので、私なりにつくります。
You started dialog listening of American movies? That's more like it
映画のセリフの聴き取りを始めたんだって?そう来なくっちゃ

これらはすべて話し言葉で使われる表現です。別にあなたが知らなくても困った事にはならないでしょう。でも知っていたら必ず聞き取れるし、相手の心理状態がよくわかります。あなたが使えば話が生き生きとするでしょう。

他にももっともっとあるでしょう。私が使っていたノートから書き出しました。

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